マリアローザのイェーツが区間2勝目…ジロ・デ・イタリア第11ステージ

第101回ジロ・デ・イタリアは5月16日、アッシジ〜オジモ間の156kmで第11ステージが行われ、個人総合1位のマリアローザを着るミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)が、追いすがる総合2位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)を突き放して区間勝利。第9ステージに続く今大会2勝目を挙げるとともに、デュムランとの差をさらに広げて第6ステージで獲得したマリアローザを守った。

マリアローザのイェーツがジロ・デ・イタリア第11ステージで優勝 © LaPresse – D’Alberto / Ferrari / Paolone / Alpozzi

トム・デュムラン。ジロ・デ・イタリア第11ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

この日は2017年の大会直前に交通事故死したミケーレ・スカルポーニ(イタリア、当時アスタナ)の故郷を通過するため、追悼ステージと銘打たれていた。チームメートだったルイスレオン・サンチェス(スペイン)が真っ先にアタックし、数人の第1集団を形成してゴールを目指したが、終盤でメイン集団に捕らえられた。

ゴールは丘の上にあるオジモへ。第4ステージで優勝しているロット・フィックスオールのティム・ウェレンス(ベルギー)が上り坂で抜け出すが、満を持してアタックしたイェーツに逆転される。デュムランも追走したが、マリアローザのイェーツを捕らえられなかった。イェーツはデュムランに2秒差をつけてゴール。ボーナスタイムは区間1位のイェーツが10秒、デュムランが6秒を獲得したことから、イェーツはこの日デュムランに6秒差をつけることになり、総合成績で47秒のリードとなった。

ジロ・デ・イタリア第11ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ティボー・ピノ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第11ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「ウェレンスのように激坂に強い選手がアタックしたらボクたちは追わないことにしていた。でもステージ優勝を取りたい他チームがこれを吸収しようと追走したので、最後はボクがそれにトライすることになった」とイェーツ。
「デュムランとのタイム差を開くことができたのがありがたい。彼はボクを追ってきたが、その調子はこれまでよりもよくなってきている。後半戦はもっと積極的な走りを見せると思う」

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マリアローザのイェーツ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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モホリッチがジロ・デ・イタリア第10ステージ優勝…イェーツ首位堅持

第101回ジロ・デ・イタリアは5月15日、ペンネ〜グアルドタディーノ間の244kmで第10ステージが行われ、バーレーン・メリダのマテイ・モホリッチ(スロベニア)が初優勝。総合成績ではミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)が首位を守った。チームメートで総合2位に位置していたエステバン・チャベス(コロンビア)は体調不良によってこの日最初の峠で先頭集団から遅れ始め、ゴールでは25分25秒も遅れることになり、総合39位に陥落。

ジロ・デ・イタリア第10ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

今大会最長のステージは、2017年1月18日に発生した地震により雪崩が直撃し、宿泊客と従業員の29人が死亡したリゴピアノホテルの跡地横を通過(関連ニュース)。地元出身のバルディアーニCSFのジュリオ・チッコーネ(イタリア)が先頭で、依然がれきが残るホテル跡地を通過していった。

地震による雪崩で多くの犠牲者が出たリゴピアノホテル跡地を通過 © Fabio Ferrari – LaPresse

ジロ・デ・イタリア第10ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

チャベスがメイン集団から脱落すると、サンウェブ、グルパマFDJ、スカイチームらがメイン集団をペースアップ。総合2位のチャベスを切り離すことに成功し、ミッチェルトン・スコットの2枚看板態勢を崩した。それでもイェーツは途中のスプリントポイントをトップ通過してボーナスタイム3秒を稼ぐなどで、この日終わって総合2位に浮上してきたサンウェブのトム・デュムラン(オランダ)との差を38秒から41秒に開いた。

ジロ・デ・イタリア第10ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse
マリアローザのイェーツとフルーム。ジロ・デ・イタリア第10ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

レース終盤は雨中戦となり、伏兵たちがアタックを連発。最後はモホリッチとAG2Rラモンディアルのニコ・デンツ(ドイツ)との一騎打ちとなり、23歳のモホリッチが先着した。2013年にU23の世界チャンピオンとなったモホリッチは2017ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝。
「ドメニコ・ポッツォビーボの総合成績を守ることが最優先のチーム戦略だが、その中でボクがステージ優勝をねらうことを容認してくれたチームに感謝したい」とモホリッチ。

マテイ・モホリッチがジロ・デ・イタリア第10ステージで優勝 © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「チャベスはこの日の最初の上りで調子が悪かった。休日明けのステージはカラダがどう反応するか分からないという怖さがある。チャベスがこの大会に備えてとてもハードに準備してくれていただけに、失望は隠せない。総合1位と2位にいることでさまざまな作戦が取れただけに残念。それでもボクらはマリアローザを持っているので、それを守り抜くことが重要だ」とイェーツ。

マリアローザを守ったイェーツ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

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●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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マリアローザのサイモン・イェーツがジロ・デ・イタリア第9ステージで優勝

第101回ジロ・デ・イタリアは5月13日、ペスコサンニタ〜グランサッソディタリア間の225kmで第9ステージが行われ、総合1位のマリアローザを着用するサイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)がグルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)ら総合成績の有力選手を抑えて区間勝利した。スカイのクリストファー・フルーム(英国)は1分07秒遅れ、UAEエミレーツのファビオ・アルー(イタリア)は1分14秒遅れで、総合優勝争いから後退した。

イェーツがピノを制してゴールへ。ジロ・デ・イタリア第9ステージ © Marco Alpozzi – LaPresse

イェーツはジロ・デ・イタリア初優勝。英国勢としては24勝目。イェーツはこれでマリアローザを4日間着用することになり、英国勢としてはマーク・カベンディッシュの記録に並んだ。

ジロ・デ・イタリア第9ステージ © Massimo Paolone – LaPresse

「自分自身の今日のパフォーマンスに驚きはない。すでにエトナ山で好調なことを感じていたから。出も今日のステージはとても長くてハードだった」とイェーツ。
「ドメニコ・ポッツォビーボがとても強かったし、ティボー・ピノもそうだ。トム・デュムランも依然食らいついているけど、彼に38秒差というのはこのあとのタイムトライアルを考えると十分ではない。その一方で有力選手に対してタイムを稼ぐこともできた。クリストファー・フルームは落車の影響でいい感じではないように思うが、ボクにはよく分からない。ファビオ・アルーが遅れたのも驚きだった。でもこの先は長いので、彼らは必ず復調してくると思う」

ジロ・デ・イタリア第9ステージでイェーツがステージ優勝 © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
区間優勝でマリアローザを守ったイェーツ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
記者会見後にゴールのスキーリゾートからテレキャビンで下山するイェーツ © Massimo Paolone – LaPresse

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●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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カラパスがエクアドル選手として初優勝。ジロ・デ・イタリア第8ステージ

第101回ジロ・デ・イタリアは5月12日、プライアアマーレ〜モンテベルジーネ・ディ・メルコリアーノ間の209kmで第8ステージが行われ、新人賞ジャージを着るモビスターのリカルド・カラパスが初優勝。エクアドル選手がジロ・デ・イタリアを含むグランツール(三大ステージレース)で区間勝利したのは初めて。総合成績ではミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)が首位を守った。

リカルド・カラパスがエクアドル選手として初優勝。ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「雨のためにレース終盤はみんなとてもナーバスになっていた。ちょっと混乱していたけど、ボクにとっては都合がよかった。有力選手ばかりの集団から10秒抜け出したときはみんががビックリしたと思うけど、ボクはいい状態の脚を持っていた。滑りやすい路面に注意しながらゴールを目指した」とカラパス。
「母国に自転車文化がないのはちょっとさみしい。この勝利がきっかけとなって、エクアドルの子どもたちが自転車に興味を持ってくれるとうれしい。ボクはジロ・デ・イタリアに初出場したエクアドル選手だと思うけど、子どものころはこんなハイレベルのレースでこの位置で走れるなんて考えられなかった。いまは新人賞のマリアビアンカをもっている。最終日のローマまではまだ長いが、できるだけ長くこのジャージを守り続けたい。

ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

この日のレースは序盤で7選手が第1集団を形成したが、マリアローザを持つミッチェルトン・スコット勢がメイン集団をコントロールして、終盤までにほとんどの選手を吸収。最後の上り坂になるとさらに逃げた選手らのタイム差は縮まり、残り1kmの手前でカラパスがアタック。先行していた選手を追い抜いてトップフィニッシュした。

優勝候補のクリストファー・フルーム(英国、スカイ)は上りコーナーで転倒したが、すぐに復帰してことなきを得た。グルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)は7秒遅れの区間3位でゴール。ボーナスタイム4秒を獲得して、総合成績を41秒遅れの4位に浮上させた。

ティボー・ピノがジロ・デ・イタリア第8ステージをゴール © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
雨中戦となったジロ・デ・イタリア第8ステージをゴールしたファビオ・アルー © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

3日連続でマリアローザを守ったイェーツ。英国勢がこれまで首位を堅持したのはマーク・カベンディッシュの4日間。
「想定していたよりも苦戦したのは雨のせい。でもドラマのような展開にはならなかった。ボクたちはいいリズムで、そしてスリップしないように安全に走ることができた」とイェーツ。
「3位までに入ってボーナスタイムを取りたかったけど、周囲を囲まれて抜け出せなかった。それでもとても調子がいいので、明日はまた違う展開ができると思う。フルームが落車で遅れたことは聞いたけど、彼のためになにかをする状況ではなかった。ゴール後にオーケーと言ってくれた」

ジロ・デ・イタリア第8ステージを終えて山岳賞ジャージを着るエステバン・チャベス © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

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●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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チャベスとサイモン・イェーツがワンツーフィニッシュ…ジロ・デ・イタリア第6ステージ

第101回ジロ・デ・イタリアは5月10日、カルタニセッタ〜エトナ間の164kmで第6ステージが行われ、ミッチェルトン・スコットのエステバン・チャベス(コロンビア)とサイモン・イェーツ(英国)がエトナ山の山頂ゴールにワンツーフィニッシュ。チャベスは2年ぶり2度目の区間勝利で、山岳賞ジャージを獲得。イェーツが総合成績で首位に立ち、初めてマリアローザを獲得した。英国勢がマリアローザを着用したのは4人目。

エステバン・チャベスとサイモン・イェーツがワンツーフィニッシュ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

この日は50km地点で28人の第1集団が形成されたが、この中にチャベスがいた。後続集団からも執拗にアタックが試みられ、最後のエトナ山の上りで次々と先行していた選手らを吸収。しかしチャベスだけが逃げ切った。残り1.5kmで後続集団からイェーツがアタックして、残り500mでチャベスに合流。最後はチャベスを先着させて同じチームの2人がゴールした。

ジロ・デ・イタリア第6ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

「ボクにとってもチームにとっても最高の1日となった。これまでのジロ・デ・イタリアのさまざまな思いを上りながら回想していた」とチャベス。2016年のジロ・デ・イタリアでは最終日の2日前までマリアローザを着用していた。最終日前日にビンチェンツォ・ニーバリに逆転され、52秒遅れの総合2位でフィニッシュ。2017年は腱炎などで失意のシーズンを過ごしたが、大好きなジロ・デ・イタリアにカムバックしてきた。
「最後に追いついてきたサイモンはこう声をかけてくれた。『カモン! キミがステージ優勝するんだ』とね」

サイモン・イェーツがジロ・デ・イタリア第6ステージでマリアローザ © Massimo Paolone – LaPresse

「チャベスは先頭集団で勝利に値するほどの走りを見せていた。彼が人数の多い第1集団にいてくれたおかげで、ボクはメイン集団の中でサドルに座っているだけでよかった。最後はマリアローザを取れると確信していた」とイェーツ。
「開幕時のイスラエルからこのジャージを獲得するために努力してきた。最終日のローマまでチームキャプテンとしてこれを守り抜く努力をしたい」

エトナ山を上るエステバン・チャベス © Fabio Ferrari – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第6ステージ

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●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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