ログリッチV、ビンゲゴーがクスに8秒差に迫る【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月13日、リバデセジャ〜アングリル峠間の124.5kmで第17ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)がワンツーフィニッシュ。ログリッチは今大会2勝目、大会通算12勝目。

アングリルを制したログリッチ、同タイムでフィニッシュしたビンゲゴー ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

チームメートで総合1位のセップ・クス(米国)は19秒遅れの区間3位でゴール。首位を守ったクスと総合2位ビンゲゴーとの差はそれぞれが獲得したボーナスタイムを加味して29秒から8秒になった。

29歳の誕生日をスタート前に祝福されるクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

複雑だけどクスには勝利を信じて戦えと伝えた(ログリッチ)

「年を重ねると少しずつよくなっているといつも感じている。前回の2020年はこのアングリルでマイヨロホを失ったけど、それよりもずっといい結果だった」とログリッチ。

ビンゲゴーやログリッチがメイン集団の前方でチャンスを狙う ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「あまり戦術的ではなかった。最後の登りではバーレーンビクトリアスのペースに任せた。彼らは十分に速く進んでいた。ペースが少し落ちたと感じた瞬間にアタックした。私が行ったポイントは、とてもきつくて、とても急なところだった。それから頂上までは自分のペースで走った」

「セップ・クスとは話した。複雑な気分なのはわかっているが、これほど急な登りでは誰もができるだけ早く登って苦しみを終わりにしたい。私は彼にこう言った。戦い続け、勝利を信じ続けよう。君ならできるよ」。

2つの峠でトップ通過し山岳ポイントを獲得したエベネプールが後方から追ってきた有力選手らを確認 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ゴールしたときはジャージをなくしたのかと思った(クス)

「ゴールしたときはジャージをなくしたのかと思った。でも上りで全力を尽くしたので、悲しくはなかった。ジャージがまだあると聞いたときは少し驚いた」とクス。

「今日は奇妙な気分だったけど、悪い意味ではない、2人の強力なチームメイトがいて、その友人たちとまた1日を過ごすことができた。アングリルで要したのと同じくらいいい時間を過ごせたと思う」

19秒遅れの3位クス、4位はミケル・ランダ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

「でもクレイジーな日だ。上りの途中で、ビンゲゴーが私に言った。キミは勝つつもりだ。ボクも同じだ。だったら行こう! プリモシュは上りでとても調子がよくて、素晴らしい走りををしていた。できるだけ長く彼についていって、遅れをを最小限に抑えようとした。

チームは1-2-3。ランダはおそらくボクよりも表彰台の座に値するだろうが、マイヨロホ争いで3着のボーナスタイムを狙う必要があった。一番楽しいことをして過ごしたので、とても幸せな誕生日だった」

クスはミケル・ランダ(左)とともに19秒遅れでゴール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
ログリッチがテレマーク姿勢を決めた ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ジョエル・ニコラウがアングリル峠でファンサービス ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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ビンゲゴーがクスを置き去りにしてアタック【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月12日、リエンクエスプラジャ〜ベヘス間の120.5kmで第16ステージが行われ、ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)がゴールまでの上り坂でアタックし、単独で逃げ切って第13ステージに続く大会通算2勝目を飾った。

ビンゲゴーが最後の上りでアタックして優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

チームメートで総合1位のセップ・クス(米国)はビンゲゴーから1分05秒遅れの区間10位でゴール。それでも前日までの貯金を利して首位を守った。チームメートのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)はクスよりも4秒先行してゴールしたが、ビンゲゴーに総合成績で逆転されて3位になった。

第16ステージで先行する第1集団 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

明日首位に立てるかわからないけどその瞬間が楽しみ(ビンゲゴー)

「今日は勝てて本当にうれしい。今朝はナータン・ファンホーイドンクが事故に巻き込まれたというひどいニュースがあったので、今日は親友のために勝ちたかった」とビンゲゴー。

「幸いなことに大事には至らず、とてもホッとしている。私にとってもチームにとっても、彼が早く回復することを願っている。明日総合首位に立つかどうかは分からない。その瞬間を楽しみたいだけだ」

総合1位のセップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ビンゲゴーの勢いはもう止められなかった(クス)

「作戦が少し変更された。最後の上りになる直前に、ヨナスが無線でアタックしてもいいかと伝えていたが、それは決定的なタイミングだった。お互いを見ていたときで、彼は信じられないスピードで上りを走ったので、もう止められなかった」とクス。

「今日もチームにとって最高の日だ。かなりいい気分だった。激坂フィニッシュは私にとって難しいだろうと分かっていた。自分の乗り方には満足している。明日は全く別の話だ。脚の状態はまだいいので楽しみでしかない」

ポイント賞のカーデン・グローブス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
山岳賞のレムコ・エベネプール ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

