【ジロ・デ・イタリア】ポガチャル区間6勝目、総合2位に9分56秒差で最終日へ

第107回ジロ・デ・イタリアは5月25日、アルパーゴ〜バッサーノデルグラッパ間の184kmで第20ステージが行われ、首位のリーダージャージ、マリアローザを着用するUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が独走勝利。

アシスト陣から解き放たれてアタックしたポガチャル ©Fabio Ferrari/LaPresse

ポガチャルは今大会6勝目。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差を9分56秒に広げ、総合優勝を確実にした。

2024ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©LaPresse

マリアローザを着用しての5勝はグエラ、メルクス以来の快挙

ポガチャルは第1ステージこそイネオスグレナディアーズのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)らに負けて区間3位になったが、第2ステージで独走勝利してマリアローザを獲得。第7ステージの個人タイムトライアル、第8、15、16、20ステージと4つの山岳を制した。

マリアローザで5回のステージ優勝を飾ったのは、1934年のレアルコ・グエラ、1973年のエディ・メルクスと並ぶタイ記録。1927年のジロ・デ・イタリアでアルフレド・ビンダがステージ11勝しているが、当時はまだマリアローザというリーダージャージが存在していなかった。ジロ・デ・イタリアでの1大会6勝は、2004年にアレッサンドロ・ペタッキが9勝して以来の記録。

ポガチャルは総合成績で2位のマルティネスに9分56秒のアドバンテージを持って最終ステージをスタートする。そのままのタイム差でゴールすれば1965年にビットリオ・アドルニがイタロ・ジリオリに11分26秒差をつけて優勝して以来の最大記録となる。

独走するマリアローザのポガチャル ©Fabio Ferrari/LaPresse

高い士気といい脚でジロ・デ・イタリアを終えることが目標だった

「グランツールはすべてが簡単というわけではない。体調不良やアレルギーなどもあり、実は大変な3週間だった。すべてが順風満帆だったわけではないが、ここまでたどり着いたことは誇りに思っている」とポガチャル。

「今年はまた一歩踏み出すことができた。毎年僕は自分のサイクリングを改善しようとしているが、今年の改善に満足している。歳を重ね、経験も役に立つ。今回のグランツールは、僕のキャリアの中で最高のグランツールの一つで、その3週間は素晴らしい気分だったし、次のレースでもそのメンタリティを持ち続けるつもりだ。高い士気といい脚でジロ・デ・イタリアを終えることだった。今日は、上り坂の一番下から上まで観客が素晴らしかった」

ポガチャルが2024ジロ・デ・イタリアでステージ6勝目 ©LaPresse
ポガチャルが第20ステージで独走勝利してジロ・デ・イタリア初優勝を確実に ©LaPresse
ポガチャルがピンクのコルナゴを掲げた ©LaPresse
ポガチャルがバッサーノデルグラッパでマリアローザを手中に ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

総合優勝を確実にしたポガチャル ©LaPresse

【ジロ・デ・イタリア】ベンドラーメが3年ぶりのステージ優勝

第107回ジロ・デ・イタリアは5月24日、モルテリャーノ〜サッパーダ間の157kmで第19ステージが行われ、デカトロンAG2Rラモンディアルのアンドレア・ベンドラーメ(イタリア)が独走し、3年ぶり2度目のステージ優勝を果たした。

アンドレア・ベンドラーメが2024ジロ・デ・イタリア第19ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

首位のリーダージャージ、マリアローザを着用するUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は15分56秒遅れのメイン集団の中でフィニッシュ。残り6kmで総合3位のゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)が落車したが、メイン集団がペースダウンしたことでトーマスは追いつくことができた。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は変わらず7分42秒。

2024ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse

家の近くで勝ったのだから感慨はひとしお

「ジロ・デ・イタリアのスタート時からこのステージを狙っていた。まずはエスケープ集団に入ることが重要で、それに成功した後は1日中エネルギーを温存するようにした。下り坂でリスクを冒してアタックし、タイム差が開いたのを見てプッシュし続けた。家の近くで勝ったからこその特別な感慨です」とベンドラーメ。

「チームとしては、ジロ・デ・イタリアが始まってから順調に走っているし、ベン・オコーナーが総合成績の表彰台を争っている。今年のチームの成長にはとても満足している。コンディションは開幕時からよかったが、最初の週に気管支炎にかかってしまったので、ブックマークしたステージでは結果を残せなかった。今日のステージもチャンスだと思っていた。最初の目標は逃げることだった。難しい戦いだったし、正しい判断をしなければならなかった」

アンドレア・ベンドラーメ。2024ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合3位トーマスの落車に集団がペースダウンで配慮

「ジロ・デ・イタリアはお互いにリスペクトし合っているという点で素晴らしいものだった。今日、ゲラント・トーマスが墜落したとき、誰も愚かなことをしたがらなかった。トーマスのためではなく、サイクリングにとって必要なことだった。15年以上前から、落車はいつ起きてもおかしくないと思っていた。集中して、致命的なクラッシュを予測する必要がある」とマリアローザのポガチャル。

「チームとしてはやりやすい1日だったので、明日はスタートからレースをコントロールして、最初の上りからいいペースで走れるはずだ。明日はクライマーにとってステージ優勝を飾る最後のチャンスだ」

山岳賞のポガチャル ©LaPresse
ポイント賞のミラン ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

新人賞のティベーリ ©LaPresse

【ジロ・デ・イタリア】メルリールがゴール勝負で区間2勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月23日、フィエラディプリミエーロ〜パドバ間の178kmで第18ステージが行われ、スーダル・クイックステップのティム・メルリール(ベルギー)がゴールスプリント勝負で優勝。第3ステージに続く今大会2勝目、大会通算3勝目を挙げた。

パドバででティム・メルリール(左)がミラン(右)を打ち破った ©Massimo Paolone/Lapresse

首位のリーダージャージ、マリア・ローザを着用するUAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はタイム差なしの30位でフィニッシュ。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は変わらず7分42秒。

2024ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2024ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
パドバにゴールした2024ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse
ティム・メルリール(中央)がミラン(右)を制した ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

マリアローザを守ったポガチャル ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】シュタインハウザーが逃げ切りプロ初勝利

第107回ジロ・デ・イタリアは5月22日、セルバディバルガルデーナ〜フォルケンスタイン・イングレーデン間の159kmで第17ステージが行われ、EFエデュケーション・イージーポストのゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ)が逃げ切ってプロ初勝利。

2024ジロ・デ・イタリア第17ステージ ©Fabio Ferrari/Lapresse

UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は1分24秒遅れの区間2位。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差を7分18秒から7分42秒に広げた。

2024ジロ・デ・イタリア第17ステージ ©Fabio Ferrari/Lapresse
シュタインハウザーが独走 ©Lapresse
ドロミテ山塊 ©Fabio Ferrari/Lapresse
ポガチャルがアタックするとマルティネスもトーマスもついていけず ©Fabio Ferrari/Lapresse
シュタインハウザーが2024ジロ・デ・イタリア第17ステージ優勝 ©Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

【ジロ・デ・イタリア】ポガチャルが悪天候でコース変更の16Sで5勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月21日、悪天候によるコース変更でラサからサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナまでの118.7kmに短縮された第16ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が優勝。ステージ5勝目を飾るとともに、総合成績のトップを守った。

悪天候による混乱もポガチャルは止められない ©LaPresse

「総合3位だったダニエル・マルティネスのほうが最終週は手ごわいと思っていたので、最後は差を広げようとした。それにしても今日はジュリオ・ペリッツァーリが素晴らしい走りをして才能を見せつけたので、今週にステージ優勝できることを願っている」とポガチャル。

混乱の第16ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「私は計画するのが好きで、ガールフレンドはいつもすべてをきちんと整理したがる。以前はそうではなかったのですが、年齢を重ねてきた今は計画を完璧に実行したいと思っている。そうは言ってもサイクリングでそれはほとんど不可能で、今日は物事が計画通りに進まなかった。それでも勝利を手にした。モビスターが集団を牽引したので、チームでそれほど多くの作業をする必要がなかったことをうれしく思う。私たちにとって素晴らしいサプライズだった」

ポガチャルが今大会5勝目 ©LaPresse
ゴール後にポガチャルは大健闘のジュリオ・ペリッツァーリにマリアローザとアイウエアをプレゼント ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

厚手のチームウエアで第16ステージ優勝の表彰台に立つポガチャル ©LaPresse

【ジロ・デ・イタリア】ポガチャルが天王山独走で総合Vに現実味

第107回ジロ・デ・イタリアは5月19日、マネルバデルガルダ〜リビーニョ間の222km山岳コースで第15ステージが行われ、総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が独走勝利。今大会4勝目を挙げた。

スロベニアにも近い北部イタリアの山岳でポガチャルが独走 ©Luca Bettini/Pool/LaPresse

ポガチャルは所属するUAEエミレーツの完璧なレース運びの後押しを受け、残り15kmでアタック。最後まで逃げていたモビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)を逆転してトップフィニッシュ。総合2位ゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)との差を3分41秒から一気に6分41秒に広げた。

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ポガチャルのグランツールでのステージ優勝はこれで18に。プリモシュ・ログリッチの19勝に続く記録で、最多記録はマーク・カベンディッシュの54勝。

ポガチャルが独走 ©Luca Bettini/Pool/LaPresse

「今日はキャリアの中で最高の日の一つだ。ルートもよく、上りもとてもよかったので、素敵なステージとなった。12月からこのステージを念頭に置いていた。それをコントロールできて本当によかった」というポガチャル。

伏兵たちが抜け出したが、非常に強力なアタックだったという。追い風が吹いていたので、ポガチャルとチームは慎重に動きを見極める必要があった。アシスト役のラファウ・マイカの牽引が終わると、ポガチャルが前を追って単独で飛び出した。

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「キンタナとフルームをテレビで見ていた頃は、ゴールまで遠い地点からアタックしないといつも怒っていたけど、今日はアタックしてくれた。しかし、今日はキンタナは素晴らしい走りをしてくれたし、区間2位に入ったゲオルク・シュタインハウザーも素晴らしい仕事をしてくれた。今日は言及に値するライダーが何人かいる」(ポガチャル)

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©GETTY

つきあっているウルスカとの初めてのデートもここだった

「リビーニョには何度も来ている。ジュニア1年目にサンモリッツで代表チームと一緒にトレーニングキャンプをしたんだけど、ガソリンを安く満タンにするために、壊れかけたバンでここまで来たこともある。ほぼ毎年リビーニョに戻ってきた。これまでの生活の中で一番いい思い出がある場所だ。正直に言うと、婚約者のウルスカとの初めてのデートもここだからね」とポガチャル。

「今日は総合リストのトップに掲載されたが、ナンバーワンにはまだ遠く離れている。このクイーンステージを制覇できてとてもうれしい。すべてのジロ・デ・イタリアには独自のストーリーがあるから、来週どうなるか見てみたい。今のタイムギャップとチームには満足している。明日、最後の週の計画を立てる」

ポガチャルがナイロ・キンタナを振り落とす ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
マリアローザのポガチャルが第15ステージで独走勝利 ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

マリアローザのポガチャル。2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse