ルツェンコ金、別府史之が銀…アジア競技大会男子ロードレース

インドネシアで開催されているアジア競技大会は6日目となる8月23日、自転車男子ロードレースが行われ、カザフスタンのアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)がゴール勝負で先行した別府史之(トレック・セガフレード)をわずかに制して金メダルを獲得した。最後は5人の争いになり、中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)が先頭をけん引して、別府をアシスト。

アスタナのアレクセイ・ルツェンコ © Luca Bettini/BettiniPhoto

25歳のルツェンコは2012年にU23世界チャンピオンになった逸材。2017ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝。2018ツアー・オブ・オマーン総合優勝。カザフスタンのアスリートオブザイヤー受賞者。

画像と詳細はのちほど掲載。

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与那嶺恵理は女子ロードレースで3位…アジア競技大会

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与那嶺恵理は女子ロードレースで3位…アジア競技大会

インドネシアのジャカルタとその周辺で開催されているアジア競技大会は5日目となる8月22日、自転車女子ロードレースが行われ、与那嶺恵理(ウィルグ・ハイ5)が銅メダルを獲得。唐見実世子(弱虫ペダルサイクリング)は20位。優勝は韓国の羅亜凜で、2位に1分20秒差をつけた独走勝利。与那嶺は3選手による2位争いで2番目にゴールした。

アジア競技大会自転車女子ロードレースを走る与那嶺恵理 ©2018 JCF

女子ロードはスバンの街をスタートして、アップダウンを含む折り返しのあるコースを90kmほど走ってから15kmの登りでフィニッシュとなる104.4kmで争われた。日本チームは与那嶺をエースとして、最後の登り口までは集団で進めたいという戦略。各国の参加選手は最大2名のため逃げを許してしまうと追走できるチームが限られるため有力国の逃げには少人数でも注意をしなければならなかった。

スタートと同時に地元インドネシアの選手がアタックして5kmほどで50秒ほどのタイム差をつける。その後タイム差が1分、2分と広がっていく。集団は有力国から選手を出していいペースで進むが、タイム差は広がっていき3分差となる。唐見が中心となり集団のペースを作りインドネシアの選手とのタイム差が広がり過ぎないように注意する。

最初の40kmが追い風でUターンしてからは向かい風になるため、後半にゆっくりタイム差を詰めて勝負どころの登りまでに1分差以内に詰め寄れば問題のない状況ではあったが、60km地点から先頭の選手が大失速して2分以上の差がわずか10kmでなくなり集団は一つになる。そこから韓国や中国を中心にアタック合戦となり、唐見だけではなく与那嶺もこれらに対応して集団は一つで登り口に入る。登りに入ると与那嶺と韓国の羅がペースを上げて最初の1kmほどで先頭集団は一気に7名に絞られる。

この中にはスプリントに強い選手が複数名入っているため与那嶺と羅がペースアップでふるいにかけるが、登りには緩くなる区間や下り区間もあるため集団はそこからは大きく崩れない。その中で羅が抜け出し、与那嶺が追走グループを引っ張る。この動きで優勝候補の1人ベトナムのNGUYEN Thi Thatが遅れて、追走は与那嶺を含む3名のグループとなる。与那嶺はスプリント力のある中国のPU Yixian、香港のYANG Qianyuを引き連れて羅を追うが追いきれない。そのまま羅が独走で優勝し、与那嶺はスプリント力のある2人を相手に冷静に立ち回り、PUにゴール前で抜かれたものの3位を確保し銅メダルを獲得した。

アジア競技大会の自転車女子ロードレース、2位のゴール勝負で与那嶺恵理(左)が先着を許す ©2018 JCF

与那嶺恵理のコメント
唐見さんがやってほしいこと、やらないといけないことをわかってくれていたので、スムーズにレースを進めることができた。最後の登りでは、表彰台は3人なので、ついてくる選手が2人になるまで引き続けようと考えていた。一人多く4選手の集団となってしまったが、韓国が協調してくれたことはよかった。しかし残り5kmで韓国で逃げられてしまった。その時点で表彰台ねらいに頭を切り替え、最後のスプリントでは中国にまくられることはわかっていたので、貪欲に先駆けして表彰台をねらった。
金メダルをねらいにきたが、なにもなく帰るよりも銅メダルを持って帰ることができてよかった。明後日に個人タイムトライアルもあるので、また頑張りたい。明日、試走をして最後の機材選択をしたい。

