急な競輪出走に備えて最低でも80%の力を出せるように…福田真平

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いているが、KINAN Cycling Teamの福田真平は競輪を主戦場としながら、かつてスプリンターとして鳴らしたロードレースにもシーズン中は数回参戦。国内プロチームによるトラックレース対抗戦「バンクリーグ」でも活躍している。マルチな才能を発揮する同選手に現在の競輪界の動向や日々の生活、今後の目標などを聞いた。

福田真平

-ご家族も含めて、みんな元気に過ごせていますか?
みんな元気です。最近は家で過ごす時間が増えたので、ゆっくりできています。

-現在の競輪界の動きについて教えてください
無観客で開催しているところもあれば、都市部を中心に中止の判断をした競輪場もあります。全体的にはかなり限定された状態で行われている感じです。自分のケースでは、4月上旬の豊橋競輪場開催は出走しましたが、その後予定されていた青森と奈良は緊急事態宣言が発令されたことで中止になりました。次戦は5月8日からの名古屋になります(※)。※名古屋競輪場での開催は予定通り行われ、福田は3日間・計3レースを走った。

-開催中止の際の連絡はどのような形で送られてくるものなのですか?
斡旋されているレースの最終的な開催可否はメールで送られてくるようになっています。青森の時は前検日(レース開催前日に行われる身体検査や車体検査)の2日前に連絡がありました。奈良の時は緊急事態宣言が発令されてから少し経っていたので、開催1週間前には中止の連絡を受けました。名古屋開催については緊急事態宣言が延長されるかどうかで変わるかもしれなかったですが、その時点では(あらゆることを総合して)走れるのではないかなと思っていました。

-無観客レースを経験して、走りや気持ちの面での変化はありましたか?
自分の場合は3月のレースから無観客だったのですが、正直なところ選手間でも「開催して大丈夫なのか?」といった半信半疑な状態で開催期間を過ごしていました。そうしているうちに国内外での感染が拡大していったので、「あぁ、やっぱり…」といったムードが漂いましたね。競輪場内ではマスク着用を徹底していましたし、食堂ではバイキング形式だったのが取り分けられた状態で配られたり、サラダ用のドレッシングを誰かが手にするたびに容器を消毒するなど、できる範囲での感染防止対策がなされていました。

無観客レース自体はミッドナイト競輪でも経験していますし、普段の開催を考えても、自分たちA級選手はモチベーションや全体の雰囲気に対して大きな変化は感じていないと思います。ただ、S級選手はミッドナイト競輪を走ることがないですし、大観衆の中で走る経験もあるでしょうから、何らかの違いは感じているかもしれませんね。個人的には「1着を獲る」という仕事そのものに変わりはないので、モチベーションが下がるといったことはまったくなかったですね。

バンクリーグ2019第2戦・松阪ラウンド(2019年8月30日)を戦う福田。バンクリーグではチームのエース格を担っている

-現在トレーニングはどのように行っていますか?
基本は自宅でのローラートレーニングですね。バンクでのトレーニングも許可はされているのですが、どうしても選手間で密集してしまいかねないので、いまのところはそれを避けています。

-1日の過ごし方には大きな変化が出ていますか?
トレーニングに割く時間はそれほど変わっていなくて、屋外よりローラーに乗っている時間が長くなったかな、というくらいですね。それほど大きな変化は感じていません。

-ローラートレーニングをはじめとする室内活動では、映画や音楽など、どんな“燃える要素”を取り入れていますか?
そのときどきで使い分けています。最近は多くのサイクリストがZwiftを取り入れていますが、自分も同様に固定ローラーとを組み合わせてトレーニングに生かしています。それとは別に、3本ローラーを用いてのトレーニングも行っています。そんな時はツール・ド・フランスや昔のワンデークラシックのレース映像を観ながら取り組んだりしています。

