2023ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

スーダル・クイックステップ(ベルギー)
1 レムコ・エベネプール(ベルギー)
2 アンドレア・バジオーリ(イタリア)
3 マティア・カッタネオ(イタリア)
4 ヤン・ヒルト(チェコ)
5 ジェームス・ノックス(英国)
6 カスパー・ピーダスン(デンマーク)
7 ピーター・セリー(ベルギー)
8 ルイス・フェルバーケ(ベルギー)

レムコ・エベネプール ©UNIPUBLIC-CHARLY-LOPEZ

UAEエミレーツ(UAE)
11 フアン・アユソ(スペイン)
12 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)
13 ルイ・オリベイラ(ポルトガル)
14 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド)
15 フアン・モラノ(コロンビア)
16 ドメン・ノバク(スロベニア)
17 マルク・ソレル(スペイン)
18 ジェイ・バイン(オーストラリア)

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ユンボ・ビスマ(オランダ)
21 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
22 ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
23 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ)
24 セップ・クス(米国)
25 ヤン・トラトニク(スロベニア)
26 アッティラ・バルテル(ハンガリー)
27 ディラン・ファンバーレ(オランダ)
28 ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)

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プリモシュ・ログリッチ ©UNIPUBLIC-CHARLY-LOPEZ
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イネオスグレナディアーズ(英国)
31 ゲラント・トーマス(英国)
32 テイメン・アレンスマン(オランダ)
33 エガン・ベルナル(コロンビア)
34 ジョナタン・カストロビエホ(スペイン)
35 ローレンス・デプルス(ベルギー)
36 オマール・フライレ(スペイン)
37 フィリッポ・ガンナ(イタリア)
38 キム・ハイドゥク(ドイツ)

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バーレーンビクトリアス(バーレーン)
41 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)
42 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)
43 マテウジュ・ゴベカル(スロベニア)
44 カミル・グラデク(ポーランド)
45 ミケル・ランダ(スペイン)
46 ワウト・プールス(オランダ)
47 ヤシャ・ズッタリン(ドイツ)
48 アントニオ・ティベリ(イタリア)

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©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

リドル・トレック(米国)
51 フアン・ロペス(スペイン)
52 ジュリアン・ベルナール(フランス)
53 ケニー・エリッソンド(フランス)
54 アマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア)
55 バウケ・モレマ(オランダ)
56 ジャコポ・モスカ(イタリア)
57 エドワルト・トゥーンス(ベルギー)
58 オット・フェルハールデ(ベルギー)

©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

グルパマFDJ(フランス)
61 ルディ・モラール(フランス)
62 レニー・マルティネス(フランス)
63 ルイス・アスキー(英国)
64 クレモン・ダビ(フランス)
65 ロレンツォ・ジェルマーニ(イタリア)
66 ロマン・グレゴワール(フランス)
67 マイケル・ストーラー(オーストラリア)
68 サムエル・ワトソン(英国)

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ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
71 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア)
72 ニコ・デンツ(ドイツ)
73 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ)
74 セルヒオ・イギータ(コロンビア)
75 レナード・ケムナ(ドイツ)
76 ヨナス・コッホ(ドイツ)
77 キアン・アイデブルックス(ベルギー)
78 ベン・ツィーホフ(ドイツ)

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アルペシン・ドゥクーニンク(ベルギー)
81 カーデン・グローブス(オーストラリア)
82 モーリス・バラーシュテット(ドイツ)
83 トビアス・バイヤー(オーストリア)
84 サムエル・ゲイズ(ニュージーランド)
85 ロベ・ヘイス(ベルギー)
86 ジミー・ヤンセンス(ベルギー)
87 ジェイソン・オズボーン(ドイツ)
88 エドワルト・プランカールト(ベルギー)

ロット・デスティニー(ベルギー)
91 トーマス・デヘント(ベルギー)
92 ジャラッド・ドリズナーズ(オーストラリア)
93 セバスティアン・グリニャール(ベルギー)
94 アンドレアス・クロン(デンマーク)
95 ミラン・メンテン(ベルギー)
96 シルバン・モニケ(ベルギー)
97 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン)
98 レナルト・ファンイートベルト(ベルギー)

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EFエデュケーション・イージーポスト(米国)
101 ヒュー・カーシー(英国)
102 シュテファン・ビッセガー(スイス)
103 ヨナタン・カイセド(エクアドル)
104 ディエゴ・カマルゴ(コロンビア)
105 アンドレア・ピッコロ(イタリア)
106 ショーン・クイン(米国)
107 マライン・ファンデンベルフ(オランダ)
108 ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ)

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AG2Rシトロエン(フランス)
111 ミカエル・シュレル(フランス)
112 ジョフリー・ブシャール(フランス)
113 ドリアン・ゴドン(フランス)
114 ポール・ラペラ(フランス)
115 ダミアン・トゥゼ(フランス)
116 アンドレア・ベンドラーメ(イタリア)
117 ローレンス・ワーバス(米国)
118 ニコラ・プロドム(フランス)

ジェイコ・アルウラー(オーストラリア)
121 エディ・ダンバー(アイルランド)
122 フェリックス・エンゲルハート(ドイツ)
123 ウェレイハゴス・バーへ(エチオピア)
124 マイケル・ヘップバーン(オーストラリア)
125 ヤン・マース(オランダ)
126 カラム・スコットソン(オーストラリア)
127 マッテオ・ソブレロ(イタリア)
128 フィリッポ・ザナ(イタリア)

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アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ(ベルギー)
131 ルイ・コスタ(ポルトガル)
132 コーブ・ホーセンス(ベルギー)
133 ルネ・ヘレホーツ(ベルギー)
134 ユリウス・ヨハンセン(デンマーク)
135 ユーゴ・パージュ(フランス)
136 レイン・タラマエ(エストニア)
137 ヘルベン・テイッセン(ベルギー)
138 ボーイ・ファンポッペル(オランダ)

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モビスター(スペイン)
141 エンリク・マス(スペイン)
142 ホルヘ・アルカス(スペイン)
143 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)
144 イマノル・エルビティ(スペイン)
145 イバン・ガルシア(スペイン)
146 オイエル・ラスカノ(スペイン)
147 ネルソン・オリベイラ(ポルトガル)
148 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア)

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©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

コフィディス(フランス)
151 ヘスス・エラダ(スペイン)
152 ダビデ・チモライ(イタリア)
153 フランソワ・ビダール(フランス)
154 アンドレ・カルバーリョ(ポルトガル)
155 ブライアン・コカール(フランス)
156 ルーベン・フェルナンデス(スペイン)
157 ホセ・エラダ(スペイン)
158 レミ・ロシャス(フランス)

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DSMフィリメニッヒ(オランダ)
161 ロマン・バルデ(フランス)
162 ロマン・コンボー(フランス)
163 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア)
164 ショーン・フリン(英国)
165 クリス・ハミルトン(オーストラリア)
166 ロレンツォ・ミレージ(イタリア)
167 オスカー・オンレー(英国)
168 マックス・プール(英国)

2021ブエルタ・ア・エスパーニャでロマン・バルデが山岳賞ジャージを着る ©PHOTOGOMEZSPORT2021

アルケア・サムシック(フランス)
171 ケビン・ボークラン(フランス)
172 エリー・ジェベール(フランス)
173 ユーゴ・オフステテール(フランス)
174 マティス・ルベール(フランス)
175 ケビン・ルダノワ(フランス)
176 ルーカス・オウシアン(ポーランド)
177 ミヘル・リース(ルクセンブルク)
178 クリスティアン・ロドリゲス(スペイン)

トタルエネルジー(フランス)
181 ステフ・クラス(ベルギー)
182 トマ・ボネ(フランス)
183 ファビアン・ドゥべ(フランス)
184 アラン・ジュソーム(フランス)
185 ピエール・ラトゥール(フランス)
186 ポール・ウルスラン(フランス)
187 ジョフレ・スープ(フランス)
188 ドリス・ファンヘステル(ベルギー)

