なんの気なしに予約したホテルがミシュラン掲載レストラン付き

ツール・ド・フランス取材者日記第6ステージ。ツール・ド・フランスがミュールドブルターニュを訪問したのは2011年、2015年に続いて3度目。ボクは全部行っていることになりますが、現地に到着するまでどんなところかまったく忘れています。サルドプレスに向かう最後の角を曲がって、見たことのある麦畑が視界に飛び込んできて、「ここか! ビュフェ料理がおいしいんだよな」とようやく記憶がよみがえります。

スタッフのランチ風景。彼らはしっかり仕事をこなしますが、楽しむことも忘れません

この日のサルドプレスはゴールとはまったく違う場所にある体育館。隣接する芝生の上にパラソルとチェアが並べられていて、エビとかビーフとかを鉄板で焼いてくれて、それらをシードルでいただきます。

この日のホテルはサルドプレスから25kmほどだったので、ちょっと油断してしまい、GPSの案内に従ってゴールをホストしたミュールドブルターニュの街中を突っ切るルートを選択。思いっきり大渋滞にはまりました。観客が路上駐車しているので相互通行の狭い道がすれ違いにくく、ゴールの丘の上から帰路を急ぐクルマが合流してなかなか進まず。

サルドプレスは体育館。壁を上ったら怒られますね。きょうはバックポケットのないサイクリングウエアで仕事中

こういったときは、いったんコースとは正反対の方向に脱出して、中心街を大きく迂回して目的地に向かったほうがいいです。もう22年もやっているのに学習機能がないです。平たん路はあまり渋滞しないのですが、こういった小さな町にゴールするときと、ミュールドブルターニュのように観戦ポイントが集中しているときに発生する事象です。

前日にF1ホテルで若いころの原点に戻り、日ごろの行いを反省したので、この日の夜はちょっといい感じのブリットホテル。小さな町の中心街にあるので、夜はどこに行こうかなと考えていて、チェックインしたらホテル内のレストランがミシュラン掲載店でした。

アペリティフでトラピストビール、ハウスワインをメインと一緒に楽しむつもりで、デザートもついて、お会計は30ユーロ

こんな田舎のホテルなのに、レストランがミシュランだ。しかもボクがいつも行くようなお店と料金はほぼ同じレベル。こんなおいしい料理を前にしてパソコンで原稿。ミシュランのレストランで原稿かよと怒られそうですが、ほとんどのテーブルがツール・ド・フランス取材陣なのでいいんです。「ツール・ド・フランスだから」というひと言で容認されます。

デザートはライスのキャラメルあぶり。このあと「フロマージュは?」、「カフェは」とか聞かれますが、ボクはいつもノンメルシーで、ラディション・シルブプレ(お会計を)というかわりに、部屋につけておいてと言えるのがホテル併設レストランのいいところです。

部屋もフロントの対応もとても気持ちよく、おいしいものを食べ、ベッドで疲れをいやすことができました。たまにF1ホテルに泊まるのも悪くないです。70ユーロほどの一般的なホテルですが、とても快適に感じるので。

ゆでたまごマシン。ホテルによって電熱線の強さが違うので、失敗する確率50%
こうしていったんちらかして、整理しながらバッグの中に収納するんです。最後まで着なかった服がないようにとか、忘れ物がないかとか

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文化と歴史、伝統と宗教を理解しないとツール・ド・フランスは会場までだってたどり着けない

ツール・ド・フランス取材者日記第5ステージ。70km離れたホテルからスタートのロリアンヘ。コースが複雑な動きをしてくれたので、オーコース(コース外)を70km走ればゴールのカンペールへ。ホテルまでは50kmで、体力温存ができました。

ブルターニュと言えばそば粉をクレープのように焼いたガレット

町から町へと転々とするツール・ド・フランスは、円滑な移動のために関係車両の動きが完璧にコントロールされています。スタート地点とゴール地点には、決められた道路やPPO(通過義務地点)を通らないとたどり着くことができないようになっています。

例えば皇居前からスタートするからといって、東京駅八重洲口のホテルに泊まっていた取材記者が大手町から入ろうとしてもダメ。首都高速でいったん新宿に向かい、新宿通りを使って四谷・半蔵門とたどっていかなければ入れてもらえないんです。

なんでこんな難しいことをするかといったら、フランス独特の町の作りに起因するのだと思います。心臓部に教会があってマルシェがあって、かつて城郭があったところに環状線を備える。文化と歴史、伝統と宗教を理解しないと、ツール・ド・フランスは会場までだってたどり着けないのです。

フツーのTシャツに見えるんですけど、英国製サイクリングアパレルのものです
このメーカーは機能性のためのアシンメトリーデザインが特徴で、このTシャツも左に使い勝手のいいバックポケットがあります

スタート地点の駐車位置は自分のその後の動き方によって、スタートよりも前に出発する「プレスアバン」、スタートを見届けて出発する「プレスアリエール」、そして「オーコース」の3つから選んでスタッフに誘導してもらいます。

この日のゴール、カンペールはとてもきれいな町のようですが、サルドプレスは郊外の見本市会場。終わったら次のスタートの町に向けて離れてしまったので、観光もできず。

マクドナルドはフランスで頼もしい味方。タッチパネルで日本語が選べて、カードを差し込んでお会計をしているうちに注文したものができあがっています。結局フランス語で番号をコールされるんですが、なんとかなりますよね。99番なら4かける20たす10たす9です

この日の宿はボクたちの修行の場であるF1ホテル。アコーグループの最低ランクのホテルで、シャワーとトイレが共同です。そんな不便なことはしたくないのですが、宿が取れないときは仕方なし。でもこのホテルに泊まると四半世紀前の駆け出しの時を思い返せるので、年に1回くらいは泊まるようにしています。

フランスはスーパーマーケットでガソリンを入れるのが安上がりです。ICカードなら24時間OK。ボクのクルマはディーゼルで、軽油はガゾル。1リッター200円ほどです

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サッカーワールドカップ準決勝の夜はホテルがもぬけの殻…どこに見にいったの?

ツール・ド・フランス取材日記第4ステージ。ペイドラロワールを発つ日も朝のジョギングからシャワーを浴びてサッパリして、カンパニールホテルのテラス席で朝ごはん。ボクがお会計をするころには各テーブルはすでに次のお客さんのためにセッティングされていて、サッカー仕様のテーブルシートがきれいに並べられていました。準決勝までしっかりと在庫しているのはさすが強豪国だと感じました。

ツール・ド・フランスさいたまPRのため主催者が現地入りすると、すかさずキッズジャーナリストが取材

前日はスケートリンクの寒さでカラダが冷え切ってしまい、朝はちょっとセキが出ましたが、この日は猛暑なので体温も浮上して回復。でもひたすら暑い1日となりました。

カンパニールホテルのテラス席。前日の夕ごはんもこのテーブルだった
この日は午後8時からフランス対ベルギー戦。愛国心が燃え上がる

ゴールのサルゾーは正真正銘のブルターニュ地方。ブルターニュというくらいなので文化も風土も英国に似ていて、バグパイプの音色が歓迎してくれます。サルドプレスには地元特産のシードルと白カビチーズ。生牡蠣もありますが、20年ほど前のこの地方で大変な思いをしたので、手はつけません。

ショレの美しい公園やカテドラルなどをラン。ゴミがほとんど落ちていなかったのは驚き

この日のゴールは半島の突端なので、ゴール後の待避路はコースを逆走するしかありません。こういった場合、フェンスの撤去係は自分の作業を最優先するので、関係車両が渋滞しようがお構いなし。ただし今回は通達があったようで、チームバスは真っ先に、キャラバン隊もフェンス撤収作業の前に退出することができました。ボクもコフィディスのキャラバンカーの間に入って脱出成功。

午後8時からサッカーワールドカップ準決勝「ベルギー対フランス」があるので、この日はみんな仕事をこなすのが早かったなあ。ボクもルーブルホテルグループの一番下、プルミエクラスにチェックイン。このカテゴリーのホテルにチームや協賛企業は泊まることがなく、オフィシャルグッズの販売チームとボールペンの「ビック」チームと一緒。でも彼らはどこかで夕食を予約しているらしく、ワールドカップの試合時間はもぬけの殻でした。

ブルターニュ地方は文化も気候も英国的

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カーペットを敷いただけのスケートリンクはさすがに寒い! ツール・ド・フランス日記

ツール・ド・フランス取材者日記の第3ステージ。心地よい海沿いのリゾートホテルもこの朝で最後。大会序盤は日本時間を引きずっているので午前3時に目が覚めてしまい、仕方なく原稿などを書きながら太陽が高くなるのを待ちます。シャワーの前にGPSを起動させてランニング。サッパリしてから朝食なんですが、こういったリゾートホテルは朝食が8時から10時までと遅く、スタートに間に合わなくなる可能性もあります。

外はかなり暑かったのでランニングウエアで来ちゃったんですが、さすがにアルプスのために用意した防寒具を取りに

2日間のお会計を済ませて100km離れたゴールのショレへ。サルドプレスと呼ばれるプレスセンターはまさかのパティノワール・ピシーヌの複合施設。前者はスケートリンク、後者はプールです。さすがに水の上で原稿は書けないので、この日のシゴト場は氷の上にカーペットを敷いたところに決定。外は結構暑くなっていたので入場時は気持ちよかったんですが、30分もしないうちにカラダの芯から冷えてきて、たまに外に出て暖を取る始末。

さすがの欧州記者もアルプスのために用意した防寒具を引っぱり出していましたが、それでも下半身は短パンじゃん! あまりにも寒くて、これでは原稿に集中できないと仕事仲間も退出しようとしていましたが、駐車場がコースに封じ込まれていて、レース後にフェンスを撤去しないと外にも出られない状態に。

チームタイムトライアルでトップタイムをたたき出したBMC © ASO

ボクはレース結果とマイヨジョーヌの行方を確認したのち、もうたまらず歩いてホテルに向かうことに。そうなんです。この日はなんとラッキーなことに歩いてすぐのところのカンパニールホテルを予約していたんです。

カンパニールはルーブルホテルグループの下から2番目のホテルなんですが、快適なのでボクは大好きです。作りが独特で、日本のアパートのように外に廊下があって、部屋はそれを回って入ります。オススメなのは必ず併設されているレストラン。取り放題のビュフェがあって、これにメインをつけて16ユーロほど。メゾンワインをつけて合計20ユーロほど。アンテラスと呼ばれるお庭の席もあるので、7月はとても気持ちいいのです。

で、この原稿もテラス席で書いています。パソコンを打っていても違和感ありません。部屋番号を伝えてあるので、酔っぱらったら「お代はつけておいて」とひとこと言えば部屋までたどり着けます。

カンパニールホテルはレストランが充実しているので、週に1回は予約するようにしています

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たまに連泊できるとうれしいことがたくさん…ナポレオンが作った町へ

ツール・ド・フランス取材者日記の第2ステージ。開幕地となる自治体は最初の3日間をホストすることが基本なので、チームや関係者が滞在するホテルも連泊となります。ツール・ド・フランスの現場において連泊はとても貴重です。初日に手洗いで洗濯物をすませたら部屋に干しておける、2日目はチェックインのタイムリミットを気にすることがない、ホテルを探すことなく自宅に帰ったように気分になれるなどメリットが多いんです。

Etape 2 – Mouilleron-Saint-Germain / La Roche-sur-Yon © ASO

第1ステージが終わってからボクも2連泊となる海沿いのホテルへ。1泊1部屋70ユーロという、まあよくあるホテルです。2人で泊まれば半額です。満員になるほどのレストランが併設されてリゾート気分は味わえます。

翌朝は、白い壁の平屋が並ぶリゾート地をジョギング。小さな町にもパン屋があって、朝食のバゲットを買いに来る人が集まってきます。自転車に乗った親子も。いいなあ、こういった気持ちいい朝が迎えられるなんて。

しばらくすると森の中のサイクリングコースを発見したので、そのままランニング。踏み固められた未舗装路なので、太めのタイヤなら問題ないですね。サントルビーユ(町の繁華街)まで5kmほどの森林ラン、気持ちよかった。

この日は連泊なので手洗いのお洗濯

お仕事としては80年ぶりにツール・ド・フランスを迎えるラロシュシュルヨンへ。ナポレオンが作った町で、その昔はナポレオンシュルヨンという名前だったようです。3日前のチームプレゼンテーションはナポレオン広場で行われていて、町のあちこちにナポレオンとついた場所が点在します。

この日は暑かったので、サルドプレスではUSB電源のブック型扇風機が大活躍。ひととおりの原稿をすませましたが、寝るところが確保されている安心感があって、のんびりとお仕事。通勤路を帰るように50kmをドライブしてホテルへ。部屋に干しておいた洗濯物が意外にも乾ききっていなかったのは海沿いだからでしょうね。

ナポレオンが作った町、ラロシュシュルヨンのおもてなし
ホテルにレストランがあると気楽。ネコちゃんは女のコとのことでした

日が沈むと暑くもなく寒くもなく、テラス席で1人のんびりと夕食を楽しみました。

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ツール・ド・フランスを旅するテクを教えます…取材者日記スタート

何回ツール・ド・フランスを取材したのか、もう数えられなくなってしまったが、少なくとも全日程を回るようになって22年目。真夏のフランスを駆けめぐる旅が2018年も始まった。

バンデ県の開幕は6年のサイクルで誘致される © ASO

これまでJALにお世話になっていましたが、大会がパリにゴールした翌日、夜遅くまで帰国便を待つのが疲れ切った身体には酷で、初めてエールフランスに。前日にメールが来たので座席表をネットで確認したらプラス6万9900円でビジネスにアップグレードできるとのこと。すぐに変更してフルフラットのシートで快適フライト。シャルルドゴール空港の乗り継ぎでラウンジ飲食できたのもよかった。

シャルルドゴール空港から最終の出発となる国内線を1時間フライトしてナントへ。すでに午後11時を回っていて、歩いて10分ほどでB&Bホテルへ。午後9時にはフロント係は帰ってしまうので、無人チェックイン機で入室。ネットで簡単にホテルを確保することができますが、予約番号をプリントアウトしておいてよかった。

6万9900円の追加料金でビジネスクラスに。苦手な長距離フライトが快適になった

翌日はまずルノーユーロドライブをピックアップ。免税で新車購入できるこのシステム。ボク名義のクルマがフランスを22台走っていることになりますよね。帰国時に売却します。まずは足をゲットしたので、ようやく落ち着いて朝ごはん。燃料がギリギリで納車されるので最初にスーパーマーケットでガソリンを入れなきゃ。

外国人の免税でルノー・クリオを購入。帰国時に売却します

ツール・ド・フランスの現地入りして最初にやることは記者証のピックアップ。ペルマナンスという大会本部を訪ねてIDカードとクルマに貼るステッカーをもらいます。取材陣の車両許可証は4種類あります。ボクがもらったのはテットドクルス(先導車)の前、ファンドクルス(後方車)の後ろ。広告キャラバン隊列を1日1回追い越していいというカテゴリーです。

ペルマナンスに隣接してボクのシゴト場となるサルドプレスがあります。英語で言うとプレスセンターですね。じつはここから8kmしか離れていないところに、残念ながら8度目の出場を逃した新城幸也が住んでいます。ひととおりの原稿を済ませてから訪ねてみました。とても元気な笑顔を見せてくれ、次の目標に向けて歩み始めています。所属チームがイスラム圏を拠点としているので、お酒の入ったグラスを持っている画像はNGで、写真ありません。

8回目の出場を逃した新城幸也の家に。ミワちゃんが手料理をふるまってくれた

美和ちゃんが手料理でもてなしてくれましたが、時差ボケでかなり眠くなったので最初においとましました。海近くにあるホテルは往復120km走ってすでにチェックインしているんですが、もう真っ暗になってしまったので景色が変わっていて、探すのに一苦労。

朝は海までジョグ。朝は9kmほど走って41.5km地点、レ・ムエットというビーチまで大西洋を見にいきました。ここは12時過ぎに選手らがやってくる予定ですが、朝8時時点では地元の憲兵隊員らが各所に配置するところ。自転車に乗ってきた熱心な女性ファンはもう沿道でスタンバイしていました。

Saint-Jean-de-MontsにあるAuberge La Chaumiere。1泊62.75ユーロ

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