ツール・ド・おきなわにキナンの山本兄弟やトマ・ルバらが参戦

キナンサイクリングが11月11日に開催されるツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)に出場する5選手を発表した。

ツール・ド・おきなわに出場するキナンの5選手

多くの部門に分かれて争われるビッグイベントのツール・ド・おきなわは、大会のメインレースでもある男子チャンピオンロードレースがUCIアジアツアー1.2クラスに位置付けられる。UCIアジアツアーはすでに2019年度のレースカレンダーが進行していて、同大会も該当レースとなっている。

レース最大の特徴は210kmもの長丁場である点。シーズン最終盤とあって、力のある選手といえども過酷な戦いとなる。コースは名護市を出発したのち、名護湾と東シナ海に面した本部半島を時計回りに進み、海岸線を北上。沖縄半島最北端の国頭村に入って反時計回りに向きを変え、レース後半は太平洋沿いを南下して名護市へと戻ってくる設定。沖縄半島北部をおおむね8の字に進むルートは、中盤に2カ所の山岳ポイントが待つほか、後半にかけても細かなアップダウンが控えている。

キナンはこの大会に向け、山本元喜、山本大喜、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の5選手を招集。今シーズン、主力として戦ってきた選手たちを継続してセレクトしている。また、沖縄出身の新城にとっては凱旋レース。ナンバーカードの末尾が1番となる“エースナンバー”で出走する予定になっている。

今回は国内外から18チームがエントリー。キナンにとっては、2年前の2位(ジャイ・クロフォード)が過去最高位。2018年こそ初タイトル獲得なるよう、全力でレースに挑む。

第30回記念 ツール・ド・おきなわ 2018
11月11日 午前6時45分スタート UCI公認 男子チャンピオンレース 210km
スタート・フィニッシュ地点:名護市営庭球場前交差点

夢や目標に挑戦し続けること…アルベルト・コンタドールインタビュー

スペインのアルベルト・コンタドールが2018年11月に2度目の来日を果たし、和歌山県を訪問。同地を拠点として活動するキナンサイクリングやツール・ド・熊野の意義、そして日本の自転車界について知ってもらったところで、インタビューを実施。「お役に立てるなら」と、快く応じてくれた。(聞き手:キナンサイクリングメディアオフィサー 福光俊介)

前日のライドをともにした椿大志と中西健児がバキューンポーズ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

-オラ、アルベルト! お疲れのところありがとうございます。今回が2回目の来日ですね。埼玉、そして和歌山とめぐっての印象はいかがですか?

コンタドール氏「心から楽しんでいます。日本の文化が大好きで、ファンの温かさにも感謝しています」

-キナンの本社がある和歌山県新宮市に来て、歓迎パーティーにも出席してくださいました。参加者と交流して、どんな気分ですか?

コンタドール氏「この地域のおいしい食べ物に出会えたことは幸せです。そしてなにより、みなさんとお会いできたことが最高の経験になっていると感じています」

-和歌山県ではサイクリングでいろいろなコースをめぐっていますね。11月6日にはキナンサイクリングのメンバーとも一緒に走りました。実際に走行してみてどんなことを感じましたか?

コンタドール氏「選手・一般のサイクリスト問わず、最高のトレーニング環境だと感じました。素晴らしい景色の中でトレーニングできることは、サイクリストにとっての幸せですよね」

-今回ご一緒させてもらったキナンサイクリングについてお話ししましょう。私たちは2018年のUCIアジアツアーにおいてチームランキング1位になりました。さらにはアジアチャンピオン、日本チャンピオンを輩出し、これからはチームとして次のステップへと踏み出していく段階にあります。ご自身の経験も踏まえながら、次のステップへのアドバイスがあれば教えてください

コンタドール氏「まずはレースプログラムを整えることだと思います。UCIのレースカレンダーをチェックし、よいレースにめぐり合えるようチームとして取り組むことが大切ではないでしょうか」

11月6日、那智山までアルベルト・コンタドールとキナン勢がサイクリング ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

-日本には別府史之選手(トレック・セガフレード)、新城幸也選手(バーレーン・メリダ)というワールドクラスのライダーが存在します。彼らに追いつけ、追い越せと多くの日本の選手がトライを続けています。今回の来日を通じ、わが国の自転車事情にも触れたところで、日本人選手にこれから期待することを教えてください

コンタドール氏「素晴らしい指導者と出会うことが必要ですし、あらゆる経験を積んでいくことも求められます。先ほどの質問の答えと同じになりますが、レースカレンダーをいかにうまく設定するかも重要です。それぞれに合ったレースで活躍できるよう、取り組んでほしいと思います」

-キナンサイクリングはツール・ド・熊野での個人総合優勝者の輩出を最大の目標としています。キナン本社では、「ポラテック・コメタもツール・ド・熊野出場を目指したい」といった話題で盛り上がりましたね。これが実現したなら、どんな意気込みで参加してくれますか?

コンタドール氏「ハハハ…。難しい質問ですね…。まずはキナンサイクリングの勝利を心から願っています。そして、ポラテック・コメタが出場できればキナンサイクリングの最大のライバルになってみせますよ」

-そのときには、また熊野にお越しくださいね

コンタドール氏「もちろん、スケジュールを調整して訪れますよ!」

-キナンサイクリングには2人のスペイン人ライダーが所属しています。それ以外にも、日本のみならずアジア圏では多くのスペイン人ライダーが走っていて、UCIアジアツアーのレベルを高めているという側面があります。「自転車王国」でもあるスペインですが、こうした選手たちが世界各地で活躍できる背景にはどのような要因が挙げられると思いますか?

コンタドール氏「どこの国へ行っても、自らの夢や目標に向かって努力することには変わりありません。自分が生まれ育った国ではなく、異国となれば厳しい状況に直面することだってあるでしょうし、苦しいことだってあるかもしれません。ですが、決して負けることなく、夢や目標に向かって、多少の犠牲を払ってでも挑戦し続けること。彼らの強さはそうした面から現れているのだと思います」

-ありがとうございました

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アルベルト・コンタドールが熊野路サイクリング…キナンが基金活動支援

2度のツール・ド・フランス個人総合優勝をはじめ、グランツールと呼ばれる3週間のステージレースを7回制覇したアルベルト・コンタドール氏(スペイン)が和歌山県を訪れた。11月6日と7日には熊野地域を来訪し、キナンサイクリングとの熊野路ライドを行ったほか、チームのメインスポンサーである「キナン」を訪問し、自身が2010年に設立した「アルベルト・コンタドール基金」をPR。キナンはその活動に全面的に賛同し、今後の取り組みに役立ててもらうべく寄付金を贈呈。

11月6日、那智山までアルベルト・コンタドールとキナン勢がサイクリング ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

■キナンサイクリングと熊野路を駆ける
コンタドール氏の和歌山県訪問は、同県、和歌山県観光連盟、日本貿易振興機構(ジェトロ)和歌山の三者共同事業として実現。同県観光連盟によるサイクリング事業「WAKAYAMA800~サイクリング王国わかやま~」を実走し、同氏のSNSなどでサイクリングロードや観光資源、地場産業など、和歌山の魅力を世界に発信することを目的とした。

コンタドール氏は、1982年生まれの35歳。スペイン・マドリード近郊で生まれ育ち、2007年のツール・ド・フランスを初制覇後、2009年にも個人総合優勝。ツールとならびグランツールと称されるジロ・デ・イタリアでも2度、ブエルタ・ア・エスパーニャでは3度制覇。合計7度にわたるグランツール制覇の偉業を成し遂げ、2017年に現役を退いた。

那智山ライドにアルベルト・コンタドールキナン勢が参加 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

アンバサダーを務めた「2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム(11月4日開催)」を終えた脚で和歌山県へやってきたコンタドール氏。和歌山市を皮切りに、各所のサイクリングコースをめぐり、そのよさを実感していた。

6日にはキナン選手とともに那智勝浦町・那智山をライド。チームからは椿大志、中西健児の2選手に、加藤康則ゼネラルマネージャーがアテンド。現役時代は山岳で数々の激走を演じたコンタドール氏は血が騒いだのか、スタートからハイペース。キナンメンバーも負けじと食らいつき、自然あふれる山道を駆けた。この日は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録され、日本三名瀑の1つに数えられる那智の滝にも足を運んだほか、神仏習合による数々の伝承が残る那智山の荘厳なムードを感じていた様子だった。

アルベルト・コンタドール基金への寄付を記念して。キナンの角口賀敏会長、基金代表フランシスコ・コンタドール氏、キナンの角口孝幸社長 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

■コンタドール氏の活動に全面賛同のキナン
翌7日は、キナンサイクリングのメインスポンサーであるキナン本社(和歌山県新宮市)を訪問。コンタドール氏の兄であるフランシスコ氏をともない、自身が2010年に設立した「アルベルト・コンタドール基金(フンダシオン・アルベルト・コンタドール/FUNDACION ALBERTCONTADOR)」の活動についてPRした。

この基金は、サイクリングの楽しみを年代・性別問わず広めていくとともに、自転車を通じた青少年育成、2004年と2006年にレース中のコンタドール氏を襲った脳卒中の予防と啓発、古くなったバイクを修理し寄贈するといった目的のもと活動。また、若い選手たちの育成にも力を入れており、UCI(国際自転車競技連合)登録のコンチネンタルチーム「ポラテック・コメタ」は同基金が運営している。

同基金の代表であるフランシスコ氏は、これらの活動内容は世界共通の課題としてとらえているといい、今後は日本における協力体制も築いていきたいと述べる。この熱意に耳を傾けたキナン・角口賀敏会長は、同社の歴史とともに、自転車による地域貢献やツール・ド・熊野の主催、各種イベントの運営に力を注いでいることを説明。互いに、手を取り合って絆を深めていけるよい関係づくりを約束した。

そして、話はサイクルロードレースへ。日本とスペインそれぞれの競技の実情に触れ、キナンとコンタドール氏主宰の若手育成チームとがともに高めていくための意見交換を行った。フランシスコ氏からは、「ポラテック・コメタをツール・ド・熊野に参戦させたい」との声も。夢がふくらむ一言に、その場にいた関係者から歓声が挙がった。

話し合いを通じ、キナンはコンタドール氏の取り組みに全面的に賛同することを表明。角口会長と角口孝幸社長から寄付金を手交し、今後の活動に役立ててもらうこととなった。

前日のライドをともにした椿大志と中西健児がバキューンポーズ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

■地元サイクリストからの大歓迎に笑顔
7日のお昼には「キナン研修センター」で歓迎パーティーを開催。同社関係者のほか、地元のサイクリストも招待し、盛大にコンタドール氏を迎えた。会ではバーベキューのほか、近くの海で採れた海の幸、寿司のふるまいがあり、コンタドール氏も箸を使う“日本式”で熊野の味に舌鼓。食事後には即席のサイン会や撮影会が催され、選手・関係者、そしてファンからも愛される同氏の人柄を感じさせる温かな時間となった。
歓迎パーティー参加者がそろって記念撮影 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

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キナン3選手がツール・ド・フランスさいたまで世界の強豪と肩を並べる

2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムがさいたま新都心駅周辺で11月4日に開催され、キナンサイクリングの山本元喜、雨乞竜己、中西健児の3選手が参加。2018年のツール・ド・フランスを制したゲラント・トーマス(英国、スカイ)など世界トップレベルの選手と肩を並べ、力強い走りをみせた。

ツール・ド・フランスさいたまを走るキナン勢 ©︎KINAN Cycling Team / Midori Shimizu

その年のツール・ド・フランスで活躍した選手が集まるこのイベント。JRさいたま新都心駅周辺は大会カラーであるイエローに彩られ、「サイクルフェスタ」や、食のイベント「さいたまるしぇ」といった、レースにとどまらない催しで大にぎわい。まさに“祭典”という言葉がふさわしい1日となった。

市民のパレード走行、さらに出場選手全員によるオープニング走行からレース関連イベントが幕開け。選手たちは、ステージでスタートサインをしたのち、ゆっくりとコースを一周。早い時間帯から沿道には多くの観客が詰めかけ、選手たちは歓声の中でファンとハイタッチをしたり、声援に手を振りながら応えたりとサービスに勤しんだ。

レースは4名1組で競い、その勝者が決勝に進むスプリントレース予選に雨乞が出場。スタートから2kmはペーサーの後ろについてポジション争い。その後、残り1kmでジャンが鳴るユニークなレース。別府史之(ツール・ド・フランスジャパンチーム)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)とハイレベルな組で出走した雨乞は、別府に続く2位。1位の選手のみが進出できる決勝へ出走はかなわなかった。

キナン勢の次なる出番は、3選手により編成される2.5kmチームタイムトライアル。チーム内最上位選手のフィニッシュタイムで順位が決まるため、作戦の立て方も大きなカギとなる。先頭交代をしながら終盤まで3人で走るチームや、発射台方式で順次切り離すチームなど、戦術はチームによってさまざま。キナンは中西を先頭にスタートダッシュ。雨乞がスピードに乗せ、満を持して山本がゴールまで駆け抜けるという切り離し作戦を実行。狙い通りの動きを見せたが、トップには2秒及ばす、3分16秒88で4位で終えた。

会場が熱気に包まれたところで、いよいよメインのクリテリウムレース。小雨が降る時間帯があったものの、レースに影響するまでには至らない。沿道にはキナンジャージを着用して応援するファンも見られた。

レースは、序盤に外国人選手数人の逃げができるが、メイン集団は容認。山本はメイン集団の中で積極的な走りを見せ、場内放送では何度もその名前がコールされた。

スタート・フィニッシュ地点が設けられるホームストレートを選手が通過するたび、スタンドからは大歓声やウェーブが起こる。そんな盛り上がりの中、最後は2018年の世界チャンピオンであるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の優勝で幕を閉じた。

本場ツール・ド・フランスの熱気を日本にもたらす、秋の風物詩は今回が6度目の開催。今大会より新設された「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」は、選手と観客との距離の近さが特徴的。大会に協賛した観客が入場でき、スポンサーブースを楽しんだり、選手ピットの様子をのぞくこともできる。キナンの3選手は、レースの合間に観客スペースへ行き、写真撮影やサインの求めに応じていた。

そしてなにより、国内外のトップライダーが集うイベントに、観客も大興奮。会場から徒歩圏内に住んでいるという高齢女性は、初めて観戦するロードレースのスピードに驚き、握手などに気軽に応じてくれる選手の優しさに感動したと興奮気味に話していたことが印象的だった。そんな大熱狂の1日は、観客に後押しされた選手たちにとっても刺激的なものだったように思われる。(Report:清水翠、Edit:福光俊介)

山本元喜

山本元喜のコメント
第2回大会以来の出場だったが、その時と比べて観客との距離が近く、直接交流できる機会が多かったと感じた。レース中にアタックしたり、前に上がったりすると観客の反応が大きかった。“ゲンキー!”と名前を呼んでもらえて、いつも以上に一生懸命動くことができた。たくさんの観客のなかで走れたことは、これからのモチベーションになると思う。

雨乞竜己

雨乞竜己のコメント
スプリントレースはほどよい緊張感のなかでペーサーとともに2kmまで走り、そこからスタートだったが…最後は力及ばず。集中するなかでも応援の声は聞こえていた。“キナン!”だったり自分の名前だったり。応援を力に変えることができた。

中西健児

中西健児のコメント
スピードの速いレースだとは聞いていたが、想像していた以上に速かった。集団内のどこにポジショニングしていても、そのスピードを実感させられた。そんな中でも、沿道のとぎれない観客から多くの声援をもらった。完走できるか不安だった面もあるが、みんなの声に励まされて走り切ることができた。

熊野古道ヒルクライムで無事故を祈願しゲストライダーが那智山を参拝

和歌山県南部の那智勝浦町で11月4日に開催される熊野古道ヒルクライムを前に、ゲストライダーとして参加するキナンサイクリング選手・スタッフ、イベント関係者が同町の那智山を参拝。イベントの成功とサイクリストの活躍・無事故を祈願した。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

例年11月初旬に行われるヒルクライムイベントとして、すっかり定着した「熊野古道ヒルクライム」。それにともない、同県はもとより遠方からの参加者も増え、走行スピードやフィニッシュタイムといった面での水準が年々アップしている。そこで、事故なくスムーズなイベント進行が図れるよう、主催するSPORTS PRODUCE熊野の音頭のもと、関係者での安全祈願を実施することとなった。

那智山での祈願では、まず西国三十三所第一番札所の青岸渡寺へ。その後、隣接する熊野那智大社へおもむいての祈祷に臨んだ。ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産であり、熊野三山の1つである荘厳な空間で、これまで以上に質の高い催しとすることを誓った。

今回のイベントにはゲストとして、キナンから椿大志、山本大喜、トマ・ルバ、新城雄大、中島康晴の5選手が参加。また、Jプロツアーなどに参戦するイナーメ信濃山形から筧五郎と森本誠もスタートラインに並ぶほか、ライド後のトークショーにキナンの選手たちとともに出演が予定されている。参加者は30.7kmと14.6kmの2コースに分かれ、同町のブルービーチ那智を午前7時にパレードスタート。那智山の頂を目指す多くの参加者でにぎわうことが期待される。

井上亮がアタック一発で独走勝利…KINAN AACA CUP 2018 最終戦

キナンサイクリングがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は、10月27日に2018年シーズンの最終戦にあたる第11戦を実施。メインレースの1-1カテゴリーは、前半に形成された4選手による逃げグループが着々とリードを広げ、そのまま優勝争いへ。最終周回に入り、残り3kmを切ったタイミングでアタックを決めた井上亮(Magellan Systems Japan)が独走に持ち込んで優勝を決めた。

井上亮がアタック一発で独走勝利 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

今シーズンは悪天候による2度の中止があり、急きょ10月の追加開催が決定。新たにレース機会が設けられたことも幸いし、トップの1-1からビギナーでも参戦できる1-4カテゴリー、さらには個人TTと、多くのライダーがエントリー。東海地区のロードレースシーンのレベルアップを主目的としつつも、プロ・アマ、年齢・性別を問わずチャレンジできるレースが今回も繰り広げられた。

シリーズ主会場の長良川沿いのコースで実施されたレースに、キナンからは椿大志、塚本一樹、中西健児、山本大喜、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の7選手が出走。11月上旬に控える国際レース、ツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)を視野に調整段階にある国内プロチームからは、マトリックスパワータグも参戦。安原昌弘監督自ら“選手”としてレースに臨むなど、注目度の高い一戦となった。

前夜から降り続いた雨はスタート時に上がったものの、北からの風が強まり、周回前半が向かい風、後半は追い風というコースコンディション。それも関係してか、レース序盤は集団内での出入りが繰り返される状態。追い風を利用してスピードに乗せるも、向かい風区間で集団に戻されるなど、逃げ狙いの選手たちが悪戦苦闘する姿が目立つ。一時、椿を含む4選手がリードしたが、これも逃げグループ形成までは至らなかった。

その流れに変化が生まれたのは、6周回目。力のある4選手が集団から飛び出すと、後続との差を徐々に広げていく。リードする4人は、井上のほか、安原大貴(マトリックスパワータグ)、筧五郎(ロードレース男子部)、さらにキナンから中島。その差は最大で1分50秒近くにまで拡大した。

快調に飛ばす4人に対し、後続ではレース中盤に入って追走狙いの動きが散発。単独でのアタック、数人単位での追走グループ形成など、次々と選手たちが追撃を試みるがいずれも局面打開にはつながらない。

協調体制を保った先頭の4人は、後続とのタイム差を維持し、やがて逃げ切りが濃厚となる。十分なリードを持って残り1周を迎えると、最終周回の鐘と同時に安原がアタック。これを筧のみがチェックできず、優勝争いは3選手にゆだねられる。アタックを繰り返す安原に中島がすかさず対応。少し遅れて井上が追いつくといった構図。

そして、決定打は追い風となる周回後半に入った直後に訪れた。安原・中島が見合う隙を突いて井上がアタック。反応が遅れた2人を置き去りに、追い風を生かした井上がスピードに乗せる。プロ選手が多く参戦し、ハイレベルとなったレースを制したのは、最後の最後に独走に持ち込んだ井上だった。その後ろでは安原が中島を引き離し、井上を追い上げるも届かず。中島は3位、メイン集団から抜け出した選手たちによる追走は、ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が単独となり、最終的に4位でフィニッシュした。

優勝した井上は2018年の全日本選手権ロードレースで8位に入った実力者。普段はエンデューロなどで力を培っているといい、「これまで目立ったリザルトはなかったが、今回優勝できてうれしい」と笑顔。今後も実力派ホビーレーサーとして注目を集めそうだ。

中止分も含め、全11戦で争われた2018年のシリーズ総合成績では、中島が前節で年間1位を確定させていて、今回の3位で獲得した分も合わせてポイントを伸ばしている。年間総合表彰は、12月16日に開催されるサイクルエンデューロイベント「ヴェロフェスタ2018 in モリコロパーク」内で行われる。

そのほか、この日はキナンのサプライヤー企業のブースも複数出展。YONEXブースでは先ごろ発表されたエアロロードアイク「AEROFLIGHT」、MINOURAブースでは新作ハイブリッドローラー「FG542」といったニューモデルの展示が行われた。スポーツサプリメントの「ATHLETUNE」ブースではアイテム紹介のほか、各カテゴリーでの優勝の副賞出品などで協賛。

また、キナンの選手が講師を務める「レーススキルアップ講座」では、中西をメインに体幹トレーニングをテーマに実施。レベル向上を目指すサイクリスト以外にも、ファミリーでの参加など、誰もが気兼ねなく取り組むことのできるメニューを体験した。