UAEツアーでワールドシリーズ33戦開幕…コロナ禍でどうなる?

自転車ロードレースの2021シーズン到来。UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアー全33レースの緒戦として、2月21日から27日まで中東のUAEでUAEツアーが開催される。ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポルトが大会運営し、放送権はIMGが統括。日本では有料インターネットチャンネルのGCN+で生中継される。スタート記念キャンペーンの50%引きを適用すると年間2750円。

2021UAEツアーに参戦する有力選手 ©LaPresse – Fabio Ferrari

コロナ禍と若手台頭、昨季はこの大会がすべての始まりだった

2020年2月23日に開幕した7日間のステージレースの主催者は大会6日目の早朝、参戦していたUAEエミレーツのチームスタッフ2人が感染したとして、残る2ステージをただちに打ち切った。

出場中だった新城幸也(当時バーレーン・マクラーレン、現バーレーンビクトリアス)を含む全選手がホテルに長期隔離された。しばらくしてUAEエミレーツのスプリンター、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)の罹患が発覚。このあと、自転車競技界もコロナ禍に巻き込まれていく。

アダム・イェーツ ©LaPresse

5ステージで打ち切られた大会は、その時点で首位にいたアダム・イェーツ(英国)が総合優勝者となった。同選手は今季、母国のイネオス・グレナディアスに移籍し、今回のUAEツアーには連覇をかけて乗り込んでくる。

「トレーニングはいい感じでこなせたが、レースで同じような走りができるとは限らない。チームはボクをサポートしてくれるが、ツール・ド・ラプロバンスで勝ったイバン・ソーサもいるので、2つのオプションがある」とイェーツ。
「チームには強いクライマーもいるが、この大会は個人タイムトライアルもあるので、ボクにはそれが不利となりそうだ」

ホームチームのUAEエミレーツはポガチャルが雪辱を期す

2020年の大会で区間1勝と総合2位の成績を修め、一躍トップ選手の仲間入りを果たしたのが、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)だ。21歳の若手選手だったが、そのシーズンは2カ月延期されて開催されたツール・ド・フランスで総合いきなり優勝した。そのポガチャルが今季の緒戦として選んだのが、チームが拠点を置くUAEツアーである。ポガチャルと同じチームに電撃移籍したスイスのマルク・ヒルシも今大会に初出場する予定。

「ツール・ド・フランスで総合優勝したけれど、選手としては変わっていない。今年も同じモチベーション、同じ集中力、同じ目標を持っている」とポガチャル。
「UAEツアーはホームレースなので、チームにとって本当に重要なイベントだ。昨年はここで2位に終わったのは少し残念だったが、今回は再チャレンジとなる」

タデイ・ポガチャル ©LaPresse

イネオス・グレナディアスからイスラエルスタートアップネーションに移籍したクリストファー・フルーム(英国)にとっても感慨深い大会だ。2019年、ツール・ド・フランス最多の5勝目を目指したが、直前の大ケガで参加できず。懸命のリハビリを行い、カムバックしたのが昨季のUAEツアーだった。今季は南米合宿をこなして現地レースに出場予定だったが、現地の感染拡大により大会が中止になり、移籍チームでの初レースはこのUAEツアーになった。

「レースを楽しみにしている。自分の弱点を修正するために米国カリフォルニアでいい冬を過ごした。リハビリは間違いなく昨年の今ごろよりもいい」とフルーム。
「もちろん総合優勝をねらって出場するわけではないが、本来の調子を戻せるようなきっかけとなる走りがしたい」

クリストファー・フルーム ©LaPresse

個人タイムトライアルの世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)は初出場。スプリンター勢はロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)、2020ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)、ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン(ドイツ)も出場。

フィリッポ・ガンナ ©LaPresse
アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ) ©LaPresse
トレック・セガフレードのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア) ©LaPresse
サム・ベネット ©LaPresse
パスカル・アッカーマン ©LaPresse

そして2020年の大会で自転車選手として最初に罹患したガビリア。シーズン中に2度目の感染を経験したがカムバック。この大会に懸ける意気込みはだれよりも強い。

昨季はコロナ禍が若手台頭を後押し

コロナ禍で開催される2シーズン目。1月にオーストラリアで開催予定だったワールドツアー2大会が中止となり、そのためUAEツアーが開幕戦となった。欧州では依然として感染が落ち着く兆しはない。国際団体は大会日程を平時のものに戻したが、中止あるいは延期も想定される。昨季は後半に主要大会が凝縮され、そんな強行日程が若手台頭を後押しした。

