ツール・ド・シアク開幕…キナンは逃げ切りを許し残り3区間で挽回をねらう

インドネシア・スマトラ島中央部を舞台に行われる4日間のステージレース、ツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCIアジアツアー2.2)が9月18日に開幕。総距離523.17kmの戦いがスタートした。第1ステージは154.18kmで争われ、ライバルチームの選手による逃げ切りに。レース中盤にかけてメイン集団のコントロールに加わったキナンサイクリングだったが、第2ステージ以降はタイム差を挽回し総合成績で上位浮上をねらうとともに、ステージ優勝も意識して戦っていくことになる。

ツール・ド・シアク第1ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

キナンにとって、実質2018年シーズン第2ピリオドの始まりを告げる今大会。8カ国から13チームが集まったレースに、キナン勢は山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大を招集。ライバルチームの多くがスプリンターを擁するなど、ハイスピードバトルが予想されるなか、キナン勢はあらゆるレース展開に対応できるようバランス重視の布陣を敷いて臨む。

4ステージはいずれも、スマトラ島中央部のシアク市を拠点とし、スタート・フィニッシュを同市街地に設けられた。18日に実施された開幕ステージは、シアクを出発し、ダユンで折り返す52.52kmのコースをおおよそ3周回する154.18km。南北を行き来するルートがセットされた。

現地時間午後1時36分(日本時間午後3時36分)にスタートが切られたレースは、序盤にオーストラリアのセントジョージコンチネンタルチーム勢が、立て続けにアタックを成功させ、そのまま2選手の逃げが決まる。キナン勢は山本や新城らが集団前方に位置し、効果的な動きをねらったが、メイン集団全体にペースの上下が繰り返されたこともあり、先行する2人とのタイム差が広がっていく。

しばらくは1分台で推移した逃げとメイン集団とのタイム差だったが、2周回目に入って2分を超える差となったことから、ルバやガルシアが集団コントロールに参加。他のスプリンターチームとともに前を行く2人との差を縮めていく。

一時は約2分差としたメイン集団だったが、3周回目に入っても先頭2人の勢いは衰えず、やがてその差は開く一方に。結局、序盤からの逃げが決まり、最後は後続に4分以上の差をつけてフィニッシュに到達した。

逃げ切りを許したメイン集団だったが、フィニッシュを目前に動きが発生。大型橋の上りを利用して、3選手がアタック。キナン勢もチェックに動くも、合流ならず。集団の追い上げをかわした3人のうち、先着した2選手がセントジョージコンチネンタルチーム勢。結果的に1位から3位までを同チームが独占した。

キナン勢のこのステージは、新城の30位が最上位。グアルディオラが36位、山本が42位でメイン集団でのフィニッシュとなっている。

19日に行われる第2ステージは、シアクをスタートし、セイ・アピトで折り返し。シアクへと戻ってフィニッシュを迎える115.45km。追い上げる立場となったキナンは、高低の変化が少ない平坦ステージで逃げやスプリントなど、さまざまな動きに対応しながらレースを進めていくことになる。

ツール・ド・シアク第1ステージ(154.18km)結果
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 3時間18分29秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +2秒
3 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分32秒
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分33秒
5 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
6 プロジョ・ワセソ(インドネシア、ジャワ・パルティザンプロサイクリング) +4分51秒
30 新城雄大(KINAN Cycling Team)
36 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
42 山本元喜(KINAN Cycling Team)
58 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分17秒
59 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 3時間18分13秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分44秒
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
5 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
6 ディマス・セプトロ(インドネシア、BSPシアク) +5分6秒
29 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分7秒
35 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
41 山本元喜(KINAN Cycling Team)
58 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分33秒
59 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

ポイント賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 25pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 10時間1秒
10 KINAN Cycling Team +9分59秒

新城雄大

新城雄大のコメント
「序盤からのアタック合戦は想定通りで、メンバー全員が逃げにトライできる位置をキープして走っていた。ところが、セントジョージコンチネンタルの1人が先行したところで自分が追ったものの、さらにもう1人を行かせてしまうような格好になってしまった。それからは集団に待機して、スプリントに備える形をとった。終盤の3選手のアタックにも反応しきれず、その後のスプリントもポジションを下げてしまい、思うような結果には至らなかった。
久々のレースでイメージしていたような走りができず、悔しい形になってしまった。残り3ステージあるので、しっかり切り替えて、表彰台をねらって走っていきたい。

ツール・ド・シアク9月18日開幕…アジアランク上位をかけてキナン参戦

UCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチームのキナンサイクリングが9月18日にインドネシアで開幕するツール・ド・シアクに出場する。選手・スタッフは開催地インドネシアのスマトラ島入りし、レースに向けた準備を着々と進めている。

ツール・ド・シアクに参戦するキナンの5選手 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

チームは1月の2018年シーズン始動から6月までに9勝を挙げ、これまでにないハイペースで勝ち星を重ねた。主戦場であるUCIアジアツアーでは、チームランキング首位を長きにわたりキープ。トップを守るべく、ランキングに必要なポイントを伸ばしていくことがシーズン残りのテーマとなる。