-自転車に限らず、日々なにおか楽しみを見つけていますか?
子供がとても元気で、外で遊びたい欲求が強いのですが、この状況下ではなかなか連れ出すことができません。そこでいろいろと考えて、最近流行っている「ベランピング」にチャレンジしてみることにしました。簡易のテントなど道具をそろえて、ベランダに設置してみたら子供が大喜びしていました。思っていた以上にお出かけ気分を味わえて、「こんなのもアリだな」と自分も楽しむことができています。

-「Stay Home」が叫ばれる中で、なにか健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
自宅で長い時間過ごしていると、ついついお菓子に手を伸ばしてしまったりで、なにかしら食べていることが多くなってしまいますね。そこをグッとこらえて、食べ過ぎないようにはしています。あと、セルフケアできる時間がこれまで以上に確保できているので、最近はストレッチポールに乗ることが増えました。

-レースに目を向けて、現状でどのような目標やビジョンを持って活動をされていますか?
競走が急に中止になってしまうこともあるので、場合によっては目標にしていたレースがなくなってしまう、なんてことも考えられます。ただ、競輪はロードとの体のつくり方が異なりますし、通常であれば年中レースが行われていて、ときには開催直前に急遽出走が決まるといったケースもあります。なので、基本的にはいつどんなことがあっても80%の力は最低限出せるようにしておかないといけないと思っています。そこがロードとの大きな違いでもありますね。最低でも80%はいつでも出せるようにしておかないと、競輪の世界では戦えないですね。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。その通りにいけばバンクリーグやロードでも活躍の場があると思います。どんな走りがしたいか、意気込みをお聞かせください
バンクリーグは自分がしっかりやらないといけない戦いなので、常に勝負できるよう競輪のトレーニングと並行して準備を進めていきたいです。ロードに関しては、体重を含めて体が競輪仕様になっているので、どのレースに呼んでもらえるかで調整方法を変えていく必要がありますね。そのなかでも、シマノ鈴鹿ロードレース クラシック(8月30日開催予定)のような平坦系のレースであればきっちり走れると思うので、ロードの中では結果を求めていくレースになってきます。ロードをメインに走っていた時から鈴鹿は得意にしていましたし、昨年も位置取りがはまって勝負に絡むことができました。そのほかのロードレースに関しても、機会をいただけるならしっかり調整して臨みたいですね。2カ月あれば仕上げられると思うので、コツコツと時間をかけて作り上げていきたいと思います。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年5月3日

●キナンのホームページ

キナンから自宅でできる宿題…1 week challenge動画配信

KINAN Cycling Teamがサイクリストにとどまらず、全世界の人々をターゲットに健康増進やストレス解消方法の提案をしていく動画を5月11日から7日連続で配信していく。

山本元喜の極めて元気なプッシュアップ

新型コロナウイルス感染拡大にともない、国内外のロードレースシーズンは中断中で、KINAN Cycling Teamもチーム単位でのトレーニングとレース活動を休止。個人活動を継続している。ゴールデンウィークが明け、感染状況は鈍化の傾向にあり、全国的に種々の活動自粛に段階的な検討がなされているところだが、緊急事態宣言が延長されるなど、まだまだ予断を許さない状況が続いている。

短時間でだれでもできるトレーニングメニュー

そんななかでのKINAN Cycling動画。その名も「1 week challenge」。“自宅でできる宿題”として、所属選手のうち7選手が日替わりでトレーニングメニューを紹介。短時間かつ負担の少ないメニューに特化しているので、性別や年代を問わず気兼ねなくトライできる内容に仕上がっている。

7日間続ければチャレンジコンプリート。5月11日から1週間、連続して動画を公開していく。コンプリート後は継続して日々各メニューに励むもよし、お気に入りのメニューにひたすら励むもよし、自身でメニュー内容をバージョンアップさせるもよし、1週間の“宿題”が自宅での軽い運動を楽しむきっかけになってほしいという。

7日間のラインナップ
Day 1(5月11日) 山本元喜 プッシュアップ
Day 2(5月12日) 新城雄大 体幹トレーニング前の呼吸法
Day 3(5月13日) 中島康晴 プランク
Day 4(5月14日) 福田真平 首・肩のストレッチ
Day 5(5月15日) 荒井佑太 股関節のストレッチ
Day 6(5月16日) 椿大志 スクワット
Day 7(5月17日) 山本大喜 脚のストレッチ

動画はKINAN Cycling Team公式YouTubeチャンネルにアップするほか、同公式ウェブサイトでも見ることができる。

総体中止の中高生にかける言葉を常に考える…荒井佑太

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いているが、KINAN Cycling Teamは選手・スタッフとも日々前向きに、シーズン再開の日を待つ。そんなチームの様子を届るインタビュー。今回は荒井佑太。

荒井佑太

荒井はチームで唯一、フルタイムワーカーとして業務に励みながら、トラックとロードの一線で競技に取り組んでいるメンバー。現在における競技と業務の現状、シーズン再開への思い、そして今後の目標などを聞いた。

-元気に過ごせていますか?
体調はばっちりです! トレーニングも仕事も、まったく支障なく取り組むことができています。

-現在トレーニングはどのように行っていますか?
新型コロナウイルスの感染拡大によって外出制限が出る以前と比べても、トレーニング方法そのものは変わっていないというのが実のところです。終業後か出勤前の朝の時間をトレーニングに充てていて、例えば終業後のトレーニングであれば自宅のローラー部屋でZwiftトレーニングを行っています。

-1日の流れについて教えてください
まず、出勤前に1時間ほどのトレーニングを行います。これはウエイトトレーニングが主です。午前8時30分から午後5時15分まで勤務して、普段であればそこからロードトレーニングに出ることもありますし、業務の都合で帰宅後にZwiftでトレーニングする日もあります。

-現在のお仕事について教えてください
福井県の県立高校で事務員をしています。学校の運営全般にかかわっていて、県からの予算で授業を充実させるためのお金の割り振りをしたり、入学式や卒業式をはじめとした学校行事の準備を先生たちと行っています。

-仕事と競技の両立を図る中で、コロナ騒動前と現在とで大きく変わった部分はどこが挙げられますか?
文部科学省の方針に合わせて学校現場が動いているので、刻一刻と変化する状況への対応にエネルギーを使ってしまっていて、いざトレーニングとなっても質の高いメニューができていないのが実情です。練習時間に関して、コロナ騒動前に確保できていたものが今では難しくなっているので、どうしても「短時間で高強度」という内容になってしまいます。

-こうした状況下で、モチベーションはいかにして保っていますか?
モチベーションに関してはまったく落ちることがないですね。僕の場合はKINAN Cycling Teamに所属して、そこに居場所を置くことで得られる経験値や価値観への対価を求めています。この先きっとバンクリーグが控えているのだと思えば、さらなる刺激が得られることをイメージしながらトレーニングへと向かえるので、自然と高いモチベーションを維持できています。

-ウエイトトレーニングやローラートレーニングといった室内活動では、映画や音楽など、どんな“燃える要素”を取り入れていますか?
ローラーであればZwift画面を観ながらになりますが、ウエイトトレーニング中に流す音楽にはこだわっています。それは洋楽のラブソングで、トレーニングで興奮状態の中、熱くなる音楽だと気持ちまで疲れてしまうので、ラブソングを流して心を満たしながら取り組む…これがお気に入りです。もう1つ、これは洋楽ではないですが、玉置浩二さんが好きで、玉置さんの曲であればウエイトはどこまででもいけます(笑)

-自転車に限らず、日々なにか楽しみを見つけていますか?
最近は油絵を描くことと読書にハマっています。油絵はアートの本を読んだことがきっかけで、自分の中にときめくものがあるとすぐに行動したくなるので、美術の先生に相談しながら画材をそろえてみました。なにかテーマをもって描くというよりは、自分の中から湧き上がってくるものをそのまま筆に移らせている感じですね。ただ、作品が全然完成しなくて…鋭意制作中です(笑)

2019年4月のJプロツアー・東日本ロードクラシック。トレインを牽引するのが荒井佑太 ©Syunsuke FUKUMITSU

-「Stay Home」が叫ばれる中で、なにか健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
個人的なことになりますが、職場ではアルコール消毒の使用と常時換気を徹底しています。それと、最近は通勤時に限定してランニングにも取り組み始めています。往復で10kmほどの距離ですが、ラン通勤しています。体を動かすという目的もそうですが、自転車とは違う動きを取り入れて、そこから得られるものに期待をしています。

-食生活で気を付けていることはなにかありますか?
練習量が減っているからといって、食事をコントロールしたりということはないですね。心がけていることを挙げるとすれば、毎食必ずフルーツを食べることでしょうか。ビタミンをしっかり補給することを意識しています。

-レースに目を向けて、シーズンが予定通りであれば、この時期はどのような目的のもと活動するビジョンをお持ちでしたか?
バンクリーグに向けて、競輪場でのトレーニングが多くなっていたと思います。本来であれば、日照時間が長くなるこれからの時期は競輪場でしっかり走り込んでバンクリーグに備えるはずでした。現在、競輪場は閉鎖されていて、バンクでのトレーニングができない状態です。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。これからはどこを目標に据えて取り組んでいきますか?
昨年1年間、KINAN Cycling Teamの一員として走って、自分にできることとできないこと、チームから求められていること、それらを感じ取ることができました。それをもとに、いまは短所の改善より、長所を生かすことに重きを置いて取り組んでいきたいと考えています。例えば、ロードであれば50kmまでの集団牽引ですね。この「50km」というところを重視していて、昨年の東日本ロードクラシック(※)で経験したような、短い距離でもチームに貢献できる働きを意識しています。また、バンクリーグやトラックのレースであれば、ポイントを獲得しに行く動きが求められているので、スプリントのキレが重要になってきます。
※2019年のJプロツアー・東日本ロードクラシックでは、スタート直後から50km地点までの集団コントロールを担当。レースを構築する役割を担った。

-中学・高校年代のスポーツでは、総合体育大会が中止になるなど活躍の場が失われている現状ですが、そんな彼らにどんな言葉をかけたいとお考えですか?
部活動指導員としての役割もあって、まさに大きな問題に直面しているところです。高校3年生は競技力を生かして大学進学を目指すのか、競技に見切りをつけて就職活動へシフトしていくのか、岐路に立たされています。そんな彼らにどんな言葉をかけられるだろうと常に考えています。正直、自転車にかけてきた生徒たちに伝えにくいことではありますが、やはり自転車だけがすべてではなくて、広い視野を持って、可能性が多くあるうちに進学なり就職なり、次のステージに進むことを最優先に考えるべきではないかとアドバイスしてあげたいと思っています。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年5月2日

●キナンサイクリングのホームページ

チャンスがあるならツール・ド・おきなわを狙いたい…新城雄大

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いているが、日々前向きに、シーズン再開の日を待ちながら過ごしている新城雄大にインタビュー。現在の生活、シーズン再開への思い、そして今後の目標などを語った。

新城雄大 ©Syunsuke FUKUMITSU

-元気に過ごせていますか?
体調は問題なく、順調に日々を過ごしています。

-現在トレーニングはどのように行っていますか?
寮を基点に、1人でトレーニングを行っています。

-あらゆる面で自粛が求められている中、1日をどのように過ごしていますか?
いまは好きな時間に起きて、食後にトレーニングを行って、その後はゆっくり過ごしている感じですね。毎日それの繰り返しです。

-こうした状況下で、モチベーションはいかにして保っていますか?
レースのない時期が続いているので、正直モチベーションの上がり下がりは全然気にしていなくて、実際のところ「無」の状態ですね。トレーニングに関しても強度を上げることなく、体力が落ちないことを意識してやっています。むしろ、モチベーションを上げることより、ストレスをためないことを重視していますね。気ままに、楽しくやっています。

-自転車に限らず、日々なにか楽しみを見つけていますか?
これまでと変わりなく、アニメを観たり、漫画や小説を読んだりしています。ただ、新型コロナウイルスの影響で、観たかったアニメや映画の公開が遅れているのだけは残念に感じています。

-「Stay Home」が叫ばれる中で、なにか健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
お風呂で汗をかくことでしょうか。家の中で運動といってもできることが限られてしまうので、代わりとして、長めにお湯に浸かって代謝を上げるのが効果的ですね。それと、自分がおすすめしていることとして、朝起きてすぐと寝る前にお白湯を飲むことを挙げたいです。これも代謝を上げるのに効果的で、体の調子を整えるのにぴったりの方法です。

新城雄大 ©Syunsuke FUKUMITSU

-食生活で気をつけていることはなにかありますか?
食べ過ぎないことくらいですかね。体重が増えすぎないように気をつけてはいますが、特段なにかに気を遣って…ということは今はないですね。

-レースに目を向けて、ニュージーランドとオーストラリアで走ったシーズン序盤戦を振り返って、どんな走りができましたか?
2年連続でオセアニアでのシーズンインになりましたが、昨年はチームとして苦戦を強いられたので、今年はもっと戦えるようにとしっかり準備をして臨むことができました。シーズン序盤としてはハイレベルな戦いができ、手ごたえをつかむことができたと思います。「さあ、これから」というところでシーズン中断になってしまったので、その点がもったいないですが、チームとして1年のよいスタートを切ることができたのではないかと感じています。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。これからはどこを目標に据えて取り組んでいきますか?
正直、シーズンが再開されるのかという疑問はあるのですが、常に体調を整えておくことは心がけて、チャンスがあるならツール・ド・おきなわ(11月)を狙っていきたいですね。そのために、ベースを固めていきながら、しっかりトレーニングを継続していけたらよいのではないかと考えています。地元開催のレースで絶対に獲りたいタイトルでもあるので、(腰の治療で出場できなかった)昨年の分もぶつけたいと思っています。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年4月24日

●キナンサイクリングのホームページ

熊野中止はショックだが全日本選手権に照準…山本大喜

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いているが、KINAN Cycling Teamは選手・スタッフとも日々前向きにシーズン再開の日を待ちながら過ごしている。そんなチームの様子をお届けするべく、いま世界的に叫ばれている「Stay Home」をキーワードに山本大喜にインタビュー。現在の生活、シーズン再開への思い、そして今後の目標を語った。

山本大喜

-ご家族も含めて、みんな元気に過ごせていますか?
家族全員元気に過ごしています。新型コロナウイルスに感染しないよう、できるだけ外出は控えて過ごすようにしています。

-現在トレーニングはどのように行っていますか?
レースがいつ行われるのかまだ分からないので、いまのところはオフシーズンに近い過ごし方ですね。筋力トレーニングであったり、昨年のツール・ド・熊野での落車以来体のバランスに左右差が出ているので、それを整えるトレーニングも行っています。熊野では左脚を負傷したのですが、復帰を急いだこともあって、体のバランスが悪いままレースを走っていました。それが修正されるよう、自分の感覚を頼りにしながら取り組んでいます。

-あらゆる面で自粛が求められている中、1日をどのように過ごしていますか?
最近は午前中に筋トレ、午後にライドして、あとの時間は家族で楽しく過ごしています。

-こうした状況下で、モチベーションはいかにして保っていますか?
レースの存在がモチベーションになることは確かですが、それ以外にも自分の能力を上げていくためにトレーニングすることが好きなので、メニューをこなして「昨日の自分より強くなっている」という実感がうれしくて前向きになることができています。日々進化する自分自身を楽しんでいます。

-自転車に限らず、日々なにか楽しみを見つけていますか?
娘がもうすぐ5カ月になるのですが、その成長を間近で見られるのがとてもうれしいです。一緒に散歩へ行くのも楽しいですし、自宅で遊んでいても楽しいですし…それが自分にとっては癒しでもあって、日々の生活を充実させられています。

©Syunsuke FUKUMITSU

-「Stay Home」が叫ばれる中で、なにか健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
家の中でじっとしているだけではストレスが溜まってしまうと思うので、簡単な筋トレやローラーをしたりというのが効果的だと思います。自分のストレス発散方法としては、食べることが好きなので、家族みんなで料理することでしょうか。いまは餃子づくりにハマっていて、作って食べることで気持ちをリフレッシュさせています。

-食生活で気をつけていることはなにかありますか?
シーズン中ほど気を遣ってはいませんが、もともと体重が増えやすい体質なので、シーズン再開時にウエイトコントロールに苦労しないよう注意しています。1月のシーズンイン時と比べて5kgほど増えているのですが、いつもであればシーズン中とオフとで10kgくらい違いがあるので、いまはうまく抑えられているかなと思いますね。食べることを楽しみつつも、食べ過ぎないようにだけは気を付けています。

-レースに目を向けて、ニュージーランドでのシーズン初戦を振り返って、どんな走りができましたか?
ニュージーランド サイクルクラシックでは個人総合トップ10を目指して臨みながら、結果的に15位と外してしまい、その悔しさを今も抱えています。逆にそれがよかった面でもあって、「もっと強くなって次のレースへ」という思いを持って走ることができています。また、このレースでは体のバランスがよくないことにも気づけたので、現在のトレーニングにつなげられていると思います。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。これからはどこを目標にすえて取り組んでいきますか?
ツール・ド・熊野を今シーズン最大の目標に設定していたので、中止の決定は本当にショックでした。正直、メンタル的にもきてしまったのですが、いまはもう、国内外の情勢からみて仕方がないと割り切ることができています。これからは、ロード全日本選手権を意識していきたいです。ナショナルチャンピオンジャージがかかっているレースで、この大会で一番になることの意味は大きいので、全日本に照準を定めて取り組んでいきたいと思っています。  

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年4月24日

●キナンサイクリングのホームページ

全日本が夏開催になれば暑さに強いのでチャンス…中島康晴

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いているなかでも、KINAN Cycling Teamの中島康晴は日々前向きに、シーズン再開の日を待ちながら過ごしている。そんな様子を届けるため、世界的に叫ばれている「Stay Home」をキーワードにインタビュー。現在の生活、シーズン再開への思い、そして今後の目標を語った。

-ご家族も含めて、みんな元気に過ごせていますか?
おかげさまでみんな元気に過ごせています。

-現在トレーニングはどのように行っていますか?
トレーニング時間を最大4時間30分程度にとどめて、免疫力を下げないよう強度を高めないことを心がけています。それと、トレーニング途中でのお店への立ち寄りは控えて、補給は事前に準備したものか、チームサプライヤーである「ATHLETUNE」のようなレースで使うようなアイテムを持って、限られた中で走るようにしています。

-あらゆる面で自粛が求められている中、1日をどのように過ごしていますか?
朝、子供たちを保育園に送り出して、その後トレーニングに出発します。走り終えてからは、子供たちを迎えに行って、あとは自宅で過ごしています。できることが限られてきて、自分だけではなく子供たちもストレスを抱えてしまうので、トレーニング以外の時間は子供たちと外で遊んだり、近所へ散歩へ出かけたりすることもあります。

-こうした状況下で、モチベーションはいかにして保っていますか?
いたしかたない状況であると割り切って、オフシーズンに近い過ごし方をしています。トレーニングに関してはオフに取り組むようなメニューに切り替えて、ベースを固めることを最優先して行っています。

「なんでレースができないんだ」と思ってしまうとどうしてもモチベーションが下がってしまうので、いまはとにかくベースとなるトレーニングに努めて、レースに直結するようなメニューは避けているイメージですね。コンディションを上げすぎないように心がけて、いざシーズン再開となった時に動き出せるよう下地づくりをしています。

同時に、バイクの上でのトレーニングだけでなく、さまざまなアスリートが「家でできるトレーニング」としてアップしている動画を参考にしながら、自分なりにトライしています。そうした意味では、いままでの自分になかったものを見つける時期だともいえそうですね。

©Syunsuke FUKUMITSU

-自転車に限らず、日々なにか楽しみを見つけていますか?
子供たちが成長してきたことも影響しているとは思うのですが、それほど気にとめていなかった身近なこと…例えば「あそこに咲いているあの花はなんだろう?」と一緒に考えてみたり…今までであれば「お花が咲いているね」くらいの感覚だったのが、身近にあるものの魅力を感じられるよい機会になっているのかなと感じています。

それと、越前市のふるさと大使を務めているのですが、「地元にこんなものがあったのか!」と新たな発見をする時間にもなっています。自宅で過ごすことが多いいまだからこそ、より近くにあるものに目を向けやすくなっていて、それが地元のよさを見つけられる機会にもなっているのでしょうね。

あとは、家族みんなでサイクリングに行くこともあります。1時間ほど近所をゆっくりと走るのですが、妻が「体がすごく温まった」と言っているのを聞くと、改めてサイクリングのよさや楽しみを実感できますね。

-「Stay Home」が叫ばれる中で、なにか健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
そうですねぇ…時刻表を買ってきて、それを開いて、「ここ旅行に行ってみたい!」という妄想をふくらませる健康法ですかね…(笑)。精神衛生的にもよくて、無限の可能性を秘めた楽しみ方じゃないですか!?(※)

まあそれは冗談として、健康を維持する方法としてはまず食生活が挙がりますね。楽しい食事で、なおかつ健康的であれば、腸内環境もよくなりますし、免疫力のアップにもつながりますからね。自分は料理はそれほど得意ではないのですが、家族みんなでキッチンに立って、洗い物を手伝うだけでも食事の楽しみにつながっています。具体的になにを食べたらよいかですか…納豆を食べましょう!

※無類の鉄道マニア。レースやトレーニングキャンプといった遠征に電車を活用することも多い

-食生活で気を付けていることは何かありますか?
納豆もそうなのですが、ナッツもよく食べていますね。確かに脂肪分が多めではあるのですが、栄養がありますし、体にいいので積極的に摂るようにしています。1粒あたり、奥歯で20回ずつ噛むようにすると、健康的かつ満足度も高まるのでおすすめです! 噛む力がつきますし、表情筋も鍛えられるので、ナッツはぜひトライしてみてほしいです。

-レースに目を向けて、ニュージーランドとオーストラリアで走ったシーズン序盤戦を振り返って、どんな走りができましたか?
レースを走ることで必ず課題が見えてきます。その課題を、トレーニングを通じて克服したうえで次のレースに挑むわけですが、1月と2月に大きなレースを走れたことで今の自分たちになにが足りていないのかを測ることができたのは大きいですね。これを実感できるかできないかの差はかなり違うと思います。シーズン再開に向けて、目指すところが明確なのはプラスに働くと思います。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。これからはどこを目標に据えて取り組んでいきますか?
暑いレースが得意なので、もしロード全日本選手権が夏開催になれば自分にもチャンスがあると思います。なので、当面は全日本を視野に取り組んでいきます。同じレースでも、本来の6月開催と時期や季節が異なれば、これまでとは違ったタイムの選手が上位争いに加わってくる可能性も十分にあるのではないかと思っています。それがまさに自分であったら最高ですね。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年4月20日

オンライン交流イベント「YouTube“ナカジ”ライブ」大成功!

4月22日にはオンライン交流イベント「YouTube“ナカジ”ライブ」を開催。約20分間、ファンからの質問に答えました。

 

●キナンサイクリングのホームページ