唐見実世子のコメント
スタートアタックした選手は簡単に捕まるだろうと思っていたが、どんどん差が開いてしまったことが予想外だった。中盤を過ぎても追いつかないので、脚を使って追い始めたら意外にも早く捕まってしまったのがチームとして失敗だった。最後の山の麓で捕まえられるのが理想の展開だった。
逃げが吸収されて集団が一つになってからは、与那嶺さんに脚を使わせたくなかったので、集団の後方で脚をためていた香港や中国がカウンターアタックできないくらいのペースで登り口までずっと引いて、あとは与那嶺さんに勝負を託した。

アジア競技大会自転車女子ロードレースで3位になった与那嶺恵理(右) ©2018 JCF

23日は男子ロードレースが行われ、別府史之(トレック・セガフレード)と中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)が出場する。

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アジア競技大会自転車ロードレースの日程と日本代表選手

第18回アジア競技大会ロードレースの日程

左から唐見実世子、与那嶺恵理、中根英登、別府史之 ©2018 JCF

8月22日(水)
女子個人ロードレース=午前10時スタート、距離100km
 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリング)
 与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)
8月23日(木)
男子個人ロードレース=午前10時スタート、距離150km
 別府史之(トレック・セガフレード)
 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
8月24日(金)
女子個人タイムトライアル=午前9時スタート、距離20km
 与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)
男子個人タイムトライアル=午後2時スタート、距離40km
 別府史之(トレック・セガフレード)

日本時間はプラス2時間=現地午前10時スタートは日本時間正午スタート

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第18回アジア競技大会のハッシュタグ  #AsianGames2018

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MTBクロスカントリーの沢田時は6位…アジア大会自転車競技

第18回アジア競技大会は2018年8月21日、自転車競技の最初の種目としてMTBレースが行われ、日本からは沢田時(ブリヂストンサイクリング)が男子クロスカントリーに出場し、6位でゴールした。優勝は中国の馬皓。開催場所はインドネシアのスバン。日本からクロスカントリー女子とダウンヒル競技への選手派遣はなし。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子の沢田時 ©2018 JCF

インドネシアの首都ジャカルタから激しい渋滞を抜け、MTB競技会場近くの宿舎に到着したのは16日深夜。沢田は現地入りして食事が合わずに体調を崩してしまったが、前日の20日には回復して当日を迎えた。コースは1周4.5kmのサーキットを7周する。コースはパイナップルやバナナ、レモン畑の中や、廃墟の中を通るなど普段あまり使われない環境を含むレイアウトの特設コース。ジャンプなどの縦の動きのあるセクションはないが、コースは作り立てで踏み固められていなく、やわらかい砂や竹の橋などがあり、難しくはないが記憶しないとスムーズに走れないレイアウト。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子の沢田時 ©2018 JCF

当初は8周予定だったが、前日深夜に7周回へと変更された。21日13時30分、薄曇りの中、沢田は1列目左側からスタート。スタート後200mでコースが自転車1台分まで狭くなるために、選手全員が飛び出す形でスタートが切られる中、沢田は6番目と少し出遅れた形になったが、次の登りで2番手まであがりレースは始まった。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子 ©2018 JCF

優勝候補のキリル(カザフスタン)が1人で抜け出す形で2周目に入り、6人の2位グループでレースを展開。この6人集団はイラン2選手、中国2選手、韓国、沢田というメンバーで、1位のカザフスタン選手と10〜25秒差でレースは進んだ。3周目の後半、6人の2位集団で中国、イラン、韓国の選手が落車して、2位集団は沢田、イラン、中国の3人に絞られた形に思えた。しかしここから中国2選手が一気にジャンプアップ。また沢田は下りで単独落車してしまい、5周目には1〜2位中国、3位カザフスタン、4位イラン、5〜6位沢田とイランという形に。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子 ©2018 JCF

5周目以降は先頭と2位との差が次第に開き、沢田もイラン選手から遅れて単独6位でファイナルラップへ。最終周もそのまま順位は変えられず6位でレースを終えた。
「今回は大切なレースでコンディションを合わせられず、本人含めチームとしてとても悔しい結果となった。今回の結果を踏まえ日々のトレーニングの励みにしていきたいと思う」と鈴木雷太コーチ。

ゴールした沢田時を迎える鈴木雷太コーチ ©2018 JCF

第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)
開催国/インドネシア
開催期間
8月20日(月)〜21日(火)=MTBクロスカントリー
8月22日(水)〜24日(金)=ロードレース
8月25日(土)=BMXレース
8月27日(月)〜31日(金)=トラックレース

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中根英登が骨折の新城幸也に代わってアジア競技大会ロード代表に

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中根英登が骨折の新城幸也に代わってアジア競技大会ロード代表に

アジア版のオリンピックとして開催されるアジア競技大会の男子ロードレース日本代表に、負傷した新城幸也(バーレーン・メリダ)に代わりNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの中根英登が選出された。男子ロードレースは8月23日にインドネシアのジャカルタ近郊で開催される。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの中根英登

4年に一度のアジア大会。18回目となる今回は8月18日から9月2日までインドネシアのジャカルタとパレンバンで開催される。そして今回は2020年の東京オリンピック前、最後のアジア競技大会となるため、例年以上に大きな注目を集めている。

自転車競技はMTB、ロードレース、BMX、トラックの各種目が開催される。ロードレースは個人タイムトライアルを含め、8月22日から24日までジャカルタ郊外のスバン(Subang)を拠点としたコースで行われ、男子ロードレースは23日10時スタート、150kmのコースで競われる。150kmのコースは平坦基調だが、フィニッシュ地点に向けてゆるく登っていくのが特徴。

日本からは別府史之(トレック・セガフレード)と新城が代表選手に決定していたが、新城が8月13日にオランダで開催されたビンクバンクツアー初日に落車し、ヒジを負傷。アジア競技大会への参加を見送る形となり、代わりに中根が代表選手に選出された。

中根は1月にミャンマーで開催されたアジア選手権にも日本代表として選出されていたが、体調不良によりレースに出走できなかった悔しさもあり、「今度こそは日本代表として日本の勝利のために全力を尽くして戦いたい」という。

アジア競技大会における日本人選手の成績は、近年では1998年タイ・バンコク大会で飯島誠、2010年中国・広州大会で宮澤崇史がそれぞれ銀メダルを獲得。日本人選手による優勝は1951年、1978年の2回。

中根英登のコメント

中根英登

急きょ、アジア競技大会の参戦が決まりましたが、まずはじめに、新城選手の早期回復を願っています。4年に1度のアジア大会で日本代表選手として戦えることを光栄に思います。また日本代表のエース・新城選手の代わりとして自分がレースを走るということに大きなプレッシャーを感じていますが、そのプレッシャーを力に変えて、自分の持ち味を発揮する準備はできています。日本代表チームが優勝できるよう頑張ります!

第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)
開催期間/2018年8月23日(木)ロードレース男子
開催国/インドネシア
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第18回アジア競技大会に新田祐大、新城幸也ら自転車競技日本代表

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第18回アジア競技大会に新田祐大、新城幸也ら自転車競技日本代表

アジア大陸のオリンピックと位置づけられる第18回アジア競技大会がインドネシアの首都ジャカルタとその周辺で開催される。日本自転車競技連盟が自転車競技の日本代表を発表した。大会は8月18日(土)に開幕して、9月2日(日)まで行われる。自転車競技は4カテゴリーで、東京五輪が2年後に迫っていることからトップクラスの選手が派遣された。21日(火)にMTBクロスカントリーが行われ、ロードレースは22日(水)から24日(金)、BMXが25日(土)、トラックが27日(月)から31日(金)まで。

●トラック短距離
新田祐大(競輪選手)
脇本雄太(競輪選手)
雨谷一樹(競輪選手)
深谷知広(競輪選手)
前田佳代乃(京都府自転車競技連盟)
太田りゆ(競輪選手)
●トラック中距離
近谷涼(ブリヂストンサイクリング)
一丸尚伍(ブリヂストンサイクリング)
橋本英也(競輪選手)
沢田桂太郎(日本大)
今村駿介(中央大)
吉川美穂(ライブガーデン・ビチステンレ)
中村妃智(日本写真判定)
梶原悠未(筑波大)
鈴木奈央(競輪選手)
橋本優弥(鹿屋体育大)
●ロード
別府史之(トレック・セガフレード)
新城幸也(バーレーン・メリダ)
唐見実世子(弱虫ペダルサイクリング)
与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)
●MTB
沢田時(ブリヂストンサイクリング)
●BMX
長迫吉拓(MXインターナショナル)
吉村樹希敢(GAN TRIGGER)
畠山紗英(日本体育大)

第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)
開催期間/2018年8月21日〜31日(自転車競技)
開催国/インドネシア
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