新人賞のフアン・アユソ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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コスタが10年ぶりにグランツールで区間勝利【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月10日、パンプローナ〜レクンベリ間の158.5kmで第15ステージが行われ、2013年に世界チャンピオンとなったルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が逃げ集団のゴール勝負を制して初優勝。2013年にツール・ド・フランスで3勝目を挙げてから10年ぶりのグランツール勝利。

元世界チャンピオンのルイ・コスタが第15ステージ優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合優勝争いはユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が首位を守った。チームメートのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が1分37秒遅れの総合2位、ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が同44秒遅れの3位は変わらず。

マイヨロホのセップ・クス ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
山岳賞を取りに行くエベネプール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
第15ステージで先行する第1集団 ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

オランダチャンピオンのディラン・ファンバーレにアシストされるセップ・クス(中央左) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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エベネプールが前日の屈辱を晴らすステージ優勝【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月9日、フランスのソブテールドベアルンからスペインのララベアグアまでの156.5kmで第14ステージが行われ、スーダル・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)が一緒に逃げたDSMのロマン・バルデ(フランス)を突き放して優勝。

ダウンヒルするエベネプール(先頭)とバルデ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

エベネプールは大会連覇を狙って参戦し、第3ステージで優勝して首位に立ったが、第6ステージでその座を譲り、前日は27分05秒も遅れて優勝争いから脱落した。大会通算4勝目。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合優勝争いはユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が首位を守り、チームメートのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が1分37秒遅れ、ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が同44秒遅れでつけている。

バルデ(右)とエベネプールが共闘してゴールを目指す ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
舞台はフランス国境に近いバスク地方 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ダミアノ・カルーゾ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
前日に遅れたエベネプールが意地を見せてステージ優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ステージ優勝のエベネプールが表彰台に立った ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

マイヨロホを守ったクスがアシスト役のビンゲゴーとグータッチ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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ビンゲゴー、クス、ログリッチが上位独占【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月8日、スペインのフォルミガル・ウエスカラマジアからフランスのツールマレー峠までの135kmで第13ステージが行われ、ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が独走勝利。

ビンゲゴーがツールマレー峠で独走勝利 ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

ユンボ・ビスマ勢は首位のセップ・クス(米国)が30秒遅れの区間2位、総合4位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が33秒遅れの区間3位と独占。3連覇を狙ったスーダル・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)は27分05秒も遅れ、総合優勝争いから陥落した。

ダミアノ・カルーゾのペースに食らいつくクス(左) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

最難関のこの日のステージを終えて、首位はチームのアシスト役だったクス、1分37秒遅れの総合2位にログリッチ、同44秒遅れの3位にビンゲゴー。

ツール・ド・フランス2勝のビンゲゴーがアタック ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

娘の誕生日に勝つことができてとてもうれしい(ビンゲゴー)

「この日じゃなければダメだったので、本当にうれしい。今日は娘フリーダの誕生日で、彼女のために勝ちたかった」とビンゲゴー。

「チームの計画は、総合優勝を争うライバルからタイムを奪えるかどうかを確認することだった。それが実現できたので誇りに思う。ステージと総合成績で1-2-3は思ってた以上の結果となった」

ブエルタ・ア・エスパーニャ3勝のログリッチがマイヨロホを着るクスをアシストする ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

チームの3人とも、お互いのために走っている(クス)

「ヨナスが勝利のボトルをプレゼントしてくれるのはとてもうれしいことだけど、正直に言うと、ヨナスもプリモシュも、レースを通して多くのアドバイスと自信を与えてくれた。彼らもボクを信じてくれているのがうれしい」とクス。

「時々だけど、ボクたちはみな、お互いのためにそこにいる。それが最も重要だと思う。ログリッチがやったように、秒数を稼ぐために努力するのは決して悪いことではない。いいポジションにいれば、それを狙うのは簡単だ。明日はさらに差が大きくなるはずだけど、それもいいことだよ。明日は守備か攻撃か、今言うのは難しい。まだチームには3人が上位にいる。自分の気持ちを見極める必要がある」

ツールマレー峠。アシスト役のロベルト・ヘーシンクがフィニッシュ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ツールマレー峠を上るヒュー・カーシー ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
セップ・クスがスパート。エンリク・マスが追走 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ツールマレー峠で区間2位に入ったセップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
エイネルアウグスト・ルビオ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ツールマレー峠 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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フアン・モラノが大会通算2勝目【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月7日、オルベガ〜サラゴサ間の151kmで第12ステージが行われ、UAEエミレーツのフアン・モラノ(コロンビア)がゴール勝負を制し、2022年の最終ステージ以来の大会通算2勝目を飾った。

フラン・モラノがステージ優勝。リード役のルイ・オリベイラがガッツポーズ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合成績では第8ステージで首位に躍り出たセップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)が大集団の中でゴールし、その座を守った。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
グローブスを擁するアルペシン・ドゥクーニンクがメイン集団をペースメーク ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
負傷したダニエル・ナバロが医療車に手当てを受ける ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ビンゲゴーにアシストされるマイヨロホのクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

クスが第12ステージでもマイヨロホを守った ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

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