ジロ・デ・イタリアがコロナ猛威のフランスを回避

ジロ・デ・イタリアの主催者RCSスポルトは10月21日、最終日前日の最後の山岳区間として設定された第20ステージのコースを修正した。フランスのオートアルプ県で新型コロナウイルス感染拡大の防止法令が施行されたことで同県をレースが通行できなくなり、コース変更を余儀なくされた。

2020ジロ・デ・イタリア第20ステージの修正コース

10月24日に開催される第20ステージはアルバをスタートしてから国境となるアルプスを越えてフランス入りし、再びアルプスを越えてイタリアのセストリエーレにゴールする198kmが予定されていた。

しかしフランス入りができなくなったため、スタート後に平たん路を走ってピネロロへ。ゴールとなるスキーリゾートのセストリエーレに向かうが、ステージの難易度を維持するためにセストリエーレを3回上ることになった。

当初予定ではフランスのイゾアール峠や国境にあるモンジュネーブル峠など、山岳ポイントは1級が3つ、2級が1つだったが、新コースは1級が2つ、2級が1つとなりわずかに難易度が低くなった。総合成績の行方を左右する変更点になるかは定かではない。

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トラトニクが大会2000ステージ目で栄冠…ジロ・デ・イタリア第16S

第103回ジロ・デ・イタリアは10月20日、ウディーネ〜サンダニエーレ・デル・フリウリ間の229kmで第16ステージが行われ、バーレーン・マクラーレンのヤン・トラトニク(スロベニア)が初優勝。故郷スロベニアにも近いゴールで歓喜を味わった。

2020ジロ・デ・イタリア第16ステージ ©Massimo Paolone/LaPresse

第3ステージで首位に立ち、マリアローザを着続けているドゥークニンク・クイックステップのホアン・アルメイダ(ポルトガル)はゴール前で総合優勝争いを展開するランバルたちに2秒先行してゴール。マリアローザを守って14日となった。

一度は吸収されたヤン・トラトニク(スロベニア)だが再び単独アタック ©Fabio Ferrari/LaPresse
ゴール前で総合優勝を争うライバルたちから先行するマリアローザのアルメイダ ©LaPresse
2020ジロ・デ・イタリア第16ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
マリアローザのアルメイダとそれを守るドゥークニンク・クイックステップチーム ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジョバンニ・ビスコンティ(イタリア、ビーニザブKTM)
□マリアビアンカ(新人賞) ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)

2020ジロ・デ・イタリア第16ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

第15ステージにもどる≪≪   ≫≫第17ステージにすすむ

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ガビリアが2度目のコロナ罹患…ジロ・デ・イタリア除外

UAEエミレーツのフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が新型コロナウイルス感染によりジロ・デ・イタリアから除外された。ガビリアは2月のUAEツアーで新型コロナウイルスに感染した最初の自転車選手だった。

フェルナンド・ガビリア ©LaPresse

PCR検査は10月18、19日に行われ、492人が検査を受けた。選手で陽性となったのはガビリアのみ。AG2Rラモンディアールのチームスタッフ1人が陽性となり、医師によって隔離措置をとられた。

ジロ・デ・イタリアは10月11日と12日にもPCR検査を行い、ステフェン・クライスバイク(ユンボ・ビスマ)とマイケル・マシューズ(サンウェブ)が新型コロナウイルスに感染したことが分かり、ジロ・デ・イタリアから排除された。

ミッチェルトン・スコットは4人のスタッフが感染し、チームはジロ・デ・イタリアから撤退。さらにエースのクライスバイクを失ったユンボ・ビスマチームも自主的に大会をあとにした。

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ゲオゲガンハートV、アルメイダ脱落も15秒差で首位守る

第103回ジロ・デ・イタリアは10月18日、バセアエレアリボルト〜ピアンカバッロ間の185kmで第15ステージが行われ、イネオス・グレナディアスのタオ・ゲオゲガンハート(英国)がウィルコ・ケルデルマン(オランダ)とジェイ・ヒンドレー(オーストラリア)のサンウェブ勢を振り切って、三大大会で初優勝した。

ジェイ・ヒンドレー、タオ・ゲオゲガンハート、ウィルコ・ケルデルマンがスパートするとマリアローザのアルメイダが遅れた ©Fabio Ferrari/LaPresse

第3ステージで首位に立ち、マリアローザを着続けているドゥークニンク・クイックステップのホアン・アルメイダ(ポルトガル)は56秒遅れの総合2位ケルデルマン、同10位ヒンドレー、11位ゲオゲガンハートのスパートについていけずタイムを失った。しかしケルデルマンに15秒差をつけてからくも首位を死守。

2020ジロ・デ・イタリア第15ステージのスタートはイタリア空軍基地 ©Massimo Paolone/LaPresse

ゲオゲガンハートは急逝ポルタル監督に勝利の報告

英国のイネオス・グレナディアスは総合優勝をねらったゲラント・トーマス(英国)が負傷してリタイアしたが、フィリッポ・ガンナ(イタリア)が第1、5、14ステージ、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)が第12ステージを制していて、今大会の勝利数は5となった。

2020ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「ゲラント・トーマスがいい仕上がりをしていたので、チームは明確な目標を掲げてジロ・デ・イタリアに参戦した。シチリアの第3ステージのニュートラルゾーンでトーマスがクラッシュしてしまい、チームが想定したようにはいかなかったが、残されたレースを最大限に活用しようと考え方を変えた」とゲオゲガンハート。

「チームメートはみな、このジロ・デ・イタリアで私に素晴らしいインスピレーションを与えてくれている。総合成績のことはまったく考えていない。このレースのビッグネームが最終週に壮大ななにかを試みることを知っているからだ」

ゲオゲガンハートは3月に心臓発作により40歳で他界したニコラ・ポルタル監督についても言及。
「誰もがニコポルタルがチームに与えた大きな影響を知っている。特に私はその気持ちが人一倍強い。私たちは毎日レースをしながら、彼を思い出している」

先頭からヒンドレー、ゲオゲガンハート、ケルデルマン。マリアローザのアルメイダが小さくなっていく ©Fabio Ferrari/LaPresse

どこまで首位で行けるか残り6ステージが楽しみとアルメイダ

マリアローザのアルメイダは「最後の上りで一瞬、失うと思っていたマリアローザを維持できたことがうれしい」と安堵の表情。

「全体的にきょうはポジティブなステージだった。かなりいい走りができたけど、私よりも強いライダーがいただけだ。ジロ・デ・イタリアの残り6ステージで、私はどこまで首位を行くことができるか楽しみにしている。こんな長いレースをしたことがない。でも、まず明日の休養日を楽しもうと思う」

アルメイダは37秒遅れの区間4位で、マリアローザを15秒差で守った ©Massimo Paolone/LaPresse
タオ・ゲオゲガンハートが三大大会で初優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジョバンニ・ビスコンティ(イタリア、ビーニザブKTM)
□マリアビアンカ(新人賞) ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)

タオ・ゲオゲガンハートが山岳ステージを制した ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

第14ステージにもどる≪≪   ≫≫第16ステージにすすむ

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ガンナ3勝目、アルメイダ首位死守…ジロ・デ・イタリア第14S

第103回ジロ・デ・イタリアは10月17日、コネリャーノ〜バルドッビアデーネ間の34kmで第14ステージとして個人タイムトライアルが行われ、イネオス・グレナディアスのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がトップタイムで優勝。初日の個人タイムトライアル、第5ステージに続いて今大会3勝目を挙げた。

タイムトライアル世界チャンピオンのアルカンシエルを着て走るフィリッポ・ガンナ ©Fabio Ferrari/LaPresse

イタリア選手がジロ・デ・イタリアの1大会で個人タイムトライアル2勝を挙げたのは1990年に総合優勝したジャンニ・ブーニョ以来。25歳以下の選手としては1994年のエフゲニー・ベルツィン(ロシア)以来。

2020ジロ・デ・イタリア第14ステージは個人タイムトライアル ©Marco Alpozzi/LaPresse
大会初日の個人タイムトライアルを含め今大会3勝目を挙げたガンナ ©Jennifer Lorenzini/LaPresse

第3ステージで首位に立ち、マリアローザを着用しているドゥークニンク・クイックステップのホアン・アルメイダ(ポルトガル)は6番手の好記録。総合2位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)との差を40秒から56秒に広げた。

マリアローザのアルメイダも好調の走り ©Fabio Ferrari/LaPresse
2020ジロ・デ・イタリア第14ステージ ©Marco Alpozzi/LaPresse
ステージ2番目のタイムを記録したローハン・デニス(左)とそれを破ったチームメートのガンナ ©Jennifer Lorenzini/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EF)
□マリアビアンカ(新人賞) ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)

アルメイダがステージ6位の好記録でマリアローザを死守 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

第13ステージにもどる≪≪   ≫≫第15ステージにすすむ

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ウリッシV2、アルメイダが首位堅持…ジロ・デ・イタリア第13S

第103回ジロ・デ・イタリアは10月16日、チェルビア〜モンセリーチェ間の192kmで第13ステージが行われ、UAEエミレーツのディエゴ・ウリッシ(イタリア)が第2ステージに続き今大会2勝目、大会通算8勝目を挙げた。

ウリッシがマイヨジョーヌのアルメイダを制してステージ優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

第3ステージで首位に立ち、マリアローザを着用しているドゥークニンク・クイックステップのホアン・アルメイダ(ポルトガル)はゴール勝負で2位。ボーナスタイム6秒を獲得し、総合2位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)との差を34秒から40秒に広げた。

バーレーン・マクラーレンの新城幸也は13分20秒遅れの区間116位。総合成績では1時間53分28秒遅れの94位。

2020ジロ・デ・イタリア第13ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「すでに第2ステージで優勝しているので、自信と精神的なゆとりがあって、今日のステージを走ることができた」とウリッシ。

「ジロ・デ・イタリアにはいい日と困難な日がある。昨日は寒さに苦しんだ。今日のステージは自分に合っていたが、サガンやデマールのようなライダーを最後のスプリント勝負に加わらせない必要があった。だから、チームメートのバレリオ・コンティと最後の上り坂が始まる地点からスピードアップした」

この作戦が的中し、ステージ優勝のライバルであるペテル・サガンを脱落させた。ボーラ・ハンスグローエはパトリック・コンラッド(オーストリア)を代役スプリンターとして勝利をねらったが3着に。

「ゴール前のストレートは少し風が吹いていたが、素晴らしいスプリントができた」とウリッシ。

サガンをけん引するボーラ・ハンスグローエのアシスト陣 ©Fabio Ferrari/LaPresse

アルメイダがマリアローザを死守して個人タイムトライアルへ

マリアローザのアルメイダはステージ優勝こそ逃したが、総合成績では11日間も首位の位置を守った。23歳未満の選手がマリアローザを11日間堅持するのは、エディ・メルクスとダミアーノ・クネゴに並ぶ記録となった。

「最後の30kmは私にとっておなじみの道だった。コーナーと小さな丘を知っていることが重要だった」とアルメイダ。

「明日を楽しみにしている。(距離34.1kmと)こんなに長いタイムトライアルをしたことがないが、最終走者としてスタートすることに興奮している。面白いことになると思う。調子がよければマリアローザをキープできる。そうでなければ、総合優勝を争う強豪選手らタイムを失うことになる』

ウリッシがゴール勝負で今大会2勝目を挙げた ©Marco Alpozzi/LaPresse

第14ステージ 個人タイムトライアル出走リスト

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マリアローザ(個人総合成績)ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EF)
□マリアビアンカ(新人賞) ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥークニンク・クイックステップ)

第12ステージにもどる≪≪   ≫≫第14ステージにすすむ

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