ログリッチェ脱落、区間勝利はチッコーネ【ジロ・デ・イタリア第16S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月28日、ローベレ〜ポンテディレーニョ間の194kmで第16ステージが行われ、山岳賞ジャージを着用するトレック・セガフレードのジュリオ・チッコーネ(イタリア)が優勝。初出場の2016年に続く大会通算2勝目を飾った。

アスタナのヤン・ヒルト(左)とジュリオ・チッコーネが抜け出した ©Fabio Ferrari / LaPresse

大会最高峰のガビア峠が冠雪で通行不可となり、距離194kmに短縮されたレース。そして冷たい雨に見舞われ、レースは一層過酷なものになった。

山岳賞のマリアアッズーラを着用したチッコーネはスタート直後に形成された第1集団に加わり、山岳ポイントで得点を量産。最後はアスタナのヤン・ヒルト(チェコ)と2人になったが、ヒルトはメイン集団にいるチームエースのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)のアシスト役であり、チッコーネと協力せず。チッコーネはいらだちを見せたが、それでもゴール勝負でヒルトをかわして区間勝利を挙げた。

「モルティローロ峠という伝説の舞台でいい走りができてとても満足している。この大会での最大の目標はステージ優勝で、山岳ジャージの獲得はその次なんだ。でも今は得点でアドバンテージを握っているから、山岳賞もねらっていきたい」とチッコーネ。
「エースのバウケ・モレマも総合成績の上位につけているので、彼のアシストをすることも重要な役目だ」

ニーバリがメイン集団からアタック ©LaPresse
ジロ・デ・イタリア第16ステージ、ログリッチェが遅れた! ©POOL Luca Bettini/ LaPresse

総合優勝争いでは3位のビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がモルティローロ峠でアタックを見せた。弟のチームメート、アントニオも決死のアシストを行い、総合2位の位置にいたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)を突き放してゴールした。

首位リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)はニーバリとタイム差なしでゴールし、翌日に控えた26回目の誕生日にマリアローザを着用することができた。その一方でログリッチェはメイン集団から1分22秒遅れた。ニーバリはログリッチェを逆転して総合2位となり、2013、2016年に続く総合優勝に一歩前進した。

ニーバリ(右)はカルパスを突き放せなかったが、ログリッチェに差をつけてゴール ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
モルティローロ峠に懸けられたパンターニ賞を獲得したチッコーネ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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34歳のダリオ・カタルドがジロ・デ・イタリア初優勝

第102回ジロ・デ・イタリアは5月26日、イブレア〜コモ間の232kmで第15ステージが行われ、34歳のベテラン、アスタナのダリオ・カタルド(イタリア)が初優勝した。同選手はアンドローニジョカットリ・シデルメックのマティア・カッタネオ(イタリア)と200km以上を逃げ続け、ゴール勝負で一騎打ちを制した。

ニーバリをマークするマイヨジョーヌのリカルド・カラパス ©Fabio Ferrari – LaPresse

14km地点でカッタネオが集団を飛び出すと、これにカタルドが加わった。
「3日間苦しんでいたので、スタート前は積極的に行こうなんて思っていなかったが、走り出してみたらなんの問題もなかった」というカタルドは、機材故障で停車したカッタネオを待つなど、終始冷静な走り。協力しながらゴールを目指し、追撃集団から逃げ切った。

これまでに2着が2回あるカタルドにとってはうれしい初勝利となった。2012年のブエルタ・ア・エスパーニャに続くグランツールの区間勝利。プロレースの優勝としては2014年のセッティマーナコッピ・バルタリの個人タイムトライアルでの時以来。ベテラン選手の優勝としては2016年にアレハンドロ・バルベルデが36歳で優勝したときに続く記録。

ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari – LaPresse

ジロ・デ・イタリア第15ステージで逃げ切りを決めたカッタネオ(左)とカタルド ©Fabio Ferrari – LaPresse

7秒遅れの総合2位プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)はレース終盤にメカトラブルに見舞われ、チームメートから自転車を譲り受けた。さらにコーナーで落車するなどで、最終的に40秒をロス。総合2位の位置は守ったものの、首位リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)との差が47秒に広がっただけでなく、最大のライバルであるバーレーン・メリダ(イタリア)が1分後に迫ってきた。

大会は2回目の休息日を過ごし、28日から最難関の山岳ステージを含む最後の6日間。6月2日にベローナにゴールする。

逆転をねらってアタックするサイモン・イェーツ ©Fabio Ferrari – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)パベル・シバコフ(ロシア、イネオス)

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カラパスが独走で2勝目。総合でも首位に【ジロ・デ・イタリア第14S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月25日、サンバンサン〜クールマイユール間の131kmで第14ステージが行われ、モビスターのリカルド・カラパス(エクアドル)が独走し、第4ステージに続いて今大会2勝目、大会通算3勝目を挙げた。総合成績でもヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEエミレーツ)を逆転して一気に首位へ。

ジロ・デ・イタリア第14ステージでカラパスがマリアローザ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「チームはミケル・ランダとボクの2つのカードを持っていた。今日はランダの調子がよくなくて、ボクが首位をねらってアタックすることになった。自転車を始めた15歳の時からマリアローザは夢だった」とカラパス。

ジロ・デ・イタリア第14ステージ ©Marco Alpozzi – LaPresse

リカルド・カラパスがジロ・デ・イタリア第14ステージで独走 ©Marco Alpozzi – LaPresse

優勝候補のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)も食らいつき、7秒遅れの総合2位と好位置につけた。

先行選手を追うニーバリとログリッチェ。その後方は抑え役のミケル・ランダ ©Marco Alpozzi – LaPresse
ニーバリら有力選手がゴールへ ©Massimo Paolone/LaPresse

悪天候による雪崩が予想される第16ステージは標高の高いガビア峠をカットする短縮コースで開催されることが急きょ発表された。

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績) リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)パベル・シバコフ(ロシア、イネオス)

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雪崩予測でガビア峠をカット…ジロ・デ・イタリア第16ステージ

ジロ・デ・イタリアの大会主催者は、5月28日に行われる予定の第16ステージのコース一部を悪天候予報によって変更することを発表した。標高2618mで、今大会の最高峰「チマコッピ」に指定されていたガビア峠を迂回することになった。

ジロ・デ・イタリア第13ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

地元の施工班によって昼夜にわたって道路の安全確保作業が行われていたが、天気予報が悪化してコース変更を余儀なくされた。5月25日に発表された。距離は226kmから194kmとなる。ガビア峠の迂回にともなってチマコッピは第20ステージのマンジェン峠になる。

第16ステージの新しいコース
第16ステージの新しい高低表

●ジロ・デ・イタリアのホームページ

ザカリンが独走勝利。ポランツェ首位死守【ジロ・デ・イタリア第13S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月24日、ピネローロ〜チェレゾーレレアーレ間の196kmで第13ステージが行われ、カチューシャ・アルペシンのイルヌール・ザカリン(ロシア)が残り5kmから独走し、4年ぶり2度目の区間優勝。前日に首位に立ったUAEエミレーツのヤン・ポランツェ(スロベニア)が遅れながらもその座を守った。

カチューシャ・アルペシンのイルヌール・ザカリンがジロ・デ・イタリア第13ステージで独走 ©Fabio Ferrari / LaPresse

ザカリンはミケル・ニエベ(ミッチェルトン・スコット)とミケル・ランダ(モビスター)の山岳が得意なスペイン勢と区間勝利争いを展開。3度のアタックを見せたザカリンが最後の上りで独走を決め、チームに今季3勝目をもたらすとともに、自らも総合12位から3位へと急浮上した。

「ボクはこのジロ・デ・イタリアで総合5位以内を目指しているから、今日の走りには満足している」とザカリン。

ジロ・デ・イタリア第13ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ログリッチェ(左)とニーバリは2分57秒遅れでゴール ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

ポランツェは厳しい上りに苦戦しながらも、4分39秒遅れの15位でゴール。総合2位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)に4分07秒差から2分25秒差に詰め寄られながらも、マリアローザを死守した。

「有力選手には着いていけなかった。でもまた2日マリアローザを着ることができてうれしい」とポランツェ。
「最終日のベローナまで首位を守ることはできないと思うが、2日ごとにしっかりと走りたい。でも翌日は平たんがないほど厳しい山岳コースなので怖ろしい」

イェーツ(先頭)とマリアローザのポランツェが必死に先行選手を追う ©Marco Alpozzi / LaPresse
イネオスのシバコフが新人賞の首位へ ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) パベル・シバコフ(ロシア、イネオス)

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ポランツェが僚友からマリアローザを引き継ぐ【ジロ・デ・イタリア第12S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月23日、クネオ〜ピネローロ間の156kmで第12ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのチェーザレ・ベネデッティ(イタリア)がゴール手前のけん制合戦を制してプロ初優勝。

区間勝利を目指して競り合いを展開するベネデッティ(左)ら。2019ジロ・デ・イタリア第12ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

有力選手らを含むメイン集団が8分遅れたため、第1集団に加わっていたUAEエミレーツのヤン・ポランツェ(スロベニア)が首位に。チームメートのバレリオ・コンティ(イタリア)からマリアローザを引き継いだ。

大会はいよいよ山岳区間に突入し、前日に区間2勝目を挙げたロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)、ドゥークニンク・クイックステップのエリア・ビビアーニ(イタリア)のスプリンター2人が出走せず。このあとは山岳ステージばかりで、活躍が見込めないからだ。

この日は伏兵ら25選手が第1集団を形成。翌日にハードな山岳ステージが控えていることで有力選手は体力温存に努め、一気にその差が広がっていった。この第1集団の中にベネデッティとポランツェがいた。ステージ優勝は最後にその数が絞り込まれ、ベネデッティが3人によるゴール勝負を制した。

ベネデッティは2008年にUCIカテゴリーでない大会で勝利して以来のトップフィニッシュで、プロ初勝利となる。
「ボクのような強くない選手が勝利できたのだからとてもいい日になった。1999年に初めてジロ・デ・イタリアのスタート地点を訪れ、いつかプロになりたいと思っていた。ゴール前で一度は遅れたけど、ボクにはまだ脚が残っていた」(ベネデッティ)

2019ジロ・デ・イタリア第12ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

ポランツェはゴール前で25秒遅れたが、前日までの総合成績の上位選手らが8分も遅れたため、一躍首位に。

「第1集団に加わったのは作戦だ。チーム内でマリアローザを守るための戦略だったんだ」とポランツェ。
「区間勝利も取りたかったが、ボクは暫定首位の立場だったから他選手よりも先頭を走らなければならなかった。それでもピンク色のリーダージャージーを獲得できてこの上なくうれしい」

ヤン・ポランツェが首位に立った ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
2019ジロ・デ・イタリア第12ステージのチーム賞はNIPPO。左から2人目の選手が初山翔 ©Massimo Paolone/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ヒュー・カーシー(英国、EFエデュケーションファースト)

2019ジロ・デ・イタリア第12ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

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