武山晃輔が第1集団でレース展開…ツアー・オブ・オマーン2S

ツール・ド・フランスを主催するASOが運営するする中東のステージレース、ツアー・オブ・オマーンが2月12日に第2ステージが行われ。日本のJCL TEAM UKYOが参戦。小石祐馬が24秒遅れの38位、山本大喜が25秒遅れの41位になった。

ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ツアー・オブ・オマーン第2ステージ。前日のスプリントステージから舞台を変えて、この日は 短いながら急勾配の登りがあるレイアウト。特に前半と後半に設置された山岳ポイントとス プリント賞の配置が近いことから、総合でも全体にタイム差の少ない状況に激しい展開も予 想された。

ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

JCL TEAM UKYOは5人以上のエスケープにはジョイントし、総合上位を目指す山本、このステージで活躍できるベンジャミ・プラデス、マスカットクラシックでハイレベルな攻防に対応した小石を最終局面で前に送り込む戦略でレースに挑んだ。

レースはスタートして間もなく4名がエスケープが発生、しかし長く続かずに登りで吸収され ると、今度は単発で飛び出していく選手が続く。この動きを静観したプロトンの様子からタイミングを察した武山晃輔が追走で飛び出した。10分ほどの追走の後、武山は前方と合流した。

武山がツアー・オブ・オマーン第2ステージで第1集団に加わった ©JCL TEAM UKYO

プロトンと3分差、6名となったメンバーの中には敢闘賞のジャージを着用す るトレンガヌのジェロエンを含んでいて、このメンバー構成を確認したプロトンは3分のリードを保つコントロールを開始。JCL TEAM UKYOとしても武山が先行グループ に乗ったことで、チームメイトの脚を温存できる好展開となった。

ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

このエスケープがゴールまで残り40km付近に差しかかると、いよいよプロトンは吸収に向け 追撃を開始。ボーナスタイムを稼いだ先頭グループが疲労したところへ勝負を賭けた展開を持ち込むことで、彼らを総合成績に絡ませないという流れを作り出した。

ハイスピードの展開で、アスタナカザクスタンとUAEエミレーツのトレインが先頭付近で目立つ中、残り10kmでレースを振出しに戻したプロトンは一気に活性化、8%勾配が4km続く頂上ゴールへ向けペースが上がった。JCL TEAM UKYOもこの勝負に加わるフォーメーションを組んだが、ここでプラデスがメカトラブルに陥る。

ヘスス・エラダが第2ステージ優勝 ©A.S.O. Thomas Maheux

すでにレースがゴールへ向け激しい展開で進行していることから小石、山本がトップグループに残ることを優先。

急勾配の上りをトップで駆け上がってきたのはコフィディスのヘスス・エラダ。そして、30名の選手たちが一気にゴールへなだれ込んだ24秒後に小石、25秒後に山本が現れた。ツアー・オブ・オマーン第2ステージは誰もが総合タイムを狙うステージだった。

ツアー・オブ・オマーン第2ステージで小石と山本が上位でゴール ©JCL TEAM UKYO

エスケープに乗るというミッションを遂行した武山をはじめ、ワールドクラスの選手たちが勝負を賭けた登りを20数秒差でゴールした2人の実力は今後のレースへの大きな期待が生まれるものだった。

ヘスス・エラダが第2ステージで首位に立った ©A.S.O. Thomas Maheux

JCL右京がサウジツアー参戦…武山晃輔が積極的に逃げる

サウジアラビアを走る5日間のステージレース、サウジツアーが1月30日に開幕。片山右京が率いるJCL TEAM UKYO(チーム右京)が海外トップチームに混じって初参戦を果たした。第1ステージでは武山晃輔が第1集団に加わるなど積極的な走りを見せた。

山本大喜が機材修理を待つために沿道に立つ ©JCL

シーズン緒戦で武山晃輔が第1集団に加わる

UCI2-1のステージレース、サウジツアーが開幕。JCL TEAM UKYO初戦はワールドツアー、プロチームがひしめくビッグレースに挑戦となった。舞台はサウジアラビアで、暑く乾いた気候と砂漠の砂が巻き上がる横風との戦いは選手たちをより過酷な環境へと導いた。

サウジツアーに初出場したJCLチーム右京 ©JCL

第1ステージはほぼ直線の道のり、長く続く緩斜面の頂上にスプリントポイントが2度設けら れたコースレイアウト。レースはリアルスタートしてすぐに飛び出したウノXやエウスカルテル・エウスカディら プロツアー選手を含む5名に武山が素早くブリッジしリードアウトを展開した。

ここにスプリンターを抱えるワールドツアーチームが乗らなかったことも起因してプロトン(大集団)はこのエスケープを容認。こうしてスタートしてから1時間後には5分近くにタイムギャップは開いた。武山を先行させることに成功したJCL TEAM UKYOはレイモンド・クレダーのスプリントに備え好条件が整う。

ツール・ド・フランスに出場するトップチームに挑む大会となる ©JCL

しかし、ここで選手たちを苦しめたのは横風と永遠と続く凹凸の激しい悪路。この悪条件に有力選手まで次々とパンク、岡篤志、山本大喜、ベンジャミ・プラデス、クレダーも数度のメカトラに見舞われダメージを蓄積させてしまう。

一方先頭で奮闘する武山はスプリント賞にトライするも一歩及ばず4位通過が2回、エスケープグループも100kmを過ぎる頃には脚の差が広がり、2選手を先行させて武山を含む4名はドロッ プしてしまう。

プラデスがパンクした後輪の交換作業を受けた ©JCL

山本大喜が31位…トップと同タイムの記録に

この展開に活性化したプロトンを牽引するのはツールで5勝を挙げているスプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)を率いるジェイコ・アルウラー。彼らを中心とした長時間にわたる強烈なスピードアップに残り20kmでJCL TEAM UKYOは6名が脱落。一度遅れかけた山本が集団復帰に成功しラスト10kmのクライマックスを迎えた。

山本大喜が集団復帰を目指す ©JCL

ジェイコ・アルウラーのトレインはラスト数kmでエスケープする2名をキャッチしそのままスプリントになだれ込むとディランが横並びの一線を制して優勝。山本は残り2kmの落車に乗り上げるも力走を続け31位でゴールした。少し遅れはとったがJCL TEAM UKYOの選手たちも全員ゴールし、ハイレベルなスピ ードレースに洗礼を受けながらも初戦を全員走り切った。

砂漠地帯でチームカーからボトルの補給を受ける ©JCL

「チームを優位に展開させるための自分のできる最大の走りにトライできました」と武山。
「体重の軽い自分にとってバイクが跳ねてしまうほどの悪路でしたが、自分の脚に大きな刺激を入れる走りができたことは次につながると思います」

サウジツアー第1ステージ ©JCL

与那嶺恵理 エリート女子、U23は武山晃輔…全日本選手権

2019全日本選手権ロードは6月29日、激しい雨に見舞われた静岡県の富士スピードウェイで大会3日目のレースが行われ、エリート女子は与那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)、U23は武山晃輔(チーム右京)が優勝した。

女子エリート+WU23
1位 与那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)
2位 金子広美(イナーメ信濃山形)
3位 樫木祥子(イルミネート)
4位 牧瀬翼(イケウチエグジット)
5位 伊藤優以(ゼロウノフロンティア)
6位 福田咲絵(慶應義塾大)

女子U23
1位 梶原悠未(筑波大)

男子U23
1位 武山晃輔(チーム右京)
2位 沢田桂太郎(ブリヂストンサイクリング)
3位 今村駿介(ブリヂストンサイクリング)
4位 花田聖誠(ユーラシアIRCタイヤ)
5位 石原悠希(インタープロサイクリングアカデミー)

●日本自転車競技連盟のホームページ