ツール・ド・レスポワールで松田祥位が総合7位

U23日本代表の松田祥位(EQADS)が2月4日から9日までアフリカ大陸で行われたツール・ド・レスポワールで、2度のステージ入賞と総合7位の成績を修めた。その結果により、世界最大のU23大会出場権獲得に前進した。

ツール・ド・レスポワールのチームタイムトライアルを走る日本チーム

国別対抗のU23世界シリーズ「UCIネイションズカップ」の一戦、ツール・ド・レスポワール。2017年からUCI会長となったラパルティアン氏の肝入りで、アフリカ自転車界振興のために立ち上げられた大会だ。日本はもとより、欧州の常識さえも通用しない地での戦いは、選手たちを大きく成長させてくれる。

日本代表は冨尾大地、蠣崎優仁、石原悠希、渡邉歩、大前翔、松田祥位の布陣。松田は第2ステージと第5ステージで区間3位に入り、最終的に総合7位でフィニッシュ。日本に貴重なネイションズカップポイントをもたらし、U23版ツール・ド・フランスと呼ばれる「ツール・ド・ラヴニール(8月15〜25日)」への出場権獲得に大きく前進した。

第2ステージは前日のチームタイムトライアルで使われた9.1㎞の周回コースを10周するサーキットステージ。日本チームは個人総合成績で上位をねらう大前と松田をトップと0秒差でゴールさせることを目標とし、オプションとして集団スプリントになった場合は大前でステージ上位をねらう作戦でスタートした。

レースは気温35度の中、アフリカ勢のアタックがペースが繰り返された。中盤から11名が先行しチームからは石原が参加する。しかし石原はパンクのためメイングループに戻る。チームは先頭グループに参加していない他国とともに集団ペースを作りゴールを目指す。先行グループはゴール前1㎞で吸収され、大集団スプリント態勢になるが、危険回避の混戦の中、大前の牽引役だった松田が展開上そのまま3位になだれ込む結果となった。

そして第5ステージは日本CSC5kmサーキットを悪路にしたような厳しい周回コース。チームは総合9位につける松田の順位アップを目標にスタート。レースは序盤からアタック合戦でペースが上がり、集団も一気に40人程度に絞られる。チームからは松田と大前が残り、時折激しくなる展開に耐えながら終盤のアタックポイントを待つ。

中盤に単独で飛び出した2018年の同ステージ覇者のMUGISHA(ルアンダ)に対し、メイングループはステージ優勝を容認。エリトリアチームを中心にコントロールされながら進み最終回へ入る。ラスト5kmの登りで個人総合上位のエクアドル、エチオピア、松田がグループから抜け出しそのまま逃げ切り、松田は最終ステージを3位でゴール。個人総合も7位まで上昇させた。

今回、UCIネイションズカップポイントを15点獲得し、8月のU23版ツール・ド・フランス「ツール・ド・ラヴニール」への選出に向けて好スタートを切った。さらにはUCI世界ランキングポイントも23点獲得し、世界選手権U23参加枠獲得にも前進した。

VélobiciがPop Up Store in 中目黒を3月21日~24日開催

英国のサイクルウエアブランドVélobiciが「Vélobici Pop Up Store in 中目黒」を2019年3月21日から24日までの4日間、東京・目黒川の桜並木近くのスタイリッシュな貸し切りイベントスペースGALLERY ohhh!!!で開催する。

Vélobici直営店は大阪のショールームのみなので、Vélobiciユーザーにとっては関東での希少な機会となる。

GALLERY ohhh!!!(目黒区上目黒1-7-6)は東京メトロ中目黒駅から徒歩2分。当日はVBアンバサダーも来場、イベントも企画中。また21日には、この春自転車をテーマにした小説を発表するVélobiciユーザーでもある直木賞作家、熊谷達也さんも来場し、Kinofit木下智裕さんとのトークショーや書籍の即売&サイン会も開催。

Vélobici Pop Up Store in 中目黒
時間: 21日(木祝) 12時~21時 / 22日(金)~23日(土) 12時〜19時 / 24日(日)12時~16時

KINAN AACA CUP 2019 第2戦で中島康晴が4人の争いを制す

東海地区を転戦するサイクルロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」の2019年シーズン第2戦が2月10日、愛知県新城市・新城総合公園で開催された。最上位カテゴリーの1-1クラスには、ホストライダーとしてKINAN Cycling Teamが出場。レースはスタートから激しい人数の絞り込みとなり、4人による優勝争いに。最後は中島康晴がスプリント力の違いを見せつけ、シーズン初勝利を飾った。