アスタナ・カザクスタン(カザフスタン)
191 サムエーレ・バティステッラ(イタリア)
192 ダビ・デラクルス(スペイン)
193 ルイスレオン・サンチェス(スペイン)
194 ハビエル・ロモ(スペイン)
195 ジョセフロイド・ドンブロウスキー(米国)
196 ワジム・プロンスキー(カザフスタン)
197 ファビオ・フェリーネ(イタリア)
198 アンドレイ・ツェイツ(カザフスタン)

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ブルゴスBH(スペイン)
201 ホセ・ディアス(スペイン)
202 シリル・バルト(フランス)
203 イェツセ・ボル(オランダ)
204 ヘスス・エスケラ(スペイン)
205 エリック・ファグンデス(ウルグアイ)
206 ダニエル・ナバーロ(スペイン)
207 アンデル・オカミカ(スペイン)
208 ペラヨ・サンチェス(スペイン)

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カハルラル・セグロスRGA(スペイン)
211 オールイス・アウラール(ベネズエラ)
212 アベル・バルデルストーネ(スペイン)
213 フェルナンド・バルセロ(スペイン)
214 ヨン・バレネチェア(スペイン)
215 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル)
216 ダビ・ゴンザレス(スペイン)
217 ジョエル・ニコラウ(スペイン)
218 ミカル・シュレゲル(チェコ)

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ログリッチ愛用のティソにツール・ド・フランスモデル

1853年にスイスで創業したスイスウォッチブランドのティソ(Tissot)がTレースサイクリングコレクションに2つのスペシャルエディションを新登場させた。

ティソ T-レース サイクリング 2023 ツール・ド・フランス

世界中のサイクリストにインスピレーションを与えるエリートライダーたちに敬意を表して作られたTレースサイクリングコレクション。

2023年に新たに登場するのは、ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャのモデル。ティソはこの2つの伝説的なレースのオフィシャルタイムキーパーを務めている。

ティソ T-レース サイクリング 2023 ブエルタ・ア・エスパーニャ

精度と情熱があればこそ偉大なチャンピオンやユニークな時計が生み出される

ブエルタ・ア・エスパーニャで3度の優勝を果たし、オリンピックチャンピオンでもあるプリモシュ・ログリッチは、「時間がすべてだ。私は今この瞬間を大切にし、最大限に生かすために全力を尽くしている」とコメントしている。

ログリッチはティソのアンバサダーである。

ツール・ド・フランス。8万4700円(税込み)

スピリットデザイン

ティソ Tレースサイクリング2023は、スポーツからインスピレーションを受けつつも、クラシックな外観とデザインを融合させたモデル。プッシュボタンはブレーキレバーを、針はスポークをイメージ。レーシングバイクのフレームの軽さを表現したラグ、カセットを連想させるリューズとケースバック、さらにケースのミドルリングにはカーボンを使用している。

ケースバックには大会ロゴが刻まれ、バイクモチーフ付きの秒針、リューズ、ストラップにはそれぞれの大会のカラー(ツール・ド・フランスはイエロー、ブエルタ・ア・エスパーニャはレッド)が表現されている。

いくつもの用途を持つ時計

2023年のTレースサイクリングコレクションには、初めて2種類のストラップが付属する。ティソがパートナーを務めるレースカラーをあしらったシリコンストラップとバイクのハンドルグリップをイメージしたパンチングレザーストラップ。

ブエルタ・ア・エスパーニャ。8万4700円(税込み)

いずれもインターチェンジャブルスシステムを搭載し、自転車のギヤチェンジのように素早くスタイルをチェンジできる。落ち着いた控えめなスタイル、鮮やかで快活なスタイルなど、スポーティな印象を損なうことなくシーンに応じて使い分けができる。

特別なウォッチボックス

所有者の体験をさらにパーソナライズなものにするために、ティソはTレースサイクリング2023のウォッチボックスにはスペシャルなスリーブが付属する。各スリーブはそれぞれの大会のカラーで、このシリーズがスペシャルエディションであることをさらに際立たせている。プロの自転車競技のように、ティソには細部にもこだわりが光る。

2023年のツール・ド・フランスは、7月1日にスペインのバスク地方からスタートし、ファイナルステージは7月末にパリのシャンゼリゼ通りに向けて繰り広げられる。その後、ブエルタ・ア・エスパーニャが8月中旬よりオランダでのファーストステージを皮切りに、スペイン・マドリードでの華やかなフィニッシュで3週間の熱戦は幕を閉じる。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャの全日程はスペインがベースに

2023ブエルタ・ア・エスパーニャのコースが発表された。8月26日にスペインのバルセロナで開幕し、9月17日に首都マドリードにゴールする。大会序盤にピレネー山中のアンドラやフランスのツールマレー峠を訪問するが、全21ステージはほぼスペインをベースとして行われる。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャは8月26日から9月17日まで

総距離は3158.3km。

  • 4=平坦ステージ
  • 2=平坦ステージで最後が頂上ゴール
  • 6=起伏がちなステージ
  • 7=山岳ステージ
  • 1=チームタイムトライアル、1=個人タイムトライアル
  • 2=休息日

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ日程

8月26日(土) 第1ステージ バルセロナ=チームタイムトライアル 14.6m
8月27日(日) 第2ステージ マタロ〜バルセロナ 181.3km★★
8月28日(月) 第3ステージ スリア〜アリンサル(アンドラ) 158.5km★★★
8月29日(火) 第4ステージ アンドララベリャ(アンドラ)〜タラゴナ 183.4km★★
8月30日(水) 第5ステージ モレリャ〜ブリアナ 185.7km★★
8月31日(木) 第6ステージ ラバイドゥイショー〜ハバランブレ天文台 181.3km★★★
9月1日(金) 第7ステージ ウティエル〜オリバ 188.8km
9月2日(土) 第8ステージ デニア〜ショレトデカティ 164.8km★★★
9月3日(日) 第9ステージ カルタゲナ〜カラバカデラクルズ 180.9km★
9月4日(月) 休養日
9月5日(火) 第10ステージ バリャドリード=個人タイムトライアル 25km
9月6日(水) 第11ステージ レルマ〜ララグナネグラ・ビヌエサ 163.2km★★
9月7日(木) 第12ステージ オルベガ〜サラゴサ 165.4km
9月8日(金) 第13ステージ フォルミガル・ウエスカラマジア〜ツールマレー峠(フランス) 134.7km★★★
9月9日(土) 第14ステージ ソブテールドベアルン(フランス)〜ララベアグア 161.7km★★★
9月10日(日) 第15ステージ パンプローナ〜レクンベリ 156.5km★★
9月11日(月) 休養日
9月12日(火) 第16ステージ リエンクエスプラジャ〜ベヘス 119.7km★
9月13日(水) 第17ステージ リバデセジャ〜アングリル峠 122.6km★★★
9月14日(木) 第18ステージ ポラデアランデ〜ラクルズデリナレス 178.9km★★★
9月15日(金) 第19ステージ バニェザ〜イスカル 177.4km
9月16日(土) 第20ステージ マンザナレスエルレアル〜グアダラマ 208.4km★★
9月17日(日) 第21ステージ サルスエラ競馬場〜マドリード 101km
★は難易度

●ブエルタ・ア・エスパーニャのホームページ

エベネプール、史上最年少の22歳でブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝

22歳のレムコ・エベネプール(クイックステップ・アルファビニル)が第77回ブエルタ・ア・エスパーニャ(8月19日〜9月11日開催)で初の総合優勝を遂げた。ベルギー勢が5月のジロ・デ・イタリア、7月のツール・ド・フランスを含めた三大ステージレースを制したのは44年ぶり。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のレムコ・エベネプール ©Unipublic Charly López

大会初の4連覇を狙ったユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)は落車負傷してリタイア。

左から山岳賞のカラパス、総合優勝と新人賞のエベネプール、ポイント賞のピーダスン ©Unipublic Charly López

ログリッチ擁するユンボ・ビスマ勢が連日のマイヨロホ着回し

オランダのユトレヒトで開幕した24日間のステージレース。序盤はログリッチにとってあまりにもできすぎた展開だった。大会初日、チーム全員で隊列を組んでゴールを目指すチームタイムトライアルで圧勝。先頭でゴールラインを通過した地元オランダの僚友ヘーシンクが赤いリーダージャージ「マイヨロホ」を獲得した。

ユンボ・ビスマがチームタイムトライアルを制し、セップ・クスがシャンパンをまき振るう ©Charly López

第2ステージはチームメートのオランダ勢テウニッセンが首位を入れ替わる。さらに第3ステージでイタリアのアッフィニへ。スペインに空路で移動して行われた第4ステージでエースのログリッチに。チームの中でマイヨロホを着回す状態となった。

第6ステージで一躍優勝争いに名乗り出たのがエベネプールだ。ログリッチはジュニア時代、スキージャンプ競技のスロベニア代表だったが、エベネプールはサッカー。U15ベルギー代表では主将を務めるほどだった。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ ©Unipublic Charly López

エベネプールはベルギーの国技とも言われる自転車に転向すると、2018年の世界選手権でジュニアの個人タイムトライアルとロードレース二冠。翌年に現チームでプロデビューを果たすと、いきなりメジャーレースで連勝。しかし2020年のイル・ロンバルディアでコースアウトして橋の下に落下。大ケガを負う。実戦復帰は2021年のジロ・デ・イタリアとなり、好位置につけながら終盤に落車してリタイアしている。

序盤の第6ステージがキーポイントとなった

今回のブエルタ・ア・エスパーニャでレースが動いたのは濃霧の第6ステージだった。伏兵らと抜け出したエベネプールが総合成績で首位になる。さらに第10ステージの個人タイムトライアルでトップタイムを叩き出して、総合2位ログリッチとの差を2分41秒に広げた。

第6ステージ、エベネプールとマスがバインを追う ©Unipublic Sprint Cycling Agency

後半戦になると徐々にログリッチがその差を詰めてきた。第16ステージでは1分26秒に。ログリッチは翌日も攻撃に出て、エベネプールを置き去りにしたが、区間勝利を狙ったゴール勝負で痛恨の落車。大きく傷ついて翌日は出走しなかった。

エベネプールがトップタイムで優勝し、総合2位とのタイム差をさらに広げた ©Unipublic

第18ステージの天王山でも勝利したエベネプールはそのまま2位に2分以上の差を堅持して最終日の首都マドリードまで逃げ切った。史上最年少の総合優勝者となったのだ。

ゴール手前75mで単独落車したログリッチがチームメートに背中を押されながらゴールを目指す ©Unipublic Charly López

ベルギー勢の三大大会総合優勝は1978年にヨハン・デミュインクがジロ・デ・イタリアで勝って以来だ。ベルギーはかつて自転車競技史上最強と言われるエディ・メルクスが君臨するなど強豪国と言われたが、近年は南米や英国、北欧などの新勢力に主要タイトルを奪われていた。身長171cmと小柄ながら、オールラウンドに強さを発揮するエベネプールはメルクスの再来を期待される。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Charly López

22歳にしてクラシックとグランツール連勝、そしてオフには結婚

今季序盤にはメルクスが得意としていた1日開催の伝統レース、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュとクラシカサンセバスティアンを撃破。そして今回は24日の長丁場レースでも勝利した。

ログリッチがリタイアして、総合優勝はエベネプールとマスとの争いとなった ©Unipublic Sprint Cycling Agency

「ボクの人生で最も美しい日になった。チームにとって、ボクの国にとって、そして自分自身にとっての歴史となった。この24日間でやったことを本当に誇りに思う。冬には結婚する。願うことができる最高の年だと思う」(エベネプール)

エベネプールが2022ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝を確実にした ©Unipublic Charly López

エベネプールが史上最年少でブエルタ・ア・エスパーニャ制覇

第77回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月11日、ラスロサス〜マドリード間の96.7kmで第21ステージが行われ、レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)が史上最年少の22歳で初の総合優勝を飾った。2分02秒遅れの総合2位はエンリク・マス(スペイン、モビスター)。4分57秒遅れの総合3位はフアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のレムコ・エベネプール ©Unipublic Charly López

ポイント賞はトレック・セガフレードのマッズ・ピーダスン(デンマーク)、山岳賞はイネオスグレナディアーズのリチャル・カラパス(エクアドル)、新人賞はエベネプール。

総合優勝のエベネプールを中央に、左が総合2位エンリク・マス、右が同3位フアン・アユソ ©Unipublic Sprint Cycling Agency

ベルギー勢のグランツール総合優勝は1978年にヨハン・デミュインクがジロ・デ・イタリアで勝って以来。

バルベルデ(左)とニバリ引退の花道 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

チームにとって、ベルギーにとって、そして自分にとって歴史となった

「正式に総合優勝となって、ようやく落ち着くことができた。昨日はすでに、感情はかなり高かった。ボクたちはほぼ確実に勝てる状況だったけど、それでも安全でいいい形でレースを終えなければならなかった。ボクたちは完璧にやったと思う」とエベネプール。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第21ステージ ©Unipublic Charly López

「ボクたちは最終日をできるだけ楽しむつもりだったが、ゴールして本当に楽しむことができる。マドリードはテクニカルなコースだったので、考える時間があまりなかった。1周ごとに緊張感が増していた。ここまで生き延びることができてうれしかった。それはチームにとって、ボクの国にとって、そして自分自身にとっての歴史となった。この3週間でやったことを本当に誇りに思う」

史上最年少の22歳でブエルタ・ア・エスパーニャを制したエベネプール ©Unipublic Sprint Cycling Agency
最終ステージはフアン・モラノが初優勝 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)

左から山岳賞のカラパス、総合優勝と新人賞のエベネプール、ポイント賞のピーダスン ©Unipublic Charly López

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エベネプールがブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝を確実に。区間Vは山岳王カラパス

第77回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月10日、モラルサルサル〜プエルト・デ・ナバセルラダ間の181kmで第20ステージが行われ、イネオスグレナディアーズのリチャル・カラパス(エクアドル)が優勝。第12、14ステージに続く今大会3勝目。山岳賞の獲得も確実にした。

山岳賞ジャージを着るカラパスが第20ステージ優勝 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

首位のレムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)は総合2位エンリク・マス(スペイン、モビスター)わずか2秒遅れたが、前日までのタイム差を利して総合1位を死守。初の総合優勝に王手をかけた。

エベネプールが2022ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝を確実にした ©Unipublic Charly López

自転車競技最強国ベルギーのグランツール制覇は1978年以来

すべての山岳とタイムトライアルを終えたレースは最終日にマドリードでの凱旋パレードを残すのみ。エベネプールは史上最年少の総合優勝者となるのは確実で、ベルギー勢のグランツール総合優勝は1978年にヨハン・デミュインクがジロ・デ・イタリアで勝って以来となる。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ ©Unipublic Charly López

「ステージ優勝はまったく狙っていなかった。総合1位のポジションを守りたかっただけだ。そのために自分の力をコントロールし、すべてを信じて流れに乗ることだけに務めた。最終的にレースは非常に厳しいものになったが、ボクたちのチームは本当にうまくやった」とエベネプール。

「ボクの人生で最も美しい日になった。そして素晴らしい年になった。モニュメントのリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝し、サンセバスティアンでも優勝し、このブエルタ・ア・エスパーニャでは2つのステージと総合1位。冬に結婚する。願うことができる最高の年だと思う」

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ ©Unipublic Sprint Cycling Agency
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ ©Unipublic Sprint Cycling Agency
2022年で引退するバルベルデが積極的な走りを見せ、敢闘賞を獲得した ©Unipublic Sprint Cycling Agency
最後の山岳ステージでマイヨロホを死守して総合優勝を確実にしたエベネプール ©Unipublic Charly López

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)

2022ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ3勝目のカラパス ©Unipublic Charly López

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