ケアンズなら時差1時間…マラソンやMTBレースに参戦するのも悪くない

日本から1番近いオーストラリアの都市ケアンズで、日本人も参加できるマラソン、トライアスロン、自転車レースなどが開催されている。時差が1時間で、日本人には好条件。自然体験や観光だけにとどまらず、スポーツイベントもプランのひとつ。

ケアンズマラソン

2022年7月ジェットスターによる直行便の再開に加え、2023年6月にはヴァージン・オーストラリアによる羽田〜ケアンズ便の新規就航が予定され、アクセスがさらによくなるという。

ケアンズマラソン2023(7月16日開催)

フルマラソンの他にハーフマラソン、10km、5km、5kmウォーク、キッズも多く参加する2km ミニマラソンなどの種目に参加できる。海を眺めながらのフラットなコースは初心者から経験者まで楽しめる。

ケアンズマラソン

2022年の大会ではアンバサダーである福島和可菜さん・舞さん姉妹がレースに参加し、見事女子で1位と2位を受賞。

2023年はアンバサダーの福島姉妹をはじめ、日本からの参加者も含めた約2500人が参加予定。オンライン締め切りは7月14日(金)日本時間16:00、現地時間17:00まで、現地でのエントリー締め切りは開催前日の7月15日(土)16:00までなので、まだまだこれからのエントリーも間に合う。

クランクワークス ケアンズ マウンテンバイクフェスティバル ©Crankworx

●ケアンズマラソンのホームページ

クランクワークス(5月17〜21日開催)

クランクワークス ケアンズ マウンテンバイク フェスティバルは、2023年に開催される「クランクワークス 2023ワールドツアー」の中で2番目の開催地で、熱帯雨林のトラックで行われる レースが特徴。

ダウンヒル、デュアルスラローム、スロープスタイル、スピード&スタイル、公式オーストラリアウィップオフ選手権など、5日間にわたるイベントスケジュールはマウンテンバイク愛好家にとって見逃せない。

自由自在にマウンテンバイクを操り競い合う姿は、初めて見る人でも超人技だと分かるほど迫力満点。公式YouTubeでは、前回大会で優勝となったダイナミックな技を見ることができる。

●クランスワークスの公式YouTube

アイアンマンケアンズ
グレートバリアリーフ・マスターズゲーム ©GBRマスターズゲーム_1 (c)


福田穣が2年連続世界チャンピオン…追いつかれるまで逃げ続けるラン

ウィングスフォーライフ財団が日本時間の5月7日20時、全世界で一斉にスタートするランニングイベント「Wings for Life World Run(ウィングスフォーライフ・ワールドラン)」を開催。日本の福田穣が2022年に続き男子の世界チャンピオンに輝いた。

東京の明治神宮外苑大会がスタート ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

脊髄損傷の治療方法発見に取り組む研究の資金助成が目的

開催10回目となる2023年は192の国籍、計20万6728人が参加。 世界158カ国で同時にスタートし、福田が4時間11分後に69.01km地点で世界で最後にキャッチャーカーに追いつかれた。今回のイベントで集まった寄付金580万ユーロ(約8億7600万円)の全額は脊髄損傷の治療法発見のために使われる。

アプリの中でキャッチャーカーに追われる ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

ランニング後、福田は「Wings for Life World Runは、自分が走ることで走れない人のためになる素晴らしいレース。自分が好きな走るっていうことで人に勇気を与えられるから自分にとってとても特別なものです」と語った。

「今大会は2カ月前に怪我をし、思うように練習できなかったのでタフなレースになることは想定できました。しかし、勝ちたい気持ちがとても強かったので前に進めました」

福田穣が2年連続で世界チャンピオンに ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

Wings for Life World Runは通常のランニングイベントとどう違うか

世界中のランナーが一斉にスタートするだけでなくゴールがない。スタート30分後にキャッチャーカーと呼ばれる追跡車がスタートから走り出し、参加者たちを追いかける。アプリではバーチャルのキャッチャーカーを表示。キャッチャーカーは最初ゆっくり走り、所定の時間ごとにスピードを上げていく。キャッチャーカーに抜かれた参加者はレース終了となり、世界で最後まで残った男女に世界チャンピオンの称号が贈られる。

レッドブルアスリートでモータードライバーの笹原右京とMTBライダーの西窪友海も ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

大会は2014年に スタートし、2015年に渡邊裕子(56.33 km)、2016年に吉田香織(65.71 km) そして、2022年に福田穣(64.43km)が世界チャンピオンとなった。今大会は2連覇の福田(69.01km)とポーランドのKasia Szkodaさん(55.07km)が世界チャンピオンに輝いた。