KINAN AACA CUP 2019 第2戦を制した中島康晴 ©KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

同地区のロードレースのレベル向上を主目的としつつ、このところは全国各地から参加希望者が集まるハイレベルなシリーズに。2019年初めてとなる新城市での開催は、新城総合公園内に設定した1.5kmのコースが舞台。周回の前半は下り基調、後半は上りがメインのレイアウトとなり、レース終盤の駆け引きにどう影響するかがポイントとなった。また、コース内のいたるところに鋭角コーナーがあり、スピードに乗せた状態でいかにコーナーを抜けるかといったテクニック、そして集団内でのポジショニングも求められるものとなった。

今節はサイクルエンデューロイベント「新城ヴェロフェスタ」との併催だったこともあり、上位カテゴリーの1-1と1-2、キッズレースの3クラスを実施。ホストを務めるKINAN Cycling Teamからは中島のほか、山本元喜、椿大志、山本大喜、新城雄大、荒井佑太の6選手が出走。30周回・45kmで争われた1-1クラスに臨んだ。

椿のファーストアタックで幕を開けたレースは、序盤からハイペースで進行。レース距離が短いことやKINAN勢が中心のプロトン(大集団)の動きによって、ハイスピードで周回数を減らしていく。そうした状況下では散発するアタックが決まることはなく、自然とプロトンの人数が減っていく流れとなっていく。10周を終える頃に先頭は8人に絞られ、KINANからは中島と山本元が加わった。

中盤に入って先頭グループと後続との構図が固まると、前を行く8選手による駆け引きが激しさを増す。ここで積極性を発揮したのが、津田悠義(EQADS)。ライバルに隙があると見るや、次々とアタックを試みる。この動きを中島がチェックし、一時的に2人がリードする場面もあったが、河田恭司郎(ロードレース男子部)や山田拓海(飯田風越高)、さらには山本元も追いつき、追走を図る後続との差を広げていく。やがて山本元が後方へと下がると、先頭は中島、津田、河田、山田に絞られる。

この4人が好ペースを維持したままレースは後半を迎え、そのまま優勝争いへと進んでいく。たびたび仕掛ける津田に対し、中島らがチェックに入る状況が繰り返される。中島もチャンスをうかがうが、展開を変化させるところまでは至らず、ライバルとなった3人の動きを見ながら重要な局面に備える。4選手による勝負は、そのまま最終周回へと持ち込まれた。

河田や山田の牽引も見られ、それぞれのよさが光った戦い。互角の勝負とあり決定打は生まれず、争いはスプリントにゆだねられた。最終コーナーを並ぶようにして抜けてきたのは津田と中島。優位な態勢となった2人がそのまま突き進むが、ここはやはり経験に勝る中島のスプリント力が発揮された。好勝負を演じた3選手からしっかりとリードを奪い、トップでフィニッシュラインを通過。イベントと合わせて観戦に訪れた多くのファンの前で、ホストライダーとしての役目を果たした。

2位以下は津田、河田、山田の順。約50人が出走したが、アクチュアルスタート直後からサバイバル化したレース展開によって、完走者は10人ほどに。寒波によって吹き付けた冷たい風も、選手たちにとっては強敵になったといえそうだ。

このほか、レース後のポディウムでは、優勝の表彰に臨んだ中島による即席のじゃんけん大会に。勝者によるプレゼントをかけて、ファンやレース関係者が混じっての“熱戦”が繰り広げられ、閉幕までにぎわいが続いた。

バリエーションに富んだレースセッティングが魅力のシリーズ戦。第3戦は3月2日に、岐阜県海津市・国営木曽三川公園長良川サービスセンター前の特設コースで開催される。次節は1-3クラス、1-4クラス、個人タイムトライアルも行われ、多くの参加者で盛り上がることが期待される。エントリーも受付中。詳しくは、シリーズ公式ウェブサイトで。

中島康晴のコメント
「新城ヴェロフェスタとの併催で盛り上がる会場で走ることができ、とてもうれしかった。レースはテクニカルなコースとあって、前方でレースを展開することやアタックなどの積極的な動きを意識して走っていた。
(先頭グループでは)津田選手の動きが活発で、一緒に走っていて強さを感じていた。津田選手のアタックに合わせて、自分がカウンターで仕掛けてみるといった動きも試したが、河田選手や山田選手も強くて振り切るところまではいかなかった。できれば人数を絞り込んで勝負したかったが、残り2周でスプリントで狙うことに切り替えた。
1月にニュージーランドで開幕戦を迎えられたことで、よい感覚で走ることができている。現状としてはコンディションを上げている段階だが、ニュージーランドで結果を残せなかった悔しさも含めて、今日はしっかり走ろうと思っていた。この勝利を弾みに、春のレース、さらには5月のツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野までつなげていきたい」

ケイリンとチームスプリント2位のトラックW杯最終戦をNHKが放送

1月25日から27日まで香港で行われたトラックワールドカップ第6戦の模様がNHK BS1で2月15日(金)19時から同49分に放送される。緊急ニュースが生じた際は変更される可能性がある。

ラックワールドカップ第6戦の男子ケイリンで優勝したテオ・ボス(右)。左は2位河端朋之 ©2019 JCF

同大会では河端朋之がケイリンで2位に、雨谷一樹、新田祐大、深谷知広の3選手がメンバーとなったチームスプリントで2位になった。番組は両種目を中心に構成される。

トラックワールドカップ第6戦の男子チームスプリントで2位になった雨谷一樹、新田祐大、深谷知広 ©2019 JCF

NHK BS1の詳細サイト

国内マーケットは年間約1256億円…サイクリスト国勢調査2018

全国の15歳~69歳の男女1万人を対象にした「サイクリスト国勢調査2018」の調査結果が発表された。 

ツール・ド・ニッポン(一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン)が発表したサイクリスト国勢調査2018

同調査は全国サイクルツーリズム連携推進協議会(代表団体:一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン)として国土交通省観光庁 平成30年度「テーマ別観光による地方誘客事業」の一環として実施したもの。

サイクルツーリズムの国内におけるマーケットボリュームや効果的なセグメンテーションについての仮説を得たうえで、セグメントごとの思考/行動特性を明らかにすることが目的。結果については広く一般に公開し、地方自治体などがサイクリスト誘客に取り組む際に活用することを想定している。

■調査によって得られた結果(一部抜粋・数字は全て仮説であり推計値)
●15-69歳の男女のうちサイクルツーリズムを経験したことがある人の割合は53.2%。人数としては約4143万人。
●直近1年以内での経験者は20.3%。人数としては約1581万人。
●サイクルツーリズムの国内マーケット(インバウンド含まず)は年間約1256億円である。
●サイクルツーリズムで地域を訪れる際の予算は、1回あたり平均約3.1万円/人である。
●地域での消費行動においては「価格が安いこと」を最も重視する傾向にあり、「自転車を安全に保管できること」や「フリーWi-Fi」といった、設備面も重視度が高い。また「その土地ならではの名物」を求めている。
●走った地域について、84%が「自転車でまた走りに来たい」と思っている。77%が「この地域のことを友人にお薦めしたい」、69%が「自転車以外でまた観光しに来たい」と思っている。
●地域を選ぶ時に「土地ならではの景観・絶景を楽しめること」を最も重視する。
●サイクリストのセグメンテーションは「自転車の最頻用途」によって主に6つに大別できる。(詳細は調査サイトに掲載)

●サイクリスト国勢調査2018の結果ページ

リッチー・ポートのトレックはSRAM RED eTap AXS搭載

トレック・ジャパンは2019年2月7日より、カスタムプログラムProject Oneを通じて、SRAM(スラム)の新型電動コンポーネント、SRAM RED eTap AXSでアッセンブルされた完成車の提供を開始する。 これにより最新のフレーム、最新のコンポーネントで作られた世界に1台だけのバイクが入手できる。

シフトワイヤなどがなくなってシンプルな美しさを見せる

写真はトレック・セガフレードに移籍したリッチー・ポート(オーストラリア)のトレックバイク。発表されたばかりのSRAM社製SRAM RED eTap AXSが搭載されている。

●トレック・プロジェクトワンの詳細サイト

スラムも12段化。ワイヤレス電動変速メカだ
パワーメーターが内蔵されたフロント駆動パーツ
トレック・セガフレードに移籍したリッチー・ポートのネームが見える
スラムの最新ロードコンポーネントは当初ディスクブレーキ仕様が市場にデリバリーされる