二刀流は自転車界にも…18歳の垣田真穂がトラック金2個に続いてロード6位【アジア競技大会】

中国の杭州で開催されている第19回アジア競技大会は自転車競技のDAY-8となる10月4日、女子ロードで垣⽥真穂が6位。同選手はトラックのチームパシュート、マディソンで2つの金メダルを獲得している。

垣田真穂が2023アジア競技大会女子ロードで6位 ©日本自転車競技連盟

日本代表はベテランの与那嶺恵理と垣田で参戦。残り13kmで香港と韓国の選手がアタック。フィニッシュ直前で、与那嶺、垣田を含む20名の集団が最終スプリントを仕掛けながら先頭2名に追いすがる。先頭2名は後方にタイム差なしでギリギリ逃げ残るという劇的な展開の中、垣田は6位、与那嶺は13位でレースを終えた。

垣田真穂が2023アジア競技大会ロードで6位になった ©日本自転車競技連盟

垣田真穂のコメント
「初めて139kmという長いレースを走りました。登りがなくて、自分の得意なコースレイアウトだと思っていました。最後のスプリントを任されていたのですが、位置取りがうまくできず全く前に出られなくて、やっと前が空いた時には、もう間に合わない状況でした。スプリントにまで持ち込めたので、最後しっかりもがけていたら、メダル獲得もあったのではないかと思います。与那嶺選手には、スプリントはよろしくと言われていて、レース中もしっかり脚を休ませて万全でしたが、この結果は本当に悔しいです」

垣田真穂は2023アジア競技大会で二刀流、トラック2種目で金、ロードでも6位になった ©日本自転車競技連盟

与那嶺恵理のコメント
「コースマップを見て、フラットなコースなのは分かっていましたし、動いてもすぐにフォローされてしまう状況でしたので、自分が動いたら脚がなくなるだけだと思い、敵のいい動きだけはしっかり反応しつつ、少しネガティブな走りになってしまいました。残り10kmでアタックされた時、ちょうど私が中切れしているところで、ジャンプして追いつくまでは脚が残っていなくて、あの局面では力負けでした。このコースは私向きのコースではないのは分かっていたので、垣田選手には、レース中のアタックは私が対応するから、脚をためておいてと話しをしていました。今回は、若い選手にもレースを教えることができましたし、とてもよかったと思います」

2023アジア競技大会女子ロードレース ©日本自転車競技連盟

10月5日はロードレース男子が行われる。

2023アジア競技大会女子ロード ©日本自転車競技連盟

●アジア競技大会のホームページ(JOC)

与那嶺恵理がタイムトライアル2位、小石祐馬7位、【アジア競技大会】

中国の杭州で開催されている第19回アジア競技大会は自転車競技としてのDAY-7となる10月3日、ロードレースの個人タイムトライアルが行われ、女子の与那嶺恵理が2位、男子の小石祐馬が7位になった。

2023アジア競技大会ロード種目の女子タイムトライアルを走る与那嶺恵理 ©日本自転車競技連盟

日本代表の与那嶺は、中間計測ポイントを先頭から33秒遅れの2位で通過。後半は全体の4位とタイムを落としてしまい、先頭とのタイム差を広げられ、さらに3位カザフスタンに1秒差まで詰め寄られるも、全体の2位のタイムで走り切り、銀メダルを獲得した。

2023アジア競技大会ロード女子タイムトライアルで2位になった与那嶺恵理 ©日本自転車競技連盟

与那嶺恵理のコメント
「タイムトライアルに出場するのが久しぶりで、特にアジアは前回のアジア大会以来5年ぶりでしたので、自分がどの立ち位置にいるのか分からず、できる限りプッシュするだけでしたので、特に順位は考えずに走りました。優勝したのは、オリンピックでメダルを取るような選手ですので、優勝を狙っていなかったと言うと語弊がありますが、最低でも2位にはなろうと思ってここへ来たので銀メダルが取れてよかったです」

男子の小石は、中間計測ポイントを先頭から1分26秒遅れの7位で通過。後半もペースは上がらず、 後半だけで見ても全体の7番目のタイムとなり、最終7位でレースを終えた。

2023アジア競技大会ロード種目の男子タイムトライアルで小石祐馬は7位 ©日本自転車競技連盟

小石祐馬のコメント
「この結果は望んでいたものではなかったです。代表チームでのレースとなると、トラックチームと違って、どうしても準備不足になる部分もありますが、女子は与那嶺選手が銀メダルという素晴らしい結果も出しましたし、ロードレースに向けてまた頑張ります」

10月4日は女子ロードレースが行われる。

●アジア競技大会のホームページ(JOC)

東京五輪の自転車競技に16選手…略歴と競技日程・会場

2020東京五輪の自転車競技に出場する日本代表16選手が決まった。これまでの五輪自転車で日本選手が獲得したメダルは銀1、銅3で、すべてトラック男子によるもの。自国開催となる今回は女子や新種目のBMXフリースタイルにも期待がかかる。国内自転車界悲願の金メダル獲得を目指してそれぞれが練習を積み重ねている。

2020東京五輪のピクトグラム(フレームタイプ)

自転車競技はトラック、ロード、MTB、BMXの4種目

東京五輪で開催される自転車競技は大きく分けてトラック、ロード、MTB、BMXの4つがある。トラックは男女ともに6種目が行われ、そのうち3種目がスプリント系の短距離レース。日本はすべてこのカテゴリーで男子選手が五輪メダルを獲得してきた実力があり、悲願の金メダルも十分に期待できる。バンクと呼ばれる自転車競技場は会場ごとに特性があるので、五輪の舞台となる伊豆ベロドロームで長期的な強化合宿を積む日本勢は地の利が行かせる。

ただし今回の金メダル最有力はトラック中距離の女子。2020年2月に行われた世界選手権女子オムニアムで優勝した梶原悠未(かじはらゆうみ)だ。トラック日本女子では初、男子を含めても33年ぶりの世界チャンピオンだ。オムニアムは1日で4種目を行い、その合計で競う複合種目。世界選手権よりも五輪のほうが参加選手数が絞られるため、ライバルの数も少なくなる。梶原が順当なレース展開を見せれば金メダル獲得も夢ではない。

梶原悠未がオムニアム出場時に使用するアルカンシエルデザインバイク

コロナ禍による大会延期も「強くなるために練習する時間が持てた」と梶原。「日本代表としての誇りをもって必ずオムニアムで金。有言実行を胸に臨みたいです」

新種目として採用されたBMXフリースタイルでは中村輪夢(なかむらりむ)に期待。20インチ車輪の自転車に乗り、人工セクションを使って宙返りするなど、いかに難易度の高い技を決めて高得点をたたき出すかなどで争われる。世界大会での表彰台の常連だけにメダル圏内。

「悔いのない走りをしたい。それができればメダル獲得という成績もついてくると信じています」と中村。

中村輪夢 ©Eisa Bakos/Red Bull Content Pool

MTB女子代表の今井美穂は群馬県前橋市立新田小の教員を務めながら、平日の夜と週末に練習を続ける。

「応援してくれる子どもたちがいなかったら、五輪なんてあきらめていたかも知れません。その恩返しとして子どもたちになにかを伝えられたら」と意気込む。

日本勢の五輪メダルは銀1個、銅3個

今井美穂は東京五輪代表リモート記者会見も小学校から参加した ©JCF

日本自転車選手の五輪メダルは過去に4個で、すべてトラック短距離種目。1984年ロサンゼルス大会の個人スプリントで坂本勉が銅、1996年アトランタ大会の1kmタイムトライアルで十文字貴信が銅、2004年アテネ大会で長塚智広・伏見俊昭・井上昌己の日本チームが銀、2008年北京大会のケイリンで永井清史が銅。

2020東京五輪 自転車競技の日本代表16選手

◆トラック短距離
新田祐大
(ドリームシーカー)

◆トラック短距離
脇本雄太
(ブリヂストンサイクリング)

◆トラック短距離
小林優香
(ドリームシーカー)

◆トラック中距離
橋本英也
(ブリヂストンサイクリング)

◆トラック中距離
梶原悠未
(筑波大大学院)

◆トラック中距離
中村妃智
(日本写真判定)

◆ロード
新城幸也
(バーレーンビクトリアス)

◆ロード
増田成幸
(宇都宮ブリッツェン)

◆ロード
与那嶺恵理
(ティブコシリコンバレーバンク)

◆ロード
金子広美
(イナーメ信濃山形)

◆MTBクロスカントリー・オリンピック
山本幸平
(ドリームシーカー)

◆MTBクロスカントリー・オリンピック
今井美穂
(CO2bicycle)

◆BMXレーシング
長迫吉拓
(日本写真判定)

◆BMXレーシング
畠山紗英
(日本体育大)

◆BMXフリースタイル・パーク
中村輪夢
(ウイングアーク1st)

◆BMXフリースタイル・パーク
大池水杜
(ビザビ)

2020東京五輪 自転車競技の日程と会場

ロード
●開催日程=7月24、25、28日
●開催場所=東京都府中市〜富士スピードウェイ

MTB
●開催日程=7月26、27日
●開催場所=静岡県・伊豆MTBコース

BMX
●開催日程=7月29日〜8月1日
●開催場所=有明アーバンスポーツパーク

トラック
●開催日程=8月2〜8日
●開催場所=静岡県・伊豆ベロドローム

●2020東京五輪のホームページ

新城幸也、増田成幸、与那嶺恵理、金子広美が東京五輪代表

第32回オリンピック競技大会(2020/東京) 自転車競技ロード日本代表選手に新城幸也、増田成幸(以上男子ロード)、与那嶺恵理(女子ロード、女子個人タイムトライアル) 、金子広美(女子ロード)が選出された。

