中村輪夢がBMXフリースタイル・パークで男子初のワールドカップ優勝

UCI BMXフリースタイル・パーク&フラットランドワールドカップが10月30日に中国・成都で開幕し、最終日となる11月3日に中村輪夢(りむ)がBMXフリースタイル・パークで男子初のワールドカップ優勝を果たした。

中村輪夢 ©Garth Milan/Red Bull Content Pool

中国で開催されたFISE World Series ChengduならびにBMXフリースタイル・パークのワールドカップ第3戦。11月3日に男女各種目の決勝が行われ日本は五輪種目のパークを含む3種目で優勝。男子フリースタイル・パークは決勝が降雨でレースキャンセルとなり、準決勝を首位で通過していた中村が男子初のワールドカップ優勝を果たした。

ワールドカップは今季3戦が行われ、今回の結果をもって中村は総合でも日本勢初の優勝。オリンピック前年の年間チャンピオンとなり、来週に控えた世界選手権へ向けはずみをつけた。

中村輪夢 ©JFBF

女子パークは大池水杜が11位。非五輪種目ながら今季の世界選手権より日本代表としての派遣が始まるBMXフリースタイル・フラットランドでは男子は佐々木元、女子は片桐光紗季がそれぞれ優勝した。

中村輪夢 ©JFBF

BMXフリースタイルパーク 男子
1位 中村輪夢(日本)93.20
2位 BROOKS Declan(イギリス)92.00
3位 BRUCE Nick(アメリカ)91.20

ワールドカップを制した中村輪夢 ©JFBF

BMXフリースタイルパーク 女子
11位 大池水杜(日本)63.60

BMXフラットランド 男子
1位 佐々木元(日本)91.75
2位 DANDOIS Matthias(フランス)89.75
3位 NEKOLNY Dominik(チェコ)87.00

BMXフラットランド 女子
1位 片桐光紗季(日本)84.75
2位 SADOVNIK Irina(オーストリア)71.00
3位 NPREUSS Julia(ドイツ)67.25

年間チャンピオンになった中村輪夢 ©JFBF

中村輪夢がBMXフリースタイル男子初のワールドカップ表彰台となる2位

●UCI BMXフリースタイルのホームページ

榊原爽が東京五輪テストイベントに続いて大阪BMX国際で優勝

UCIクラス1の2019大阪BMX国際/JBMXF大東建託シリーズ第4戦が、大阪府堺市の大阪府営大泉緑地サイクルどろんこ広場で開催され、男子エリートはブラジルのナショナルチャンピオンであるレゼンデ・レナトが、女子エリートは東京オリンピックのテストイベント、REDAY STEADY TOKYO-自転車競技(BMXレーシング)でも勝利したオースト ラリアの榊原爽が連勝を果たした。

第2ストレートをトップで走る榊原爽(右)をサラ・ウォーカー(左から2番目)が追う

前週に東京都の有明アーバンスポーツパークで行われた東京オリンピックのテストイベントに出場した海外選手もエントリーした。

エリート男子はレナトが中井を制す

レゼンデ・レナト(右)が追い上げる中井飛馬(左)を振り切った

日本勢に加えてオーストラリアの榊原魁(榊原爽の兄)と、ブラジルナショナルチャンピオンのレナトがエントリーしたエリート男子のカテゴリー。決勝レースはレナトが好スタートを決め、全日本チャンピオンの中井飛馬が追うなかで、最後までレースをリードしたレナトがトップでフィニッシュした。2位には中井、3位には吉井康平が入った。

レゼンデ・レナトのコメント
準決勝は第1コーナーで失敗するなどミスが出たが、決勝では完璧な走りができた。日本で 優勝することができてうれしい。

エリート男子結果
優勝 レゼンデ・レナト(Brazilian National Team)
2位 中井飛馬(新潟県/日本体育大)
3位 吉井康平(東京都/フォスター電気)

レゼンデ・レナトを中央に左が2位中井飛馬、右が3位吉井康平

エリート女子は日本育ちの榊原爽が優勝

9名のエリートに、3名のジュニアを加えた12名の混走で行われた女子のレース。決勝はスタートでトップに立った榊原爽をロンドン五輪銀メダリストのサラ・ウォーカー(ニュージーランド)が追う展開となった。

ウォーカーが第2コーナーの入り口でインから仕掛けるものの、転倒して後続の選手も巻き込まれてしまう。榊原がトップでフィニッシュし、2位には 転倒を回避した丹野夏波、3位に中国のルー・ヤンが入った。

4位でジュニアの籔田寿衣がフィニッシュ。規定によりエリートとジュニアの表彰が別に行われるため、籔田がジュニア女子の優勝者となった。

榊原爽を中央に左が2位丹野夏波、右が3位LU Yan

榊原爽のコメント
大阪のレースは15年ぶりで、楽しみにしていたなかで優勝できてうれしい。決勝ではトップ争いをしていたサラ・ウォーカーが転倒して、いい勝負ができなかった面もあったが、スタートから前に出てトップでフィニッシュできた。2年ぶりの日本で友だちに会えて、(BMXに乗る)子どもたちとも交流して楽しめたのもプラスになった。

エリート女子結果
優勝 榊原爽(オーストラリア/Team Sakakibara)
2位 丹野夏波(神奈川県)
3位 LU Yan(中国/Chinese BMX National Team)

ジュニア女子結果
優勝 籔田寿衣(大阪府/モトクロスインターナショナル)
2位 早川優衣(岡山県)
3位 酒井亜樹(大阪府/DEUX ROUES ELITE TEAM)

ジュニア女子優勝の籔田寿衣を中央に左が2位早川優衣、右が3位酒井亜樹

増田優一が圧倒的な強さをみせてジュニア男子優勝

大きなジャンプが連続する第2ストレートをクリアする地元大阪の増田優一。3レースともトップでフィニッシュする強さを 発揮

エントリーが7名で3レースの総合成績で争われたジュニア男子。全日本チャンピオンの増田優一が圧倒的な強さをみせて、すべてのレースをトップでフィニッシュし、表彰台の頂点に立った。

ジュニア男子結果
優勝 増田優一(大阪府/Formula International Factory Team)
2位 島比加瑠(東京都/日本体育大江原高)
3位 庄司佳真(神奈川県/Groovy Factory)

ジュニア男子優勝の増田優一を中央に左が2位島比加瑠、右が3位庄司佳真

2019大阪BMX国際/JBMXF大東建託シリーズ第4戦/西日本2戦 大阪大会
主催:公益財団法人日本自転車競技連盟/一般社団法人全日本BMX連盟
主管:大阪府自転車競技連盟
公認:国際自転車競技連合(UCI) クラス 1
開催場所:大阪府営大泉緑地サイクルどろんこ広場(大阪府堺市)
開催期日:2019 年 10 月 19 日(土)~10 月 20 日(日)
後援:大阪市、堺市

東京五輪まで10カ月…ジャンジャンがBMX欧州覇者

2020東京五輪に採用された新種目、BMXフリースタイルパークは10月13日にスイスのカデナツォで第1回欧州選手権を開催し、男子はフランスのアントニー・ジャンジャンが、女子は英国のシャーロット・ワーシントンが初代欧州チャンピオンになった。

フランスのアントニー・ジャンジャン ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

五輪予選を兼ねた同大会には欧州から13カ国48選手が参戦。採点形式で順位が決定した。

男子はジャンジャンが93点、マリン・ランテス(クロアチア)が91.20点、デクラン・ブルックス(英国)が91点。

英国のシャーロット・ワーシントン ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

女子はワーシントンが91.60点、ローラ・レスマン(ドイツ)が84.60点、エリザベータ・ポサドスキンフ(ロシア)が82.80点。

UEC BMXフリースタイル欧州選手権 ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019
UEC BMXフリースタイル欧州選手権

「BMXフリースタイル競技は新たなトレンドで、その人気と注目度は爆発的に高まっているので、欧州チャンピオンシップを開催することにつながった」と欧州自転車競技連合のロッコ・カッタネオ会長。

「競技者のテクニック、観衆の増加、ライブストリーミングの精度を高めることにより、今後さらに人気となっていくだろう。欧州連合としてもこれからの主催カレンダーにBMXフリースタイルを追加することはとても重要だと考えている」

フランスのアントニー・ジャンジャンがBMXフリースタイルの欧州チャンピオンに ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019
英国のシャーロット・ワーシントンがBMXフリースタイルの欧州チャンピオンに ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

