オムニアムの全日本チャンピオンに岡本隼と梶原悠未

自転車トラック競技のオムニアム種目の日本一を決める「2019 全日本自転車競技選手権大会オムニアム」が2019年9月22日に静岡県伊豆市の日本競輪選手養成所JKA250mバンクで開催され、男子は岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が、女子は梶原悠未(筑波大学)が優勝した。

男子オムニアムで優勝した岡本隼 ©2019 JCF
女子オムニアムで優勝した梶原悠未 ©2019 JCF

男子オムニアム最終結果
1位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム) 130p
2位 窪木一茂(TEAM BRIDGESTON Cycling) 126p
3位 近谷涼(TEAM BRIDGESTON Cycling) 119p

男子オムニアムで優勝した岡本隼 ©2019 JCF

女子オムニアム最終結果
1位 梶原悠未(筑波大学) 187p
2位 中村妃智(日本写真判定) 131p
3位 鈴木奈央(JPCA) 128p

女子オムニアムで優勝した梶原悠未 ©2019 JCF

●同日開催の2019日本パラサイクリング選手権トラック大会

●日本自転車競技連盟のホームページ

チームパーシュートでブリヂストンサイクリングが日本新

自転車競技トラックレースの日本一を決める第88回全日本自転車競技選手権トラックレースは大会第3日目となる9月16日、男子エリートチームパーシュートが行われ、ブリヂストンサイクリング(今村駿介、橋本英也、窪木一茂、近谷涼、予選:沢田桂太郎)が3分57秒488の日本新記録で優勝した。

男子チームパーシュート優勝のブリヂストンサイクリング。前から近谷涼、窪木一茂、橋本英也、今村駿介 ©2019 JCF

男子ジュニア3km個人パーシュート決勝
1位 岡本勝哉 3:24.094
2位 西澤優聖 3:32.504
3位 安達光伸 3:25.251

女子チームスプリント決勝
1位 茨城県(梶原悠未・山口真未) 35.580
2位 順天堂大学(五味田奈穂・野寺楓) 37.393

男子エリートチームパーシュート決勝
1位 ブリヂストンサイクリング(近谷涼・窪木一茂・今村駿介・橋本英也) 3:57.488 ※日本新・大会新
2位 日本大学(兒島直樹・治田知也・中山駿・高橋舜)  OVT
3位 岐阜県(棚瀬義大・日比野丈・永田吏玖・三嶋陸斗)  4:18.586

男子エリートチームパーシュート1位はブリヂストンサイクリング、2位日本大、3位岐阜県 ©2019 JCF

男子エリートチームスプリント決勝
1位 Dream Seeker Racing Team(雨谷一樹・新田祐大・深谷知広) 43.799 ※大会新
2位 明治大学(荒川仁・甲斐俊祐・板倉玄京) 45.381
3位 鹿屋体育大学(岸田剛・黒瀬浩太郎・真鍋智寛) 46.576

男子チームスプリント優勝のドリームシーカー。前から雨谷一樹、新田祐大、深谷知広 ©2019 JCF
男子エリートチームスプリント優勝はドリームシーカー。2位明治大、3位鹿屋体育大 ©2019 JCF

男子ジュニアポイントレース決勝
1位 中村栄杜 20p
2位 北宅柊麻 17p
3位 天野壮悠 14p

女子エリートポイントレース決勝
1位 梶原悠未 65p
2位 上野みなみ 35p
3位 鈴木奈央 19p

●日本自転車競技連盟のホームページ

新田祐大と小林優香がケイリンの全日本チャンピオンに

自転車競技トラックレースの日本一を決める第88回全日本自転車競技選手権トラックレースは大会第2日目となる9月15日、エリート男女のケイリン決勝が行われ、男子は新田祐大が、女子は小林優香が優勝した。

小林優香が女子ケイリンで優勝。左が2位太田りゆ、右が3位小泉夢菜 ©2019 JCF

男子エリートマディソン決勝
1位 TEAM BRIDGESTON Cycling B(窪木一茂・橋本英也) 127p
2位 TEAM BRIDGESTON Cycling A(近谷涼・今村駿介) 99p
3位 愛三工業レーシングチーム(渡邊翔太郎・草場啓吾)

男子エリートケイリン決勝
1位 新田祐大
2位 中野慎詞
3位 河端朋之

男子ケイリン決勝、残り1周の新田祐大 ©2019 JCF
男子ケイリンで新田祐大が優勝 ©2019 JCF

女子エリートケイリン決勝
1位 小林優香
2位 太田りゆ
3位 小泉夢菜

小林優香が女子ケイリンで太田りゆを制して優勝 ©2019 JCF

男子ジュニアスプリント決勝
1位 中岡海
2位 片野樹

女子ジュニアスプリント決勝
1位 阿部セラ
2位 河内桜雪

男子ジュニアスクラッチ決勝
1位 中村凌輔
2位 松岡優馬
3位 渡邊諒真

女子ジュニアスクラッチ決勝
1位 太郎田水桜
2位 岩元杏奈
3位 石田唯

男子エリートポイントレース決勝
1位 窪木一茂 47p
2位 今村駿介 40p
3位 近谷涼 38p

男子ジュニア1kmTT
優勝 松本秀之慎
女子ジュニア500mTT
優勝 田中夢菜

男子ジュニア1kmタイムトライアル決勝
1位 松本秀之慎 1:06.260
2位 宇田川塁 1:06.274
3位 竹下寛人 1:07.139

男子マディソンはブリヂストンサイクリングの窪木一茂と橋本英也が優勝 ©2019 JCF

女子ジュニア500mタイムトライアル決勝
1位 田中夢菜 36.979
2位 岩元杏奈 36.995
3位 飯田風音 37.717

女子エリートスクラッチ決勝
1位 中村妃智
2位 吉川美穂
3位 古山稀絵
1着入線の鈴木奈央は降格

窪木一茂が個人パーシュートで日本新…全日本トラック

自転車競技トラックレースの日本一を決める第88回全日本自転車競技選手権大会トラックレースが9月14日に開幕し、男子個人パーシュートの予選で窪木一茂(ブリヂストンサイクリング)が4分15秒889の日本新記録を樹立。決勝でも近谷涼(ブリヂストンサイクリング)を制して、2年連続3度目の優勝を達成した。

男子4km個人追い抜きを制した窪木一茂。予選では4分15秒889の日本新 ©2019 JCF

女子個人パーシュートの予選では梶原悠未(筑波大)が3分33秒740の日本新記録を樹立。決勝でも先着して4年連続で優勝した。

女子エリートスプリント決勝
1位 小林優香(ドリームシーカー)
2位 太田りゆ(ブリヂストンサイクリング)
3位 尾方真生(日本競輪選手養成所)

女子スプリントを制した小林優香 ©2019 JCF
女子スプリント優勝の小林優香。左が2位太田りゆ、右が3位尾方真生 ©2019 JCF©2019 JCF

男子エリートスクラッチ決勝
1位 橋本英也(ブリヂストンサイクリング)
2位 安彦統賀(日本体育大)
3位 草場啓吾(愛三工業)

女子エリートマディソン決勝
1位 強化A(梶原悠未・中村妃智) 63p
2位 Live GARDEN Bici Stelle(鈴木奈央・吉川美穂) 29p
3位 日本体育大学(古山稀絵・中村愛花) 18p

女子エリート3km個人パーシュート決勝
1位 梶原悠未(筑波大) 3:42.236
2位 古山稀絵(日本体育大) 3:50.059
3位 上野みなみ(シエルブルー鹿屋) 3:42.658

女子個人追い抜き優勝の梶原悠未 ©2019 JCF
女子エリート3km個人パーシュート優勝の梶原悠未。左が2位古山稀絵、右が3位上野みなみ ©2019 JCF

男子エリート1kmタイムトライアル決勝
1位 沢田桂太郎(ブリヂストンサイクリング) 1:02.590(大会新)
2位 村田祐樹(日本体育大) 1:03.138(大会新)
3位 一丸尚伍(シマノ) 1:03.244(大会新)
沢田桂太郎コメント
「最近までロードの練習がメインだったので回転数が上がらなくなっていて、去年優勝した時よりギアを重めに設定して挑みましたが、それがぴったりハマったという感じです。ベストタイムも0.6秒くらい更新できてよかったです」

女子エリート500mタイムトライアル決勝
1位 吉川美穂(ライブガーデン・ビチステンレ) 36.025
2位 野寺楓(順天堂大) 37.937
3位 小泉夢菜(早稲田大) 38.124
吉川美穂コメント
「思ったようなタイムではありませんでしたが、都道府県大会で出した35秒台がまぐれではなかったかなというくらいのタイムは出せたので、これからもっと練習して日本記録も更新できるくらい良いタイムを出せるようになりたいです」

男子エリートスプリント決勝
1位 河端朋之(JPC)
2位 新田祐大(ドリームシーカー)
3位 深谷知広(ドリームシーカー)

男子エリートスプリント優勝の河端朋之。左が2位新田祐大、右が3位深谷知広 ©2019 JCF

男子エリート4km個人パーシュート決勝
1位 窪木一茂(ブリヂストンサイクリング) 4:22.343
2位 近谷涼(ブリヂストンサイクリング) 4:26.421
3位 橋本英也(ブリヂストンサイクリング) 4:23.681

男子エリート4km個人パーシュート優勝の窪木一茂。左が2位近谷涼、右が3位橋本英也 ©2019 JCF

全日本選手権ロードの前王者山本元喜は12位

2019年のロードレース日本王者を決める全日本自転車競技選手権ロードレースは6月30日、大会最終種目の男子エリートロードレースが行われた。KINAN Cycling Teamからは7選手が227kmの長丁場の戦いに挑み、終盤まで精鋭グループの中でレースを進めた山本元喜の12位がチーム最高。激しい風雨の中でサバイバル化した中にあって、上位進出をかけて正面からぶつかっていった結果であった。

ディフェンディングチャンピオンとして走った山本元喜 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

2020年の東京五輪でロードレースのフィニッシュ地点となる富士スピードウェイを主会場に、27日から開催されてきた大会はいよいよ佳境へ。KINAN Cycling Teamは、大会初日に行われた個人タイムトライアルで新城雄大が19位。コースの特徴や会場の雰囲気をつかみ、ロードレースを控えたチームメートへ落とし込むこととなった。

そのロードレースは、富士スピードウェイの敷地内を使った10.8kmのコースを21周回する227km。細かなアップダウンに加えて、コーナーが連続するテクニカルなコースレイアウトが特徴的。また、会期を通して悪天候が続いていて、コーナーでの落車が多発。鋭角コーナーでの立ち上がりなども含め、スピードとテクニックが求められるサバイバルレースと予想される。KINAN Cycling Teamからは新城のほか、前回大会を制した山本元喜、椿大志、大久保陣、雨乞竜己、中島康晴、荒井佑太の7選手が出走。他チームと比較し大人数で戦うことのできる強みを生かしながら、勝機を見出していく。

前日までと変わらず雨の中で始まったレースは、スタート直後から落車が頻発。コーナーのたびにスピードを緩めて慎重にクリアしていくが、その後の立ち上がりでも差が発生し、1周目を終える段階から出走人数の半数近くが脱落するほどに。KINAN勢も2周目に入る頃には荒井が遅れ、3周目の終盤には雨乞が落車。それぞれ集団復帰はかなわず、リタイアとなった。

レース前半の重要局面は4周目に訪れる。集団から7人が抜け出し、この中に山本が加わる。さらに人数を増やし、やがて先頭グループとして固まる。有力チームのほとんどがメンバーを送り込んだこともあり、しばし集団に対してリードを得ることとなった。

しかし、メイン集団も簡単には前を行く選手たちを容認しない。6周目に入って10人以上による追走グループが生まれると、KINAN勢では椿がチェックに動く。次々と前を追う格好となり、やがてメイン集団が分裂。約40人にまで膨らんだ追走グループは山本らに追いつくが、そのまま先行するまでには至らない。7周目までに後続も合流すると、その頃にはメイン集団の人数は約60人に。この間、KINAN勢では大久保が遅れ、残すは4人となった。

出入りの激しい展開の均衡が破られたのは8周目。1人逃げが生まれると、プロトン全体が落ち着き、その流れのまま単独先頭の状況を容認。約50人となったメイン集団は、先頭との差を最大で約3分まで広がったところでコントロールを本格化。この形勢を維持したまま、レース中盤が過ぎていった。

周回を経るごとにメイン集団の追撃ムードが高まっていくが、逃げのキャッチは15周目でのこと。これをきっかけにレース全体のスピードが上がっていき、さらに集団の人数も絞られていく。ここまで集団内のポジショニングやチームメートのフォローに動いていた椿が役目を終えて後方へ。アタックが散発し始めたメイン集団に残ったのは、山本、中島、新城の3人となった。

サバイバルの一途をたどるレース後半。決定打こそ生まれないが、徐々に力の差が明確になっていく。激しい絞り込みから、17周目の終盤に新城が集団から下がると、次の周回では中島がコーナーでスリップし落車。大事な局面を前に2選手が遅れを喫することとなり、集団に残ったのは山本だけとなる。