キナンにとって、実質2018年シーズン第2ピリオドの幕開けのレースとなるツール・ド・シアク。全4ステージ・総距離523.17kmのレースに8カ国・13チームが招待され、タイトル獲得を目指す。キナン勢は今大会に山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大をセレクト。ライバルチームが実力派スプリンターをメンバー入りさせるなど、スピードに富んだレースとなることが予想されるなか、キナンはあらゆる展開に対応できるバランスのよい布陣を整えている。

4ステージはいずれもスマトラ島中央部のシアク市を拠点にコースが設定される。第1ステージは、52.52kmのコースをおおよそ3周回する154.18km。第2ステージはシアクからセイ・アピトまでを往復する115.45km。最長距離となる第3ステージは約80kmのコースをおおよそ2周回する161.48km。最終の第4ステージはシアク市内に設けられた約18kmのルートをほぼ5周回する92.06km。

キナンは16日、約24時間をかけて開催地へ移動。翌17日にチームプレゼンテーションに臨み、その後選手たちは最終調整を行った。

インドネシアでは8月に総合スポーツイベントであるアジア競技大会が開催され、スポーツ熱が高まる中でのレース開催。開催地シアクはもとより、国を挙げた今大会の盛り上げに期待がふくらんでいる。

ツール・ド・シアク2018(UCIアジアツアー2.2)
●出場選手
山本元喜(Genki YAMAMOTO)
マルコス・ガルシア(Marcos GARCIA)
サルバドール・グアルディオラ(Salvador GUARDIOLA)
トマ・ルバ(Thomas LEBAS)
新城雄大(Yudai ARASHIRO)

●レーススケジュール
9月18日 第1ステージ シアク(Siak)-ダユン(Dayun)-シアク 154.18km
9月19日 第2ステージ シアク-セイ・アピト(Sei Apit)-シアク 115.45km
9月20日 第3ステージ シアク-ダユン-ブアタン(Buatan)-シアク 161.48km
9月21日 第4ステージ シアクシティ(Siak City) 92.06km

キナンの山本元喜、新城雄大らがツール・ド・シアクに参戦

キナンサイクリングが9月18日から21日までインドネシアで開催されるツール・ド・シアクで2018年第2ピリオドを本格始動させる。

ツール・ド・シアクに参戦するキナンの5選手

インドネシア西部のスマトラ島に位置するリアウ州シアク県を舞台とする4日間・総距離522.9kmのステージレース。いずれのステージもシアク市を拠点にコースが設定されている。2017年まではアマチュアレースとして行われてきた大会だが、今回からUCI(国際自転車競技連合)公認の国際大会に昇格。8カ国・13チームがエントリー。メンバーは各チーム5名で編成される。

キナンはこの大会に山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大をセレクト。新城をのぞく4選手は9月7〜9日に開催予定だったツール・ド・北海道にエントリーしていたが、開幕前日に起きた北海道胆振東部地震により大会が中止。滞在していた旭川市も停電や断水といった地震の影響があったものの、ライフラインの復旧状況に合わせながらトレーニングを再開。新城を含め、今大会に向けた調整は順調に進めている。

チームは9月10日に発表された最新のUCIアジアツアーチームランキングで2位。首位チームとは5点差であることから、この大会の結果によってはトップに浮上する可能性がある。

キナンにとっての2018年シーズンの第2ピリオド(後半戦)がいよいよ本格化するが、同ランキングでの1位獲得と、この先に控えるビッグレースでのタイトル奪取を目指して取り組んでいく。この大会はその足がかりとすべく好結果を求めてレースへと挑む。

遠征メンバーは15日に集合し、翌日のフライトで開催地入り。18日からのレースに備える。インドネシアでは8月下旬から9月上旬にかけてアジア競技大会が開催され、それを受けてスポーツ熱が高まる中でのレース開催に期待がふくらむ。

ツール・ド・シアク2018
9月18日 第1ステージ シアク(Siak)-ダユン(Dayun) 154.18km
9月19日 第2ステージ シアク-セイ・アピト(Sei Apit) 115.18km
9月20日 第3ステージ シアク-シアク 161.48km
9月21日 第4ステージ シアクシティ(Siak City) 92.06km

キナンが選手とスタッフの無事を報告…水や食糧を確保し待機

キナンサイクリングが出場を予定していたツール・ド・北海道2018が、9月6日未明に発生した北海道胆振地方東部を震源とする地震の影響で中止となった。レースに備えて旭川市内に滞在していた選手・スタッフのほか、現地入りができない状況となった一部スタッフを含め全員の無事を確認している。選手たちはトレーニング実施を自粛し、水や食料の確保を最優先しながら旭川市内に待機をしている。

9月6日午後に行われたマネージャーミーティング終了後の様子 ©︎KINAN Cycling Team

同7〜9日に開催が予定されていた大会だが、開幕地である旭川市も震度4の揺れを感じ、停電や断水に見舞われた。6日午後の時点で完全復旧のめどは立っていない。また、北海道内各地で建物の倒壊や火災、死傷者や行方不明者の発生、道路の分断などの被害が出ていて、関係機関が対応に追われている状況。

こうしたことから、大会主催者と関係各所とが協議を行い、道路の安全確保が困難と判断。同日午前に中止することが決定した。ツール・ド・北海道32回の歴史で中止は初めてのこと。

同日午後には監督・チームスタッフを対象としたミーティングが行われ、開催中止の経緯や今後の対応について説明・確認が行われた。今後については、関係各所からの指示を仰ぎながら対応する見通し。

「このたびは大変ご心配をおかけしております。チーム一同、突然の出来事に驚いておりますが、被災状況の一刻も早い復旧を願いながら過ごしてまいります」と同チーム。

ツール・ド・北海道連覇をねらうキナンがベストメンバーを発表

9月7日から9日まで北海道で開催されるツール・ド・北海道2018に、キナンサイクリングの5選手が出場する。2017年はマルコス・ガルシアが最終日の山頂フィニッシュを制して個人総合優勝。チームに初めて国内4大ツアーのタイトルをもたらした相性のいい大会。今回はチームとして総合2連覇をねらい、ベストメンバーで本番へと挑む。

ツール・ド・北海道に出場するキナンサイクリングの5選手

ツール・ド・北海道はツール・ド・とちぎ(3月)、ツアー・オブ・ジャパン(5月)、ツール・ド・熊野(5〜6月)とならび国内4大ツールの1つに位置付けられいる。UCI公認の国際レースで、カテゴリーはUCIアジアツアー2.2クラスとなる。大会は開催32回目にして初めて大雪山を一周するルートが設定された。北海道の中央部をめぐる全3ステージ・総走行距離536kmの戦いに、7カ国・21チームが出場する。

3つのステージはいずれも厳しい山岳区間を行き、ダウンヒルを経てのフィニッシュ。今回の最長距離である185kmの第1ステージは前半に十勝岳の山岳ポイントが待つほか、終盤の狩勝峠が勝負のポイントになる。174kmの第2ステージは三国峠と石北峠を立て続けに越えたのちにフィニッシュへと下るルート。177kmの第3ステージは中盤の北見峠を越えた後はフィニッシュへ向かって、スピード感に富んだレース展開が予想される。大会の最高標高地点は第2ステージで走る三国峠の1137m。

メンバーは1チーム5名で編成され、キナンは山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、中島康晴を選出。チームは8月下旬から今大会のレースコースをメインにトレーニングキャンプを実施。これに8人の候補選手が参加し、コース適性などを考慮して最終的に5選手をセレクト。山岳に強いガルシア、グアルディオラ、ルバ、逃げや要所でのアタックでレースを動かす山本、スピード勝負を得意とする中島とあらゆる展開に対応できる選手たちをそろえた。

ツール・ド・北海道2018
9月7日 第1ステージ 旭川市-新得町 185km
9月8日 第2ステージ 帯広市-北見市 174km
9月9日 第3ステージ 北見市-当麻町 177km

ツール・ド・北海道2018の公式ホームページ

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キナンがツール・ド・北海道出場候補を発表…最終的にキャンプで選考

キナンサイクリングが9月7日から9日まで北海道で開催されるツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)に臨むロングリスト(出場候補選手)を明らかにした。8選手は8月27日から9月3日までの日程で、北海道内でのトレーニングキャンプを実施。レースコースの試走も行い、各選手のコース適性を見極めながら大会に臨む5人のメンバーを選考していく。

©︎KINAN Cycling Team

ツール・ド・北海道は3月に開催されるツール・ド・とちぎ(UCI2.2)、5月に開催されるツアー・オブ・ジャパン(UCI2.1)、6月に開催されるツール・ド・熊野(UCI2.2)とならび、日本国内で開催される国際自転車競技連合(UCI)公認の国際ステージレース。これらを「国内4大ツアー」とし、日本の多くのチーム・選手はシーズンの重要レースとして位置付けている。

2018年で32回目を迎える大会は、北海道中央部の大雪山を3日間かけておおよそ1周するルートが採用された。9月7日に旭川市で開幕し、9日に同市近郊の当麻町でフィナーレとなる、総距離536kmで争われる。

今回は3ステージともに大雪山系の険しい山々を通過した後に、フィニッシュめがけてのダウンヒルが待ち受ける。勝負の観点からはクライマーはもとより、レース終盤のスピード勝負となればスプリント力のある選手にもチャンスがめぐってくる可能性のあるルート設定となっている。それを受けてキナンは候補選手として8選手をセレクト。前回大会覇者のマルコス・ガルシアや、日本チャンピオンジャージを着用する山本元喜など、あらゆるレース展開を想定してのリストアップとなった。

チームとして2017年に続く個人総合2連覇を目指して、準備のペースを上げている。キャンプ期間中はチーム公式WEBで各日レポートを掲載する予定。

KINAN Cycling Team ツール・ド・北海道2018 ロングリスト
山本元喜
中西健児
マルコス・ガルシア
サルバドール・グアルディオラ
雨乞竜己
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大

ツール・ド・北海道の公式サイト

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