モータードライバーの笹原右京も参加 ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

日本からはスマホアプリを使って普段のコースを走るアプリランと、アプリラン参加者が会場に集って走るアプリラン・イベント(全国6カ所で開催)に合計3200人が参加。 アンバサダーとして、現役時代に試合で脊髄を損傷し、それが原因で引退した元プロ野 球選手の赤星憲広さんが大会に参加した。

元プロ野球選手で脊髄損傷により引退した赤星憲広さんが大会アンバサダー ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

赤星さんはイベントについて「選手時代から車椅子の寄贈活動を続けてきましたが、皆さん『自分の足でもう一度立ってみたい』 『もう一回歩いてみたい』と仰っています。脊髄損傷を負った人の多くは回復を諦めておりますので回復への期待感があるだけでも全く違います。脊髄損傷の治療方法発見を目指しているWings for Life World Runに、このように参加させてもらってることは感謝しかありません。これから僕の役割は大きいなと思っています」とコメントした。

車いすYouTuberの渋谷真子さんは明治神宮外苑会場でアスカ製の WPAL-G(ウーパル)を使って歩行しながら大会に参加した。事後、渋谷さんは「外を歩くことができてすごく楽しかったです。本当にしんどかったですけど、皆さんすれ違う度に『頑張れ頑張れ』って言ってくださったので頑張れました。普段の生活ではない頑張り、体験ができてすごくよかったと思いました」と語った。

女優でマラソンランナーとしても知られる福島和可菜がアプリ内の日本語ナレーションを務めた ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

青学大出身の田村健人がウルトラトレイルマウントフジKAIで優勝

トレイルランナーの田村健人(たむらけんと)が4月22日、富士山麓の静岡県から山梨県にまたがるトレイルコースで行われたウルトラトレイルマウントフジ2023のKAI(距離69.4km)で2022年の記録を大幅に上回る6時間45分15秒で優勝をした。

田村健人

4月21日から30日の間、富士山麓のトレイルコースで行われる大会は4年ぶりに海外選手も受け入れ、2つのレース、FUJI(164.7km )とKAIを合わせて3452選手(うち海外246選手)が参加。過去最多数を記録した。

大会期間中にメイン会場となった「富士急ハイランドコニファーフォレスト」ではEXPO会場が開かれ、大会参加選手、応援者、家族などで賑わった。

田村健人がウルトラトレイルマウントフジ2023で優勝

田村のアイウエアをサポートするESS ブースでは、今季よりサポートを開始した鏑木毅が着用する「ESS CROSSBLADEシリーズ」、国内外で最も注目されているトレイルランナー上田瑠偉」シグネチャーモデルなどを展示。

田村健人

特に「ESS ハイデフブロンズレンズ」が薄暗い樹林帯の中でも木の根、岩などのトレイル特有の悪路が鮮明に見えると好評だった。大会の実行委員会会長の鏑木毅が急きょESSブースに登場し、レースを完走するためのポイントなどを話すトークショーを行うなど出走者にエールを送った。

箱根駅伝は走れなかったが青学大寮長として3連覇、大学駅伝三冠に貢献

ESS がサポートするトレイルランナー田村健人は、2回目の開催となるKAIに出場して2022年の記録を大幅に上回るタイム6時間45分15秒で優勝を勝ち取り、「ニューヒーロー賞」も受賞した。

田村は1994年5月22日生まれ、鳥取県出身、身長171cm。青山学院大学の陸上競技部出身。在学時は関東インカレハーフマラソンにチーム代表として出場、全日本大学駅伝の登録メンバーにも2度選ばれた。自身の出場は叶わなかったものの、4年時には寮長としてチームをまとめ、箱根駅伝3連覇、大学駅伝三冠に貢献。

卒業後は一般企業で働いた後、2020年1月から大学時代の1学年先輩であり、現在はプロランナーとして活躍する神野大地のマネジメント会社へ入社。当時の体重は現役時代よりプラス15kgだったが転職をきっかけにランニングを再開。知り合いのトレイルランナーから山での走りをほめられたことをきっかけにトレイルランナーに興味を持った。

2022年からトレイルランニングに本格参戦すると、奥信濃100-50kmの部で優勝、2023年ハセツネ30Kで3位など頭角を現す。現在は国内主要レースでの優勝と、日本代表として海外レースで活躍することを目標に掲げる。

●田村健人インスタグラム

薄暗い樹林帯の中でも明るく鮮明にトレイルが見える

田村が採用するESSクロスブレイドは「レンズの光学性能」「視界の広さ」「ずれない抜群のフィット感」「究極に曇りづらい強力な曇り止め加工(レンズ内側)」など、スポーツファッションブランドではパスをすることのできないミリタリーグレードの最高水準の製品。

●ESSのホームページ

競泳金メダリスト萩野公介がトライアスロンにデビューする

競泳金メダリストの萩野公介さんが5月21日に米国ハワイで開催されるメディロムホノルルトライアスロンに参戦する。

競泳金メダリスト萩野公介

萩野さんは2016リオデジャネイロ五輪競泳400m個人メドレー 金メダリスト。親交のあるパラトライアスリートの秦由加子や先輩の松田丈志がトライアスロンに出場してい るのを見て、自分も挑戦してみたいと思い出場を決めた。

大会の主催はアスロニアで、プロトライアスリートの白戸太朗とのトレーニングを経て、楽しくレースをしたいという思いを強めた。現役スイマーのころから愛用しているブリヂストンのロードバイクに乗る。

「自分の挑戦を見て一人でも多くの方がスポーツに限らず新しいことにチャレンジするきっかけになればうれしい」と萩野さん。

●メディロムホノルルトライアスロンのホームページ

赤星憲広が追いつかれるまで逃げ続けるラン大会アンバサダー

全世界で参加者が一斉にスタートして、追いつかれるまで逃げ続けるランニングイベント「Wings for Life World Run(ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン)」のイベントアンバサダーに元プロ野球選手で野球評論家、プロ野球解説者として活躍中の赤星憲広さんが就任した。

赤星憲広

脊髄損傷の治療方法発見に取り組む研究の資金助成を目的に全世界で一斉にスタートするイベント。日本時間の5月7日(日)20時スタートで、地球上で最後まで捕まらなかった選手がチャンピオンとなる。

2022年の東京でのアプリラン・イベントに参加した鬼塚雅と紀平梨花 ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

5年連続盗塁王、脊髄損傷で引退した赤星憲広さん

赤星さんは2000年に阪神タイガース入団。1年目に盗塁王と新人王を獲得し、2005年まで5年連続盗塁王を獲得。2007年に1000本安打を達成し、ゴールデングラブ賞を6度受賞している。

俊足を生かした全力プレーでチ ームを牽引したが、2009年に試合中のダイビングキャッチで脊髄を損傷し、同年惜しまれながら現役を引退した。

豊田スタジアム ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

足に病をかかえる一人のファンとの出会いをきっかけに選手時代から盗塁数と同数の車いすを寄贈する活動をしていて、2004年には社会福祉活動に貢献したプロ野球選手に贈られるゴールデンスピリット賞を受賞。少年野球普及とともに車いす寄贈活動を目的とした「Ring of Red ~赤星憲広の輪を広げる基金~」を設立して協力の輪を広げている。

豊田スタジアム ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

脊椎損傷治療法の発見という夢の実現に貢献したい

「Wings for Life World Run日本ナショナルアンバサダーに就任させていただきました」と赤星さん。

「私自身も現役時代に脊椎を損傷し、いまだに痺れが残っている状態です。私自身の経験やこれからの活動を通し、一人でも多くの方にWings for Life World Runを知っていただき、認知していただけるよう尽力したいと思います。アンバサダーとして、そして当事者としてさまざまな取り組みを行うことで、Wings for Life財団の“脊椎損傷治療法の発見”という大きな夢の実現に少しでも貢献できれば幸いです」

追いつかれるまで逃げ続けるワールドランに出てみた

追いつかれるまで逃げ続けるランニング大会、Wings for Life World Runが2021年5月9日、UTC協定世界時午前11時、日本時間で20時にスタートした。新潟県南魚沼市の会場に集まった参加者とともに精いっぱい逃げた。今回はそのレポート。

東京マラソンが4年ぶりに従来規模の3万8000人を集めて開催

東京マラソン2023が3月5日に東京都内で開催され、4年ぶりに従来の定員数3万8000人のランナーが参加した。大会は16回目。

東京マラソン2023は新宿にある東京都庁前をスタート

エリートレースでは国内のトップ選手が集結し、白熱した戦いとなった。マラソン男子はエチオピアのデソ・ゲルミサが、女子はケニアのローズマリー・ワンジルが優勝。車いす男子はスイスのマルセル・フグ、女子はマニュエラ・シャーがともに大会記録で優勝。