そうした状況から、19周目に入った直後のアタックをきっかけに3選手が抜け出すことに成功。集団は誰が追うかでお見合いとなるが、ここまで脚を残してきた山本が上り区間で追走を狙いアタック。これは決まらずも、その後活性化した追走狙いの動きに応戦。先頭3人との差は広がっていくが、トップ10圏内が見えるポジションで懸命に前を追い続けた。

最終的に、先行した3人がそのまま表彰台を確保することに。かたや、後続でも順位争いが激化。山本も粘りを見せたが、トップ10入りにはわずかに届かず。12位でのフィニッシュとなり、これが今回のチーム最上位だった。

また、落車後にレースに復帰した中島も完走を目指し走り続け、18位でフィニッシュラインを通過。今大会のKINAN Cycling Teamは2選手の完走で終えることになった。

この戦いをもって、チームはシーズンの第1ピリオドを締める。最大目標であったツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野、全日本選手権と、緊張感のある日々を過ごし、選手・チームはより高みを目指していく意志を強めている。7月以降も引き続き、国内外のビッグレースでUCIポイントを目指していく。

チームの次回活動は7月6日、国営木曽三川公園長良川サービスセンターを主会場に行うKINAN AACA CUP 2019年シーズン第7戦を予定している。

スペイン選手権でサルバドール・グアルディオラが17位

全日本選手権と同日に開催されたスペイン選手権ロードレースは、同国のムルシアで開催され、サルバドール・グアルディオラが17位でフィニッシュ。トップとは18秒差、最後は4位争いの集団でレースを終えている。

山本元喜のコメント

「自分が最後まで残れるようみんなが助けてくれて感謝している。個人的には(アタックなど)動く回数をできるだけ押さえて、重要なところでしっかり反応していくことを心掛けていて、それは上手くできていた。結果的に上位を占めた3選手が飛び出した際に、上りを利用して後追いを試みたが、合流する前に脚を使い切ってしまったことがすべてだった。集団が何度も割れては1つになり、というのを繰り替えていて、さらには力のある選手の動きには誰もが反応して…というレース展開だったので、誰もが消耗している点では条件は一緒だったと思う。

(1年間日本チャンピオンジャージを着用して)やはりそれなりにプレッシャーも感じていたし、プロトンの中でも目立つ存在だったので、それに気持ちが押されてついつい必要以上に動いてしまう部分もあったのかなと感じている。とはいえ、キャリアにおいてあのタイミングでジャージを獲得して、着用できたことはよい1年間だったと思う。

ジャージを手放してプレッシャーからも解放されるので(笑)、今後はよい意味で自分らしさを出していきたいと思うし、今回の12位という結果を受け止めて、より高みにいくための走りを突き詰めていきたい」

●日本自転車競技連盟のホームページ

入部正太朗、急逝の父に捧げる初の日本チャンピオン

第88回全日本自転車競技選手権大会ロードレースのエリート男子が6月30日に静岡県小山町の富士スピードウェイで開催され、入部正太朗(シマノレーシング)が新城幸也(バーレーン・メリダ)とのゴール勝負を制した初優勝した。

入部正太朗が新城幸也を制して日本チャンピオンに ©2019 JCF

レースは雨の中、当初の予定通り21周回227kmで行われ、152選手が出走。レースは中盤に徳田優(ブリヂストンサイクリング)が独走となって周回を重ね、後半を迎えた。

徳田がメイン集団に吸収されるタイミングでカウンターアタックがあり、30名弱の先頭集団が京成される。ここから新城、横塚浩平(チーム右京)、入部が抜け出して後続との差を広げ、ラスト4周を逃げ切った。

勝負は最終周回で横塚が遅れ、新城と入部の一騎打ちに。ゴールスプリントは新城が先行するがギリギリで入部が逆転し、全日本選手権初優勝を飾った。

新城幸也がアタックし、横塚浩平と入部正太朗が追走 ©2019 JCF

「最高の気分です。(全日本選手権は)どうしてもほしかったレースでした。本当にうれしいです。(フィニッシュ後は)チームメイトやスタッフの顔、応援してくれたみんな、それにオヤジが2カ月半程前に亡くなったので、それを思い出して泣いてしまいました」と入部。

全日本選手権を制した入部正太朗を中央に左が2位新城幸也、右が3位横塚浩平 ©2019 JCF

エリート男子ロード
優勝 入部正太朗(シマノレーシング) 6:12:27
2位 新城幸也(バーレーン・メリダ) :0:00
3位 横塚 浩平(チーム右京) :0:08