有料インターネットチャンネルのGCN+はスタート記念キャンペーンの50%引きを適用すると年間2750円。

●UAEツアーのホームページ

UAEツアーにフルーム、ポガチャル、A・イェーツ参戦

2月21日から27日まで中東のUAEで開催されるUAEツアーが出場選手を発表した。前年の覇者アダム・イェーツ(英国、イネオス・グレナディアス)をはじめ、2020ツール・ド・フランス総合優勝のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)、イスラエルスタートアップネーションに移籍したクリストファー・フルーム(英国)らが参加する。

2020年はアダム・イェーツ(右)とタデイ・ポガチャルが激しく争った ©LaPresse – Fabio Ferrari

ポガチャルは2020年のUAEツアー総合2位。ポガチャルと同じチームに電撃移籍したスイスのマルク・ヒルシが初出場する予定。

クリストファー・フルーム ©LaPresse – Fabio Ferrari
2020UAEツアー総合優勝のアダム・イェーツ ©LaPresse – Fabio Ferrari
タデイ・ポガチャル ©LaPresse – Fabio Ferrari

個人タイムトライアルの世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)はUAEツアー初出場。

タイムトライアルの世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ ©Fabio Ferrari/LaPresse

スプリンター勢はロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)、2020ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)、ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン(ドイツ)、UAEエミレーツのフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が出場。

カレブ・ユアン ©LaPresse – Fabio Ferrari
ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン ©LaPresse – Fabio Ferrari

UCIプロチームのアルペシン・フェニックスはマチュー・ファンデルプールを起用する。

マチュー・ファンデルプール ©LaPresse – Marco Alpozzi

●UAEツアーのホームページ

フルームのイスラエルチームデビュー戦サンフアンが中止

1月24日から31日までアルゼンチンで開催予定だったブエルタ・ア・サンフアンが新型コロナウイルス感染拡大により中止になった。南米大陸で走り込んでいた英国のクリストファー・フルームはイスラエルスタートアップネーションとしてのデビューレースの修正を余儀なくされた。

またボーラ・ハンスグローエのペテル・サガン(スロバキア)もシーズンインとなるレースを変更する。

アルゼンチンでは連日1万3000人前後の新規感染者が増え続ける状態が続き、大会主催者が選手や関係者の健康上の安全を図るため大会を中止にした。

スペインのチャレンジマヨルカは延期

欧州でも2021シーズンのメジャー開幕レースとして多くのトップチームが集結する予定だったスペインのチャレンジマヨルカが1月28日から31日まで予定していたレースの延期を決定。大西洋のマヨルカ島は現在フェーズ4の感染拡大に見舞われていて、50人以上が集まるイベントを開催することができず、レース開催を断念した。

同大会は30周年の節目となるシーズンで、主催者はUCI・国際自転車競技連合に5月13日から16日までの日程での再調整を打診したという。

●チャレンジマヨルカのホームページ

ログリッチが連覇…第75回ブエルタ・ア・エスパーニャ

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは最終日となる11月8日、ザルツエラ〜マドリード間の124.2kmで第18ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がイネオス・グレナディアスのリチャル・カラパス(エクアドル)を24秒差で振り切り、連覇を達成した。

総合優勝のログリッチを中央に左が2位カラパス、右が3位ヒュー・カーシー ©PHOTOGOMEZSPORT2020

優勝争いは大会初日にログリッチがステージ優勝して、深紅のリーダージャージ「マイヨロホ」を着用すると、カラパスとの奪い合いとなった。第6ステージでカラパスへ。第10ステージでログリッチとカラパスはタイム差なしで並んだが、着順の累計でログリッチが首位。I12ステージの山岳でカラパスがこれを奪い返したが、翌13ステージでログリッチのもとに戻った。

最終的なタイム差は24秒だったが、ログリッチは合計で48秒のボーナスタイムを獲得し、これに対してカラパスは16秒だった。タイムトライアルを含めて区間4勝を挙げたログリッチはゴールスプリントでも上位に入ってボーナスタイムを集め、これが総合優勝につながった。カラパスはステージ優勝なしだった。

左からポイント賞2位のカラパス、新人賞のマス、総合優勝のログリッチ、山岳賞のマルタン ©PHOTOGOMEZSPORT2020

「最後の走りをただただ楽しんでいた。コロナ禍で混乱したシーズンだったけど、こうなふうに優勝で締めくくることができたのは美しい」とログリッチ。

「いつもすべての勝利が美しいと言っているけど、勝つのは本当に難しい。だから2019年の初優勝と比較するのは難しい。(ツール・ド・フランスなど)勝てなかったレースはまだあるが、今日はまずお祝いしたい」