16回目の開催となった東京マラソン2023は、4年ぶりに従来の定員数3万8000人のランナーが参加

男子はアフリカ勢がハイレベルな争いで大混戦

マラソン男子はゲルミサがモハメド・エサ(エチオピア)との激しい競り合いを制し、2時間5分22秒で初優勝した。2位のエサは同タイム。

スタート時の天候は曇り、気温8.5度、湿度48%。それほど気温は上がらず、ランナーにとっては走りやすい条件下だった

ゲルミサは「アボット・ワールドマラソンメジャーズ」の大会で初制覇となり、「東京で走ることは夢だった。神のご加護もあって、優勝できることができた」と喜びを噛みしめた。

ペースメーカーの外れた30kmから先頭集団はけん制し合い、少しペースを落とした展開になった。集団は37km付近で一気にペースアップし、10人程度から6人に絞られた。ラスト1kmを切っても大混戦の6人のままで、残り500mで4人となり、最後の曲がり角では三つどもえの大接戦に。

マラソン男子はエチオピアのデソ・ゲルミサが優勝

直線に入り、ゲルミサとエサのデッドヒートとなり、ゲルミサがわずかにリードし、フィニッシュした。

「競り合いは非常に激しいものでした。エサにはスピードがあると知っていた。簡単なことではなかった」と振り返り、「また東京に戻ってきて走りたい」と笑顔で語った。

ツェガエ・ゲタウェウ(エチオピア)が2時間5分25秒の3位。2時間3分36秒の自己記録を持つシサイ・レマ(エチオピア)は25km過ぎで途中棄権した。

山下一貴(三菱重工)が日本勢トップの2時間5分51秒で7位に

日本勢は2選手が2時間5分台をマークするハイレベルなレースとなった。3度目のマラソンとなる山下一貴(三菱重工)が日本勢トップの2時間5分51秒で7位に入った。40km過ぎに大迫傑(Nike)を引き離し、日本歴代3位となる好記録をマーク。

「最後の角を曲がるときに時計があって、2時間5分30秒と見えたので、これは5分台を出せるなと思って頑張りました」とトレードマークの笑顔を浮かべた。

3度目のマラソンとなる山下一貴(三菱重工)が日本勢トップの2時間5分51秒で7位に入った

其田健也(JR東日本)も日本歴代4位となる2時間5分59秒の8位でフィニッシュ。「順位としては満足していませんが、自己ベストを更新できたので、最低限の走りはできたと思います」と好記録にも日本勢2番手となり、悔しさをのぞかせた。

また、東京2020オリンピックの後、一度は現役を退き、国内で約1年7カ月年ぶりのマラソンとなった大迫は2時間6分13秒の9位。パリ2024オリンピックの日本代表選考会として開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得した。

女子は青森山田高出身のワンジルが世界歴代6位

女子はワンジルが世界歴代6位となる2時間16分28秒で初優勝した。前半からハイペースを刻み、ハーフを1時間8分14秒で折り返した。後半になってもペースは変わらず、自己記録を1分32秒上回った。両手を挙げて満面の笑みでフィニッシュし、その後も両膝を突いて、お辞儀を繰り返し、全身で喜びを表現した。

一山麻緒(資生堂)、松田瑞生(ダイハツ)、細田あい(エディオン)がしのぎを削った女子

日本にはなじみが深く、青森山田高を経て、2022年まで実業団の「スターツ」に所属していた。第二の故郷で見事な走りを見せ、レース後は日本語で記者会見に臨んだ。

「このタイムで走れるとは思わなかったです。30kmからも調子がよかった」と振り返り、「走っているとき、すごい応援をしてくれていた。本当にありがとうございました」と声援を送った日本のファンに感謝した。

ツェハイ・ゲメチュ(エチオピア)は世界歴代8位となる2時間16分56秒の好タイムで2位。3位はアシェテ・ベケレ(エチオピア)で2時間19分11秒。

海外からの参加者もコロナ前の数に戻った

松田瑞生が因縁の一山麻緒を破るも日本新が果たせず悔し涙

日本勢では、日本記録の更新を狙った松田瑞生(ダイハツ)が2時間21分44秒の6位に終わり、フィニッシュの後、「悔しい」と涙を流した。記者会見では「これからも挑戦し続ける姿を見せられるように、努力を続けたい」と今後も日本記録に挑む姿勢を示した。

「ONE STEP AHEAD」を大会コンセプトに掲げた東京マラソン2023

細田あい(エディオン)は2時間22分8秒の7位、一山麻緒(資生堂)は2時間31分52秒の14位。

車イスマラソンは男子19、女子6選手が参戦。マラソンよりも5分早くスタートを切った

東京マラソン2024は2024年3月3日に開催される予定。

●東京マラソンのホームページ