杉浦佳子が1位通過…13種目一挙開催の世界選手権が3日開幕へ

UCI自転車世界選手権・英国グラスゴー大会が8月3日から13日まで開催される。開幕に先駆けて2日(日本時間3日未明)に行われたトラックパラサイクリング予選で、2020東京パラリンピック2冠の杉浦佳子が、自身が持つ日本記録を更新して全体の1位で予選を通過。3日の1-2位決定戦に進出した。

2023世界選手権パラサイクリング英国グラスゴー大会の予選でトップ通過した杉浦佳子 ©日本自転車競技連盟

女子C3個人パシュート予選は3km(250mx12周)で、杉浦は2位に6秒近い差をつけて予選1位。1-2位決定戦に進出したことで2位以上が確定した。

今までやってきたことが今日花開いた…杉浦佳子

「今までで一番いいペーシングができて、たれることなく最後までとても気持ちよく走ることができた」と杉浦。

「正直、まだ信じられません。ラップタイムを告げてくれるコーチの声も、聞き間違いかと思っていて、このままだと凄いタイムが出ると思って走っていました。今までやってきたことが、今日花開いた感じで本当に感謝しています」

パラサイクリング・トラック、ロード、ロードTT代表の杉浦佳⼦ ©Japan Cycling Federation

4年に一度の世界選手権は自転車競技史上空前のメガイベント

UCI(国際自転車競技連合)世界選手権は2023年8月3日から13日まで、英国北部スコットランドのグラスゴーとその周辺で開催される。11日間の日程で13種目が行われる。

  • ロード
  • パラサイクリングロード
  • トラック
  • パラサイクリングトラック
  • MTBクロスカントリー
  • MTBダウンヒル
  • MTBマラソン
  • MTBクロスカントリーエリミネーター
  • トライアル
  • BMXフリースタイル
  • BMXレース
  • 室内サイクリング
  • グランフォンド

【日本代表選手リスト】佐藤水菜、梶原悠未など67選手

注目のメガ世界選手権で日本代表チームが新デザインウエア

UCI自転車世界選手権・英国グラスゴー大会で日本代表の新ウエアを着用する。大会は8月3日から13日まで。

トラック種目ウエア。モデルは太田海也(左)、窪木一茂 ©JKA/Shuntaro MOCHIZUKI

今回の世界選手権は自転車競技のオリンピック・パラリンピック採用種目をはじめ複数種目が同じ場所、同じ期間で開催される史上初の大会。世界が注目する大会に公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)として新たなイメージの発信と競技での勝利を目指し、全種目で共通のエレメントをもちいた新デザインを採用した。

デザインコンセプトはファンとともに勝利を目指すJAPAN CYCLING

①日の丸と富士山(代表全種目の競技ウエアで採用)

日本を象徴する国旗をイメージさせる日の丸に富士山をあしらった。ファンや観客が見つけやすいデザインにすることで、競技者や関係者との一体感をもって日本チームを応援してほしいという期待と願いが込められている。

BMXレーシング種目ウエア、畠山紗英(左)、中井飛馬

②矢絣(やがすり)(BMXフリースタイル以外全てで採用)

競技ウエアの一部に矢絣柄を入れ込んでいる。矢絣は縁起のいい柄で、破魔矢と同じ邪気を払うという意味がある。また、矢は射るとまっすぐに飛ぶ。JCFはこのイメージを、競技では一直線に頂点を狙う意味を込めて取り入れました。

③勝色(かちいろ)(ロード、トラック、パラ、MTB-XCO で採用。 BMX、MTB-DHI、トライアル、インドア未使用)

パラサイクリング種目ウエア、杉浦佳子

パンツ部分にも、伝統的な勝利へのイメージとして使われている勝色を採用した。

上記①、②、③のコンセプトと合わせて、代表全員が「Team Japan エンブレム」を胸に日本代表として世界で活躍し、応援してくれる人とともに勝利するイメージをもってデザインを行った。

●UCI自転車世界選手権・英国グラスゴー大会で日本代表選手リスト

メガ世界選手権グラスゴーに日本代表は佐藤水菜、梶原悠未など67選手

UCI自転車世界選手権・英国グラスゴー大会が2023年8月3日から13日まで開催され、日本自転車競技連盟は男子43選手、女子24選手の合計67選手を派遣する。

トラック・スプリント、ケイリン、チームスプリント代表の佐藤水菜 ©Japan Cycling Federation

今回の世界選手権は自転車競技のオリンピック・パラリンピック採用種目をはじめ複数種目が同じ場所、同じ期間で開催される史上初の大会。

競技種目はロード、トラック、マウンテンバイク、BMXフリースタイル、BMXレーシング、パラサイクリングトラック、パラサイクリングロード、インドア、トライアル、グランフォンドで、グランフォンド種目のみ個人エントリー。