補欠選手は男子ロードが中根英登、女子ロードが樫木祥子。

男子の選手選考基準は日本自転車競技連盟が設定したランキングの上位2選手が代表となった。1位は新城で533ポイント、2位は増田で283ポイント。五輪代表枠を逃した中根は282ポイントだった。

10月29日に日本自転車競技連盟が報道機関に通知し、11月4日に情報が解禁された。


●新城幸也のコメント

新城幸也

「自国開催のオリンピックを自分が現役選手の時に迎えられることは運命だと思っていました。世界中が大変な状況下で競技を続けられる自分の環境 に感謝し、しっかり準備をして自分の最高のパフォーマンスを発揮するだけです。皆さんも楽しみにしていてください!」


●増田成幸のコメント

増田成幸

「東京オリンピックロードレースの日本代表候補への選出、大変光栄です。 一方で、身が引き締まる思いです。日本代表の名に恥じないような走りができるように精進いたします」


●与那嶺恵理のコメント

与那嶺恵理

「全てを力に変えて」


●金子広美のコメント

金子広美

「私がここまで走れる環境を用意してくれた、すべての方々に感謝しています。今も世界は厳しい状況が続いていますが、与えられたチャンスに向けて、次につながるきっかけとなる走りができるように、しっかりとトレーニングを重ねていきます」


自転車競技の東京五輪日本代表はこれですべての出場予定選手が決定。男子8、女子8の合計16選手が挑むことになった。

第32回オリンピック競技大会(2020/東京)自転車競技日本代表選手

BMXレーシング
男子:長迫吉拓(日本写真判定)
女子:畠山紗英(日本体育大学)

BMXフリースタイル
男子:中村輪夢(ウイングアーク1st)
女子:大池水杜(ビザビ)

MTBクロスカントリー・オリンピック
男子:山本幸平(ドリームシーカーMTBレーシングチーム)
女子:今井美穂(CO2bicycle)

トラック・短距離
男子
新田祐大(ドリームシーカーレーシングチーム/日本競輪選手会 福島支部)
脇本雄太(チームブリヂストンサイクリング/日本競輪選手会 福井支部)
女子
小林優香(ドリームシーカーレーシングチーム/日本競輪選手会 福岡支部)

トラック・中距離
男子
橋本英也(チームブリヂストンサイクリング/日本競輪選手会 岐阜支部)
女子
梶原悠未(筑波大学大学院)
中村妃智(日本写真判定)

ロード
男子
新城幸也(バーレーン・マクラーレン)
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
女子
与那嶺恵理(女子個人タイムトライアルも/OANDA JAPAN)
金子広美(イナーメ信濃山形)

●日本自転車競技連盟のホームページ

与那嶺恵理 エリート女子、U23は武山晃輔…全日本選手権

2019全日本選手権ロードは6月29日、激しい雨に見舞われた静岡県の富士スピードウェイで大会3日目のレースが行われ、エリート女子は与那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)、U23は武山晃輔(チーム右京)が優勝した。

女子エリート+WU23
1位 与那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)
2位 金子広美(イナーメ信濃山形)
3位 樫木祥子(イルミネート)
4位 牧瀬翼(イケウチエグジット)
5位 伊藤優以(ゼロウノフロンティア)
6位 福田咲絵(慶應義塾大)

女子U23
1位 梶原悠未(筑波大)

男子U23
1位 武山晃輔(チーム右京)
2位 沢田桂太郎(ブリヂストンサイクリング)
3位 今村駿介(ブリヂストンサイクリング)
4位 花田聖誠(ユーラシアIRCタイヤ)
5位 石原悠希(インタープロサイクリングアカデミー)

●日本自転車競技連盟のホームページ

与那嶺恵理がわずか0.16秒差で金を逃して2位…アジア大会タイムトライアル

ジャカルタ・アジア競技大会は7日目となる8月24日、自転車競技の女子個人タイムトライアルが行われ、与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)が銀メダルを獲得。走行タイムは優勝した韓国の羅亜凜からわずか0.16秒差の31分57秒26。羅はロードレースと合わせて二冠。女子個人タイムトライアルはスバンからカガクまでの18.7kmのコースで登り基調だった。与那嶺はロードレースでの銅メダルに次ぐ2つ目のメダル獲得。

アジア競技大会自転車女子タイムトライアルで2位になった与那嶺恵理(右)。優勝は韓国の羅亜凜(中央) ©2018 JCF

アジア競技大会自転車女子タイムトライアルでの与那嶺恵理 ©2018 JCF

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