ザカリンが独走勝利。ポランツェ首位死守【ジロ・デ・イタリア第13S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月24日、ピネローロ〜チェレゾーレレアーレ間の196kmで第13ステージが行われ、カチューシャ・アルペシンのイルヌール・ザカリン(ロシア)が残り5kmから独走し、4年ぶり2度目の区間優勝。前日に首位に立ったUAEエミレーツのヤン・ポランツェ(スロベニア)が遅れながらもその座を守った。

カチューシャ・アルペシンのイルヌール・ザカリンがジロ・デ・イタリア第13ステージで独走 ©Fabio Ferrari / LaPresse

ザカリンはミケル・ニエベ(ミッチェルトン・スコット)とミケル・ランダ(モビスター)の山岳が得意なスペイン勢と区間勝利争いを展開。3度のアタックを見せたザカリンが最後の上りで独走を決め、チームに今季3勝目をもたらすとともに、自らも総合12位から3位へと急浮上した。

「ボクはこのジロ・デ・イタリアで総合5位以内を目指しているから、今日の走りには満足している」とザカリン。

ジロ・デ・イタリア第13ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ログリッチェ(左)とニーバリは2分57秒遅れでゴール ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

ポランツェは厳しい上りに苦戦しながらも、4分39秒遅れの15位でゴール。総合2位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)に4分07秒差から2分25秒差に詰め寄られながらも、マリアローザを死守した。

「有力選手には着いていけなかった。でもまた2日マリアローザを着ることができてうれしい」とポランツェ。
「最終日のベローナまで首位を守ることはできないと思うが、2日ごとにしっかりと走りたい。でも翌日は平たんがないほど厳しい山岳コースなので怖ろしい」

イェーツ(先頭)とマリアローザのポランツェが必死に先行選手を追う ©Marco Alpozzi / LaPresse
イネオスのシバコフが新人賞の首位へ ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) パベル・シバコフ(ロシア、イネオス)

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ポランツェが僚友からマリアローザを引き継ぐ【ジロ・デ・イタリア第12S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月23日、クネオ〜ピネローロ間の156kmで第12ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのチェーザレ・ベネデッティ(イタリア)がゴール手前のけん制合戦を制してプロ初優勝。

区間勝利を目指して競り合いを展開するベネデッティ(左)ら。2019ジロ・デ・イタリア第12ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

有力選手らを含むメイン集団が8分遅れたため、第1集団に加わっていたUAEエミレーツのヤン・ポランツェ(スロベニア)が首位に。チームメートのバレリオ・コンティ(イタリア)からマリアローザを引き継いだ。

大会はいよいよ山岳区間に突入し、前日に区間2勝目を挙げたロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)、ドゥークニンク・クイックステップのエリア・ビビアーニ(イタリア)のスプリンター2人が出走せず。このあとは山岳ステージばかりで、活躍が見込めないからだ。

この日は伏兵ら25選手が第1集団を形成。翌日にハードな山岳ステージが控えていることで有力選手は体力温存に努め、一気にその差が広がっていった。この第1集団の中にベネデッティとポランツェがいた。ステージ優勝は最後にその数が絞り込まれ、ベネデッティが3人によるゴール勝負を制した。

ベネデッティは2008年にUCIカテゴリーでない大会で勝利して以来のトップフィニッシュで、プロ初勝利となる。
「ボクのような強くない選手が勝利できたのだからとてもいい日になった。1999年に初めてジロ・デ・イタリアのスタート地点を訪れ、いつかプロになりたいと思っていた。ゴール前で一度は遅れたけど、ボクにはまだ脚が残っていた」(ベネデッティ)

2019ジロ・デ・イタリア第12ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

ポランツェはゴール前で25秒遅れたが、前日までの総合成績の上位選手らが8分も遅れたため、一躍首位に。

「第1集団に加わったのは作戦だ。チーム内でマリアローザを守るための戦略だったんだ」とポランツェ。
「区間勝利も取りたかったが、ボクは暫定首位の立場だったから他選手よりも先頭を走らなければならなかった。それでもピンク色のリーダージャージーを獲得できてこの上なくうれしい」

ヤン・ポランツェが首位に立った ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
2019ジロ・デ・イタリア第12ステージのチーム賞はNIPPO。左から2人目の選手が初山翔 ©Massimo Paolone/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ヒュー・カーシー(英国、EFエデュケーションファースト)

2019ジロ・デ・イタリア第12ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

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ユワンが区間2勝目、コンティがマリアローザ死守【ジロ・デ・イタリア第11S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月22日、カルピ〜ノビリーグレ間の221kmで第11ステージが行われ、ロット・スーダルの韓国系オーストラリア選手、カレブ・ユアンが大集団によるゴール勝負を制し、第8ステージに続く今大会2勝目を挙げた。

ジロ・デ・イタリア第11ステージを制したカレブ・ユワン ©Marco Alpozzi – LaPresse

ユアンは2017年の区間1勝を含めて大会通算3勝目となるが、25歳以下のオーストラリア選手による最多勝記録だったマイケル・マシューズの2勝を抜いてトップになった。

「長いステージだったけど、ライバルスプリンターの脚力が衰えるはずだから、昨日の短いレースよりもボクに向いていた。パスカル・アッカーマンが好調なので、彼の背後についてマークして、絶妙のタイミングでスパートした」とユワン。
「ボクはこれまでも強豪スプリンターの1人と自負していたけど、この伝統レースで3勝を挙げたことで、それが証明できたと思う」

ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

首位のバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)はタイム差なしの集団でゴール。休息日を除いて6日間マリアローザを守っている。

「昨年のボクは長くて1週間のステージレースで経験を積むことだった。アルゼンチンのブエルタサンフアンを走り、ツアー・オブ・ターキーが2大会目だった。3週間に及ぶステージレースなんて未知の世界だ。だからグランツールで総合1位にいるなんて経験したこともない」とコンティ。
「長くて日差しの強い1日だったが、ピンク色のリーダージャージーを着て楽しむことができた。明日からは次第に上りが厳しくなるので、ボクにとってはハードな戦いになるだろう。はじめは総合10位以内を目指せばいいと思っていたが、明日はマリアローザを守るために戦いたいと思う」

ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
コンティがジロ・デ・イタリア第11ステージでマリアローザを守った ©Massimo Paolone – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ナンス・ピーターズ(フランス、AG2Rラモンディアル)

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初山翔再び! 100km超の逃げを敢行【ジロ・デ・イタリア第10S】

NIPPOビーニファンティーニ・ファイザネの初山翔が5月21日にトラベンナ〜モデナ間の145kmで開催された第102回ジロ・デ・イタリア第10ステージで115kmのアタックを見せた。第3ステージの独走に続いての果敢な走りで、その存在感をアピールした。

2019ジロ・デ・イタリア第10ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

レースこの区間の出身であるバルディアーニCSFのルカ・コビリ(イタリア)がスタート直後から飛び出し、初山がこれに反応した。2選手はローテーションをしながらペースを維持。残り30km地点まで115kmにわたって先頭を走り続けた。

コースは平たんで、集団スプリント勝負に持ち込みたいチームの追撃によって2選手は吸収される。区間優勝争いはゴールスプリントになり、グルパマFDJのアルノー・デマール(フランス)が大会初優勝。デマールは2016年のミラノ〜サンレモに続くイタリア国内での2勝目。そして今季初優勝となる。

「ゴールまでは直線で、とてもハイスピードでナーバスなスプリントになると予想していた。チームメートには先頭から10〜15番手ほどの位置にいさせてくれとオーダーし、それを忠実にやってくれた」とデマール。
「ジロ・デ・イタリアの早い機会に勝ちたかったが、なかなかそうはいかず、ようやく今日目標がかなった。次の目標は最終日のベローナまで走りきること。山岳ステージで脚が尽きるかもしれないが、最後まであきらめないで走りたい」

ジロ・デ・イタリア第10ステージのゴール勝負をアルノー・デマールが制した ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

首位のバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)はタイム差なしの集団でゴールし、マリアローザを守った。初山は3分36秒遅れの149位。総合成績は1時間36分42秒遅れで、最下位の163位だが、イタリアでの知名度は急上昇中。

マリアローザを守ったコンティ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
アルノー・デマールがジロ・デ・イタリア第10ステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ナンス・ピーターズ(フランス、AG2Rラモンディアル)

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ログリッチェがTTを制して総合2位に浮上【ジロ・デ・イタリア第9S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月19日、 イタリアのリッチョーネからサンマリノ共和国までの34.8kmで第9ステージとして個人タイムトライアルが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が51分52秒、平均時速40.257kmのトップタイム。初日に続く2勝目、大会通算3勝目を挙げた。

個人タイムトライアルで大会3勝目を挙げたログリッチェ ©Fabio Ferrari / LaPresse

首位のバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)は最終出走者としてスタート。折しも雨脚が強くなり、我慢のレースとなり、3分34秒遅れの38位でゴールした。前日までの貯金を利してその座を守ったが、総合成績で2位に浮上してきたログリッチェに1分50秒差まで詰め寄られた。

ぶどう畑の丘陵地を上る個人タイムトライアルは、出走時間によって晴れ間がのぞいたり、土砂降りになったりする気象条件。それでも強さを発揮したのはタイムトライアルに強いログリッチェだ。ジロ・デ・イタリアのタイムトライアルで3回以上優勝したのはわずかに3選手。トム・デュムランとログリッチェが3勝で、最多記録はフランチェスコ・モゼールの12勝。

「完璧な走りができた。序盤はイージーに走って、後半にパワーアップした。総合優勝を争うライバル選手との差を開くことができたのがうれしい。でもジロ・デ・イタリアはまだまだ長い」とログリッチェ。

優勝候補の中では1分遅れの区間3位と好タイムを出したトレック・セガフレードのバウケ・モレマ ©Fabio Ferrari / LaPresse

これに対するコンティは、マリアローザを守ったものの、表彰式での表情はさえなかった。

「雨が上がると予想して、ヘルメットのバイザーを外してスタートしたが、これが裏目となり、その判断ミスのために1分はロスした」とコンティ。
「きょうの目標であるマリアローザは守れた。その点については満足している。でもログリッチェは強い。今年の大会でボクが総合優勝することはないと思うけど、もっと強くなっていつかは優勝するために戻ってきたい」

雨脚が強くなった中を走る最終出走のコンティ ©©Fabio Ferrari / LaPresse
テレマークポーズを取る元ジャンプ選手のログリッチェ ©Massimo Paolone/LaPresse
ナンス・ピーターズ(フランス)が新人賞1位に躍り出た ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ナンス・ピーターズ(フランス、AG2Rラモンディアル)

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ユワンがジロ・デ・イタリア第8ステージ優勝…コンティが首位堅持

第102回ジロ・デ・イタリアは5月18日、トルトレートリド〜ペザーロ間の239kmで第8ステージが行われ、ロット・スーダルの韓国系オーストラリア選手、カレブ・ユアンが大集団によるゴール勝負を制し、2年ぶり2回目の区間勝利を挙げた。

カレブ・ユワンが2019ジロ・デ・イタリア第8ステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「スタート前にゴール手前の地図を確認したときは、ラストコーナーをトップで抜けようと考えていた。でも逃げた選手を吸収するためにチームメートが集団の先頭を走る必要があり、ゴール前でけん引してくれる役までそれに加わった。予測よりもはるかにハードだった。」とユワン。

「ポイント賞のアッカーマンに先行されてしまったので、残り300mでその背後に着いた。抜けると思ったのでゴール手前150mでスパーとして先頭に立った」

総合成績ではUAEエミレーツのバレリオ・コンティ(イタリア)がタイム差なしの同集団でゴールし、首位のマリアローザを3日連続で守った。
「とても幸せなレースをすることができた」とコンティ。

翌ステージはぶどう畑の丘陵地を上る35km個人タイムトライアル。
「マリアローザを守るために全力で走りたい。ボクよりも速い選手がいるが、総合成績のタイム差でアドバンテージがある。首位を確保する自信はある」(コンティ)

マリアローザを守ったバレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
マリアチクラミーノ(ポイント賞)のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
マリアアッズーラ(山岳賞)のジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
マリアビアンカ(新人賞)のジョバンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF) ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)バレリオ・コンティ(イタリア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) ジョバンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF)

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