●欧州自転車競技連合のホームページ

BMX第3戦で島田遼が連勝…女子はジュニアの酒井亜樹

2019JBMXF大東建託シリーズ第3戦が8月17日~18日、新潟県上越市の金谷山BMXコースで開催された。エリートとジュニアの選手で争われるチャンピオンシップ男子は、島田遼(広島県/GAN TRIGGER AIC OSHU)が前戦の秩父大会からの2連勝を果たした。チャンピオンシップ女子は、全日本選手権で女子ジュニアを制した酒井亜樹(大阪府/DEUX ROUES ELITE TEAM)が優勝した。

スタートから中盤までは、新潟の池田大暉(左)と山口大地(中央)がレースをリードした

チャンピオンシップ男子は島田が逆転

予選と準決勝を勝ち抜いた8名によるチャンピオンシップ男子決勝。スタートから飛び出したのは池田大暉(新潟県/ Rockstar Rift Tangent)、さらに山口大地(新潟県/モトクロスインターナショナル)と地元新潟のライダーが続き、レー ス中盤までをリードした。

レースが大きく動いたのが最終コーナーで、山口が池田のイン側に入りトップを狙うものの接触により両者とも大きく減速してしまう。3番手につけていた島田がトップに立ち、 ゴールまで先頭をキープして前戦の秩父大会から引き続きの連勝を果たした。2位に吉井康平(東京都/フォスター 電気)、3位に池上泰地(大阪府/関西BMX競技連盟)が入った。

最終コーナーで島田遼(202)がトップに立ち連勝を果たした

島田遼のコメント
悪くないスタートだったものの池田、山口の両選手に前に出られてしまった。第1コーナーから2人が トップ争いをしているのを見て、チャンスを狙いながら走って最終コーナーでトップに立つことができた。昨日行われたJ2シリーズでは4位で悔しい結果だったので、それを引きずらず勝つことができてよかった。

男子優勝の島田遼を中央に左が2位吉井康平、右が3位池上泰地

チャンピオンシップ女子は酒井が3レース中2勝

ジュニアの酒井亜樹(右)がエリートの瀬古遥加との争いを制して優勝した

3名のエントリーで争われたチャンピオンシップ女子は3ヒートの合計で争われた。全日本選手権の女子ジュニアチャンピオンの酒井が2ヒートをトップでフィニッシュして優勝した。2位に瀬古遥加(三重県/IRC TIRE)、3 位に朝比奈綾香(大阪府/関西 BMX 競技連盟)が入った。

女子優勝の酒井亜樹を中央に左が2位瀬古遥加、右が3位朝比奈綾香

選手層が厚い男子9-10歳クラスと男子11-12歳クラス

男子11-12歳クラスは野村羽玖(右)がゴール手前で古家詩音(左)の前に出て優勝した

未来のトップアスリートを目指すライダーたちによる熱戦が繰り広げられているのが、男子の9~10歳と11~12歳のクラスだ。今大会には両クラスとも35名のライダーがエントリーし、優勝するためには3回の総合結果による予選から準々決勝、決勝まで6回のレースを勝ち上がる必要がある。

9-10歳クラスは古家凛音(東京都/秩父BMX協会)、11-12歳クラスは野村羽玖(大阪府/関西BMX競技連盟)が、それぞれすべてのレースをトップでフィニッシュする強さをみせて優勝した。

最終コーナーで島田遼(202)がトップに立ち連勝を果たした

●全日本BMX連盟のホームページ

BMX世界選手権日本勢最上位は籔田寿衣の女子ジュニア15位

ベルギーのヒュースデンゾルダー・サーキット内 BMX トラックで UCI BMX世界選手権大会が開催された。日本チームは男女のエリートとジュニアに各2名ずつの選手が出場した。 日本勢の最上位は籔田寿衣の女子ジュニア 15 位だった。

女子ジュニア15位の籔田寿衣

前日までの年齢別のワールドチャレンジが 40 度を超える猛暑のなかで行われたのに対して、雨のなかでレースになっ た世界選手権。籔田は3回行われる予選から準々決勝を通過。準決勝はスタートで出遅れ、第1コーナーでの挽回を図るが、前方の選手との接触もあってペダルが外れてしまい、決勝進出はならなかった。

男子エリートの長迫吉拓は 1/8 決勝進出の 26 位。女子エリートの畠山紗英は準々決勝進出の 17 位だった。

全選手の結果は下記のとおり
■男子エリート
長迫吉拓(岡山県) 26 位、中井飛馬(新潟県/日本体育大) 47 位
■女子エリート
畠山紗英(神奈川県/日本体育大) 17 位、丹野夏波(神奈川県/早稲田大) 36 位
■男子ジュニア
増田優一(大阪府/大阪偕星学園高) 29 位、橋本颯馬(茨城県/常磐大学高) 32 位
■女子ジュニア
籔田寿衣(大阪府/大阪偕星学園高) 15 位、早川優衣(岡山県/興譲高) 18 位

籔田寿衣のコメント(女子ジュニア 15 位)
準決勝のスタートで出遅れて、第 1 コーナーでイン側に付けられるラインを狙ったが思ったよりもスペースが狭く、前の 選手と接触してペダルが外れてしまった。予選から思ったように走れないレースだったが、目標としていた準決勝進出 はクリアできた。ただし内容には納得していない。ジュニア 1 年目なので来年に向けて取り組んで行きたい。

長迫吉拓のコメント(男子エリート 26 位)
予選から世界選手権らしくピリピリした空気で、かなりレベルの高いレースだった。自分の走りについては失敗もあったが、 最後まで諦めなかったことで予選を通過できた。1/8 決勝についてはベストを出し切ったが負けてしまった。5 月のワー ルドカップで決勝に進むことができ、この大会に向けても準備をしてきたので残念な結果ではあったが、これもレースだ。 次戦以降に活かしていきたい。

男子エリート26位の長迫吉拓

中井飛馬のコメント(男子エリート 47 位)
自分の思ったような展開にならず細かいミスが目立ってしまった。エリート 1 年目で壁の厚さを感じているが、しっかりと やり直して次のワールドカップに臨みたい。

畠山紗英のコメント(女子エリート 17 位)
準々決勝でスタートを出遅れてしまい、第 1 コーナーでイン側からのラインで 3 位くらいまでリカバリーしたが、雨で路面 が滑りやすいのを警戒していつもより少しアウト側に抜けたら、ほかの選手に抜かれてしまった。予選は緊張もせず、回 数を走るうちに調子が上がっていったレースだっただけに、残念な結果になってしまった。。

女子エリート17位の畠山紗英

丹野夏波のコメント(女子エリート 36 位)
予選 3 本とも思うように走れず何もできなかったレースだった。今年からエリートで気持ち的にも緊張していた部分があ った。レースの組み立て方など課題も見えているので、もっと練習を重ねていきたい。

三瓶将廣監督のコメント
男女のジュニアについては決勝進出を目標に取り組んできたので残念な結果にはなった。ただ、ジュニアの 4 人全員 が予選を通過したことは収穫だった。シーズン前半のワールドカップに取り組んできた成果が出てきていると思う。さらに レベルを上げていくために、これまで以上に経験を積ませていきたい。男女のエリートについては、日本の選手が得意と する雨でタイトなコースだったためもう少し上まで行きたかったのが正直なところ。目標は決勝進出のチャンスがある準 決勝進出に置いている。こちらについても今回の反省をフィードバックして前を向いて強化を進めたい。

日本ナショナルチーム(左より)籔田、早川、中井、畠山、長迫、丹野、増田、橋本

UCI BMXワールドチャレンジで西村寧々花が4位

ベルギーのヒュースデンゾルダー・サーキット内BMXトラックで開催されているUCI BMXワールドチャレンジ大会、UCI BMX世界選手権大会。大会3日目となる7月25日、男子の12歳から16歳、女子の14歳以上のカテゴリーが行われ、 女子15歳クラスに出場の西村寧々花(大阪府)が決勝に進出し4位に入賞した。

西村寧々花

西村は決勝の第2ストレートでのクラッシュを回避し、終盤まで3位を走行するものの、最終ストレートでニュージーランドのメーガン・ウイリアムスに差され、 惜しくも4位でフィニッシュした。前日に女子11歳クラスで7位に入賞した西村優々花は妹で、今大会は姉妹での入賞となった。

西村寧々花のコメント
ワールドチャレンジ挑戦4回目で初めてのWゼッケンを獲得できた。3位を取れなかったのは悔しかったが4位に入れてうれしい。(4位までが次のレースに進めるなかで)1/8 決勝が3位、準々決勝が3位、準決勝3位と苦しいレースが続いたが、スタートで前に出て順位を保つ走りを心がけた。

大会は26日まで年齢別カテゴリーのUCI BMXワールドチャレンジが行われ、最終日の27日にはチャンピオンシップカテゴリーによるUCI BMX世界選手権が開催される。

BMXワールドチャレンジの女子15歳クラスを走る西村寧々花

●国際自転車競技連合のホームページ