ユワンが区間2勝目、コンティがマリアローザ死守【ジロ・デ・イタリア第11S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月22日、カルピ〜ノビリーグレ間の221kmで第11ステージが行われ、ロット・スーダルの韓国系オーストラリア選手、カレブ・ユアンが大集団によるゴール勝負を制し、第8ステージに続く今大会2勝目を挙げた。

ジロ・デ・イタリア第11ステージを制したカレブ・ユワン ©Marco Alpozzi – LaPresse

ユアンは2017年の区間1勝を含めて大会通算3勝目となるが、25歳以下のオーストラリア選手による最多勝記録だったマイケル・マシューズの2勝を抜いてトップになった。

「長いステージだったけど、ライバルスプリンターの脚力が衰えるはずだから、昨日の短いレースよりもボクに向いていた。パスカル・アッカーマンが好調なので、彼の背後についてマークして、絶妙のタイミングでスパートした」とユワン。
「ボクはこれまでも強豪スプリンターの1人と自負していたけど、この伝統レースで3勝を挙げたことで、それが証明できたと思う」

ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

首位のバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)はタイム差なしの集団でゴール。休息日を除いて6日間マリアローザを守っている。

「昨年のボクは長くて1週間のステージレースで経験を積むことだった。アルゼンチンのブエルタサンフアンを走り、ツアー・オブ・ターキーが2大会目だった。3週間に及ぶステージレースなんて未知の世界だ。だからグランツールで総合1位にいるなんて経験したこともない」とコンティ。
「長くて日差しの強い1日だったが、ピンク色のリーダージャージーを着て楽しむことができた。明日からは次第に上りが厳しくなるので、ボクにとってはハードな戦いになるだろう。はじめは総合10位以内を目指せばいいと思っていたが、明日はマリアローザを守るために戦いたいと思う」

ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
コンティがジロ・デ・イタリア第11ステージでマリアローザを守った ©Massimo Paolone – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ナンス・ピーターズ(フランス、AG2Rラモンディアル)

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初山翔再び! 100km超の逃げを敢行【ジロ・デ・イタリア第10S】

NIPPOビーニファンティーニ・ファイザネの初山翔が5月21日にトラベンナ〜モデナ間の145kmで開催された第102回ジロ・デ・イタリア第10ステージで115kmのアタックを見せた。第3ステージの独走に続いての果敢な走りで、その存在感をアピールした。

2019ジロ・デ・イタリア第10ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

レースこの区間の出身であるバルディアーニCSFのルカ・コビリ(イタリア)がスタート直後から飛び出し、初山がこれに反応した。2選手はローテーションをしながらペースを維持。残り30km地点まで115kmにわたって先頭を走り続けた。

コースは平たんで、集団スプリント勝負に持ち込みたいチームの追撃によって2選手は吸収される。区間優勝争いはゴールスプリントになり、グルパマFDJのアルノー・デマール(フランス)が大会初優勝。デマールは2016年のミラノ〜サンレモに続くイタリア国内での2勝目。そして今季初優勝となる。

「ゴールまでは直線で、とてもハイスピードでナーバスなスプリントになると予想していた。チームメートには先頭から10〜15番手ほどの位置にいさせてくれとオーダーし、それを忠実にやってくれた」とデマール。
「ジロ・デ・イタリアの早い機会に勝ちたかったが、なかなかそうはいかず、ようやく今日目標がかなった。次の目標は最終日のベローナまで走りきること。山岳ステージで脚が尽きるかもしれないが、最後まであきらめないで走りたい」

ジロ・デ・イタリア第10ステージのゴール勝負をアルノー・デマールが制した ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

首位のバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)はタイム差なしの集団でゴールし、マリアローザを守った。初山は3分36秒遅れの149位。総合成績は1時間36分42秒遅れで、最下位の163位だが、イタリアでの知名度は急上昇中。

マリアローザを守ったコンティ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
アルノー・デマールがジロ・デ・イタリア第10ステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ナンス・ピーターズ(フランス、AG2Rラモンディアル)

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ログリッチェがTTを制して総合2位に浮上【ジロ・デ・イタリア第9S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月19日、 イタリアのリッチョーネからサンマリノ共和国までの34.8kmで第9ステージとして個人タイムトライアルが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が51分52秒、平均時速40.257kmのトップタイム。初日に続く2勝目、大会通算3勝目を挙げた。

個人タイムトライアルで大会3勝目を挙げたログリッチェ ©Fabio Ferrari / LaPresse

首位のバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)は最終出走者としてスタート。折しも雨脚が強くなり、我慢のレースとなり、3分34秒遅れの38位でゴールした。前日までの貯金を利してその座を守ったが、総合成績で2位に浮上してきたログリッチェに1分50秒差まで詰め寄られた。

ぶどう畑の丘陵地を上る個人タイムトライアルは、出走時間によって晴れ間がのぞいたり、土砂降りになったりする気象条件。それでも強さを発揮したのはタイムトライアルに強いログリッチェだ。ジロ・デ・イタリアのタイムトライアルで3回以上優勝したのはわずかに3選手。トム・デュムランとログリッチェが3勝で、最多記録はフランチェスコ・モゼールの12勝。

「完璧な走りができた。序盤はイージーに走って、後半にパワーアップした。総合優勝を争うライバル選手との差を開くことができたのがうれしい。でもジロ・デ・イタリアはまだまだ長い」とログリッチェ。

優勝候補の中では1分遅れの区間3位と好タイムを出したトレック・セガフレードのバウケ・モレマ ©Fabio Ferrari / LaPresse

これに対するコンティは、マリアローザを守ったものの、表彰式での表情はさえなかった。

「雨が上がると予想して、ヘルメットのバイザーを外してスタートしたが、これが裏目となり、その判断ミスのために1分はロスした」とコンティ。
「きょうの目標であるマリアローザは守れた。その点については満足している。でもログリッチェは強い。今年の大会でボクが総合優勝することはないと思うけど、もっと強くなっていつかは優勝するために戻ってきたい」

雨脚が強くなった中を走る最終出走のコンティ ©©Fabio Ferrari / LaPresse
テレマークポーズを取る元ジャンプ選手のログリッチェ ©Massimo Paolone/LaPresse
ナンス・ピーターズ(フランス)が新人賞1位に躍り出た ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ナンス・ピーターズ(フランス、AG2Rラモンディアル)

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ユワンがジロ・デ・イタリア第8ステージ優勝…コンティが首位堅持

第102回ジロ・デ・イタリアは5月18日、トルトレートリド〜ペザーロ間の239kmで第8ステージが行われ、ロット・スーダルの韓国系オーストラリア選手、カレブ・ユアンが大集団によるゴール勝負を制し、2年ぶり2回目の区間勝利を挙げた。

カレブ・ユワンが2019ジロ・デ・イタリア第8ステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「スタート前にゴール手前の地図を確認したときは、ラストコーナーをトップで抜けようと考えていた。でも逃げた選手を吸収するためにチームメートが集団の先頭を走る必要があり、ゴール前でけん引してくれる役までそれに加わった。予測よりもはるかにハードだった。」とユワン。

「ポイント賞のアッカーマンに先行されてしまったので、残り300mでその背後に着いた。抜けると思ったのでゴール手前150mでスパーとして先頭に立った」

総合成績ではUAEエミレーツのバレリオ・コンティ(イタリア)がタイム差なしの同集団でゴールし、首位のマリアローザを3日連続で守った。
「とても幸せなレースをすることができた」とコンティ。

翌ステージはぶどう畑の丘陵地を上る35km個人タイムトライアル。
「マリアローザを守るために全力で走りたい。ボクよりも速い選手がいるが、総合成績のタイム差でアドバンテージがある。首位を確保する自信はある」(コンティ)

マリアローザを守ったバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
マリアチクラミーノ(ポイント賞)のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
マリアアッズーラ(山岳賞)のジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
マリアビアンカ(新人賞)のジョバンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) ジョバンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF)

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ジロ・デ・イタリア第7Sはビルバオ初勝利…コンティ首位堅持

第102回ジロ・デ・イタリアは5月17日、バスト〜ラクイラ間の185kmで第7ステージが行われ、13人の第1集団によるサバイバル争いが展開し、アスタナのペリョ・ビルバオ(スペイン)が残り1kmで抜け出して初優勝した。総合成績ではUAEエミレーツのバレリオ・コンティ(イタリア)がマリアローザを守った。

ビルバオが残り1kmで抜け出し、後方を振り返る ©Massimo Paolone/LaPresse

10年前の大地震で300人以上が犠牲となり、6万人以上が家を失ったラクイラにゴールするステージ。アスタナ勢はビルバオとアンドレイ・ツェイツ(カザフスタン) が第1集団に加わった。「第1集団の中にチームメートのツェイツがいて、ボクを助けてくれた」というビルバオ。

この第1集団には2分12秒遅れの総合4位、モビスターのホセ・ロハス(スペイン)が加わっていたため、UAEエミレーツはコンティのマリアローザを守るためにメイン集団の前方でペースメーク。2分以上の差が開かないようにスピードを維持した。

ジロ・デ・イタリア第7ステージで先行する第1集団 ©Fabio Ferrari/LaPresse

第1集団からたまらず脱落する選手が続出し、終盤にはビルバオら6人に絞り込まれる。そしてゴールまでの緩い上り坂でビルバオがアタック。
「最後は体力が残っていなかったが、頭で戦略を考えて絶好の残り距離から抜け出した。この悲劇の地で思い出に残る勝利を挙げることができた」というビルバオがグランツール初優勝を飾った。

スペイン勢はこれでグランツール777勝。ジロ・デ・イタリア111勝、ツール・ド・フランス126勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ540勝という内訳。スペイン選手がジロ・デ・イタリアで区間優勝を挙げたのは5年連続。

コンティら有力選手は1分07秒後にゴールし、コンティが首位を守った。

バレリオ・コンティがジロ・デ・イタリア第7ステージでマリアローザを守った ©Massimo Paolone/LaPresse

「朝起きたら部屋の中にマリアローザがあった。特別な色彩のジャージを目にして、イタリア選手の夢がかなったという感動にひたった。そんなマリアローザをチームが守ってくれたことに感謝したい。沿道の観衆もボクを鼓舞してくれたが、平たん区間のスピードが高くてその雰囲気を楽しむことはできなかった」とコンティ。

新人賞1位のジョバンニ・カルボーニ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) ジョバンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF)

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マスナダ初勝利、ログリッチェが首位を明け渡す【ジロ・デ・イタリア第6S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月16日、カッシーノ〜サンジョバンニロトンド間の238kmで第6ステージが行われ、アンドローニジョカットリ・シデルメックのファウスト・マスナダ(イタリア)が初優勝。総合成績ではUAEエミレーツのバレリオ・コンティ(イタリア)が初めて首位に躍り出た。

マリアローザを手中にしたバレリオ・コンティ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

序盤に形成された13人の第1集団から、残り28kmでマスナダとコンティのイタリア勢が抜け出した。2人は協力しながらゴールを目指し、マスナダが区間初勝利、コンティが総合成績でプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)を逆転して首位に立った。

ジロ・デ・イタリア第6ステージ、落車したログリッチェをサポートするチームメート ©Fabio Ferrari/LaPresse

大金星のマスナダは2回目の参戦。これまで区間20位以内に入ったことはないが、チャンスをものにした。ファウストというファーストネームの選手が区間優勝したのは、イタリアの伝説的英雄コッピとベルトーリョ以来。ジャンニ・サビオ監督が指揮を執るチームが優勝したのは19回目。

「1時間半もの間、アタックが決まらなかったが、うまいタイミングで抜け出せた。逃げた選手たちで協力できた。この中にはルーラーが複数いて、ボクは上りで彼らを突き放す必要があった。スプリント力はないからね。コンティは自分のチャンスをよく心得ていて、お互いに最高の結果をつかむことができた」とマスナダ。

マスナダとコンティが協力してゴールを目指す ©Fabio Ferrari/LaPresse

コンティは「前日にログリッチェが首位のマリアローザに固執しないと発言していたので、みんなこの日はねらっていた。ステージ優勝もしたかったが、マスナダはボクよりも強かった。それでもイタリア人にとってマリアローザは最高の栄誉。力尽きるまでこれを守っていたい」と笑顔。

マスナダ(左)がステージ優勝、コンティが首位と栄冠を分け合った ©Marco Alpozzi/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) ジョバンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF)

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