全日本選手権個人タイムトライアルへ向け準備万端…タイトル獲得に山本兄弟が挑戦

2018年の個人タイムトライアル日本チャンピオンを決める、全日本選手権自転車競技大会ロード・タイムトライアルが6月17日、石川県志賀町にて開催される。キナンサイクリングからは山本元喜と大喜の兄弟が参戦。エリートとアンダー23とカテゴリーを分けての出走となるが、それぞれこの種目の日本チャンピオンジャージ獲得を目指して走る。

選手・スタッフは大会2日前の15日に開催地入り。到着早々に選手2人は試走を兼ねたトレーニングへと出発し、コースの雰囲気を確かめた。そのなかで選手たちが念入りにチェックを繰り返したのが「周回中盤のアップダウン区間」。あらかじめ発表されていた高低図だけでは実感できない急坂やテクニカルな下りがあり、2人はともにアップダウンで攻められるよう、いかにレース全体でペースを配分できるかをポイントに掲げる。

そのコースは1周13.1km。おおよそ南北に往復するルートで、レース当日の天候や風向きも結果に反映される可能性が高い。いずれにしても、各選手の走力やテクニックがモノをいうコースといえそうだ。

そして、レース前日の16日もコースに出ての最終調整。各選手ともに約1時間、無理のないペースで走り、バイク上でのポジションの確認や脚の調子を確かめている。

今回は3周回・39.3kmで争われる男子エリートに元喜が、2周回・26.2kmの男子アンダー23に大喜が出場。当日は男子アンダー23が先に行われ、大喜が第2ウェーブからの出走。午前10時31分、最後から5人目としてスタートする。男子エリートの元喜は、第2ウェーブの最終走者として午後1時49分にスタート。カテゴリー全体では最後から9人目での出発となる。

出場両選手とも、シーズン当初から目標にすえてきた今大会。高いモチベーションでレース当日を迎える。そしてキナンとしても2015年のチーム発足以来初となる日本チャンピオンの輩出に向けて、選手・スタッフ総力を挙げて戦う。

全日本選手権自転車競技大会ロード・タイムトライアル
キナンサイクリング所属選手の出走時刻

●男子アンダー23(26.2km、9:40競技開始)
10:31:00 山本大喜

●男子エリート(39.3km、12:40競技開始)
13:49:00 山本元喜

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KINAN AACA CUP第6戦に塚本一樹、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大

KINAN AACA CUP 2018 第6戦が6月16日に三重県いなべ市の梅林公園にて行われ、ホスト役のキナンサイクリングから塚本一樹、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大が出場する。KINAN AACA CUPは、東海地区のレースレベル向上と選手のスキルアップを目的に行われているシリーズ戦。

KINAN AACA CUP 2018 第6戦に出場するキナンの5選手

同シリーズはキナンがホスト役を務めるだけでなく、プロ・アマはもとより、年齢・性別を問わず混走する点も大きな特徴として挙げられる。今節は最上級カテゴリーの1-1から1-4までの4クラスのレースを実施。選手ひとり一人の目的やスキルに合わせて参戦することができるように運営されている。

6月16日の第6戦は、ツアー・オブ・ジャパンいなべステージのメイン会場でもある三重県いなべ市・梅林公園内の特設コースで行われる。 1周1.5kmのサーキットコースを設定し、クリテリウムでレースは実施される。とはいえコースはアップダウンの繰り返し。急坂や長く続く上り基調の区間もあり、コースを攻略するにはスピードと登坂力をともに兼ね備えていることが条件となる。

30周回・45kmで争われる1-1カテゴリーには、ホストチームのキナンから塚本らの5人がエントリー。勝負はもとより、翌週に控えた全日本選手権ロードレースへ向けた脚試しとして大きな意味合いを持つ一戦となる。

また、レースのほかにもキナンチームの選手とともにレースコースを走行できる「キッズラン」、ファンサービスなどさまざまな催しも予定している。

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全日本選手権個人タイムトライアルに山本兄弟が出場…日本チャンピオン獲得を目指す

日本チャンピオンを決める戦いが6月17日から始まる。全日本選手権個人タイムトライアルが石川県・能登半島の中央部の志賀町で開催され、キナンサイクリングから山本元喜と大喜の兄弟が出場する。

1周13.1kmのサーキットを舞台に、カテゴリーごとに周回数・距離を変動させて国内タイトルを争う。サーキットコースはおおよそ南北に往復するルート。周回中盤にかけてアップダウンがあり、この区間でいかにペースを保てるかが勝負を左右すると考えられる。

元喜は男子エリートに、大喜は男子アンダー23にそれぞれエントリー。エリートはサーキットを3周回する39.3km、アンダー23は2周回する26.2kmで競う。ともにシーズンイン前からこの大会へ照準を定め、準備を進めてきた。チームとしていまだ実現していない日本チャンピオンジャージの獲得に今回はこの2選手がチャレンジする。

全日本選手権自転車競技大会 ロードタイムトライアル

男子エリート個人タイムトライアル 13.1km×3周回 39.3km
男子アンダー23個人タイムトライアル 13.1km×2周回 26.2km

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20回記念のツール・ド・熊野開幕…キナンが総合Vに向けてスタート

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雨乞竜己が区間5位と手応えつかむ好スプリント…ツール・ド・コリア最終ステージ

キナンサイクリングが参戦しているツール・ド・コリアは6月3日、韓国の首都ソウル市街を駆ける最終ステージが争われ、雨乞竜己が集団スプリントで5位に入る活躍を見せた。惜しくも表彰台を逃したが、今後に向けての課題と確かな手応えをつかんだ。また、ジャイ・クロフォードはトップと同タイムでフィニッシュし、個人総合20位でUCIポイント3点を獲得した。

ツール・ド・コリア第5ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Naoi HIRASAWA

1988年ソウル五輪のために作られたオリンピック公園をレース会場、スタート・フィニッシュ地点とする65.0kmのレース。40kmほどのラインレースの後に、1周5kmのオリンピック公園外周を約5周する平坦なコースレイアウト。スプリントはフィニッシュの4周前と2周前に設定された。会場にさまざまなブースが出展されることもあり、大会で最も多くの観客が集まる注目のステージだ。

キナンの最終日の目標は、雨乞がスプリントでステージ上位をねらうことと、総合20位のクロフォードがスプリントポイントでボーナスタイムを獲得し総合順位を上げること。中西にはそのアシストとして動くことが求められた。レース開始が近づくと、クロフォードが早めにスタート地点に現れ、隊列の前方に位置取り。ボーナスタイム獲得への強い意思を感じさせた。レースがスタートすると、雨乞は集団後方で温存し、クロフォードと中西はアタックに備えた。

アタックがかかるも逃げが決まらない展開が続いたが、残り29kmでクロフォードがアタック。短い上りを利用して集団から飛び出し、追ってきた数人の選手とペースアップを図った。しかし、この動きは集団に飲み込まれ、続いて中西も逃げに入ろうと試みたがこれも不発に終わった。逃げが決まらないまま集団は周回コースに突入。2度のスプリントポイントでクロフォードが上位に入ることはできず、キナン勢は雨乞のスプリントへと気持ちを切り替えた。

集団後方に控えていた雨乞は、残り2周をきると徐々に前方へとポジションを上げていった。こうした集団内での動きは雨乞の得意とするところ。途中で中西のアシストを受け脚を休めながら、最後は10番手あたりで最終コーナーを回った。

好感触でスプリントに臨み数名を抜き去りながらフィニッシュラインに迫ったが、優勝争いにはわずかに届かず5位。優勝はチームUKYOのレイモンド・クレダー(オランダ)だった。雨乞は最高の成績は残せなかったものの、落ち着いたレース運びから脚を残した状態でスプリントに参加し、勝負できたことで大きな手応えをつかむレースとなった。

クロフォードも集団内で危なげなくフィニッシュし、ジャンプアップこそならなかったが個人総合20位を守り抜いた。前日逃げた疲れが残るなかアシストに奮闘した中西は、トップと同タイムの59位となった。

キナンにとっては第1、2ステージと落車リタイアが続いたが、中西が第4ステージで逃げに乗り、厳しい山岳を乗り越えた雨乞が最終ステージで上位進出。クロフォードがUCIポイントを獲得と、3選手それぞれが役割を果たし、成果を残した大会となった。(Text:平澤尚威)

ツール・ド・コリア第5ステージ結果(65.0km)
1 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) 1時間21分5秒
2 ミヒケル・レイム(エストニア、イスラエル サイクリングアカデミー) +0秒
3 セオ・ジュンヨン(韓国、KSPO ビアンキ アジアプロサイクリング)
4 ルーカス・セバスティアン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム) 
5 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 
6 ルカ・パチオーニ(イタリア、ウィリエール トリエスティーナ・セッレイタリア) 
36 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 
59 中西健児(KINAN Cycling Team) 

個人総合時間
1 セルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム) 18時間59分37秒
2 ステパン・アスタフィエフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナ モータース) +28秒
3 マッテオ・ブザート(イタリア、ウィリエール トリエスティーナ・セッレイタリア) +37秒
4 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌ サイクリングチーム) +43秒
5 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +1分41秒
6 ベン・ペリー(カナダ、イスラエル サイクリングアカデミー) +1分42秒
20 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +2分0秒
47 中西健児(KINAN Cycling Team) +19分54秒
87 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +1時間2分52秒

ポイント賞
1 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) 63pts
22 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 11pts
32 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 3pts

山岳賞
1 クォン・スンヨン(韓国、KSPO ビアンキ アジアプロサイクリング) 20pts
20 中西健児(KINAN Cycling Team) 1pts

チーム総合
1 ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム 57時間3分5秒
16 KINAN Cycling Team +1時間20分32秒

ジャイ・クロフォード

ジャイ・クロフォードのコメント
今日の雨乞のリザルトはとてもよかった。彼はとてもいいスプリンターだ。いい結果を残せば自信を得て、もっといいスプリントができるようになる。今日は雨乞にとってのファーストステップ。大会中、落車などがあったが、今日のレースはチームにとってとてもポジティブだ。総合ジャンプアップのため何度かアタックしようと思ったが、毎回他のチームが追ってきたので難しかった。今日は“スーパーファスト”なステージだった。次のレースでは勝ちたいので見ていてほしい。総合20位はものすごいリザルトというわけではないし、もっといい成績残したかったが、いまのコンディションに戻れたことをうれしく思う。退院してから短い時間しかトレーニングできず、パワーが落ちていたが、すぐにカムバックできたから。

中西健児

中西健児のコメント
今日走ってみたら、昨日の逃げの疲れが残っているのを感じた。ジャイさんの逃げにつなげられるように、カウンターのアタックに付いていってみたが、その一発で終わってしまった。ただ、雨乞さんが上がろうとしたところで風よけになれた。そういうアシストは今まであまりやったことがなかったので、違うことができたのはよかったと思う。今大会は去年よりコースが厳しくなり、総合系の選手が増えて難しいレースだったが、自分の感触としては前よりもよく走れた。今回の経験を次のレースに活かせればと思う。ハイレベルななかでレースできてよかった。

雨乞竜己

雨乞竜己のコメント
去年出場してどんなレースかわかっているので、終盤までは集団後方にいて残り7kmくらいから上がっていった。脚を使わずに前に行けて、(中西)健児が風を浴びそうなところで来てくれて、数秒から十数秒だったが風よけになってくれて助かった。そこからは集団の中を縫っていった。最後まで脚を使わなかったのは初めてで、自信をもって臨めたので、スプリントはいい感触だった。ただ、勝つにはもっと力が必要だった。今大会は去年より厳しいコースで、第1ステージは逃げ切りが決まってしまったので、大集団のスプリントになる時は必ず絡んでいかなければという戒めになった。スプリントは少なかったのでできることは限られていたが、それぞれができることはやったと思う。ジャイさんがリーダーシップをとってくれて、レースでも精神的にも助けになった。

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トマ・ルバが意地の逃げで区間2位…ツール・ド・熊野最終ステージ

第20回ツール・ド・熊野は6月3日、第3ステージをもって閉幕。4日間にわたる世界遺産・熊野路での戦いに終止符が打たれた。この大会にシーズン最大目標として挑んだキナンサイクリングは、個人総合でサルバドール・グアルディオラの5位がチーム最上位。長年の悲願である、個人総合優勝は次回へ持ち越しとなった。最終の第3ステージでトマ・ルバが前日の遅れの雪辱を期してアタック。勝利こそ逃したものの、意地を見せてステージ2位で大会を締めくくった。

ツール・ド・熊野第3ステージを走るトマ・ルバ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日の第2ステージでキナンはグアルディオラがステージ5位。個人総合でも5位につけ、最終日を迎えることとなった。熊野の山々をめぐった戦いは、前々日の第1ステージがコース内トンネルでのフェンス倒壊によるレースキャンセルも関係してか、例年以上にサバイバルなものになった。

最終ステージを迎える段階で、個人総合でチーム最上位のグアルディオラは総合タイム差45秒。8位に続くマルコス・ガルシアは57秒差。個人総合上位9人が1分以内にひしめく大接戦だが、キナンとしてはグアルディオラとガルシアを軸にレースを組み立てていくことになる。

最終の第3ステージは、クジラを目玉とする観光振興で知られる太地半島をめぐる1周10.5kmのサーキット。これまで採用されてきた対面通行区間が廃止され、わずかな距離ながら国道42号線を通過する新ルートでのレースとなった。それでもコースの注目ポイントは変わらず、太地港からの上りや、テクニカルなコーナーが待ち受けるダウンヒルなど、細かい変化に富んだルート設定。全10周回、104.3km(パレード区間は含まず)のレースは、有力チームが真っ向からぶつかり合うレースとなることが予想された。

その通り、スタート直後からアタックの応酬。力のある選手たちが自ら動くような状況となるが、1周目の終盤にガルシアが抜け出す。すぐに2人逃げとなり、メイン集団に対し徐々にその差を広げていく。しかし、両者のスピードが合わなかったこともあり、いったん集団へと戻り、新たな展開を模索することとなる。プロトン(大集団)は再びアタックの応酬が始まった。

3周目に、上りを利用して数人が次々とアタック。ガルシアが再び前方に入り、9人の逃げグループを形成する。さらに4周目にルバがアタック。これに続いた選手たちが追走態勢となり、逃げグループに合流。最大で20人を超える先頭集団となる。次の周回では、1名のアタックに反応しルバが加わり、集団との差を広げていく。

6周目にこれら状況が一変。個人総合首位でこの日を迎えた入部正太朗(シマノレーシング)が後退。これを見たチームUKYOのアシスト陣がペースを上げ、ルバたちをキャッチ。再び20人以上がレースを先行する状況へと変わった。この間、中島康晴やガルシアが前方をうかがう動きを見せたが、逃げを決めるまでには至らない。

出入りが激しいレースの均衡を破ったのはルバのアタックだった。前日の第2ステージでチェーントラブルがあり、最終的に15分以上遅れてフィニッシュ。総合争いに関係していないことから、集団がルバの動きを容認。その後、追走を試みた佐野淳哉(マトリックスパワータグ)がルバに追いつき、2人がフィニッシュに向けて先を急ぐことになった。

ルバと佐野はともにステージ優勝にフォーカスし、協調体制を組んで後続とのリードを保つ。最終周回に入る時点で、追走とは約30秒、さらに約30秒離れてメイン集団が続いた。

ハイペースを維持したルバらはそのままトップをキープ。その流れでステージ優勝をかけたマッチアップへ。フィニッシュまで残り1kmを切るとルバが前に出て、佐野が背後につく。そして残り200m、佐野が加速すると、ルバも懸命に追ったが届かず、ステージ2位で終えた。あと一歩、本拠地・熊野地域のファンの前での勝利に届かなかったルバだったが、前日の悔しさをこのレースにぶつける意地を見せた。

総合上位陣を含むメイン集団はルバたちから約20秒差でフィニッシュへ。グアルディオラとガルシアはこの中でステージを終了。さらに中島と新城雄大もレースを終えており、チームは5選手が完走。山本元喜はこのステージ途中でバイクを降りている。これらの結果を受けて、個人総合時間賞ではグアルディオラが5位をキープ。ガルシアも8位で続き、トップ10に2人を送り込んだ。また、山岳賞ではガルシアが2位、チーム総合はルバの逃げ切りによってタイム差を縮めたものの、トップまでは届かず2位だった。

