優勝者はワイドオープン…世界選手権ロードをニバリ試走

自転車ロード界の世界チャンピオンを決める2020世界選手権ロードが9月24日から27日までイタリアのエミリアロマーニャ州にあるイモラで開催される。ツール・ド・フランスを欠場しているイタリアのビンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード)が9月15日、イタリア代表チームを率いるダビデ・カッサーニ監督とともにコースを視察した。

ビンチェンツォ・ニーバリ(左)。イタリアのダビデ・カッサーニ監督はeバイクを使用 ©Isolapress / Imola2020

当初の開催予定だったスイスが新型コロナウイルス感染拡大により政府通達で中止に。急きょイモラが代替開催地に名乗り出た。

2020年の世界選手権は9月20日に終了するツール・ド・フランスから1週間も経たずに開催するという異例のもの。しかも大会をコンパクト化し、エリート男女クラスしか開催しない。

●2020世界選手権ロード イモラ・エミリアロマーニャ大会日程

2020世界選手権ロードのコースとなったイモラサーキット ©Imola2020

9月24日 エリート女子タイムトライアル(31.7km)
9月25日 エリート男子タイムトライアル(31.7km)
9月26日 エリート女子個人ロードレース(143km/獲得標高2800m)
9月27日 エリート男子個人ロードレース(258.2km/獲得標高5000m)

モータースポーツのサーキット場として知られるイモラ ©Imola2020

ニバリと監督はエンツォ・エ・ディノ・フェラーリ競技場を入念にチェック。スタート/フィニッシュ地点となるのはもちろん、女子5周、男子9周の周回コースに常にサーキット場を通過するという設定となる。

さらにサーキットを出てからのコース上にある過酷なマッツォラーノとガッリステルナの登り、そしてニバリが得意とするサーキット場までの長い下りを実走した。

イモラの美しい町並みとサーキット場 ©Imola2020

「コースは難しいが選択肢もある。2つの上り坂は短いが非常に厳しい。とりわけ2つ目のガッリステルナは本当に難しいが、その後にサーキットに戻る長い下りが続く。この上りで得たタイム差を生かすためにはチーム戦略が求められるとともに、最高のコンディションでレースに臨む必要がある」とニバリ。

「規模の大きい大会をほんのわずかな準備期間で開催にこぎつけた組織委員会の素晴らしい仕事ぶりにまずは敬意を表したい。彼らがすでにレースコースの90%を再舗装していることを見たので、ボクたち選手は最高の状態で挑むつもりだ。イタリア選手を応援するためにイモラに集まってくれるファンのために素晴らしいショーを見せたい」

©Imola2020

1968年のアドルニに続くイタリア勢優勝なるか

1968年の世界選手権イモラ大会ではイタリアのアドルニが優勝した ©Imola2020
イモラサーキットに独走でゴールしたアドルニ。広報のチームカーに乗るのがメカニックのエルネスト・コルナゴ ©Imola2020

アラフィリップ、ファンアールト、フルサン、サガン

「私はこの周辺をとてもよく知っている。私の練習コースだからね」とカッサーニ監督。

「山岳スペシャリスト向きではなく、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのようなクラシックレースを得意とする選手のためでもないと思っている。ジュリアン・アラフィリップ、ワウト・ファンアールト、ヤコブ・フルサンが有力だが、ペテル・サガンも要注意だ。ツール・ド・フランスからうまく照準を合わせてくれば上りがそれほど長いないから、彼の脚質には向いている。いずれにしても多くの選手に優勝の可能性がある」

2020世界選手権ロードのコース ©Imola2020

●世界選手権ロード イモラ・エミリアロマーニャ大会のホームページ

世界選手権代替開催地のイモラが大会運営に意欲

2020年のUCIロード世界選手権の開催地に急きょ決定したエミリア・ロマーニャのイモラが大会運営に自信を見せた。2020年大会は当初スイスのエーグル・マルティニーで予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大によりスイス政府がイベント制限措置を通告。UCI(国際自転車競技連合)が替わりの開催地を模索していた。

© 2020 Imola – Emilia Romagna 2020

UCIロード世界選手権は9月24日から27日までイタリアのイモラで開催されることになった。52年前の1968年にイタリアのビットリオ・アドルニが優勝した地だ。このときの2位選手とのタイム差9分50秒はいまも世界選手権の最大のギャップとして破られていない。

UCIロード世界選手権がイタリアで開催されるのはトスカーナ州フィレンツェで開催された2013年以来7年ぶり。

エーグル・マルティニーでの開催を断念したUCIは代替会場を模索。4都市からの招致を受け、スイスと同じくらい壮観でタフで要求の厳しいロードコースであること、現在のパンデミック中に最大の安全性を確保するために不可欠な最先端の施設があることを重点に、イモラに決定した。

2020年9月24日から27日まで、エリートクラスのレースが行われるUCIロード世界選手権は、イモラのエンツォ・エ・ディノ・フェラーリ競馬場に本部を置く。F1サーキットとしても知られる施設だ。

「イモラでのUCIロード世界選手権は、サイクリングが大好きで、このスポーツで歴史を作ったチャンピオンの発祥の地であるエミリア・ロマーニャにとって快挙だ。世界選手権開催を私たちは誇りに思う」と同地域のステファノ・ボナッチーニ会長。

●UCIのホームページ

世界選手権新採用のミックスTTは2024パリ五輪でも有力

チームタイムトライアル・ミックスリレーが英国ヨークシャーで開催される世界選手権ロードで初めて採用された。男子3選手から女子3選手にバトンタッチして、トータルのタイムを競う新種目だが、2024年のパリ五輪でも有力視されている。

9月22日にヨークシャーで開幕する世界選手権ロードの初日はいきなり新種目のチームタイムトライアル・ミックスリレーだ。国別のチームタイムトライアル形式で、まず男子3選手がスタート。男子選手の2番手がフィニッシュラインを通過したら女子3選手がスタートする。最終的に男子選手の2番手がフィニッシュラインを通過したタイムが計測され、順位となる。

初採用の今回はベルギー、デンマーク、スペイン、フランス、英国、ドイツ、イタリア、オランダ、ロシア、スロベニア、スイス、UCIワールドサイクリングセンターが出場し、初代チャンピオンを争う。

2019年の欧州選手権でテスト開催されたチームタイムトライアル・ミックスリレー。このときはバウケ・モレマを擁するオランダが、2位ドイツ、3位イタリアを抑えて優勝した。UCI(国際自転車競技連合)は2024年のパリ五輪で実施することを目指してIOC(国際オリンピック委員会)と調整を重ねていくという。

●世界選手権ロードのホームページ

ルワンダが2025世界選手権ロード招致へ…実現すればアフリカ大陸初

アフリカ大陸にあるルワンダが2025年の世界選手権ロードの大会招致に乗り出した。実現すればアフリカ大陸初開催となる。2月24日に開幕したナショナルステージレースのツール・ド・ルワンダ初日に同国自転車連盟会長が言及した。

ツール・ド・ルワンダ第2ステージでエリトリアのメルハウィ・クドゥスが優勝 ©Tour du Rwanda

ルワンダは20世紀終盤に紛争や虐殺などで混乱したが、国際社会の協力があって、近年は経済情勢を含めて急成長。2009年に同国の代表的なステージレース開催を始めた。ロードレース開催には適さなかった道路事情も、年を追うごとに環境整備を続け、こどもたちへの自転車啓蒙活動も展開してきた。正式の大会招致立候補を受けて、UCI(国際自転車競技連合)も調査を開始する。

2月24日から3月3日まで開催されるツール・ド・ルワンダは、エリートカテゴリーとしては同国唯一の国際レースで、UCIアフリカツアーの第1クラスにランクされる。自転車の普及と選手育成に果たしてきた役割は大きい。2012年の大会では当時18歳だったエリトリアのメルハウィ・クドゥスが活躍。同選手は2019年の大会にアスタナチームとして参戦し、第2ステージを制している。

ルワンダに自転車文化を持ち込んだのは米国選手として初めて1981年のツール・ド・フランスに出場したジョナサン・ボイヤーだ。それまではオランダのPDFチームの広報を務めていたが、2006年にはアフリカ大陸に渡って自転車文化を根づかせる活動を継続してきた。今回の世界選手権ロード立候補はこうした人物がまいた種が結実した証拠だ。

トラックW杯第2戦はNHK BS1で11月20日…世界選手権ロード再放送は11月14日

自転車競技のトラックワールドカップ第2戦がNHK BS1で11月20日(火)午後7時から同49分まで放送される。オリンピックレースシーズンがスタートしたトラック競技の白熱の戦いを伝える。

チロル地方のインスブルックで開催されている世界選手権ロード © Dario Belingheri/BettiniPhoto

9月に開催された2018ロード世界選手権の再放送も急きょ決定。11月14日(水)午前9時から10時49分まで。途中BSニュースあり。どちらの放送も予定ですので、臨時ニュースがあった場合は変更の可能性がある。

世界選手権ロードはNHK BS1で10月25日19時から放送

世界選手権ロードの放送日程がNHKから発表された。NHK BS1で10月25日19時から同50分までが前編、途中BSニュースをはさんで20時から同49分までが後編。

世界選手権エリート男子ロード © Dario Belingheri/BettiniPhoto

トラック世界選手権の再放送はNHK BS1で10月20日0時50分からBSニュースなしで02時29分まで。臨時ニュースなどで番組が編成される可能性もある。

トラック世界選手権は河端朋之のケイリン銀メダル獲得の感動をもう一度、そしてロード世界選手権は大会屈指の難関コースで行われた、まさに「生き残り」をかけた戦いの様子を伝える。

●世界選手権ロード関連ニュースまとめサイト

●世界選手権ロードの結果
9月23日(日) UCI女子チームタイムトライアル
9月23日(日) UCI男子チームタイムトライアル
9月24日(月) ジュニア女子個人タイムトライアル
9月24日(月) U23男子個人タイムトライアル
9月25日(火) ジュニア男子個人タイムトライアル
9月25日(火) エリート女子個人タイムトライアル
9月26日(水) エリート男子個人タイムトライアル
9月27日(木) ジュニア女子ロードレース
9月27日(木) ジュニア男子ロードレース
9月28日(金) U23男子ロードレース
9月29日(土) エリート女子ロードレース
9月30日(日) エリート男子ロードレース

アレハンドロ・バルベルデがアルカンシエルをお披露目…ミラノ〜トリノ

世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が10月10日にイタリアで開催されたミラノ〜トリノで、世界チャンピオンが着用する5色の虹色ジャージ、アルカンシエルを着用して登場した。

アルカンシエルで登場したアレハンドロ・バルベルデ © LaPresse

ミラノ〜トリノは1872年に第1回大会が開催された伝統レースで、国際大会としては最古のレースだと主催者はアピール。2018年大会は10月10日開催で、世界チャンピオンのバルベルデをはじめ、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ)、ジャンニ・モスコン(スカイ)、ティボー・ピノ(グルパマFDJ)、アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)、ダニエル・マーティンとファビオ・アルー(UAEエミレーツ)らが参戦する。

10月10日のミラノ〜トリノにアルカンシエルで登場した世界チャンピオン、アレハンドロ・バルベルデ © LaPresse

ミラノ〜トリノに登場したティボー・ピノ(左) © LaPresse

ミラノ〜トリノに出場するファビオ・アルー(左)とダニエル・マーティン © LaPresse – Fabio Ferrari

10月10日、ミラノ〜トリノがスタート © LaPresse

日本から唯一参戦の中根英登はリタイア…世界選手権エリート男子ロード

UCIロード世界選手権インスブルック・チロル大会は1週間にわたり熱戦が繰り広げられてきたが、9月30日(日)に最終日となる8日目を迎え、男子エリート・ロードレースが開催された。走行距離258km、合計獲得標高4670m、レース時間は7時間近くにおよぶ、長く厳しいレースで、約90kmのライン区間を終えてから周回コースを6周回、最後は通常の周回コースに“地獄”を意味する“Höll(ヘッレ)”と名付けられた最大勾配28%、7.9kmの厳しい登坂区間が加わったロング周回をこなすコースレイアウトだった。

エリート男子ロードの中根英登 © 2018 JCF

スタート時間は午前9時40分。スタートとなったクーフシュタインの街中には太陽の光が届かず、気温は10度程度。秋の深まりを感じる気候のなか、44カ国、188名の選手が母国の代表ジャージに身を包んでスタートを切った。世界選手権男子エリートロードレースは、国別ランキングによって出場枠が変わってくる。強豪国が8名選手を揃えるのに対し、2018年に日本が獲得できた出場枠はわずか1枠。アジア大会でその優れた登坂力をアピールした中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)が、貴重な世界選手権への出場切符をつかんだが、チームワークが重要なロードレースにおいて、単騎での参戦は不利な状況だった。

序盤のライン区間で11名の逃げが形成され、タイム差は最大で約20分と大きく開いた。周回コースに入り、集団は少しずつタイム差を詰めていったが、本格的な追走体制となったのは3周回目から。ペースが上がっていき、この動きにより中根は集団から遅れ始め、5周回完了時に足切りとなった。

最終周回に入っても、序盤から逃げていたデンマークとノルウェーが先行を続けたが、登坂区間に入ると活性化した集団により吸収。激しいアタックの攻防となり、大会最大の見どころとなるヘッレの登りで、先頭はロマン・バルデ(フランス)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、マイケル・ウッズ(カナダ)に絞られ、下り区間でトム・デュムラン(オランダ)が追いつき、最後はこの4名でのゴールスプリントの展開となり、38歳のバルベルデが悲願の世界選手権初優勝を飾った。

左からロマン・バルデ、アレハンドロ・バルベルデ、マイケル・ウッズが最後の坂を登る © Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto

浅田顕コーチのコメント
男子エリート・ロードレースは国別出場枠1枠の条件により中根の単独参加となった。レースは90㎞のライン区間の序盤に形成された11名の先行グループに対し、集団が組織的にペースを作るも一時は20分近くのタイム差を許した。しかし中盤から徐々にペースアップが始まり何度も峠を越える周回コースでは予想どおりの厳しさとなり、序盤は好位置で力を温存していた中根だが、ラスト90㎞を切ったあたりで集団から遅れてしまい残り2周を残してリタイヤとなった。急きょ参加が決まった中根の世界選手権ロード初挑戦は、十分な準備をする間もなく厳しい結果となったが、最初から簡単に結果が出るほど甘い世界ではない。次の挑戦までにどのようにトップにアプローチしていくかがなによりも重要で、欧州のプロレベルで走り続けて成績を伸ばしていくことが大前提であろう。ナショナルチームとしても所属と連携をより深め強化につなげていきたい。

エリート男子ロードの中根英登 © 2018 JCF

中根英登のコメント
世界選手権への出場は今月に入ってから決まった。今シーズンは、9月中旬のイタリア連戦に重点を置いており、今シーズンの一番いいコンディションだったのは、8月末のアジア大会から9月19日のジロ・デラ・トスカーナ(UCI1.1)だった。トスカーナから約10日、アジア大会からは約1カ月経ってしまっていたので、コンディションが下降気味だと感じていたが、所属チームやナショナルチームがベストな状態でスタートに送り出してくれたので、コンディションは大丈夫だと自分に言い聞かせていた。2週間前のコンディションだったら、もう少し先頭集団にいられて、周回を重ねることができたとは思うが、だからといって上位をねらえたわけではない。圧倒的なレベルの差があるのはわかっているが、すごく悔しい気持ちで、もっと強くなりたいと思っている。
シーズン序盤は世界選手権に出場できるとはまったく考えていなかった。しかし出場させてもらえる機会を得て、初めて走り、もっと準備しないといけない、力やテクニックをつけたいと強く感じた。日本代表として、日本人選手が一丸となって獲得したUCIポイントでスタートラインに立たせてもらった。そういう責任を感じていたが、結果を出せず申し訳ない気持ちが強い。しかし落ち込んでいても仕方がないので、来年も自分が出るという気持ちで準備していきたい。そしてさらにポイントを獲得して、もう一つ上の”出場枠4”をめざしたい。今度は日本人選手4人で厳しいレースにチャレンジしていきたい。

●世界選手権ロード関連ニュースまとめサイト

●世界選手権ロードの結果
9月23日(日) UCI女子チームタイムトライアル
9月23日(日) UCI男子チームタイムトライアル
9月24日(月) ジュニア女子個人タイムトライアル
9月24日(月) U23男子個人タイムトライアル
9月25日(火) ジュニア男子個人タイムトライアル
9月25日(火) エリート女子個人タイムトライアル
9月26日(水) エリート男子個人タイムトライアル
9月27日(木) ジュニア女子ロードレース
9月27日(木) ジュニア男子ロードレース
9月28日(金) U23男子ロードレース
9月29日(土) エリート女子ロードレース
9月30日(日) エリート男子ロードレース