「特別な年であったし、みんなの健康を願っている。間違いなく主催者に感謝したいと思う。彼らはそれを実現した。レースは本当によく組織され、選手は毎日楽しかった。すべての選手、特にチームメイトに感謝したい。来年お会いしましょう」

ジュニア時代はスキーのジャンプ選手。スロベニア代表としてW杯長野大会に参戦したこともあるアスリートがツール・ド・フランス逆転負けの雪辱を晴らした。

完走を果たしたクリストファー・フルーム ©PHOTOGOMEZSPORT2020

3度目の総合優勝を目指したイネオス・グレナディアスのクリストファー・フルーム(英国)は大ケガからの復調が見られず、初日から低迷。エースの座をカラパスに譲ってアシスト役に徹し、3時間32分14秒遅れの総合98位で完走した。

アレハンドロ・バルベルデも最終日を楽しむ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

第75回大会は20日間の全日程を終えるとともに、コロナ禍で混乱した2020ロードシーズンも終幕した。

最終ステージは ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン(左)が優勝  ©PHOTOGOMEZSPORT2019
2連覇を達成したログリッチがチームメートとゴールを祝う ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のログリッチとユンボ・ビスマチーム ©PHOTOGOMEZSPORT2020

第17ステージにもどる≪≪

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

ニーバリかフルームか? バーチャルレースでマジバトル

自転車ロード界の最強16選手が5月23、24日にバーチャルレース「チャレンジ・オブ・スターズ」に挑戦する。ジロ・デ・イタリア主催者のRCSスポルトがインドアサイクリングのBKOOLとコラボして、時計のティソとイタリア電力公社のエネルを公式パートナーとしてレースをバーチャル開催。その模様はSNSで配信される。

クライマー部門に挑むビンチェンツォ・ニーバリ

バーチャルレースは8人のスプリンターと8人のクライマーが勝ち抜き形式のノックアウトトーナメントに出場して優勝を目指す。日本では視聴できないが国際的なテレビ配信が行われるという本格的なイベントだ。日本のファンは公式SNSでレース展開をチェックできる。

「1対1のノックアウトマッチに挑戦することは、これまであった仮想レースの中で革新的で予測不可能なものだね」とビンチェンツォ・ニーバリ。
「ボクたち選手が公道で開催されるリアルレースを待っている間、このフォーマットはファンにショーとしての話題を与えるし、偉大なチャンピオンと対決するという素晴らしい企画だと思う」

バーチャルレースは5月23日16.30(欧州中央時間=日本時間は23:30)に1回戦が始まる。mずは世界最強スプリンターが登場し、準々決勝、準決勝、決勝と行われる。

スプリンター部門は、イタリアのトスカーナ地方の田園地帯で1.2kmのコースを走る。平均勾配は0.97%、勾配値は最大2.53%。

5月23日の出場選手(スプリンター/ルーラー
パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)vsナセル・ブアニ(アルケア・サムシック)
ファビオ・ヤコブセン(ドゥークニンク・クイックステップ)vsマッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)
カレブ・ユアン(ロット・スーダル)vsティム・メルリエ(アルペシン・フェニックス)
マッテオ・トレンティン(CCC)vsフィリッポ・ガンナ(イネオス)

世界チャンピオンのアルカンシエルを着るマッズ・ピーダスン

翌日の5月24日には、ステルビオ峠の2.9kmヒルクライム。平均勾配は8.69%、最大は12.75%。

5月24日の出場選手(クライマー)
ヤコブ・フルサン(アスタナ)vsジュリアノ・チッコーネ(トレック・セガフレード)
ビンチェンツォ・ニーバリ(トレック・セガフレード)vsシモン・ゲシュケ(CCC)
ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)vsトーマス・デヘント(ロット・スーダル)
クリストファー・フルーム(イネオス)vsワレン・バルギル(アルケア・サムシック)

自宅でトレーニングするクリストファー・フルーム

「ボクたちがリアルレースに参加できないこの時期に、テクノロジーを使ってトップ選手がバトルするイベントに参加し、サイクリングファンにエンターテイメントをもたらすことは素晴らしいことだ」とクリストファー・フルーム。
「この新しいタイプのチャレンジを、このスポーツのトップライダーと対決することを楽しみにしています」

●チャレンジ・オブ・スターズのTwitter
●チャレンジ・オブ・スターズのfacebook
●チャレンジ・オブ・スターズのInstagram
🇮🇹ジロ・デ・イタリアの特集サイト