ログリッチがアタックし、総合2位エヴェネプールに14秒近づく

第106回ジロ・デ・イタリアは5月13日、テルニ〜フォッソンブローネ間の207kmで第8ステージが行われ、EFエデュケーション・イージーポストのベン・ヒーリー(アイルランド)が独走して初優勝した。

協力して逃げたログリッチ(左)とゲラント・トーマスがゴール後に健闘をたたえあう ©Marco Alpozzi/LaPresse

総合成績ではチームDSMのアンドレアス・レックネスン(ノルウェー)が首位を守った。

2023ジロ・デ・イタリア第8ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)はイネオス・グレナディアーズのゲラント・トーマス(英国)とともに逃げ、スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)に14秒差をつけてゴール。総合成績で接近した。

2023ジロ・デ・イタリア第8ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
ベン・ヒーリーが独走 ©Fabio Ferrari/LaPresse
ログリッチが第8ステージでアタック ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)
□マリアビアンカ(新人賞) アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)

マリアローザを守ったアンドレアス・レックネスン ©LaPresse

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ログリッチ苦境…同胞トラトニクが負傷でジロ・デ・イタリア欠場

ユンボ・ヴィスマのヤン・トラトニク(スロベニア)がジロ・デ・イタリア開幕前日の5月5日、練習中に落車して膝を負傷。大会を欠場することになった。代替選手として21歳のネオプロ、トーマス・グローグ(英国)の出場が認められた。

プリモシュ・ログリッチ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

総合優勝をねらうエースのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)にとっては痛いアシスト選手の損失だ。チームは大会直前のコロナ陽性でトビアス・フォス、ロベルト・ヘーシンク、ヨス・ファンエムデンの主要選手が出場不可となった。

大会前日の選手交代は不可だが、UCI(国際自転車競技連合)のコミッセールパネルは主催者からの要請を受けて選手交代を認めた。

ユンボ・ヴィスマ
141 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
142 エドアルド・アッフィニ(イタリア)
143 クーン・ボウマン(オランダ)
144 ローハン・デニス(オーストラリア)
145 ミヒェル・ヘスマン(ドイツ)
146 セップ・クス(米国)
147 トーマス・グローグ(英国)
148 サム・オーメン(オランダ)

●2023ジロ・デ・イタリア出場選手リストを更新

ログリッチがティレーノ~アドリアティコで4年ぶりの総合優勝

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、第58回ティレーノ〜アドリアティコは最終日となる3月12日、サンベネデット・デル・トロントを発着とする154kmで第7ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が総合優勝した。

4年ぶりの総合優勝を遂げたログリッチ。左は総合2位アルメイダ、右は3位テイオ・ゲイガンハート ©LaPresse

ログリッチの総合優勝は2019年に続く2度目。ポイント賞、山岳賞でも1位になった。新人賞は18秒遅れで総合2位になったUAEエミレーツのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)。最終日はアルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がゴール勝負を制した。

ティレーノ~アドリアティコ第7ステージで勝ったヤスペル・フィリプセン ©LaPresse

2つのヤリは息子たちの武器になりそうな気がする

「怪我の手術から実戦に戻ってきて、チームが成し遂げたことをみるのは素晴らしい気分だ。ワウト・ファンアールトや他のチームメイトと素晴らしい一週間を過ごした」とログリッチ。

ログリッチがティレーノ~アドリアティコを制し、大会のトロフィーである三叉のヤリ「トライデント」を手中にした ©LaPresse

「レースに戻ってくるのをとても楽しんだ。初日のタイムトライアル以降は超ハードだった。バランスよく乗ることを心がけた。まずはレースのリズムに戻ることが重要だったからだ。それはジロ・デ・イタリアでも同じ。私はただ私のバイクで楽しみたい。

自宅に2つ目のトライデントを持ち帰ることになったので、ティレーノ〜アドリアティコのトロフィーは息子たちが戦うための道具になるかもしれない」

ログロッチはポイント賞のマリアチクラミーノを含めて3つのジャージを獲得した ©GianMattia D’Alberto/LaPresse
山岳賞ジャージを着るログリッチ ©GianMattia D’Alberto/LaPresse
ジョアン・アルメイダが新人賞 ©GianMattia D’Alberto/LaPresse

ログリッチ3連勝で総合Vに王手…ティレーノ~アドリアティコ第6S

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月11日、オシーモ・スタッチオーネ〜オシーモ間の193kmで第6ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が3日連続で優勝。総合優勝に大きく前進した。

ファンアールトがログリッチをゴールまで牽引する。ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチは大会通算4勝目。同大会でこれまでステージ3連勝をしたのは1992年のモレノ・アルゼンチン(イタリア)と2005年のオスカル・フレイレ(スペイン)で、ログリッチで3人目。1大会で3勝を挙げたのは2008年のフレイレ以来となる。

ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ファンアールトが勝つために乗り込んだが、計画は変更された

「こんなにいいシーズンをスタートさせたことはないと思う。ステージ3連覇というのはクレイジー」とログリッチ。

青色のマリアアッズーラを着用するログリッチを援護するユンボ・ビスマ勢。ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「開幕前のチームの戦略は、今日の結果とは少し違うものだった。ワウト・ファンアールトが勝つために乗り込んだが、計画は変更された。総合優勝を確保するためには誰もがチャンスを犠牲にしなければならない。ボクが再びステージ優勝を目指すチャンスを与えてくれた要因だ。

明日の最終ステージを締めくくるために集中力を持ち続けたい。ケガから戻ってきてチームとレースするのは本当にクールだ。目標となるジロ・デ・イタリアはもうすでにスタートできる準備が整っているけど、5月だし、なにが起こるか見てみたい。今はシーズンの始まりに過ぎない。フィールドのレベルは超高く、レースはとても難しいが、私はそれを楽しんでいる」

ティレーノ~アドリアティコ第6ステージで最後の激坂を突き進む ©Fabio Ferrari/LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ第6ステージはログリッチが有力選手のスプリント勝負を制した ©Fabio Ferrari/LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ第6ステージで首位を死守したログリッチ ©LaPresse

ログリッチ完全復活の2連勝…ティレーノ~アドリアティコ第5S

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月10日、モッロ・ドーロ〜サルナーロ・サッソテッロ間で第5ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が前日に続いて優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージを制したログリッチ。悪天候のため表彰は室内で行われた ©LaPresse

前日にログリッチは、首位レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)まで6秒差の総合2位と肉薄していて、この日は区間1位で10秒のボーナスタイムを獲得。ケムナは同タイムの区間5位でボーナスタイムを獲得できず、総合成績でログリッチが4秒差で首位に躍り出た。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチは大会通算3勝目。スロベニア勢としてタデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ)の3勝に並んだ。2019年に総合優勝しているログリッチはこれでリーダージャージ着用日数を8日に伸ばした。ログリッチがステージレースでリーダーとなったのは2022年8月23日のブエルタ・ア・エスパーニャ以来で、199日ぶり。

この日は強風を伴う悪天候で、山岳に設定されたゴール地点を2.1km山麓側に移動して距離短縮。165.6kmで行われた。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ジロ・デ・イタリアのためにウィルコやクーンと一緒に走っておきたかった

「昨日に続いて勝つのはクレイジーだけど、本当にクールで楽しい。谷で突風があり、上りでも突風があった。そんななかで今日、ヨーロッパで開催された唯一のプロレースとなった」とログリッチ。フランスのパリ〜ニースは悪天候を懸念して中止となっている。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージを制したログリッチ(右) ©LaPresse

「昨日よりもはるかに大きな丘を登るのに苦労したが、最後にはスプリント勝負となる可能性が見えた。ウィルコ・ケルデルマンに力を貸してもらい、ステージ優勝のチャンスがつかめるように頼んだ。ステージで2勝を挙げ、ティレーノ〜アドリアティコに来る前に予想していたこと以上を成し遂げた。

この大会を今季のプログラムに追加した理由の1つは、ジロ・デ・イタリアでアシスト役となるウィルコやクーン・ボウマンと一緒にレースをすること。明日は彼らと一緒にジャージを守るために最善を尽くしたい」

ログリッチが復活V…ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月9日、グレッチョ〜トルトレート間の218kmで第4ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージを制したログリッチ ©LaPresse

総合成績では5秒遅れの区間17位でゴールしたレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)に代わって首位に立った。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチの優勝は2018年の第3ステージ以来で2回目。スロベニア勢はタデイ・ポガチャルの3勝を含めて通算5勝目。

ユンボ・ビスマはエースのワウト・ファンアールト(ベルギー)がトム・ピドコック(英国、イネオスグレナディアーズ)と交錯して落車。この日だけで7分40秒遅れて総合優勝争いから脱落した。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージでケガから復帰したログリッチ(右から2人目)が動いた ©Fabio Ferrari/LaPresse

ケムナがステージレースで首位に立ったのはジュニア時代以来で、プロレースでは初めて。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの大会途中で総合2位に位置して首位に肉薄した実績がある。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse – Greccio – Tortoreto. In the pic:

ジロ・デ・イタリアでの完全復活のために参戦した…ログリッチ

「最後にレースで優勝してから久しぶりなので、その瞬間を楽しんでいる」と2022ブエルタ・ア・エスパーニャを落車負傷でリタイアし、ケガからの懸命の復帰を余儀なくされていたログリッチ。

「1カ月の厳しいトレーニングを積んだ。自分自身と家族には多くの犠牲を払った。ハードなトレーニングの後、レースをする準備ができていると感じたので、レース活動を再開し、自宅でのトレーニングでは得られないジロ・デ・イタリアへの最後の一歩のためにティレーノ~アドリアティコに参戦した。

自分の勝利には少し驚いている。チームは別の計画を持っていたが、ロードレースでは計画していた作戦がどのように急速に変化するかよく知っている。クラッシュを回避できてよかったし、ワウト・ファンアールトが数日後には元気になって走れるようになることを願っている。明日はどうなるかわからない。私だけでなく、多くの選手が強いので」

テレマーク姿勢をキメるログリッチ。ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

ログリッチとの6秒差はないも等しい…首位のケムナ

「今日は総合成績でリードできるとは思っていなかったが、とてもうれしい。ステージレースをリードするのは初めて。昨年のジロ・デ・イタリアで素晴らしい経験をしたので、イタリアで勢いを維持できてよかった」とケムナ。

「明日の上りは今日よりも適しているが、多くのトップライダーが争う非常に難しいステージになるはず。プリモシュ・ログリッチの存在は常に懸念事項だ。彼との6秒のリードはそれほど多くないから」

レナード・ケムナが首位に立った ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse