アルカンシエルをまとったキャノンデールバイクが完成

100回目の記念大会となった2021世界選手権ロードでエリート女子を制したエリーザ・バルサモ(イタリア)のチャンピオンバイクを、契約するキャノンデールが完成させた。世界チャンピオンの称号である5色の虹色「アルカンシエル」をあしらったSuperSix EVOだ。

パリ〜ルーベを走る世界チャンピオンのエリーザ・バルサモ

バルサモはSuperSix EVOを駆り、強豪がひしめく2021世界選手権を制覇した。この勝利はキャノンデールにとって2003年以来の世界選手権エリートクラスのタイトル獲得だけではなく、女子レースシーンに衝撃を与えた。

SuperSix EVOがアルカンシエルをまとった

世界タイトル5連覇をねらうオランダ勢。しかし、バルサモは最後の局面で優勝候補のライダーを置き去りにしてフィニッシュラインを駆け抜け、勝利を手にした。ジュニアランクとトラックで成功を修めてきた23歳のバルサモにとって、この勝利はキャリアを決定付けるものとなる。

バルサモは10月2日、フランスで開催された女子パリ~ルーベに、ハンドペイントされた特別な世界チャンピオンバイクで出場した。

キャノンデールSuperSix EVO

●キャノンデールのホームページ

世界選手権ロードがNHK BS1で19日未明に放送へ

世界選手権ロードの模様がNHK BS1で2020年10月19日(月)午前0時26分から2時05分まで、99分の番組で放送される予定。10月19日(月)午前0時26分とは、18日(日)から19日に日付が変わって26分後の意味。

最終周回でアタックしたアラフィリップ ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

番組では男子エリートロードレースの模様をたっぷりとハイライトでお伝えする。解説は元プロロードレーサーの初山翔、実況は木下貴道。再放送は10月20日(火)午前9時からの予定。急なニュースによっては番組の放送が変更になる場合もある。

新型コロナウイルスの影響で急きょスイスからイタリアの開催となった2020自転車ロード世界選手権。舞台はかつてF1でも使用されていたイタリアのボローニャ県にあるイモラサーキット。大会は9月24日から27日の4日間で行われた。

実施種目の中でも世界的に人気の高い「男子エリートロードレース」は総距離250km以上で走行時間は6時間をこえる。累積標高差も5000mをこえる厳しいコースでの戦いとなった。

●NHKの番組ホームページ

2020世界選手権エリート女子ロード ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020

●2020世界選手権ロード イモラ・エミリアロマーニャ大会日程
9月24日 エリート女子タイムトライアル(31.7km)
9月25日 エリート男子タイムトライアル(31.7km)
9月26日 エリート女子個人ロードレース(143km/獲得標高2800m)
9月27日 エリート男子個人ロードレース(258.2km/獲得標高5000m)

わずか20日で国際大会…IOCバッハ会長が世界選手権を絶賛

「イタリアはオリンピックの新記録を樹立した。記録的な時間で世界選手権大会を組織した。これは奇跡であり、イタリアのスポーツシステムの効率を示している」と、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が2020年のUCI(国際自転車競技連合)ロード世界選手権を開催したイタリアのイモラ・エミリアロマーニャ大会を絶賛した。

男子ロードの世界チャンピオン、ジュリアン・アラフィリップと記念写真に収まるバッハ会長(右) ©Isolapress ©Bettiniphoto – Imola2020

2020年の世界選手権は当初スイスのエーグル・マルティニーで予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大によりスイス政府がイベント制限措置を通告。UCIが替わりの開催地を模索していた。

UCIは代替会場として4都市からの招致を受け、スイスと同じくらい壮観でタフで要求の厳しいロードコースであること、現在のパンデミック中に最大の安全性を確保するために不可欠な最先端の施設があることを重点に、F1サーキットとしても実績があるイモラに決定した。

「イモラでのUCIロード世界選手権は、サイクリングが大好きで、このスポーツで歴史を作ったチャンピオンの発祥の地であるエミリア・ロマーニャにとって快挙だ。世界選手権開催を私たちは誇りに思う」と同地域のステファノ・ボナッチーニ会長が先頭に立って、わずか20日という準備期間で国際的スポーツイベントの開催を実現させた。

IOCのバッハ会長が世界選手権ロードをコメント ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

スポーツイベントのトップパーソナリティであるバッハ会長は、新型コロナウイルス感染拡大に直面した状況でまずはじめに開催される世界選手権ロードを中止させることは絶対にならないと厳命。1カ月足らずで組織された主催者をサポートした。

「非常に短い準備時間とウイルスによって課せられた使命はインポッシブルだったという。しかしイモラ主催者はなにごともなかったかのように大会を完了させた」

イベントの成功は、現地入りしたバッハ会長自身が確認した。

©Isolapress ©Bettiniphoto – Imola2020

「一人一人がミッションを情熱的にクリアしたことは、この大会のみならず将来のスポーツイベントのベンチマークとなった」と、バッハ会長は2021年に開催を目指す東京五輪の成功を肌で感じたという。

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フランスのジュリアン・アラフィリップが世界チャンピオンに

フランスのジュリアン・アラフィリップが9月27日にイタリアのイモラで開催された世界選手権エリート男子ロードで、残り10kmから独走して初の世界チャンピオンになった。2位は24秒遅れの4人の争いを制したベルギーのワウト・ファンアールト、3位はスイスのマルク・ヒルシ。

最終周回でアタックしたアラフィリップ ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

フランス勢の世界選手権優勝は1997年のローラン・ブロシャール以来となる23年ぶり8人目。

●フランス勢の世界チャンピオン
1936 アントナン・マーニュ
1954 ルイゾン・ボベ
1959 アンドレ・ダリガード
1962 ジャン・スタブリンスキ
1980 ベルナール・イノー
1994 リュック・ルブラン
1997 ローラン・ブロシャール

エリート男子ロードは距離258.2kmで争われた ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020

日本から唯一出場した新城幸也はスタート直後に形成された7人の先頭集団に加わり、国際映像に積極的な走りを映し出された。4人に絞り込まれてもその中に残ったが、2選手に先行され、ゴールまで77kmの地点でメイン集団に吸収された。

ベルギー、ポーランド、イタリアなどの強豪国がレースをコントロールしようとした ©Ilario Biondi/BettiniPhoto©2020

最終周回の最後の上りでアラフィリップがアタック

今季はF1も開催されるイモラサーキットを基点として2つの上りが含まれる周回コースを9周する。序盤から新城を含む7選手が先行するが、終盤になってメイン集団がこれを吸収。残り2周で、1週間前にツール・ド・フランスで総合優勝したばかりのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が単独で抜け出したが、後続のメイン集団に捕らえられた。

地元イタリアのビンチェンツォ・ニバリがアタックすると、スペインのミケル・ランダら優勝候補がマーク ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

最終周回の最後の上りまで各国のエースはメイン集団に残ったが、残り10km地点でアラフィリップがアタックすると、わずかにその差がついた。

独走でゴールを目指すアラフィリップを追って、ファンアールト、ヒルシ、ポーランドのミハウ・クビアトコウスキー、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ、デンマークのヤコブ・フルサンが追走。しかし10〜15秒の差が詰まらず、アラフィリップを捕らえられなかった。

ジュリアン・アラフィリップが世界チャンピオンに ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020

「この感情を説明する言葉がない。今日は自分のキャリアの中で最大の目標を達成した」と目に涙を浮かべるアラフィリップ。

「これまでもうなにも残すことなく、多くの犠牲を払ってきた。チームメイトに感謝しなければならない。まだ夢を見ているような気分で、ボクたちフランスチームが達成したことを確認する必要がある」

アルカンシエルを着用したジュリアン・アラフィリップを中央に、左が2位ワウト・ファンアールト、右が3位マルク・ヒルシ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020

「最後の上りでは、ピークを越えてからの下りで数秒のリードを得るために全力で行った。考えることをすべてやめて、ひたすらペダルをこいだ。ゴールまで200mで、もう捕まえられないと分かって、夢がかなったと思った。とても幸せだ」

アラフィリップは9月30日に開催されるにフレッシュワロンヌで世界チャンピオンの称号である5色の虹色ジャージ、アルカンシエルを着てデビューする。

●世界選手権エリート男子ロード結果
1) ALAPHILIPPE Julian (France) km 258.2 in 6:38:34 (average speed 38.869 kph)
2) van AERT Wout (Belgium) +24
3) HIRSCHI Marc (Switzerland) +24
4) KWIATKOWSKI Michal (Poland) +24
5) FUGLSANG Jakob (Denmark) +24
6) ROGLIC Primoz (Slovenia) +24
7) MATTHEWS Michael (Australia) +53
8) VALVERDE Alejandro (Spain) +53
9) SCHACHMANN Maximilian (Germany) +53
10) CARUSO Damiano (Italy) +53
リタイア 新城幸也(日本)

アルカンシエルを手中にして天を仰ぐアラフィリップ ©Ilario Biondi/BettiniPhoto©2020

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アンナ・ファンデルブレッゲン二冠…東京五輪の大本命に

オランダのアンナ・ファンデルブレッゲンが9月26日にイタリアのイモラで開催された世界選手権エリート女子ロードレースで、残り41.5km地点から単独で抜け出し優勝。2年ぶり2度目の世界チャンピオンとなるとともに、2日前に獲得したエリート女子タイムトライアルと合わせて二冠を達成した。

アンナ・ファンデルブレッゲンが2年ぶり2度目の世界チャンピオンに ©Massimo Fulgenzi/Isolapress – Imola2020

ファンデルブレッゲンはボエルスドルマン所属。身長167cm、体重56kg。長身ぞろいのオランダチームの中では小柄なほうだ。しかし近年の実績は随一。2016リオ五輪の女子ロード金メダリスト。フレッシュワロンヌでは2015年から5連覇中(2020年大会は9月30日開催)。2017年と2018年にリエージュ〜バストーニュ=リエージュ、2018年にツール・デ・フランドルでも優勝している。

2020世界選手権エリート女子ロード ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020

2020年9月11日から19日まで行われたジロローザで3年ぶり3度目の総合優勝を獲得したばかり。このレースで2019世界選手権優勝のアンヌミエク・ファンフレウテン(オランダ)が右手首を負傷し、この日のレースでは絶対的エースとしては起用されなかった。世界選手権でも2018年1位、2019年2位の実績があるファンデルブレッゲンはこの日の5周回のレースのなかで、残り2周の上りでアタックすることがオランダチームの中で決まっていた。

独走するアンナ・ファンデルブレッゲン ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

「私はイモラから2つのジャージを家に持ち帰るとは思ってもみなかった」とファンデルブレッゲンがフィニッシュ後に感激の表情を浮かべながらコメント。

「私にとってこの3日間はまさに夢心地でした。美しい上りとおいしいゴハンがあるイタリアが大好きなんです。私に多くの喜びを与えてくれたこの地域とレースコースは永遠に私の心の中に残ります」

最終周回はすべての選手が疲労の中で走っていることから、上りで決定的なアタックを決めるのは難しいと予感していたという。だから残り2周で勝負を仕掛けた。

「ゴールまではとても長かった」という。

アンナ・ファンデルブレッゲンが残り41.5kmから独走勝利 ©Ilario Biondi/BettiniPhoto©2020

2年前に優勝した2018世界選手権インスブルック大会と同様、早めの仕掛けによる独走状態となったときも、「2年前のことは考えないようにした。ここは平たんもあるし状況がまったく違うから。後続とのタイム差も伝えないでほしいと言った。自分の持っている力を考えながらゴールを目指したかったので」という。

「次の大きなレースは6連覇がかかる9月30日のフレッシュワロンヌですが、今は考えてません。今はこの本当に素晴らしい瞬間を楽しもうと思います」

イタリアのエリサ・ロンゴボルギーニが追走するがアンヌミエク・ファンフレウテンがしっかりとマーク ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020
オランダのアンナ・ファンデルブレッゲンを中央に左が2位アンヌミエク・ファンフレウテン、右が3位エリサ・ロンゴボルギーニ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020

●世界選手権エリート女子ロード結果
1) van der BREGGEN Anna (Netherlands) km 143 in 4:09:57 (average speed: 34.327 km/h)
2) van VLEUTEN Annemiek (Netherlands) +1:20
3) LONGO BORGHINI Elisa (Italy) +1:20
4) VOS Marianne (Netherlands) +2:01
5) LIPPERT Liane (Germany) +2:01
6) DEIGNAN Elizabeth (Great Britain) +2:01
7) NIEWIADOMA Katarzyna (Poland) +2:01
8) LUDWIG Cecilie Uttrup (Denmark) +2:41
9) BRENNAUER Lisa (Germany) +3:08
10) REUSSER Marlen (Switzerland) +3:08
21) 与那嶺恵理(日本)+3:08

IOCのバッハ会長が2020東京のイメージ構築のため来場

国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長はこの日イモラを訪問。アンナ・ファンデルブレッゲンに拍手を送った後、27日に開催されるエリート男子ロードで最後の虹色ジャージ、アルカンシエルを獲得する選手を見届ける。
「Imola2020のサイクリングチャンピオンはすでに東京2020を見ています」とバッハ会長。

2020世界選手権エリート女子ロードをIOCのバッハ会長(右から2人目)が訪問 ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

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地元の期待を一身に背負ったエリサ・ロンゴボルギーニだが3位。世界チャンピオンを祝福する ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2020