2024ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

ビスマ・リースアバイク(オランダ)
1 セップ・クス(米国)
2 エドアルド・アッフィニ(イタリア)
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
4 ステフェン・クライスバイク(オランダ)
5 キアン・アイデブルックス(ベルギー)
6 アッティラ・バルテル(ハンガリー)
7 ワウト・ファンアールト(ベルギー)
8 ディラン・ファンバーレ(オランダ)

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UAEエミレーツ(UAE)
11 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)
12 フィリッポ・バロンチーニ(イタリア)
13 イサーク・デルトロ(メキシコ)
14 パヴェル・シバコフ(ロシア)
15 ジェイ・バイン(オーストラリア)
16 アダム・イェーツ(英国)
17 ブランドン・マクナルティ(米国)
18 マルク・ソレル(スペイン)

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イネオスグレナディアーズ(英国)
21 テイメン・アレンスマン(オランダ)
22 ローレンス・デプルス(ベルギー)
23 キム・ハイドゥク(ドイツ)
24 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)
25 ブランドン・リベラ(コロンビア)
26 カルロス・ロドリゲス(スペイン)
27 オスカル・ロドリゲス(スペイン)
28 ジョシュア・ターリング(英国)

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Tレックス・クイックステップ(ベルギー)
31 ミケル・ランダ(スペイン)
32 カスパー・アスグリーン(デンマーク)
33 マティア・カッタネオ(イタリア)
34 ジェームス・ノックス(英国)
35 ジェームス・ノックス(ベルギー)
36 カスパー・ピーダスン(デンマーク)
37 マウリ・ファンセベナント(ベルギー)
38 ルイス・フェルバーケ(ベルギー)

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リドル・トレック(米国)
41 マティアス・スケルモース(デンマーク)
42 ジュリオ・チッコーネ(イタリア)
43 テイオ・ゲイガンハート(英国)
44 パトリック・コンラッド(オーストリア)
45 サム・オーメン(オランダ)
46 マティアス・バチェク(チェコ)
47 オット・フェルハールデ(ベルギー)
48 カルロス・ベローナ(スペイン)

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デカトロンAG2Rラモンディアル(フランス)
51 ベン・オコーナー(オーストラリア)
52 ブリュノ・アルミライユ(フランス)
53 クレマン・ベルテ(フランス)
54 ジョフレ・ブシャール(フランス)
55 サンデル・デペステル(ベルギー)
56 フェリックス・ガル(オーストリア)
57 ビクトル・ラフェ(フランス)
58 バランタン・パレパントル(フランス)

レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
61 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
62 ロジャー・アドリア(スペイン)
63 ジョバンニ・アレオッティ(イタリア)
64 ニコ・デンツ(ドイツ)
65 パトリック・ガンパー(オーストリア)
66 フロリアン・リポビッツ(ドイツ)
67 ダニエル・マルティネス(コロンビア)
68 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア)

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アルペシン・ドゥクーニンク(ベルギー)
71 カーデン・グローブス(オーストラリア)
72 モーリス・バラーシュテット(ドイツ)
73 クインテン・ヘルマンス(ベルギー)
74 ユーリ・ホルマン(ドイツ)
75 クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー)
76 エドワルト・プランカールト(ベルギー)
77 オスカル・リースビーク(オランダ)
78 ルーカ・ベルガリート(イタリア)

イスラエル・プレミアテック(イスラエル)
81 マイケル・ウッズ(カナダ)
82 ジョージ・ベネット(ニュージーランド)
83 マルコ・フリーゴ(イタリア)
84 ナダフ・ライスベルク(イスラエル)
85 マシュー・リッチテッロ(米国)
86 ライリー・シーアン(米国)
87 コービン・ストロング(ニュージーランド)
88 ディラン・トゥーンス(ベルギー)

ロット・デスティニー(ベルギー)
91 レナルト・ファンイートベルト(ベルギー)
92 ビクトル・カンペナールツ(ベルギー)
93 トーマス・デヘント(ベルギー)
94 アンドレアス・クロン(デンマーク)
95 アリエン・リビンズ(ベルギー)
96 シルバン・モニケ(ベルギー)
97 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン)
98 ヨナス。ウィルスリー(デンマーク)

