ジロ・デ・イタリア出場暫定リスト… NIPPOの西村大輝も

5月11日から6月2日まで行われる第102回ジロ・デ・イタリア。主催する RCS/ラ・ガゼッタデッロスポルトが出場選手の暫定リストを発表した。出場22チームで、1チームは8人編成。日本選手は NIPPOヴィーニファンティーニの西村大輝が出場予定。イネオスにリストアップされたエガン・ベルナルは骨折により欠場

クリックすると拡大します。

主催者のピックアップした区間優勝候補

●総合優勝候補は前ニュースへ

エリア・ビビアーニがジロ・デ・イタリア第13ステージで優勝 © Marco Alpozzi – LaPresse
ガビリアがサガンとキッテルを見やりながらトップフィニッシュ © ASO
UAEツアー第4ステージはカレブ・ユワンが優勝 ©LaPresse – Fabio Ferrari
グルパマFDJのアルノー・デマールがスプリントで優勝 © ASO
ドゥークニンク・クイックステップのボブ・ユンゲルス ©BettiniPhoto
ロット・スーダルのヴィクトール・カンペナールツ
ボーラ・ハンスグローエのダヴィデ・フォルモーロ ©BettiniPhoto

🇮🇹ジロ・デ・イタリアの特集サイト

エガン・ベルナルが鎖骨骨折でジロ・デ・イタリア欠場へ

5月1日からチーム名称がイネオスとなり、その名を世界中にアピールする機会となる最初のメジャーレース、ジロ・デ・イタリアにエースとして参加するはずだったエガン・ベルナル(コロンビア)が直前の練習中に鎖骨骨折。レースを断念せざるを得なくなった。

イネオスのエガン・ベルナル ©Team INEOS

第102回ジロ・デ・イタリアは11日、ボローニャで開幕するが、ベルナルが負傷したのは4日。チームメートで前年の覇者であるクリストファー・フルーム(英国)は7月のツール・ド・フランスに照準を合わせるために欠場する予定で、22歳のベルナルがエースとしてジロ・デ・イタリアに初参戦するはずだった。

2010年のチーム発足以来、ツール・ド・フランスで6度の総合優勝を手中にしてきた英国のスカイは、スポンサーとなるテレビ局が撤退したことにより、月1日から英国の大手化学企業イネオスの名称に変更。前年の覇者フルームが大会を欠場することで、再出発となった強豪チームはエースナンバーをベルナルに託す計画だった。

ベルナルは今季パリ〜ニースで総合優勝。ジロ・デ・イタリア初制覇の可能性も高かった。ケガの回復を見て7月のツール・ド・フランスに復帰することが想定される。

ユーラシアIRCアカデミーが夏休みの欧州遠征を募集

「ユーラシアIRCタイヤサイクリングアカデミー」(JCF強化パートナー事業)が2019年夏の欧州遠征を企画。その参加者を募集している。今回から「高木秀彰サポートプログラム」が行われ、欧州レース経験のない(ナショナルチームでの活動は除く)選手を対象に参加費用の一部もしくは全額をサポートする。

ユーラシアIRCタイヤサイクリングアカデミー

同アカデミーも5年目を迎え、これまで60名以上のユース選手のサポートが行われ、10名の強化指定選手を輩出している。サイクリングアカデミーではレースに参戦するだけではなく、集団内での位置取りやトレーニングの組み方、またトレーニング、レースに関わらず走行中の事故を低減させるための指導に力を入れている。

参加するレースについて
出場するレースはU17(2003年1月1日~2004年12月31日生まれ)およびU19(2001年1月1日~2002年12月31日生まれ)のカテゴリーが対象。

スケジュール
インターハイの開催時期を考慮し、7月20日前後出国のグループと8月5日以降出国のグループに分ける。レース数に関して、U17は週に最大2レース、U19は3レースと規則があり、約2週間の滞在でU17は4レース、U19は5レースを予定している。

参加費(参考代金)
25~30万円
約2週間の生活費、活動費、航空運賃代金実費(15~25万円)含む
遠征の時期により航空チケット代金が大幅に変わるが、可能な限り効率的に低予算で実現できるよう努める。また今後の為替などの影響で参加費も変わってくる可能性がある。

参加人数
7月出発グループ U17とU19合計4~6名
8月出発グループ U17とU19合計4~6名

申し込み期限
5月8日 申請書送付依頼期限
5月10日 申請用紙送付期限(メールにて)
サイクリングアカデミーへの参加の可否は「申請書」によりお申し込みをいただいた後に、選考を行い誓約書へ記入及び送付していただき正式にメンバーが決定されます。申請書の送付の段階ではまだ参加は決定していません。

●ユーラシアIRCタイヤ サイクリングアカデミーに関する情報

問い合わせ及び申請用紙の請求先
teameurasia2009@gmail.com
橋川健

過去の参加者のコメント
2015年~2017年まで高校3年間毎年参加し、現在EQADSに所属しナショナルチームメンバーとしても活躍している蠣崎優仁選手

2017年の高校選抜を走る蠣崎優仁 ©Takagi Hideaki

高校の3年間の8月は、毎年必ずアカデミーに参加させていただきました。初めてベルギーのレースを走った時の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。日本とは「レベルが違う」のではなくて、「全く違う種目」なのだと感じました。ジュニアカテゴリーに上がった後も、ナショナルチームの活動がハードではありましたが、1レースでも多くヨーロッパで走りたいという思いで、アカデミーに参加させていただきました。
サイクリングアカデミーは、自分のキャリアに素晴らしい経験値を与えてくれました。簡単には実現できない、ヨーロッパでレースを走る機会を与えてくれたサイクリングアカデミーにとても感謝しています。
これからヨーロッパでプロの自転車選手を目指すジュニア・ユース選手にはぜひ、 サイクリングアカデミーでチャレンジして下さい!

故高木秀彰カメラマンの若手選手サポートプログラム

2017年10月に急逝したフォトジャーナリストの高木秀彰氏は、生前の遺志と家族の意向により、「若い選手の育成に役立ててほしい」とユーラシアIRCタイヤの活動に寄付。同チームはその全額を「サイクリングアカデミー参加者へのサポート」に役立てることを発表した。

フォトジャーナリストの故高木秀彰氏 ©Yuya Yamamoto

高木氏は日本の自転車競技の発展を願っていたとともに、「若い選手を応援したい」という強い意志で、国内のUCIレースやJプロツアーのみならず、地方のローカルレースや学連、高体連のレースまで多くのレースを取材し、若い選手の活躍を世に発信し続けていた。

元自転車プロ選手の橋川健が運営する「サイクリングアカデミー」は、ジュニアやU23の強化指定選手が多く輩出されるなど若い選手の意識改革、強化につながっている。ここにはチームユーラシアのみならず、国内クラブチームや高体連に所属する選手のエントリーも多く、若い選手やチームの共同体として欧州のレース活動を続けてきた。

しかし航空運賃代、滞在費、レースエントリー代などの個人負担があるため、金銭的な理由で参加を見送る国内トップの高校生が存在しているのが現状だった。今回の「高木秀彰サポートプログラム」により、対象選手の遠征費用の一部もしくは全額をサポートすることができるようになった。

サポート対象者
・全国大会もしくは相当するレースで入賞もしくは優勝しているジュニア男子選手(2001年1月1日~2002年12月31日生)
・ヨーロッパ参戦経験のないこと(ナショナルチームの活動を除く)

申請用紙を請求の上、必要事項を記入し申請用紙提出期限である5月10日までにお申し込みください。 サポート対象者がいない場合および寄付金が余剰した場合は、翌年に繰り越す。

ジロ・デ・イタリアの各区間距離が最終のものに修正

2019年5月11日から6月2日まで開催される第102回ジロ・デ・イタリアは、例年のように各ステージの距離が再計測され、最終のものに修正された。総距離は当初の発表より60kmほど長くなり、3578.8kmに。1ステージ平均170.4km。

2019ジロ・デ・イタリアのコースマップ(クリックで拡大)

2019ジロ・デ・イタリア日程

5月11日(土) 第1ステージ ボローニャ〜ボローニャ(サンルーカ聖堂)8km(個人タイムトライアル)★★★

5月12日(日) 第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 205km★★★

5月13日(月) 第3ステージ ビンチ〜オルベテッロ 220km★★

5月14日(火) 第4ステージ オルベテッロ〜フラスカーティ 235km★★

5月15日(水) 第5ステージ フラスカーティ〜テッラチーナ 140km★

5月16日(木) 第6ステージ カッシーノ〜サンジョバンニロトンド 238km★★★

5月17日(金) 第7ステージ バスト〜ラクイラ 185km★★

5月18日(土) 第8ステージ トルトレートリド〜ペザーロ 239km★★★

5月19日(日) 第9ステー リッチョーネ〜サンマリノ 34.8km(個人タイムトライアル)★★★★

5月20日(月) 休養日

5月21日(火) 第10ステージ ラベンナ〜モデナ 145km★

5月22日(水) 第11ステージ カルピ〜ノビリーグレ 221km★

5月23日(木) 第12ステージ クネオ〜ピネローロ 156km★★★

5月24日(金) 第13ステージ ピネローロ〜チェレゾーレレアーレ 196km★★★★

5月25日(土) 第14ステージ サンバンサン〜クールマイユール 131km★★★★★

5月26日(日) 第15ステージ イブレア〜コモ 232km★★★★

5月27日(月) 休養日

5月28日(火) 第16ステージ ローベレ〜ポンテディレーニョ 226km★★★★★

5月29日(水) 第17ステージ コンメッザデューラ〜アンテルセルバ 181km★★★

5月30日(木) 第18ステージ バルダオーラ〜サンタマリアディサーラ 222km★

5月31日(金) 第19ステージ トレビーゾ〜サンマルティーノディカストロッツァ 151km★★★

6月1日(土) 第20ステージ フェルトレ〜クローチェダウーネ・モンテアベーナ 194km★★★★★

6月2日(日) 第21ステージ ベローナ 17km(個人タイムトライアル)★★★ ★は難易度

ベルナルが新生イネオスのエース…ジロ・デ・イタリア5月11日開幕

5月11日から6月2日まで行われる第102回ジロ・デ・イタリア。総合優勝をねらう有力選手を、主催する RCS/ラ・ガゼッタデッロスポルトがピックアップ。バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)、サンウェブのトム・デュムラン(オランダ)、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)、アスタナのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)、そしてイネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)の6選手だ。

ビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ ©LaPresse

2013、2016ジロ・デ・イタリア総合優勝。2017年に総合3位となって以来、2年ぶりに参戦。2010ブエルタ・ア・エスパーニャ、2014ツール・ド・フランスと合わせて今大会唯一の三大大会覇者。34歳にして総合優勝の有力候補。ツアー・オブ・アルプスで総合3位になり、カナリア諸島でのトレーニングをこなして万全の態勢で乗り込んでくる。

「ジロ・デ・イタリアに向けた調整はいつもの通り。標高の高いところでトレーニングを積み、ツアー・オブ・アルプスで実戦に突入。そしてリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに出場。コンディションはいい感じで高まっている。短いタイムトライアルで始まる今年の大会は、総合優勝を争う有力選手にとってそれがキーとなってくる。

序盤戦は標高の高い山岳がないとはいえ、コースがとても難しいので過小評価するべきではない。だれもが第1週目から強さを見せつけたいという野望を持っているから、有力チームのキャプテンは驚くような動きをするかも知れない」(ニーバリ)

トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

トム・デュムラン © LaPresse -Gian Mattia D’Alberto

2017年の第100回ジロ・デ・イタリアで総合優勝した28歳。2016年大会が故郷とも言えるアペルドールン(オランダ)で開幕したのがきっかけで、ジロ・デ・イタリアとマリアローザの魅力に心を奪われたという。2018年はクリストファー・フルームと激闘して総合2位。今回は4年連続出場となる。

ニーバリとともに大会の優勝経験者として臨むが、これまでのマリアローザ着用日数は17日間で、ニーバリの記録にわずか3日少ないだけ。UAEツアーで6位、ティレーノ〜アドリアティコで4位。高地トレーニングキャンプをこなし、トップフォームで乗り込んでくる。

「常にジロ・デ・イタリアを念頭に置いてシーズンを戦っている。今回も偉大なレースであり、スゴいコースだ。激しい戦いになることが予想されるけど、そのための準備はできている。開幕地ボローニャにいい感じで乗り込むことができそうだ」(デュムラン)

プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

ティレーノ〜アドリアティコで総合優勝したプリモシュ・ログリッチェ ©LaPresse/Fabio Ferrari

スロベニア出身の29歳。その名前が初めて知れ渡ったのは3年前のジロ・デ・イタリア大会初日。オランダのアペルドールンで行われた個人タイムトライアルでトップタイムのトム・デュムランに100分の1秒のタイム差で2位になったときだ。ドイツ登録のサンウェブも事実上のオランダチームで、ログリッチェが所属するユンボ・ヴィスマとはライバル心がある。今回も両者が得意とするタイムトライアルの成績で3週間にわたるグランツールの戦い方が変わりそうだ。

今回の初日はボローニャのサンルーカ聖堂にゴールするヒルクライムタイムトライアル。ツール・ド・ロマンディーの前に参加した2レース、UAEツアーとティレーノ〜アドリアティコでログリッチェはだれにも負けていない。ジロ・デ・イタリア総合優勝は2019シーズン最大の目標と表明している。

「このジロ・デ・イタリアには素晴らしい選手が出そろった。マリアローザを獲得することがチーム最大の目標だ。タフなレースになるだろう。ボクに向いたコースだと報じられるけど、調子がよければだれにでもチャンスがあるコースだと思う。絶好調ならどんな山岳も行けるからね。個人タイムトライアルが3回あるのは、勝てるチャンスがある要因だ。山岳の要素も極めて多いのもボクは好きだ」(ログリッチェ)

サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)

サイモン・イェーツがジロ・デ・イタリア第6ステージでマリアローザ © Massimo Paolone – LaPresse

2018年に13日間マリアローザを守り続けた26歳は、それをきっかけに選手として新たな可能性を見出した。トム・デュムランやクリストファー・フルームには個人タイムトライアルでかなわないが、最大限の犠牲をもって1秒でも攻撃の手を緩めなかったことで、歴史に残るバトルに加わった。

しかしアルプスで陥落し、最終的に総合21位に。グランツール制覇に失敗したことを経験値とし、半月後にはブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝。今回のジロ・デ・イタリアで1年前のリベンジを期す。

「特別なことはせず、他のレースと同様にジロ・デ・イタリアに乗り込む。どんなレースでも勝つために挑戦するのが大好きだし、プロとして普通のビジネスだ。昨年のジロ・デ・イタリアとやり方はほぼ同じ。事前に走ったレース数もほぼ変わらない。アグレッシブに走りたいが、最終週はとても厳しいものになることが想定できるので、それを見越してシェイプしていきたい」(イェーツ)

ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

ミゲルアンヘル・ロペスが地元コロンビアで総合優勝 ©Maximiliano Blanco/Getty Images

2018年はジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位の表彰台に乗った25歳のコロンビア選手。シーズン序盤のステージレース2大会で総合優勝したのはログリッチェと同じ。ツアーコロンビアとボルタカタローニャだ。4月にはコロンビアに帰って高地トレーニングを積んだだけでなく、第一子の誕生を迎えた。2019シーズンは絶好調のアスタナチームにあって、押しも押されぬエースにまで成長した。山岳での走りが注目されている。

「ジロ・デ・イタリアの開幕を心待ちにしていた。昨年の成績は高いモチベーションとなったので、今年も同じくらいかそれ以上に活躍したい。少なくともチームは記憶に残るような成績を修めることが目標だ」(ロペス)

エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス)

イネオスのエガン・ベルナル ©Team INEOS

前年の覇者フルームが欠場し、22歳のルーキーがエースとしてジロ・デ・イタリア初参戦。2018シーズンはアシスト役としてフルームのジロ・デ・イタリア、ゲラント・トーマスのツール・ド・フランス総合優勝に大きく貢献していて、エースとして走るジロ・デ・イタリアでは最も注目されている。

イタリアとの縁は深い。ジュニア選手時代にイタリアのアンドローニジョカットーリ・シデルメックに所属してMTBレースを走っているからだ。2019シーズンはパリ〜ニースで総合優勝し、チーム名称を変更したディフェンディングチャンピオンチームのエースとしてボローニャ入りする。

【5月5日に追加されたニュース】エガン・ベルナルが鎖国骨折でジロ・デ・イタリア欠場へ

他の有力候補はボブ・ユンゲルス(ドゥークニンク・クイックステップ)、ミケル・ランダ(モビスター)、ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)ら。

🇮🇹第102回ジロ・デ・イタリアの特集サイト