2019ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手リスト

有力選手は左からチャベス、ロペス、キンタナ、バルベルデ、ログリッチェ、フルサング ©Photogómez Sport

●モビスター(スペイン)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2 ホルヘ・アルカス(スペイン)
3 ホセ・ロハス(スペイン)
4 オマノル・エルビチ(スペイン)
5 ネルソン・オリベイラ(ポルトガル)
6 アントニオ・ペドレロ(スペイン)
7 ナイロ・キンタナ(コロンビア)
8 マルク・ソレル(スペイン)

世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ ©Photogómez Sport

●AG2Rラモンディアル(フランス)
11 ピエール・ラトゥール(フランス)
12 フランソワ・ビダール(フランス)
13 ジョフリー・ブシャール(フランス)
14 クレメン・シェブリエ(フランス)
15 シルバン・ディリエ(スイス)
16 ドリアン・ゴドン(フランス)*
17 カンタン・ジョレギ(フランス)*
18 クレマン・バントリーニ(フランス)

●アスタナ(カザフスタン)
21 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)*
22 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア)
23 ダリオ・カタルド(イタリア)
24 オマール・フライレ(スペイン)
25 ヤコブ・フルサング(デンマーク)
26 ゴルカ・イサギレ(スペイン)
27 ヨン・イサギレ(スペイン)
28 ルイスレオン・サンチェス(スペイン)

ミゲルアンヘル・ロペス ©Photogómez Sport

●バーレーン・メリダ(バーレーン)
31 マーク・パデュン(ウクライナ)*
32 新城幸也(日本)
33 フィル・バウハウス(ドイツ)*
34 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)
35 ドメン・ノバク(スロベニア)*
36 ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア)
37 ルカ・ピベルニク(スロベニア)
38 ディラン・トゥーンス(ベルギー)

新城幸也(左から2人目)が3度目の出場を果たす ©Photogómez Sport

●ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
41 ラファウ・マイカ(ポーランド)
42 シェーン・アーチボールド(ニュージーランド)
43 サム・ベネット(アイルランド)
44 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)
45 ダビデ・フォルモロ(イタリア)
46 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア)
47 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア)*
48 パウェル・ポリャンスキー(ポーランド)

©Photogómez Sport

●CCC(ポーランド)
51 ビクトル・デラパルテ(スペイン)
52 ウィリアム・バルタ(米国)*
53 パウェル・ベルナス(ポーランド)
54 パトリック・ベビン(ニュージーランド)
55 ヨナス・コッホ(ドイツ)
56 シュモン・サイノク(ポーランド)*
57 ネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー)*
58 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン)

●ドゥークニンク・クイックステップ(ベルギー)
61 フィリップ・ジルベール(ベルギー)
62 エロス・カペッキ(イタリア)
63 レミ・カバニャ(フランス)*
64 ティム・デクレルク(ベルギー)
65 ファビオ・ヤコブセン(オランダ)*
66 ジェームス・ノックス(英国)*
67 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)
68 ゼネク・スティバル(チェコ)

ナイロ・キンタナ ©Photogómez Sport

●EFエデュケーションファースト(米国)
71 リゴベルト・ウラン(コロンビア)
72 ヒュー・カーシー(英国)*
73 ローソン・クラドック(米国)
74 ミッチェル・ドッカー(オーストラリア)
75 セルジオ・イギータ(コロンビア)*
76 ダニエル・マルティネス(コロンビア)*
77 ローガン・オーウェン(米国)*
78 ティージェイ・バンガーデレン(米国)

●グルパマFDJ(フランス)
81 マルク・サロー(フランス)
82 ブルーノ・アルミライル(フランス)*
83 ミカエル・ドラージュ(フランス)
84 キリアン・フランキーニー(スイス)*
85 トビアス・ルドビグソン(スウェーデン)
86 スティーブ・モラビト(スイス)
87 ロマン・シーグル(フランス)*
88 バンジャマン・トマ(フランス)*

アレハンドロ・バルベルデ ©Photogómez Sport

●ロット・スーダル(ベルギー)
91 トマス・デヘント(ベルギー)
92 サンデル・アルメ(ベルギー)
93 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー)
94 トーマス・マルチンスキー(ポーランド)
95 トッシュ・バンデルサンド(ベルギー)
96 ブライアン・ファンフーテム(オランダ)
97 ハーム・ファンフック(ベルギー)*
98 イェーレ・ワライス(ベルギー)

●ミッチェルトン・スコット(オースラトリア)
101 エスデバン・チャベス(コロンビア)
102 サム・ビューリー(ニュージーランド)
103 スガブ・グルマイ(エチオピア)
104 ダミアン・ホーゾン(オースラトリア)
105 ルカ・メズゲッツ(スロベニア)
106 ミケル・ニエベ(スペイン)
107 ニック・シュルツ(オースラトリア)*
108 ディオン・スミス(ニュージーランド)

エステバン・チャベス ©Photogómez Sport

●ディメンションデータ(南アフリカ)
111 ルイ・メンティス(南アフリカ)
112 ニコラス・ドラミニ(南アフリカ)*
113 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア)*
114 エドバルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)
115 ベンジャミン・キング(米国)
116 ベン・オコーナー(オーストラリア)*
117 ラスムス・ティレル(ノルウェー)*
118 ジェイコブス・ベンター(南アフリカ)

●イネオス(英国)
121 ワウト・プールス(オランダ)
122 ダビ・デラクルス(スペイン)
123 オウェイン・ドゥール(英国)
124 タオ・ゲオゲガンハート(英国)*
125 セルジオルイス・エナオ(コロンビア)
126 バシル・キリエンカ(ベラルーシ)
127 サルバトーレ・プッチョ(イタリア)
128 イアン・スタナード(英国)

©Photogómez Sport

●ユンボ・ビスマ(オランダ)
131 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)
132 ジョージ・ベネット(オーストラリア)
133 ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
134 レナード・ホフステッド(オランダ)*
135 ステフェン・クライスバイク(オランダ)
136 セップ・クス(米国)*
137 トニー・マルティン(ドイツ)
138 ニールソン・ポーレス(米国)*

プリモシュ・ログリッチェ ©Photogómez Sport

●カチューシャ・アルペシン(スイス)
141 ダニエル・ナバーロ(スペイン)
142 エンリーコ・バッタリン(イタリア)
143 ステフ・クラス(ベルギー)*
144 マッテオ・ファッブロ(イタリア)*
145 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)*
146 パベル・コチェトコフ(ロシア)
147 ビアチェスラフ・クズネツォフ(ロシア)
148 ウィリー・スミット(南アフリカ)

●サンウェブ(ドイツ)
151 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ)
152 ニキアス・アルント(ドイツ)
153 カスパー・ピーダスン(デンマーク)*
154 ロバート・パワー(オーストラリア)*
155 ニコラス・ロッシュ(アイルランド)
156 マイケル・ストーラー(オーストラリア)*
157 マーティン・トゥスフェルト(オランダ)
158 マックス・バルシャイド(ドイツ)

©Photogómez Sport

●トレック・セガフレード(米国)
161 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア)
162 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)
163 ニクラス・イーグ(デンマーク)*
164 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク)
165 ジャコポ・モーシャ(イタリア)
166 キール・レイネン(米国)
167 ピーター・ステティーナ(米国)
168 エドワード・トゥーンス(ベルギー)

●UAEエミレーツ(UAE)
171 ファビオ・アルー(イタリア)
172 バレリオ・コンティ(イタリア)
173 フェルナンド・ガビリア(コロンビア)*
174 セルジオ・エナオ(コロンビア)
175 マルコ・マルカート(イタリア)
176 フアン・モラノ(コロンビア)*
177 タデイ・ポガチャル(スロベニア)*
178 オリビエロ・トロイア(イタリア)*

スペイン自転車界のレジェンド、ペドロ・デルガド ©Photogómez Sport

●ブルゴスBH(スペイン)
181 アンヘル・マドラゾ(スペイン)
182 イェツ・ボル(オランダ)
183 オスカル・カルダ(スペイン)*
184 ホルゲ・ガルベス(スペイン)
185 ヘスス・ムエラ(スペイン)
186 ヌノ・マトス(ポルトガル)*
187 ディエゴ・エルナンデス(スペイン)
188 リカルド・ビレラ(ポルトガル)

●カハルラル・セグロスRGA(スペイン)
191 セルゲイ・チェルネツキー(ロシア)
192 ホン・アベラストリ(スペイン)
193 アレクス・デバ(スペイン)*
194 ドミンゴス・ゴンサルベス(ポルトガル)
195 ホナタン・マルチネス(スペイン)
196 セルヒオ・パルディリャ(スペイン)
197 クリスティアン・マルチン(スペイン)*
198 ゴンサロ・セラノ(スペイン)*

開幕に先がけて現地の赤十字病院を訪れたカハルラルの選手

●コフィディス(フランス)
201 ヘスス・エラダ(スペイン)
202 ダルウィン・アタプマ(コロンビア)
203 アレクサンデル・アランブル(スペイン)
204 イェスパー・ハンセン(デンマーク)
205 ホセ・エラダ(スペイン)
206 ルイスアンヘル・マテ(スペイン)
207 ステファヌ・ロセット(フランス)
208 ダミアン・トゥズ(フランス)*

●エウスカディバスクカントリー・ムリアス(スペイン)
211 オスカル・ロドリゲス(スペイン)*
212 アリツ・カルパルソロ(スペイン)
213 フェルナンド・バルセロ(スペイン)*
214 シリル・バルト(フランス)*
215 ミケル・エチェギベル(スペイン)
216 ミケル・セグロラ(スペイン)
217 エクトル・ベニト(スペイン)
218 セルジオ・サミティエル(スペイン)*
*は新人賞対象選手

ヤコブ・フルサング ©Photogómez Sport
8月22日に行われたチームプレゼンテーション ©Photogómez Sport

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ブエルタ・ア・エスパーニャで見かける黒い牛の正体は?

ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスとともに三大ステージレース、いわゆるグランツールと呼ばれるブエルタ・ア・エスパーニャ。23日間をかけてスペインをおおまかに一周するこのレースは近年、他の2大会以上に注目を集めている。

選手たちに挑むかのように立つ巨大な牛の看板

ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスが100年以上の歴史を有するのに対し、ブエルタ・ア・エスパーニャは今から80年ほど前の1935年に始まった。2019年が第74回大会となり、途中10年間は開催されなかった。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスは二度の世界大戦による中断時期があることで知られるが、ブエルタ・ア・エスパーニャの場合は世界大戦による中断は2年だけ。スペイン内戦とフランコ独裁政権が起因するという特殊な事情がある。

スペイン内戦は1937年に勃発した。ドイツ軍の援護を受けたフランコ独裁政権がスタートし、大会は中断。1941年にようやく第3回が開催されるが、たった2年で第二次世界大戦となり、再開したのは1945年だった。しかし国際的に孤立して開催できない時期が続く。毎年開催されるようになったのはスペインが国際連合に加盟した1955年からだ。

40年近く続いたフランコ政権時代はブエルタ・ア・エスパーニャが国際的に露出されることはなく、1970年代後半になってようやく国際性を持つようになった。第1回以来4月に開催されてきたが、三大ステージレースとしての位置づけをねらって9月開催にスライドしたのは1995年。以来、ジロやツール前に体力を消耗したくなかった有力選手が参加するようになり、大会規模もグンとジロやツールに近づいた。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ © Luis Ángel Gómez

大会の特徴はスペイン独特の風景の中を走ることだ。もともとスペインは、夏に自転車で走るのはあまりにも暑すぎることから、ピレネー山脈に近いスペイン北部だけが自転車の盛んな地域だった。ただしナショナルステージレースというものはその国を大まかに一周することが前提なので、南部にも足を運ぶようになる。そのため気温の高いアンダルシア地方など殺伐とした陸地を走ることもあるが、独特の白壁に太陽が照りつける村々を走り抜け、非常に美しいシーンを見せてくれる。

かつてはジロ・デ・イタリアよりも山岳の要素が少ないことからスプリンターが多く参戦し、1988年にはアイルランドのシーン・ケリーが総合優勝したこともあった。しかし近年はスペイン勢が得意とする上りを随所に取り込み、非常に厳しいステージが多くなった。

勝負どころはピレネー山脈だけではない。ビスケー湾岸にはカンタブリカ山脈があり、その一角にあるアストゥリアス地方の過疎地には、地元民の生活路として使われていない信じられないほどの厳しい上りがある。さらに南部のシエラネバダ山系は標高3000mを超える山もある。平たんステージと山岳ステージが交互に折り込まれ、選手としてもタフな精神力が要求される。それだけにファンとしては見応えのあるレースなのだ。

そんなスペインの荒涼たる大地を走っていると、たまに真っ黒な雄牛の板が出現する。オスボルネの雄牛というヤツだ。シェリー酒のメーカーなのだが道路脇の広告看板禁止という法律ができて、ロゴなどを消すために真っ黒に塗られたという。

いずれにしてもイタリアやフランスとは異なる景観が楽しめるブエルタ・ア・エスパーニャ。2019年はリーダージャージが深紅の「マイヨロホ」に代わって10年目の節目。だれが最終日のマドリードで着用するのだろうか?

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト
●ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャで最初に深紅のジャージを着たのは

2019年の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは個人総合1位のリーダージャージがそれまでの黄色から赤色になって10周年。「深紅のジャージ」という意味であるマイヨロホと呼ばれるジャージは数多くのスター選手が着用してきた。

2010ブエルタ・ア・エスパーニャの初日にマイヨロホを獲得したマーク・カベンディッシュ

ツール・ド・フランスの黄色いジャージ、マイヨジョーヌとの差別化を図るため、2010年にブエルタ・ア・エスパーニャのリーダージャージは赤色に変更された。初日はチームタイムトライアルが開催され、トップタイムをたたき出したHTCコロンビアの中で最初にフィニッシュラインを通過したマーク・カベンディッシュ(英国)が最初の着用者となった。

「深紅のジャージを身につけるのはこの上もない誇りだ」と当時のカベンディッシュ。
「ただしこれはチーム全員で獲得したものだから、ボクは10%ほどしか栄冠に貢献していない」

そして第3ステージでは得意とする丘陵で抜け出したオメガファルマのフィリップ・ジルベール(ベルギー)が首位に立ち、カベンディッシュからマイヨロホを奪っている。

ブエルタ・ア・エスパーニャはグランツールの中では最も遅い、1935年に始まった。最初のリーダージャージはオレンジ色。1941年に白色のリーダージャージが登場したが、翌年にはオレンジ色に戻っている。さらに1945年には赤色、1946年から1950年までは白地に赤いラインが入ったデザインに。スペイン内乱の非開催時期を経て、1955年から1998年までは黄色(1977年のみオレンジ色)。そして1999年から2009年までは金色となったが、当時の技術力として発色が容易ではなく、ツール・ド・フランスのマイヨジョーヌと区別がつきにくかった。

2010ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージで優勝し、マイヨロホを獲得したフィリップ・ジルベール

マイヨロホを着用したのは14カ国、35選手

マイヨロホをこれまで最も多く着用したのは英国のクリストファー・フルームで、日数にして27日。実際は合計20日だが、2011年大会のフアンホセ・コボが不正薬物使用で失格となり、フルームが7日繰り上げとなった。

これに続くのはビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)で20日。アルベルト・コンタドールとホアキン・ロドリゲス(ともにスペイン)が17日。ナイロ・キンタナ(コロンビア)が14日。サイモン・イェーツ(英国)が11日。ファビオ・アルー(イタリア)が7日。エステバン・チャベス(コロンビア)とトム・デュムラン(オランダ)が6日と続く。

国別では地元スペインが53日。英国が45日。イタリアが28日。コロンビアが24日。フランスが8日。オランダが7日。ベルギーが6日。

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バルベルデが1番…ブエルタ・ア・エスパーニャ暫定リスト

世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がナンバーカード1。8月24日に開幕する第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月20日、出場22チームの暫定リストを発表。前年の覇者サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)が不在であることから1番はバルベルデが着用するとした。

世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ © Pauline Ballet

今大会には過去に総合優勝した選手が3人出場する。バルベルデは10年前となる2009年の総合優勝者。2015年のファビオ・アルー(イタリア、UAEエミレーツ)、2016年のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がこれに続く。その中でもモビスターはバルベルデとキンタナに加え、2019ジロ・デ・イタリアを制したリカルド・カラパス(エクアドル)、2018パリ〜ニース優勝のマルク・ソレル(スペイン)がいてだれもがエースとなれる布陣。

南米出身の有力選手が多いのも特徴。2018年総合3位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、2016年総合3位のエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)、EFエデュケーションファーストはダニエル・マルティネス、セルジオ・イギータ、リゴベルト・ウランのコロンビア選手を起用した。

モビスターに匹敵する総合力を持つのがユンボ・ビスマ。プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)とステフェン・クライスバイク(オランダ)はジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの総合3位。平たんステージではトニー・マルティン(ドイツ)、山岳ではジョージ・ベネット(ニュージーランド)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ)、セップ・クス(米国)が戦力となる。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュとクリテリウム・デュ・ドーフィネで優勝したヤコブ・フルサング(デンマーク)はツール・ド・フランスで落車リタイアしたが、この大会に復帰。2015年に総合3位になったボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ(ポーランド)も参戦する。

サンウェブはウィルコ・ケルデルマン(オランダ)。2018年のツール・ド・フランスで新人賞を獲得したピエール・ラトゥール(AG2Rラモンディアル)はツール・ド・フランスを欠場したが、ブエルタ・ア・エスパーニャに登場。イネオスはジロ・デ・イタリアで落車したタオ・ゲオゲガンハート(英国)が復帰。

グランツールすべてでステージ優勝したロット・スーダルのトーマス・デヘント(ベルギー)もエントリー。スプリンターはボーラ・ハンスグローエのサム・ベネット(アイルランド)、UAEエミレーツのフェルナンド・ガビリア(コロンビア)、トレック・セガフレードのジョン・デゲンコルプ(ドイツ)、グルパマFDJのマルク・サロー(フランス)、ミッチェルトン・スコットのルカ・メズゲッツ(スロベニア)。

若手選手ではツール・ド・ラブニールで勝ったUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が初出場する。

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新城幸也、ログリッチェ、キンタナ…ブエルタ・ア・エスパーニャ参戦

バーレーン・メリダの新城幸也が8月24日に開幕する第74回ブエルタ・ア・エスパーニャに参戦する。3月のケガから復帰し、2015年、2016年に続く3度目の出場を果たした。過去のグランツール出場11回で全完走の新城だけにどんな活躍をするのか期待される。

バーレーン・メリダの新城幸也

グランツールと呼ばれる三大ステージレースの最後を飾るブエルタ・ア・エスパーニャ。全23間で、9月15日に首都マドリードにゴールする。前年の覇者サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)をはじめとする有力選手が欠場し、これまで栄冠にあと一歩届かなかった悲運の選手らがタイトル獲得に挑む。

7月のツール・ド・フランスで大活躍したユンボ・ビスマは、ツール・ド・フランス総合3位のステフェン・クライスバイク(オランダ)と、5月のジロ・デ・イタリアで終盤に首位を陥落したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)のダブルエースを送り込んできた。ログリッチェはジロ・デ・イタリアで疲れ果て、ツール・ド・フランスをパス。今季のグランツールを回避することも選択肢のひとつだったが、2020年の大きな目標に向けて経験値を積むことを選んだ。

テレマークポーズを取る元ジャンプ選手のログリッチェ ©Massimo Paolone/LaPresse

「モナコの自宅にいて療養していたが、ブエルタ・ア・エスパーニャに向けて高地トレーニングを積んでいる」とリベンジに燃える。

ミッチェルトン・スコットは前年覇者のサイモンに代わって双子のアダムがエースとして出場するはずだったが、チームはアダムを外し、コロンビアのエステバン・チャベスをリーダーに起用した。2016年に総合3位となったチャベスは、「ブエルタ・ア・エスパーニャのコースはボクに向いているし、なにしろ暑いのが大好きだ」と悲願の初優勝をねらう。

ジロ・デ・イタリア第8ステージを終えて山岳賞ジャージを着るエステバン・チャベス © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「グランツール初挑戦は2014年のブエルタ・ア・エスパーニャで、そのときの興奮をよく覚えているよ」

地元スペインチームのモビスターは世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、2019ジロ・デ・イタリア総合優勝のリカルド・カラパス(エクアドル)、そして同チームでのラストイヤーとなるナイロ・キンタナ(コロンビア)のトップ3をブエルタ・ア・エスパーニャに送り込む。キンタナは来季フランスのアルケア・サムシックに移籍することが決まっている。

ナイロ・キンタナが2019ツール・ド・フランス第18ステージを制した ©ASO Pauline BALLET

一方、ジロ・デ・イタリア優勝を期待されながらケガで途中棄権したサンウェブのトム・デュムラン(オランダ)は欠場する。2018年はジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスで総合2位になったが、今季はタイトルなしで終わりそうだ。デュムランはブエルタ・ア・エスパーニャ出場を望んでいたが、チームは「開幕までに復調しない」と判断して8人のメンバーからデュムランを外した。

トム・デュムラン © Massimo Paolone – LaPresse

バーレーン・メリダのドメニコ・ポッツォビーボ(イタリア)は交通事故により欠場。ブエルタ・ア・エスパーニャでのエースを託され、その強化練習中の事故だった。

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ブエルタ・ア・エスパーニャが各区間距離を最終修正

8月24日に開幕する第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは各ステージの距離を最終的なものに修正した。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャのコース

2019年のコースは地中海に近いサリナスデトレビエハでのチームタイムトライアルで開幕し、50回目となるマドリードにゴールする。全23日間。平たんステージは6、中程度の山岳区間が4、平たんながらゴールが峠の頂上に設定された区間が2、山岳ステージが7、個人タイムトライアルとチームタイムトライアルが各1。休息2日。

8月24日(土) 第1ステージ サリナスデトレビエハ〜トレビエハ 13.4km(チームタイムトライアル)
8月25日(日) 第2ステージ ベニドルム〜カルペ 199.6km★
8月26日(月) 第3ステージ イビ・シウダドデルフゲテ〜アリカンテ 188km★
8月27日(火) 第4ステージ クリェラ〜エルプイグ 175.5km
8月28日(水) 第5ステージ レリアナ〜ハバランブレ天文台 170.7km★★
8月29日(木) 第6ステージ モラデルビエロス〜アレスデルマエストラト 198.9km★
8月30日(金) 第7ステージ オンダ〜マスデラコスタ 183.2km★★
8月31日(土) 第8ステージ バルス〜イガラダ 166.9km★
9月1日(日) 第9ステージ アンドラ・ラベリャ(アンドラ)〜コルタルスデンカンプス(アンドラ) 94.4km★★★
9月2日(月) 休養日
9月3日(火) 第10ステージ ジュランソン(フランス)〜ポー(フランス) 36.2km(個人タイムトライアル)
9月4日(水) 第11ステージ サンパレ(フランス)〜ウルダクスダンチャリネア 180km★
9月5日(木) 第12ステージ シルクイトデナバラ〜ビルバオ 171.4km★
9月6日(金) 第13ステージ ビルバオ〜ロスマンチュコス 166.4km★★★
9月7日(土) 第14ステージ サンビセンテ・デラバルケラ〜オビエド 188km
9月8日(日) 第15ステージ ティネオ〜サンチュアリオデルアセボ 154.4km★★★
9月9日(月) 第16ステージ プラビア〜アルトデラクビリャ 144.4km★★★
9月10日(火) 休養日
9月11日(水) 第17ステージ アランダデドゥエロ〜グアダラハラ 219.6km
9月12日(木) 第18ステージ コムニダドデマドリード〜ベセリルデラシエラ177.5km★★★
9月13日(金) 第19ステージ アビラ〜トレド 165.2km
9月14日(土) 第20ステージ アレナスデサンペドロ〜プラタフォルマ・デグレドス 190.4km★★★
9月15日(日) 第21ステージ フエンラブラダ〜マドリード 106.6km ★は難易度

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