グルパマFDJ(フランス)
101 ダビド・ゴデュ(フランス)
102 スベンエリック・ビーストルム(ノルウェー)
103 ケビン・ゲニエッツ(ルクセンブルク)
104 ロレンツォ・ジェルマーニ(イタリア)
105 シュテファン・キュング(スイス)
106 カンタン・パシェ(フランス)
107 レミ・ロシャ(フランス)
108 ルーベン・トンプソン(ニュージーランド)

EFエデュケーション・イージーポスト(米国)
111 リチャル・カラパス(エクアドル)
112 ルイ・コスタ(ポルトガル)
113 オウェイン・ドゥール(英国)
114 ダレン・ラファーティー(アイルランド)
115 ジェームズ・ショー(英国)
116 ハリー・スウェニー(オーストラリア)
117 リゴベルト・ウラン(コロンビア)
118 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル)

モビスター(スペイン)
121 エンリク・マス(スペイン)
122 ホルヘ・アルカス(スペイン)
123 カルロス・カナル(スペイン)
124 オイエル・ラスカノ(スペイン)
125 ネルソン・オリべイラ(ポルトガル)
126 ナイロ・キンタナ(コロンビア)
127 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア)
128 ペラヨ・サンチェス(スペイン)

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バーレーンビクトリアス(バーレーン)
131 アントニオ・ティベーリ(イタリア)
132 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)
133 カミル・グラデク(ポーランド)
134 ジャック・ヘイグ(オーストラリア)
135 ライナー・ケップリンガー(オーストリア)
136 フラン・ミホリェビッチ(クロアチア)
137 ヤシャ・ズッタリン(ドイツ)
138 トースタイン・トレーエン(ノルウェー)

ジェイコ・アルウラー(オーストラリア)
141 エディ・ダンバー(アイルランド)
142 ウェレイハゴス・バーへ(エチオピア)
143 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア)
144 フェリックス・エンゲルハート(ドイツ)
145 クリス・ハーパー(オーストラリア)
146 マウロ・シュミット(スイス)
147 カラム・スコットソン(オーストリア)
148 フィリッポ・ザナ(イタリア)

アルケアB&Bホテルズ(フランス)
151 クリスティアン・ロドリゲス(スペイン)
152 エリー・ジェベール(フランス)
153 ティボー・ゲルナレック(フランス)
154 シモン・グリエルミ(フランス)
155L ローレンス・ハイス(ベルギー)
156 マティス・ルベール(フランス)
157 ルーカス・オウシアン(ポーランド)
158 ミヘル・リース(ルクセンブルク)

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アンテルマルシェ・ワンティ(ベルギー)
161 ルイス・メインチェス(南アフリカ)
162 フィト・ブラーツ(ベルギー)
163 コーベ・ホーセンス(ベルギー)
164 アルネ・マーリッツ(ベルギー)
165 トム・パコ(ベルギー)
166 シモーネ・ペティッリ(イタリア)
167 ロレンツォ・ロータ(イタリア)
168 レイン・タラマエ(エストニア)

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DSMフィルメニッヒポストNL(オランダ)
171 マックス・プール(英国)
172 パベル・ビットネル(チェコ)
173 クリス・ハミルトン(オーストラリア)
174 ハイス・レイムライゼ(オランダ)
175 エンゾ・レインセ(オランダ)
176 ティム・ナーベルマン(オランダ)
177 マーティン・トゥスフェルト(オランダ)
178 ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ)

コフィディス(フランス)
181 ギヨーム・マルタン(フランス)
182 トマ・シャンピオン(フランス)
183 ブライアン・コカール(フランス)
184 ルーベン・フェルナンデス(スペイン)
185 ヨン・イサギレ(スペイン)
186 ヘスス・エラダ(スペイン)
187 ヨナタン・ラストラ(スペイン)
188 ケニー・エリッソンド(フランス)

アスタナカザクスタン(カザフスタン)
191 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア)
192 グレブ・ブルセンスキー(カザフスタン)
193 ジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア)
194 ハロルド・ロペス(エクアドル)
195 イーデ・スヘリング(オランダ)
196 アロルド・テハダ(コロンビア)
197 サンティアゴ・ウンバ(コロンビア)
198 ニコラス・ビノクロフ(カザフスタン)

エキポケルンファルマ(スペイン)
201 ウルコ・ベラーデ(スペイン)
202 パブロ・カストリーリョ(スペイン)
203 ホルヘ・グティエレス(スペイン)
204 ウナイ・イリバール(スペイン)
205 パウ・ミケル(スペイン)
206 ホセ・パッラ(スペイン)
207 イボン・ルイス(スペイン)
208 アントニオ・ソト(スペイン)

エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)
211 チョミン・フアリスティ(スペイン)
212 ジョン・アベラストゥリ(スペイン)
213 シャビエル・ベラサテギ(スペイン)
214 ミケル・ビスカラ(スペイン)
215 ジョアン・ボウ(スペイン)
216 シャビエル・イササ(スペイン)
217 ゴツォン・マルティン(スペイン)
218 ルイス・マテ(スペイン)

J SPORTSで三大ステージレース、世界選手権、モニュメントなど放送

スポーツテレビ局のJ SPORTSが2024シーズンにおける海外サイクルロードレースのラインアップを決定した。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツール全戦をはじめ、UCI世界選手権ロードレースやモニュメント4レースなど、UCIワールドツアーを中心に世界トップレベルのレースを放送する。

ツール・ド・フランス ©A.S.O. Pauline Ballet

レースは放送に加え、PC、スマホ、タブレットで見られる動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」でも配信。またサイクルロードレースの楽しさをより多くの人に伝えるため、注目のレースを毎月1~2番組厳選し、無料放送/J SPORTSオンデマンドで無料LIVE配信する予定。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

2024シーズンのサイクルロードレース中継は、1月16日から開催されるツアー・ダウンアンダーで幕開け。新シーズンの開幕をより多くのファンに楽しんでもらうため、ツアー・ダウンアンダー初日の模様は、無料放送/配信になる。

2023ジロ・デ・イタリア総合優勝のログリッチ ©LaPresse

欧州のロードレースが本格開幕を迎える3月以降は、ロードレースファンが熱狂するパリ~ルーベなど春のクラシックレースを中心に多数のレースを放送。また最も注目を集めるツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツールは、全ステージを生中継&LIVE配信し、世界最高峰のハイレベルなレースを圧倒的ボリュームで紹介する。

サイクルロードレース優勝予想サービス「サイクル誰クル?」を2024年もJ SPORTSで生中継のあるレースを中心に開催。 年間総合表彰やグランツールごとの表彰に加え、月単位での表彰も予定しているので、短期間での順位争いも楽しい。

注目選手や好調な選手に投票する、応援している選手に投票する、コース設定や選手の特徴・脚質を研究してランキング上位を目指すなど楽しみかたはさまざま。 2024シーズンは2023年からバージョンアップした賞品を取り揃えるのでサイクルロードレース特集サイトの注目選手情報や、レース詳細ページをチェックしながら優勝予想に挑戦しよう。

●J SPORTSサイクルロードレース特集のホームページ

クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝…ユンボ・ビスマ勢がグランツール全制覇

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは最終日となる2023年9月17日、サルスエラ競馬場〜マドリード間の101.5kmで第21ステージが行われ、ユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が初優勝した。総合2位はヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、3位はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)でユンボ・ビスマが表彰台を独占。

ユンボ・ビスマはグランツール全制覇をモチーフにした特製ジャージを着用した ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

またログリッチは5月のジロ・デ・イタリア、ビンゲゴーは7月のツール・ド・フランス総合優勝者で、ユンボ・ビスマの所属選手がグランツール(三大ステージレース)で全勝。自転車競技史上初の快挙を達成した。

マドリードの最終ステージでグローブスが今大会3勝目 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

最終ステージの勝者はカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)で、今大会3勝目、大会通算4勝目。ポイント賞を獲得した。

左からポイント賞のグローブス、新人賞のアユソ、総合優勝のクス、山岳賞のエベネプール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

山岳賞はレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)。新人賞はフアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)。チーム賞はユンボ・ビスマ。

アシスト役だったクスが歴史に名を刻む総合優勝を手に入れた ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

たくさんの思い出と楽しい時間を過ごした(クス)

「今日はレース全体の中で最も苦しんだステージだったと思う。アングリルで苦しんだときよりも苦しんだ。だから今は終わってよかったと思っている。選手たちがアタックの準備をしているのを見たとき、速いステージになるだろうと感じていた」とクス。

チャンピオンバイクはサーベロ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「ブエルタ・ア・エスパーニャで勝ったからといって、ボクは何も変わらないと思っていた。ボクはこれからもボクだとね。でも全然違っていた。この勝利は人生を変えるようなものだ。たくさんの楽しい思い出とともにこの経験を振り返ると思う。まだ感情に沈み込んでいるので、かなり時間がかかると思う。

セップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

さあ、盛大なお祝いだよ。家族、友人がここにいる。本当に素晴らしく特別なことになる。チームメートやスタッフと一緒に、ここまでの3週間の物語を語れることがうれしい。たくさんの思い出と楽しい時間を過ごしたからね」

マドリードの表彰台に登場したエベネプール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
総合トップスリー、左から2位ビンゲゴー、1位クス、3位ログリッチのシャンパンファイト ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
チーム優勝も手中にしたユンボ・ビスマはチームスタッフも登壇して歓喜 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ツール・ド・フランスのビンゲゴー、ブエルタ・ア・エスパーニャのクス、ジロ・デ・イタリアのログリッチ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

第20ステージにもどる

クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝に王手…ビンゲゴーとログリッチがアシスト役

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月16日、マンザナレスエルレアル〜グアダラマ間の208kmで第20ステージが行われ、総合1位のセップ・クス(米国)がチームメートで同2位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、3位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と一緒にゴールし、初の総合優勝を確実にした。

クスをアシストするビンゲゴー(左)とログリッチ(右) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

プリモシュとヨナスが仕事してくれるなんて想像できなかった(クス)

「とてもホッとしている。あともう少しだね。序盤は逃げた選手たちを完璧にコントロールできていた。ロベルト・ヘーシンクとディラン・ファンバーレがステージの90%を引っ張っていた」とクス。

セップ・クス。ツール・ド・フランスでの観客との接触で負傷した顔面の絆創膏もようやく外した ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「長くて大変な1日だったけど、彼らが1日中そこにいてくれた。彼らには本当に脱帽だ。彼らは素晴らしかった。そして、アッティラ・バルテルが最後の上りでいてくれて、プリモシュ・ログリッチが最後の上りと平地で私のために多くの仕事をしてくれた。ヨナス・ビンゲゴーもそうだった。それは私が想像したこともなかったことだ。2人のチームメイトと一緒に山岳ステージの最後の1kmであんなにリラックスできたのはとても特別な瞬間だった。本当に素晴らしいよ。まだ実感できていない」

プールス(右)がエベネプールを制して優勝。コボの薬物使用で繰り上がり勝利となった2011年第15ステージ以来の2勝目 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

プールスが今度はリアルなステージ勝利

この日は最後の山岳レースとなり、山岳賞トップのレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)らが第1集団を形成。最後はバーレーンビクトリアスのワウト・プールス(オランダ)が抜け出し、猛追したエベネプールから間一髪で逃げ切った。

プールスは2011ブエルタ・ア・エスパーニャの第15ステージで2位だったが、このステージの勝者で総合1位でフィニッシュしたスペインのコボが、不正薬物使用で失格になったことで記録上の繰り上がり優勝。それ以来の勝利となった。

だれもがセップ・クスの活躍を喜んだ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
総合優勝を確実にする第20ステージのスタート前のクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
真紅のマイヨロホを着用するクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
総合優勝を確実にしてビンゲゴー(右)と喜びを共有するクス ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

セップ・クスが総合2位ビンゲゴー(左)、同3位ログリッチ(右)に祝福されながらゴール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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ダイネーゼがジロ・デ・イタリアに続く区間優勝【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月15日、バニェザ〜イスカル間の177.5kmで第19ステージが行われ、DSMのアルベルト・ダイネーゼ(イタリア)がゴール勝負を制した。2022年と2023年のジロ・デ・イタリアに続く、グランツール3勝目を挙げた。

ダイネーゼが2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージで優勝 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合1位のセップ・クス(米国)はチームメートらとゴールし、リーダージャージのマイヨロホを維持。総合優勝に前進した。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ルイ・オリベイラ。不吉な数字とされる13 は片側を逆にすると災難を免れるという言い伝えがある ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
総合優勝に向けてクスがチームメートらと言葉をかわしながら走る ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ポイント賞のカーデン・グローブスはゴール直前の落車でスプリント争いに加われなかった ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

横風を受けた集団では後続選手が風下に位置する ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

第18ステージにもどる⏪    ⏩第20ステージにすすむ

スーパードメスティック、セップ・クスが覚醒の時を迎える

ユンボ・ビスマの29歳、セップ・クス(米国)が一躍脚光を浴びている。チームエースのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)やヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)のアシスト役としてグランツール(三大ステージレース)にはなくてはならない存在だ。

ツール・ド・フランスでセップ・クスがビンゲゴーをアシストする ©A.S.O. Charly Lopez

グランツール11回出場で、エースが総合優勝したのは6回

5月のジロ・デ・イタリア、7月のツール・ド・フランスとともにグランツールと呼ばれるブエルタ・ア・エスパーニャが8月26日から9月17日まで開催されている。クスのチームには2年ぶり4度目の栄冠を目指すログリッチがいて、さらにツール・ド・フランス2連覇中のビンゲゴーもメンバーに加わった。

セップ・クスが2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージで優勝 ©Photogómez Sport

クスの役割はアシストかと誰もが思ったに違いない。

優勝請負人。グランツールにアシスト役として11回出場して、チームエースを総合優勝に導いたのはなんと6回。アシスト役はドメスティックとも言われるが、クスの称号はスーパードメスティックだ。勝負どころの山岳ステージでエースを力強く牽引し、ライバルたちの奇襲作戦を封じ込める。時としてその強さは総合優勝を果たすエースもかなわない。

米国コロラド州のデュランゴ出身。2018年にプロデビューして以来現チームでひたむきに走る。2019年は前年に引き続いてブエルタ・ア・エスパーニャに出場し、ログリッチの総合優勝に貢献するとともに区間1勝をあげた。初出場の2020ツール・ド・フランスでは最終日前日に逆転されて2位となったログリッチの走りを支えた。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ初日、ユンボ・ビスマがチームタイムトライアルを制し、セップ・クスがシャンパンをまき振るう ©Charly López

さらに2020、2021年のブエルタ・ア・エスパーニャでもログリッチの優勝に貢献。2022、2023ツール・ド・フランスではもう1人のエース、ビンゲゴーの連覇を支えた。そして今季のジロ・デ・イタリアでもログリッチの初優勝のお膳立てをした。

レムコ・エベネプールが圧勝した2022年のブエルタ・ア・エスパーニャで、クスは途中リタイアを余儀なくされ、アシストをなくしたログリッチが失速。クスなくしてチームは総合優勝を狙えないほど、重要な役割を果たしていることを印象づけた。

総合優勝争いに影響しない平坦ステージでは常に大集団の後方でゴールして体力温存。勝負のかかる山岳ステージでもボトル運びや中盤までのペースメークはチームメートに任せる。有力選手のバトルが始まる最後の上り坂でいよいよクスが前方に上がってくる。ここからが仕事だ。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ、アシストとしてグランツール全出場のクスが4年ぶりのステージ優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

勝ちたいけどボクがエースだったら結果が伴わないかも

ライバルチームのエースをふるい落としてしまうほどの走力を持ちながら、どうして総合優勝を狙わないのか? クスは「精神的にも期待の重みがかかっていないほうがいい走りができるから」と語る。「もちろん勝ちたいけど、チームの求めていることを遂行するために所属しているんだ。もしボクがエースとなったら最終結果は違ったものになるかもしれない」

米国は欧州と比べると自転車レース後進国だった。1981年にジョナサン・ボイヤーがツール・ド・フランス初出場を決めてようやく認知された。次第にグレッグ・レモンらの有力選手が同大会で活躍。しかし7連覇したランス・アームストロングは薬物使用で全成績抹消。米国でのロード熱は一気に冷めてしまい、クスの功績も母国でなかなか報じられない。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ、29歳の誕生日をスタート前に祝福されるクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

クスは2023ブエルタ・ア・エスパーニャでグランツール5大会連続出場となった。1選手が同一シーズンに3連戦するのは4年ぶりの記録。そしていま、大会は思わぬ展開となって最終局面を迎えている。