2年連続の2位、1番になって世界チャンピオンに…佐藤水菜

世界選手権は2021年、2022年とケイリンで銀メダルを得たものの、未だ1番になれていない大会です。今年こそ目標でもあるアルカンシエル(世界チャンピオンジャージ)を獲得できるように、しっかり結果を出してきたいと思います。また、個人種目だけでなく、チーム種目でもいい結果を残すようにしたいです。これまで、たくさんの方々にサポートしてきてもらっているので、大会では活躍して、応援して下さるみなさんに元気を届けられればと思います。

女子チームパシュートは梶原悠未、内野艶和、垣⽥真穂、池⽥瑞紀、古⼭稀絵 ©Japan Cycling Federation

厳しく苦しい練習を乗り越えたので悔いのないレースを…梶原悠未

これまでの厳しく苦しい練習を乗り越え、2023年UCIトラック世界選手権大会への出場権を獲得することができました。私たちがここまで来られたのは、指導してくださったダニエル・ギジガーコーチをはじめ、家族、仲間、スポンサー各社の支えがあってのことだと思い、感謝の気持ちでいっぱいです。応援してくださったみなさんの期待に応えられるよう、成果を発揮し、悔いの残らないよう頑張ります。応援よろしくお願いします。

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パラサイクリング・トラック、ロード、ロードTT代表の杉浦佳⼦ ©Japan Cycling Federation

パリ五輪出場のためにポイントを獲得したい…杉浦佳子

今大会では2024年パリパラリンピック出場のための国際ポイントを獲得することが目標です。そして、今年はワールドカップの参加ができなかったので、この大きな国際大会で他国の選手たちをしっかり観察し、残り1年、有意義なトレーニング期間としたいと思います。

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前人未到の大会連覇を目指す…中村輪夢

BMXフリースタイル・パーク代表の中村輪夢 ©Japan Cycling Federation

ディフェンディングチャンピオンとして挑む世界選手権になりますが、7月のワールドカップでも表彰台に上がれたので、調子が上がってきています。今回の世界選手権に向けて練習を続けてきている新技があるので、それをメイクして、フリースタイル・パークでは誰も成し遂げていない大会2連覇を目指したいと思います。

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BMXフリースタイル・フラットランド代表の佐々木元 ©Japan Cycling Federation
BMXフリースタイル・フラットランド代表の中川きらら ©Japan Cycling Federation
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BMXレーシングU23代表の籔⽥寿⾐ ©Japan Cycling Federation
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シクロクロス世界選手権で小川咲絵23位、柚木伸元39位、

オランダのホーヘルハイデで2月3日から5日まで開催された2023 UCIシクロクロス世界選手権で日本代表選手が参戦。エリート女子で小川咲絵(AX cyclocross team)が23位で完走した。監督は三船雅彦。

2023シクロクロス世界選手権のジャパンチーム

小川は足切りとなる周回遅れを免れてファイナルラップに入り、6分41秒遅れの23位で完走。 女子エリートレースでの日本人選手完走は2018年以来。同クラスはオランダ勢が1位から3位までの表彰台を独占した。

U23男子の柚木伸元(三重・朝明高)は39位、副島達海(大阪産業大)は40位でともにフルラップを走ってゴールした。

男子U23で追走をする柚木伸元

U23女子の石田唯(早稲田大)はフルラップを完走して、2020年大会(ジュニア31位)に続く2度目の完走。大蔵こころ(早稲田大)は完走できず順位としては32位。

エリート男子の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)はレース序盤の落車の影響もあり、必死の追走もかなわずラップアウト。順位としては35位。

佐々⽊元がBMXフラットランド世界チャンピオン…中川きらら3位

2022UCIアーバンサイクリング世界選⼿権がアラブ⾸⻑国連邦のアブダビで開催され、11⽉ 11⽇に⾏われたBMXフラットランド男子で佐々⽊元(鎌ケ⾕巧業)が優勝。2位は伊藤真⼈(GETIT BMXスクール)、3位は早川起⽣(Red Bull)で日本が表彰台を独占。女子は中川きらら(佐賀東⾼)が3位になった。

世界チャンピオンの佐々⽊元を中央に、左が2位。伊藤真⼈、右が3位早川起⽣ ©whynit.picture

BMXフラットランド男⼥決勝。2022年5⽉のワールドカップ(モンペリエ)でも表彰台を独占し世界を驚かせたばかりのBMXフラットランド⽇本男⼦。そのとき3位だったベテラン佐々⽊は、世界選⼿権も表彰台常連でありながら、2019年3位、2021年2位と、もう⼀歩のところで優勝を逃してきた。

今⼤会は公式練習から「得意な路⾯」と⼿応えを感じていた佐々⽊は、予選・準決勝ともに繊細な⾼難度トリックで魅せ1位通過。決勝でも勢いそのままに、悲願の世界選⼿権優勝を果たした。

佐々⽊元の決勝 ©whynit.picture

また世界選⼿権初出場の2選手も⼤活躍。伊藤は会場を⼤きく使う得意のスタイルで観衆の⼼をつかみ、ダイナミックな技をフルメイクして堂々2位。早川は予選から少しミスが出て順位を伸ばしきれず苦戦するも、決勝では攻めのライディングで得意の⾼難度スピン系トリックを決めて得点を伸ばし3位に。結果、世界選⼿権の表彰台を⽇本代表が独占するという偉業を達成した。

中川きららが世界選手権3位 ©JFBF

⼥⼦代表の中川は、初の海外派遣を感じさせない好調を⾒せ予選を1位通過するも、決勝では⼒を出しきれず優勝を逃した。それでも3位と健闘し、男⼥4名で4つのメダルを獲得した。

佐々⽊元のコメント
今、⽣まれてきて⼀番幸せです。プレッシャーも⼤きかったけれど、観衆・ライダー仲間からの応援が⾮常に⼒になりました。今までやってきた繊細な技が評価されたこと、メイク率を重視した構成が勝因と感じています。⾃分が勝ったことで、今⼀緒にいる⽇本代表チームや⽇本のみんなが盛り上がってくれ たらうれしいです。

佐々⽊元がアルカンシエルを獲得 ©JFBF

伊藤真⼈のコメント
テーマパークのパフォーマーとして2015年から2年間アブダビに住んでいたこともあり、この世界選⼿権に出られて本当にうれしかったですし、多くの⼈にここを⽬指したいと思ってほしいと感じています。BMXは⼤会だけが全てではないですが「BMXが好きで乗り続けていたら世界選⼿権で勝てるようになった」という僕のような⼈を育てるべく、育成にも⼒を⼊れ⽇本のシーンに貢献していきたいです。

伊藤真⼈は会場を⼤きく使う得意のスタイル ©whynit.picture

早川起⽣のコメント
⽇本代表として参戦できたことをとてもうれしく感じています。⾃分の求めるライディングができなかったことは悔しく、結果には納得していません。まだまだ多くの⼈に⾃分のライディングで驚いてほしいし、⾃分をきっかけにBMXフラットランドを知ってほしいので、この結果をバネにまた頑張ります。

早川起⽣ ©whynit.picture

中川きららのコメント
BMXを始めた⼩6の時に夢だった「BMXで世界⼀」を叶える舞台に⽴てたことはとてもうれしかったです。決めたかった技が決めきれず、3位という結果は悔しいです。みんなに憧れられるライダーになることを⽬指して、今後はライディングとともにメンタルも鍛えていきたいです。

中川きらら ©UCI

ポーリーヌ・フェランプレボがMTB世界選手権で二冠獲得

フランスのポーリーヌ・フェランプレボがUCI MTB世界選手権のダブルタイトルを獲得した。フランスのレジェで8月26日に行われたクロスカントリー・ショートトラック(XCC)と同28日のクロスカントリー・オリンピック(XCO)を制した。

クロスカントリー・オリンピック(XCO)の世界チャンピオンとなり、アルカンシエルを着用したフェランプレボ ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

UCI MTB世界選手権でXCCとXCOのダブルタイトル獲得は史上初

XCOは2015、2019、2020年に続く4勝目、XCCは初タイトル。また同選手は2014年に世界選手権ロード、2015年に世界選手権シクロクロスでも優勝。さらに同選手は世界選手権だけでも、ミックスリレーで2014、2015、2016年、MTBマラソンで2019年に世界タイトルを獲得している。

フェランプレボはまず8月26日のクロスカントリー・ショートトラックで優勝した ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

30歳となったフェランプレボが円熟の時を迎えた。ショートトラックで圧勝して初タイトルを獲得したフェランプレボは、2日後のXCOレースに自信に満ちあふれた姿で登場。新たな歴史を作り、これまで以上の栄冠を集めて今回の世界選手権を完遂しようと試みた。

フェランプレボは完璧なスタートを切り、最初の上りですでにリードを奪った。1周目の終わりまでに後続との差を20秒以上に伸ばした。

クロスカントリー・ショートトラックを走るフェランプレボ ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

同じフランス選手のロアナ・ルコントは独走を始めたフェランプレボを追いかけたが、すぐにスイスのジョランダ・ネフや米国のエース、ヘイリー・バッテンとともにトップ3を争う戦いに巻き込まれた。

3選手はプッシュを続けたが、輝かしいキャリアで4度目のエリートXCO世界選手権で優勝したフェランプレボに近づくことができなかった。

ネフは最終ラップで懸命にプッシュして2位を確保し、バッテンはルコントを抜いて3位の位置を獲得した。

8月28日のXCOで独走するフェランプレボ ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

上り坂で速く走るためにリヤサスなしのMTBで賭けに出た

「超ハードなレースだった。ハードテイルバイクでスタートするという選択をしたのは、上り坂で速く走れると分かっていたから。少しリスクが高かったけど、最初から全力を出して2位以下に差をつけにいった。勝ったことは夢のよう。今夜は大きなパーティーになると思う」

クロスカントリー・オリンピック(XCO)でフェランプレボが独走勝利 ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool
2019年8月のワールドカップスイス大会XCOで優勝したフェランプレボ ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool