延期されていた全日本ロード女子は樫木祥子が与那嶺恵理を制して優勝

延期されていた第90回全日本自転車競技選手権ロード女子が、6月に実施予定だった広島県中央森林公園サイクリングロードで10月23日に開催され、エリート女子ロードは樫木祥子(チームイルミネート)が優勝。個人タイムトライアルとの2冠を達成した。

全日本選手権エリート女子ロード優勝の樫木祥子を中央に、左が2位与那嶺恵理、右が3位金子広美

2位は同タイムで与那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)、3位金子広美(イナーメ信濃山形)。

同時出走のU23女子は小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝した。

全日本選手権エリート女子ロードは樫木祥子が与那嶺恵理を制して初優勝

国内自転車選手のチャンピオンを決める全日本選手権だったが、6月25日に広島県中央森林公園で開催予定だったエリート・U23女子レースの実施を見送った。他のカテゴリーは予定通り行われた。

女子ロードにエントリーしていた選手から、チームカー随行の要望が提出され、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)がこの訴えを支持。しかし主催する連盟が、狭くて曲がりくねったコースでのチームカーの随行に伴う危険性を考慮して、実施見送りを決めた。

その延期となったエリート・U23女子レースが、ようやく10月23日に同じコースで開催されたことになる。ただし騒動の発端となったチームカーの随行は見送られ、主催者が用意した後続車に予備ホイールとスタッフが乗車する形式となった。

全日本選手権U23女子で優勝した小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)

延期の全日本選手権女子ロードが10月23日開催へ…チームカー随行はなし

第90回全日本自転車競技選手権大会ロードレースのなかで、スポーツ仲裁に持ち込まれた一連の騒動により延期となったエリート女子・U23女子のレースが2022年10月23日に広島県中央森林公園サイクリングロードで開催されることになった。

6月25日に広島県中央森林公園で開催予定だったエリート・U23女子レースの実施は急きょ見送られていた。他のカテゴリーは予定通りに開催された。女子レースにエントリーしていた選手から、チームカー随行の要望が提出され、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)がこの訴えを支持。しかし主催する連盟が、狭くて曲がりくねったコースでのチームカーの随行に伴う危険性を考慮して、実施見送りを決めたからだ。

その延期となったエリート・U23女子レースが、ようやく10月23日に同じコースで開催されることになった。ただし騒動の発端となったチームカーの随行は見送られた。

チームカーは競技に随行できず、主催者が用意する共通機材車による器材サポートを行う。希望する選手は、共通器材車に自らの車輪の搭載を依頼することができるという。また共通器材車にチームスタッフが乗ることはできない。

新城幸也が新城雄大を制して9年ぶり3度目の全日本チャンピオン

ロードレース競技の日本チャンピオンを決める全日本選手権は大会3日目となる6月26日、エリート男子が広島県三原市・広島県中央森林公園のサイクリングコースで行われ、新城幸也(バーレーンビクトリアス)が同郷沖縄の新城雄大(キナン)をゴール勝負で制して、2007年と2013年に続く3度目の優勝を飾った。

エリート男子は沖縄出身の新城同士のゴール勝負となり、幸也(左)が雄大を制して優勝した

レース序盤、目立った動きもなく大集団のまま7周回を終了。8周回目、ようやく小森亮平(マトリックスパワータグ)、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、河野翔輝(ブリヂストンサイクリング)の3選手がアタックを決める。

エリート男子ロードレース(15周184.5km)は出走116選手、完走は29選手だった
バーレーンビクトリアス所属選手として単独でエントリーした新城
左から小森亮平(マトリックスパワータグ)、河野翔輝(ブリヂストンサイクリング)、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック
全日本選手権エリート男子ロードレース

10周回目にもう1選手が合流して4選手の逃げ集団を形成して11周回目突入。タイム差を最大1分20秒まで広げる。12周回目、逃げ集団はメイン集団に吸収。そこから小石祐馬(チームUKYO)が単独でアタック。

小石祐馬(チームUKYO)が単独でアタック
レース終盤に先頭を積極的に追いかける新城幸也(右)

15選手の追走集団は14周回目に小石を吸収。その集団から今度は山本大喜(キナン)がアタック。後続にタイム差16秒を付けて最終周回へ。追走は新城幸也と新城雄大の2選手。優勝の行方は山本大喜を吸収したこの2選手に絞られ、そのまま最後のゴールスプリント勝負に持ち込まれた。

山本大喜(キナン)が後続にタイム差16秒を付けて最終周回へ

スプリントを制して優勝したのは新城幸也。自身3度目の戴冠となった。

3度目の日本チャンピオンとなった新城幸也
全日本選手権エリート男子優勝の新城幸也を中央に左が2位新城雄大、右が3位山本大喜

キナンの仮屋和駿が男子U23の全日本チャンピオンに

ロードレース競技の全日本選手権は、大会2日目となる6月25日に男子アンダー23(23歳未満)のロードレースを実施。KINAN Racing Teamからただ1人出場の仮屋和駿が、フィニッシュ前3kmからのアタックで独走に持ち込み、この年代ナンバーワンを証明する鮮やかな勝利。チームに日本チャンピオンジャージをもたらした。

KINAN Racing Teamの仮屋和駿が後続に12秒差をつけてフィニッシュ

前日の個人タイムトライアル種目に続き、この日からはロードレース種目が開始。その皮切りとなったのが、アンダー23カテゴリーのレースだった。18歳から22歳までの選手が対象で、若手選手にとってはトップライダーへの登竜門。このカテゴリーでの活躍からプロ選手として大成した選手は数知らず。また、勝てば日の丸をあしらったナショナルチャンピオンジャージの着用が許可され、国内外各所のレースで一目置かれる存在となる。

そんな年間最大のレースの1つに、KINAN Racing Teamからはチーム最年少の仮屋がエントリー。いつもとは違い、チームメートがいない中での戦いとなるが、落ち着いたレース運びが求められた。

広島県三原市・広島県中央森林公園のサイクリングコース12.3kmを10周回する123kmで争われたレースには、119選手が出走。2周目で4人の逃げグループが形成されたが、仮屋はここに加わらず、有力選手が待機するメイン集団でレースを進める。この形成が5周目まで続く。

全日本選手権男子U23ロードレースの最終ラップ

変化が見えたのは6周目。逃げていた4選手がメイン集団へと戻り、新たに6人がリードを開始。優勝候補と目された選手も含まれたが、ここでも仮屋は状況を静観。やがて先頭は2選手が抜け出す形になり、メイン集団に対し最大で1分10秒ほどの差とした。

こうした流れから、8周目で大きな局面がやってくる。メイン集団から断続的にアタックがかかり、抜け出した6人が先頭2人を追走する態勢をつくる。これに仮屋が加わって、前の2人との差を一気に縮めていく。この周回を追える時点で、その差は30秒。そして、9周回目の前半で先頭へ合流した。

後続に50秒近いタイム差を得た仮屋たちの先頭グループは、最終周回の鐘を聴く頃には7人に絞り込まれ、そのまま優勝争いへと移っていく構え。逃げ切りにかけて協調体制を保った先頭メンバーは、残り1周となってもメイン集団に対してタイム差をキープし、徐々に勝ち逃げとなることが濃厚に。あとは、誰がアタックを決めるのか、またはスプリント勝負となるのかが焦点となった。

KINAN Racing Teamの仮屋和駿が全日本選手権男子U23ロードレースで優勝

先頭グループ内では再三強力なアタックがかかるが、これらを冷静に対処し続けた仮屋は仕掛けどころを探る。そして残り3km、最も勾配が厳しくなる上り区間で満を持してアタックすると、それまで一緒に逃げてきた選手たちを振り切ることに成功。しばし5秒ほどの差で追走メンバーが続いたが、フィニッシュへ近づくにつれてその差は拡大傾向に。単独で最後の直線へとやってきた。

この長い直線もトップで駆けた仮屋は、残り100mで勝利を確信。最後の最後はきっちり、「KINAN」アピールを忘れることなくフィニッシュラインへ。狙って獲ったアンダー23カテゴリーの頂点だ。

KINAN Racing Teamにとって、日本タイトルの獲得は2018年の山本元喜(エリートロードレース)、山本大喜(アンダー23個人タイムトライアル)以来。通算3枚目となる日本チャンピオンジャージに。今季チーム加入の仮屋にとっては、KINANメンバーとしての初勝利が日本タイトル。前日の個人タイムトライアルでは7位に終わり、リベンジを賭けて臨んだロードレースで結果を残した。

これにより、仮屋はアンダー23カテゴリーにおいて1年間の日本チャンピオンジャージの着用資格を獲得(2001年3月生まれにより、2023年シーズンいっぱいは同カテゴリーの対象)。当面は、在学する日本大学での活動と並行しながら、年代トップとして走っていく。

仮屋和駿を中央に左が2位岩田聖矢(弱虫ペダル)、右が3位香山飛龍(弱虫ペダル)

仮屋和駿のコメント
「終わったばかりで全然実感が湧いていない。最後の展開は冷静にイメージできていて、勝ちパターンに持ち込むことができた。我慢を続けて、ここぞという場面でアタックした。

最終周回でメイン集団と1分ほどの差だったので、逃げ切るのは難しいかなとも思ったが、終盤の上りに入ってもタイム差が変わっていないと知って逃げ切れると感じた。先頭グループは協調体制がとれていたので、一緒にいるメンバーで勝負できると思った。

独走には自信があったので、周りの動きを見ながら、絶対に行けるというところで勝負に出た。最後まで油断はできなかったが、フィニッシュ前100mでやっと優勝を確信できた。

これからは、日本大学の一員として走るインカレも勝ちたいし、KINANメンバーとしてJCLやUCIレースのメンバー入りも目指していきたい。アンダー23の日本チャンピオンに恥じない走りをして、将来的にはエリートでもこのチャンピオンジャージが獲れるような選手になっていきたい」

大会最終日・26日に控えるエリートカテゴリーのロードレースへ向けて、チームに勢いをもたらす最高の結果。仮屋の走りに続くべく、もう1つタイトルを狙っていく。なお、エリート部門には山本元喜、小出樹、花田聖誠、山本大喜、中島康晴、新城雄大、畑中勇介の7選手が出走する。

女子ロード中止の全日本…女子タイムトライアルは樫木祥子優勝

第90回全日本自転車競技選手権ロードレースが広島県三原市の中央森林公園内サイクリングコースで6月24日に開幕した。25日に予定されていた女子ロードは選手の要望と安全運営を図る主催者側の意見がかみ合わず中止。エリートとU23女子は個人タイムトライアルのみが行われ、樫木祥子(Team Illumiate)が優勝した。

樫木祥子(Team Illumiate)がエリート女子個人タイムトライアル優勝
岩元杏奈(日本体育大=左)がU23女子タイムトライアル優勝

女子エリート+女子U23は距離24.0kmに10選手が出場。1番スタートの樫木が38分09秒23で優勝。4番スタートの岩元杏奈(日本体育大)が38分59秒67で全体の2位で、女子U23クラスで優勝。

社会人の金子宗平が新城幸也を抑えて初優勝

男子U23は距離24.0kmに19選手が出走。第2ウエーブ1番目スタートの留目夕陽(EF Education-NIPPO Development Team)が32分40秒47で優勝。

エリート男子タイムトライアルを制した金子宗平(群馬グリフィン)

男子エリート(36.0km)は20選手が出走。第1ウエーブ6番スタートの金子宗平(群馬グリフィン)が49分05秒61の好タイムで初優勝。新城幸也は50分25秒46で3位。

U23男子タイムトライアル優勝の留目夕陽(EFエデュケーションNIPPO)

第25回全日本選手権個人タイムトライアル

2022年6月24日(金)
広島県中央森林公園サイクリングロード

男子U23(24.0km)19名出走
[競技結果]
1 留目夕陽(EF Education-NIPPO Development Team)32:40.47
2 神村泰輝(Avenir Cycling Yamanashi)33:42.17
3 香山飛龍(弱虫ペダル)33:53.99

U23男子優勝の留目夕陽(EFエデュケーションNIPPO)を中央に左が2位神村泰輝(Avenir Cycling Yamanashi)、右が3位香山飛龍(弱虫ペダル)

・女子エリート+女子U23(24.0km)10名出走
[競技結果]
1 樫木祥子(Team Illumiate)38:09.23
2 岩元杏奈(日本体育大)38:59.67
3 渡部春雅(明治大 / Liv)39:59.53

エリート女子の樫木祥子(Team Illumiate)を中央に、左が全体2位でU23優勝の岩元杏奈(日本体育大)、右が3位渡部春雅(明治大/Liv)

女子U23のみ別途表彰
1 岩元杏奈(日本体育大)38:59.67

U23女子タイムトライアル優勝の岩元杏奈(日本体育大)

・男子エリート(36.0km)20名出走
[競技結果]
1 金子宗平(群馬グリフィン)49:05.61
2 小石祐馬(Team UKYO)49:25.02
3 新城幸也(バーレーンビクトリアス) 50:25.46

金子宗平を中央に左が2位小石祐馬(Team UKYO)、右が3位新城幸也(バーレーンビクトリアス)