欧州チャンピオンジャージーを着用するミッチェルトン・スコットのマッテオ・トレンティン(イタリア)が独走し、5年ぶり3度目のステージ優勝を果たした。同チームはこれで区間4勝目。首位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)、1分35秒差の総合2位ゲラント・トーマス(英国、イネオス)らは20分10秒遅れのメイン集団でゴールし、総合成績の上位に変動はなかった。
トレンティンが独走で3勝目。アラフィリップ首位堅持
翌日からは総合優勝をかけたアルプス3連戦。最終日のパリはスプリンターのものだ。区間勝利をねらうのはもうこの日しかない。山岳ステージの決戦に備えた有力選手は動かないとみた一発勝負師たち34選手が5km地点から第1集団を形成した。トレンティンもこの中にいた。
「第10ステージが終わって、ボクが勝つとしたら今日しかないと思っていた。翌日からの山岳3区間はあまりにも厳しいからね」と満を持して第1集団に加わったトレンティン。すでに脚は疲労の塊だったが、精神的なモチベーションが奮い立たせた。
残り14kmでトレンティンが抜け出し、ゴールまで独走する。トレンティンはゴールスプリントにも定評があるが、この日は確実に勝利をつかむために早めに動いたことが功を奏する。
「まさか単独になるとは思わなかったが、自分のペースを維持してゴールまで逃げ切ろうと思った」
トレンティンは2013年のリヨン、2014年のナンシーに続き、久々に区間優勝。欧州選手権は近年になって始まったレースで、その優勝者は1年間チャンピオンジャージーを着用する。ツール・ド・フランスで欧州チャンピオンが勝ったのは2017年のペテル・サガン(スロバキア)、2018年のアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)に続いて3年連続となる。
欧州チャンピオンとしてプロ選手を代表する存在でもあり、イタリアプロサイクリスト協会の副会長も務める。母国イタリアでは自転車が巻き込まれる交通事故が欧州で最悪なことを憂慮し、欧州議会に改善要望書を提出し、受理された際の中心選手となった。
「これまでの2勝はスプリント勝利だったが、今日はまた違ったパターンで勝てたから、一番思い出に残ると思う」
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)
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