パリ五輪出場枠を懸けた長期戦開始…トラックネイションズカップ第1戦

自転車トラックネイションズカップ第1戦が2023年2月23日から26日まで、インドネシアのジャカルタで開催され、トラック日本代表がパリ五輪の国・地域別出場枠を目指す。大会初日の女子チームパシュート予選には初選出された高校生、垣田真穂(楽天Kドリームス/愛媛・松山学院高)と池田瑞紀(楽天Kドリームス/福岡・祐誠高)が出場。

トラックの日本ナショナルチーム ©JCF

[選手]
短距離男子

山﨑賢人(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU長崎)
小原佑太(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU青森)
寺崎浩平(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU福井)
長迫吉拓(ブリヂストンサイクリング)
太田海也(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU岡山)
中野慎詞(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU岩手)

中距離男子
橋本英也(JPCA ブリヂストンサイクリング/JPCU岐阜)
窪木一茂(JPCA ブリヂストンサイクリング/JPCU福島)
今村駿介(ブリヂストンサイクリング)
兒島直樹(ブリヂストンサイクリング/日本大)
松田祥位(ブリヂストンサイクリング)

短距離女子
佐藤水菜(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU神奈川)
太田りゆ(JPCA ブリヂストンサイクリング/JPCU埼玉)
梅川風子(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU 東京)

中距離女子
梶原悠未(Team Yumi)
古山稀絵(楽天Kドリームス)
内野艶和(JPCA 楽天Kドリームス/JPCU福岡)
垣田真穂(楽天Kドリームス/愛媛・松山学院高)
池田瑞紀(楽天Kドリームス/福岡・祐誠高)

JPCA、JPCUは競輪選手

●トラックネイションズカップ第1戦のホームページ

UCIトラックチャンピオンズリーグ終幕…4人の覇者が決定

全5戦で行われたUCIトラックチャンピオンズリーグは、12月4日に英国のロンドンで最終戦が行われ、男女のスプリント系、男女のエンデュランス系でシリーズ総合優勝者が決まった。同リーグは2021年に始まり、今季は2シーズン目。

UCIトラックチャンピオンズリーグ第5戦 ©Will Palmer/SWpix.com

男子スプリントはオーストラリアのマチュー・リチャードソン、女子スプリントはフランスのマチルド・グロ、男子エンデュランスはスイスのクラウディオ・イムホフ、女子エンデュランスは米国のジェニファー・バレンテが総合優勝した。優勝賞金はそれぞれ約400万円。

第5戦ロンドン大会で地元英国勢が声援に応える ©Will Palmer/SWpix.com

シリーズは11月12日、スペインのマジョルカ島パルマで開幕し、4週間で5戦を一気に行う。同19日にドイツのベルリン、26日にフランスのパリと転戦。最後の2戦は12月2日と3日にロンドンで行われた。(日本時間はすべて翌日)

UCIトラックチャンピオンズリーグ

すべて室内250mバンクで開催され、金曜開催の第4戦を除いて土曜日の深夜に行われる。照明や音楽を駆使して会場を盛り上げる。自転車競技の国際統括団体であるUCI(国際自転車競技連合)がトラックレースの人気を高めるために仕掛けたイベントだ。

選手との距離の近さが魅力 ©Will Palmer/SWpix.com

出場選手は世界チャンピオンと世界ランキングの上位者が招待され、全5戦を戦って獲得したポイントによって最終成績を争うというもの。男子スプリント系18選手、女子スプリント系18選手、男子エンデュランス系18選手、女子エンデュランス系18選手で、総勢72選手だ。

ケイリンのモーターペーサーにメッセージが

短距離のスプリント系はスプリントとケイリンの2種目、中距離のエンデュランス系はスクラッチとエリミネーションの2種目を行う。どちらも観戦していて優劣が目で見てわかる競技が採用された。

第1戦はスペインのマジョルカ島で行われた ©Simon Wilkinson/SWpix.com

日本からは女子エンデュランス系に内野艶和が出場して16位、男子スプリント系に中野慎詞が出場して11位だった。

©Alex Whitehead/SWpix.com

●UCIトラックチャンピオンズリーグのホームページ

パリ五輪で日本自転車界の悲願金獲得なるか…本番舞台でトラック世界選手権

2024パリ五輪で日本自転車界悲願の金メダル獲得なるか? トラック世界選手権が10月12日から16日まで、五輪会場となるパリ郊外のサンカンタン・アン・イブリーヌ自転車競技場で開催された。女子ケイリンで佐藤水菜(23=楽天Kドリームス)が、男子スクラッチで窪木一茂(33=ブリヂストンサイクリング)がそれぞれ2位に入った。

女子ケイリンで2年連続2位になった佐藤(左) ©日本自転車競技連盟

最も期待されるケイリン…女子の佐藤が2年連続で2位に

自転車競技は1896年にギリシャのアテネで開催された第1回五輪からの正式種目。日本の自転車選手が初出場したのは1952年のヘルシンキ五輪だが、それからメダル獲得を目指す戦いが始まった。世界選手権では1977年からプロスプリントで中野浩一が10連覇を達成。しかし日本勢として世界チャンピオンの座は獲得できても、五輪金メダルはいまだに手中にしていない。

女子ケイリン決勝、ドイツのフリードリッヒと残り1周で激しく争った佐藤(左から3人目)がゴール ©日本自転車競技連盟

2020東京五輪以前のメダル獲得数は4個で、すべて短距離男子。日本自転車競技連盟は地元開催の利がある東京で金メダルを取るために海外コーチを招へい。梶原悠未(現Team Yumi)が女子で初めての銀メダルを獲得することになるが、悲願の金メダルには至らなかった。

今回の世界選手権は2年後に迫ったパリ五輪のトラック競技場が舞台。世界新記録が続出した超高速バンクだ。日本勢はその本番走路で佐藤が2年連続の女子ケイリン2位。1回戦は封じ込められて3着だったが、敗者復活戦からしたたかに勝ち上がり、決勝では世界チャンピオンと車輪1つの差で2位に食い込んだ。

ケイリン種目で日本勢が3位以内に入ったのは男女合わせて5年連続だ。

男子チームパシュートは予選通過ラインの8位に0.9秒届かず予選敗退 ©日本自転車競技連盟

来シーズンからはパリ五輪の出場枠を争う戦いが本格化する。日本勢は3人編成で走るチームスプリントで一気に3枠を獲得するのが狙い。代表となった3選手はそのままケイリンとスプリントにエントリーできる。

「2位ではなく頂点へ。表彰台で国歌を流したい」。佐藤は金メダル獲得に意欲を見せた。

小原佑太が男子1kmタイムトライアル予選で日本新記録となる59秒796 をマーク ©日本自転車競技連盟

女子の梶原が低迷するも男子の窪木がスクラッチで気を吐く

中距離種目の男子スクラッチでは窪木が初めて2位になった。佐藤と同様に、競輪選手という職業に就きながら、五輪や世界選手権で実施される種目を目標とした民間チームに所属。連盟の強化指定を受けて2足のわらじを履きこなす。

女子スクラッチ種目でも優勝候補だった梶原(左から2人目)は集団から抜け出すことができず11位 ©日本自転車競技連盟

2020東京五輪の女子オムニアムで銀メダルを獲得した梶原は2020年の世界チャンピオン。この大会で2年ぶりのタイトル獲得を目指したが、前日種目の落車負傷が影響して13位に終わった。

男子スクラッチで2位になった窪木(左) ©日本自転車競技連盟

まずはパリ五輪の出場枠を獲得することから

2024年7月26日から8月11日まで開催されるパリ五輪。自転車トラック種目の出場枠は、2024年4月14日までの主要大会での成績をもとに、選手権者やランキング上位の所属国に与えられる。日本は短距離種目3枠が獲得できるチームスプリント、中距離種目4枠が獲得できるチームパーシュートを集中強化する。日本がこうして手中にした出場枠は、エントリー締め切りとなる7月8日までに五輪代表選手を決めてうめられる。金メダルまでの道は長い。

サンカンタン・アン・イブリーヌのベロドロームナシオナル ©Paris 2024

五輪自転車における日本勢のメダル獲得

日本自転車選手が獲得した五輪メダルは銀2、銅3で、すべてトラック種目。1984年ロサンゼルス大会の個人スプリントで坂本勉が銅、1996年アトランタ大会の1kmタイムトライアルで十文字貴信が銅、2004年アテネ大会のチームスプリントで長塚智広・伏見俊昭・井上昌己の日本チームが銀、2008年北京大会のケイリンで永井清史が銅、2021年東京大会の女子オムニアムで梶原悠未が銀。

2022トラック世界選手権フランス大会の日本ナショナルチーム

トラック世界選手権がパリ郊外で開幕…日本勢にメダル期待

2022年の自転車トラック世界選手権が10月12日から16日までフランスのパリ郊外にあるサンカンタンアンイブリーヌで開催される。

2022トラック世界選手権フランス大会の日本ナショナルチーム

大会初日となる12日は、男子チームパシュート予選を皮切りに、男子チームスプリント、女子チームスプリントが行われ、パリオリンピックに向けた日本トラック日本代表の新たな戦いが始まる。

注目は東京オリンピック女子オムニアム銀メダリスト梶原悠未が女子スクラッチ10km決勝に参戦。日本勢のメダル第1号となるか期待される。

●日本代表選手
短距離男子
山﨑賢人(楽天Kドリームス/JPCU 長崎)
小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム/JPCU 青森)
寺崎浩平(楽天Kドリームス/JPCU 福井)
長迫吉拓(岡山 ドリームシーカーレーシングチーム)
太田海也(JPCU 岡山)

中距離男子
橋本英也(チームブリヂストンサイクリング/JPCU 岐阜)
窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング/JPCU 福島)
今村駿介(福岡 チームブリヂストンサイクリング)
兒島直樹(福岡 チームブリヂストンサイクリング/日本大)
松田祥位(岐阜 チームブリヂストンサイクリング)

短距離女子
佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス/JPCU 神奈川)
太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング/JPCU 埼玉)
梅川風子(チーム楽天Kドリームス/JPCU 東京)

中距離女子
梶原悠未(茨城 Team Yumi)
古山稀絵(東京 チーム楽天Kドリームス)
内野艶和(JPCA チーム楽天Kドリームス/JPCU 福岡)

●自転車トラック世界選手権のホームページ

佐藤水菜がUCIトラックネイションズカップ第2戦女子ケイリンで2位

UCIトラックネイションズカップ第2戦がカナダのミルトンで5月12日から15日まで開催され、佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が女子ケイリンで2位になった。

UCIネイションズカップ第2戦の女子ケイリンで2位になった佐藤水菜(左) ©若生武則

佐藤は1着で2回戦へ さらに1着で決勝へ。決勝は、対戦相手の失格により佐藤が繰り上がり2着となった。

UCIネイションズカップ第2戦のマディソンで橋本英也、窪木一茂ペアが6位 ©若生武則
UCIネイションズカップ第2戦女子スプリントで太田りゆが8位 ©若生武則
佐藤水菜がUCIネイションズカップ第2戦の女子ケイリンで2位 ©若生武則

UCIトラックチャンピオンズリーグ最終戦が感染拡大で中止

全5戦で争われるUCIトラックチャンピオンズリーグは最終戦として12月11日にイスラエルのテルアビブで予定していた第5戦を新型コロナウイルス感染拡大を理由に中止した。

UCIトラックチャンピオンズリーグ ©SWpix.com

イスラエル政府は、新たな変種株のオミクロンのまん延を避けるために外国人の入国を制限し、国境を封鎖した。そのためシルバンアダムズ国立競輪場はホスト会場としての役割を果たすことができなくなった。

その結果、リーグの最終ラウンドは英国のロンドンで行われる。12月3日にラウンド3、12月4日にグランドファイナルが行われる。

UCIトラックチャンピオンズリーグ ©SWpix.com

リーグのポイントスコアリング、総合成績、賞金総額50万ユーロは影響を受けない。

トラック競技の人気が高い英国では、2戦とも観戦チケットが完売。日本勢は第2戦で太田りゆが女子ケイリンで世界チャンピオンと五輪金メダリストを制して決勝進出。決勝では6位だったが、好調を維持して、ロンドン大会を迎える。

UCIトラックチャンピオンズリーグ
第1戦 11月6日 スペイン・マジョルカ島
第2戦 11月27日 リトアニア・パネベジース
第3戦 12月3日 英国・ロンドン
第4戦 12月4日 英国・ロンドン
【中止】第5戦 12月11日 イスラエル・テルアビブ

UCIトラックチャンピオンズリーグ ©SWpix.com

●UCIトラックチャンピオンズリーグのホームページ