椿大志がスプリントを制して初戦を飾る…KINAN AACA CUP

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」の2020年シーズンが1月25日に開幕。第1戦は主会場である岐阜県海津市・木曽三川公園長良川サービスセンターで実施。最上級カテゴリーである1-1クラスでは、ホストライダーの1人である椿大志が3選手によるスプリント勝負を制して優勝した。

椿大志が3選手でのスプリントを制してKINAN AACA CUP初戦を飾る ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

年を追うごとにロードレースシーンにおけるバリューと位置づけが高まっている本シリーズ。2020年もおおよそ毎月1回のペースで東海地区の各地を転戦する。シーズンの始まりは、メイン会場でもある長良川沿いの平坦コース。この時期は北からの強い風がレースを動かす要素となっていたが、今回はめずらしくほぼ無風のコンディション。太陽こそ顔をのぞかせたり隠れたりの繰り返しだったが、恵まれた天候の中で各カテゴリーのレースが行われた。

最上級カテゴリーの1-1クラスには、ホストのKINAN Cycling Teamから山本元喜、椿、山本大喜、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の6選手が出場。この日ばかりはチーム戦術を排除し、選手がそれぞれに勝ちを意識しながらスタートラインへ。5.1kmのコースを20周回するレースに、約50選手とともに挑んだ。

逃げや果敢なアタックが毎回の見どころとなるこのシリーズだが、シーズン初戦の今節もそんな魅力に違わないレース展開に。ニュートラル区間を経てリアルスタートが切られると、次々とアタックが発生。一度は5人が先行しかけたが、2周目に先頭が新城と寺田吉騎(ビバーチェ掛川磐田北)の2人に入れ替わる。そのまま後ろを引き離して、逃げの態勢へと入っていった。

その後も追走狙いのアタックが出ては集団へと引き戻される状況が繰り返され、2人逃げが続いたが、4周目に山本元、犬伏輝斗(Teamスクアドラ)、小山智也の3人が抜け出しに成功。そのまま前の2人を追う態勢に入ると、6周目には合流。しかし、メイン集団も活性化し、一時は先頭と1分近くあったタイム差があっという間に縮小。さらに8周目の後半には集団から4人が飛び出し、それまでの逃げメンバーから入れ替わってレースを先行。

中盤を迎えても状勢はめまぐるしく変化する。集団から2~3人単位のパックがいくつも形成され、次々と前を行く選手たちに合流していく。10周を完了する時点で、先頭グループは8人となった。

さらに人数を増やして9人が先を急ぐ流れとなるが、メイン集団も諦めない。力のある9人の猛追が実り、13周目を終えると同時に先頭グループに合流。トップには総勢18人が集う格好となる。

残り周回数や各集団の勢いを見るに、この日の優勝争いは先頭グループから出ることは濃厚に。人数を絞り込むべくアタックが散発するが、いずれも決まらず。ホストのKINAN勢では山本元、椿、山本大、中島が残り、15周目には山本元と山本大が2人で抜け出しを図るが、協調体制が整わず再び集団へと引き戻されてしまった。

そんな流れの中、決定的な場面が17周目にやってきた。山本元のアタックに小嶋渓円(Team Nason)が反応。さらに椿が合流。後ろが牽制状態となったこともあり、3人が一気に差を開いていく。そのまま逃げ切りに向けて先を急いだ。

残る周回を経て、3人のまま最終周回の鐘を聞く。後続とは十分なタイム差を得て、優勝かけた駆け引きへと移る。残り数kmからは山本元が再三アタックを試みるが、いずれも厳しいチェックにあい決まらない。フィニッシュに向けお見合いになるかと思われた矢先、完全にマークをかいくぐった椿がアタック。最後のコーナーも難なく抜けると、あとはフィニッシュラインに向けてスプリント。追いすがる小島選手と山本元を振り切ってシリーズ初戦を制した。

出場した選手たちにとっては、実質シーズンインだったものの積極性が光る好レースとなった。また、椿らKINAN勢にとってはニュージーランドでのシーズン初戦を終えて、好調のままこのレースに参戦。ホストとしての役目も果たす結果を残した。

各カテゴリーのレースのほか、会場内では中西健児アカデミーコーチによるキッズスクールが行われ、KINAN Cycling Teamの選手たちも講師役として参加。今回はバイク上でのバランス感覚を養うことを目的に、キッズたちは地面に置いたボトルをキャッチする課題にチャレンジ。初体験の子供たちには難易度が高かったものの、最後には2組に分けてのボトルキャッチリレーができるまでに。また、チーム活動を支えるATHLETUNE、MINOURA、NORTHWAVE、FUSION(有限会社光設備)がブース出展。イベントの盛り上げに賛助した。

シリーズ第2戦は、2月9日に愛知県新城市・新城総合公園内特設コースで開催されることが決定。現在参加者募集中。また、5月下旬のツール・ド・熊野に出場予定のAACA選抜チームのトライアウトも実施中。23歳未満の有望株のセレクトを目的としており、この第2戦も選考の対象となる。

KINAN AACA CUP 2020 第1戦 1-1カテゴリー結果
1 椿大志(KINAN Cycling Team)
2 小嶋渓円(Team Nason)
3 山本元喜(KINAN Cycling Team)
4 小山智也
5 水野貴行(FIETSGROEN)

●キナンサイクリングチームのホームページ

キナンAACAカップ第4戦はアイラン・フェルナンデスが優勝

キナンサイクリングがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「キナンAACAカップ」は4月21日、2018年シーズン第4戦を国営木曽三川公園長良川サービスセンター内特設コースで行った。トップカテゴリーの1-1クラスは102kmで争われ、国内プロチームが上位を独占。最後はアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)が地力を発揮して優勝した。

KINAN AACA CUP第4戦はアイラン・フェルナンデスが優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

3月31日の第3戦ではキナンの新城雄大が上りスプリントを制して優勝。中西健児が2位に続き、ワンツーフィニッシュを飾った。そのいい流れを今節も継ぎたいキナンは11-1カテゴリーに新城、中西のほか、山本元喜、塚本一樹、雨乞竜己、中島康晴の6選手を起用。国内プロチームからマトリックスパワータグ、INTERPRO STRADALLI CYCLINGも参戦。UCIレースさながらのハイレベルなレースが期待された。

迎えたレースは、序盤から落ち着かない展開。アタックの応酬となり、出入りが激しくなる。毎周回のように仕掛ける選手が現れるが、いずれも決定打にはならない。また、一時は6人が抜け出す場面もあったが、ここは佐野淳哉(マトリックスパワータグ)がブリッジを試みたことで、他選手も次々と追随。結局逃げグループの形勢には至らない。

均衡が破られたのは残り10周回を迎えたタイミング。間瀬勇毅(マトリックスパワータグ)、水野恭兵(INTERPRO STRADALLI CYCLING)、そしてキナンの中島。この3人が集団からの抜け出しに成功し、逃げの態勢に入る。さらにフェルナンデスと佐野のマトリックス勢、中西と新城のキナン勢による4人の追走グループも形成される。

快調に飛ばす逃げの3人は追走グループに対し最大で45秒のリード。その形勢に変化はないまま終盤へと移り、やがて最終周回に突入。先頭3選手の逃げ切り濃厚かと思われたが、勝負がかかる局面とあり牽制状態となる。かたや、追走の4人は前に合流するべく猛追を開始。一気の追い上げで先頭3人に合流を果たした。

7人にふくらんだ優勝争い。最後はマトリックス勢とキナン勢によるスプリントとなり、加速の違いを見せたフェルナンデスがトップでフィニッシュラインを通過。優勝を決めた。2位には中島、3位には間瀬選手と続いた。(レポート:清水翠、編集:福光俊介)

キナンの選手たちが講師を務める恒例の「レーススキルアップ講座」は集団走行時のローテーションをテーマに実施。中島と、今回はレース出場のなかった椿大志がメインとなり、先頭交代の効率的な方法を参加者に向けて説いた。そのほか、選手たちと一緒にレースコースを走行する「キッズラン」も行われ、ちびっ子ライダーたちの力走に会場は和やかなムードに包まれた。

キナンAACAカップ2018 第4戦1-1クラス(102km、5.1km×20周回)結果
1 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
2 中島康晴(KINAN Cycling Team)
3 間瀬勇毅(マトリックスパワータグ)
4 新城雄大(KINAN Cycling Team)
5 中西健児(KINAN Cycling Team)

KINAN AACA CUP 2018 ポイントランキング(第4戦終了時)
1 新城雄大(KINAN Cycling Team) 576pts
2 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 512pts
2 津田悠義(EQADS) 512pts
2 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 512pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 512pts

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