ニュージーランド・サイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2)は1月13日、マスタートン〜テ・ワラウ-アドミラル・ヒル間の155.5kmで第3ステージが行われ、キナンレーシングはドリュー・モレが4位、ライアン・カバナと新城雄大がリタイアした。
大会最難関のアドミラル・ヒルの頂上にフィニッシュする重要な1日は、ドリュー・モレが4位でフィニッシュ。個人総合では5位に浮上。残り2ステージでさらなるジャンプアップを目指す。
開幕からの2ステージは連続での上位フィニッシュで、久々の南半球のレースでも存在感を発揮。ライアン・カバナが個人総合2位につけていることもあり、上位チームとしてプロトン内での位置取りを優位に進めている。
迎えた第3ステージは、この大会で最も難易度の高い山頂フィニッシュステージ。これまでの2日間と同様にマスタートンを出発したのち、起伏のある大周回を時計回りに2回。その後反対に1周回。最後に迎えるアドミラル・ヒルの上りは約10km。ところどころ短い下りもあり、細かい変化が上位争いにどう作用するかも見ものとなる。
そんなクイーンステージを前に、前夜から出場選手に体調不良者が続出。KINANメンバーも例外ではなく、腹痛や吐き気を訴える選手が出る。各チームが難しい状況となっていながら、レーススタートを迎えた。
リアルスタート後に4人が飛び出してリードを始めると、リーダーチームのボルトンエクイティース・ブラックスポークプロサイクリングがメイン集団のペースメイクを開始。ペースが落ち着いたことで体調を崩している選手たちも何とか食らいつくが、登坂区間が始まると徐々に脱落。KINAN勢もこの2日間順調だったライアンと新城雄大のレース続行が厳しくなり、中盤に入る前にバイクを降りている。
これで4人となったKINAN勢だが、レース展開が淡々と進んでいることもあり、重要ポイントに向けて着々と状況を整えていく。最大で約5分まで広がった先頭4人とのタイム差もリーダーチームを中心に着実に縮めて、勝負のアドミラル・ヒルへと進んでいった。
いよいよやってきた最後の上り。各チームが主導権争いを繰り広げる中、集団のペースメイクを担ったのがKINANメンバー。孫崎大樹、山本元喜が牽引役となってスピードアップを図って、ドリューとトマ・ルバを前線へと引き上げる。その後ペースが緩んだタイミングで2選手がアタック。メイン集団との差が広がるのを見てドリューが追撃に出ると、数人で第2グループを形成。さらにその後ろではトマが続き、上位進出を図る。
結果的に上りで抜け出した2選手のステージ優勝争いとなり、終盤追い込んだドリューは26秒差の4位。続いて、トマが実質のメイン集団でのフィニッシュとなり8位に。KINAN勢は途中でメンバーを失うピンチがあったものの、上位2選手を送り込む意地を見せた。
これらの結果により、個人総合でもドリューは5位に浮上。トップとの総合タイム差は36秒となっている。なお、体調不良の影響からか、このステージだけで17選手が今大会のプロトンから去っている(未出走、タイムアウト含む)。
翌14日の第4ステージからは、首都ウェリントンへと舞台を移動。ここまでは内陸部の丘陵地帯を走ってきたプロトンだが、次はウェリントン湾を見ながらの10.5km周回コースを12周する126kmのレース。平坦基調でスプリントフィニッシュが予想されるが、細かいコーナーが多いレイアウトとあり、集団内での位置取りが勝負を分けることになりそうだ。
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