第20回の記念大会として行われた2018年のツール・ド・熊野。キナンは個人総合優勝者の輩出を至上命題として臨んだがかなわず、その夢は2019年へとつなぐこととなった。厳しいメンバー先行の末に出走した選手たちは、一様にレース結果とその内容に悔しがる姿を見せたが、その思いを糧に1年後の再チャレンジを目指していくことになる。

大会はインターネットによるライブ配信がこれまで以上に精度アップしたことや、現地ではレース終了後恒例の「餅投げ」といったイベントで選手とのふれあいを楽しめるなど、ツール・ド・熊野ならではの魅力が詰まった4日間だった。また、熱い応援はもとより、主催の「SPORTS PRODUCE 熊野」をはじめ、地元の人々による運営や大会成功に向けた尽力も、選手・スタッフを盛り立てる原動力となった。

チームはツアー・オブ・ジャパン、そしてツール・ド・熊野とビッグレースを立て続け手に戦ってきたが、すぐに次の目標に向かって進む。そしてその先に2019年のツール・ド・熊野があることを強く意識しながら、レース活動に力を注いでいくことになる。

ツール・ド・熊野 第3ステージ結果(104.3km)
1 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) 2時間35分39秒
2 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +2秒
3 チェン・キンロ(香港、HKSIプロサイクリングチーム) +12秒
4 ライアン・キャバナ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +24秒
5 黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム)
6 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
15 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +26秒
16 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
17 中島康晴(KINAN Cycling Team) +2分30秒
30 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分33秒
DNF 山本元喜(KINAN Cycling Team)

個人総合時間賞
1 マーク・デマール(オランダ、チームUKYO) 5時間22分47秒
2 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +18秒
3 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +35秒
4 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
5 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +38秒
6 マーカス・カリー(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +39秒
8 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +50秒
16 中島康晴(KINAN Cycling Team) +5分59秒
23 新城雄大(KINAN Cycling Team) +10分59秒
29 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +15分2秒

ポイント賞
1 マーク・デマール(オランダ、チームUKYO) 29pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 23pts
13 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 13pts
16 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 8pts

山岳賞
1 マーク・デマール(オランダ、チームUKYO) 24pts
2 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 12pts
6 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 3pts
7 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 1pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 8時間24分51秒
2 KINAN Cycling Team +15秒

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
力の限りを尽くした。本当は最終周回に佐野(淳哉)選手を引き離したかったのだけれど、それができなかった。スプリントでは彼の方が力があるし、この結果は仕方がない。その前日は悔しいレースになったが、もう一度トライすることができ、チームとしてよい走りができたと思う。先週(ツアー・オブ・ジャパン)と違って、今回は苦戦を強いられたが、これもレースとして受け入れるしかない。来年こそは勝ってみせるよ!

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中西健児が100km逃げで存在をアピール…ツール・ド・コリア第4ステージ

キナンサイクリングが出場しているツール・ド・コリアは6月2日、第4ステージが旌善から忠州までの137.0kmで争われ、中西健児が100kmにわたって逃げ続け存在感をアピール。ジャイ・クロフォードはメイン集団でフィニッシュして総合順位を20位とした。キナンは翌日にソウルで開かれる最終第5ステージで、ステージ・総合でのUCIポイント獲得を目指す。

ツール・ド・コリア第4ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Naoi HIRASAWA

韓国の東部に位置する高原地帯、旌善から南西に進路を取り、内陸部の都市・忠州へ向かうステージ。周回コースを使用する最終ステージ(65.0km)を除けば、今大会で最も短いラインレースとなった。山間部を進むコースだが、長短のアップダウンが絶え間なく続いた第2、3ステージに比べると平坦区間の多いプロフィールだ。

レース開始直後はなかなか逃げが決まらない展開だったが、28.6km地点のスプリントポイントを通過した直後にアタックがあり、中西がこれに反応。前日のチームミーティングで、チャンスがあれば逃げにトライしたいと話していた中西が、ねらい通りの動きを見せた。

このアタックで抜け出した6人が徐々にリードを広げ、さらにブリッジをかけた選手が合流。総合リーダーのセルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア)を擁するユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチームがメイン集団のコントロールを始め、7人の逃げ集団が容認された。中西は終盤に向けて脚を貯め、クロフォードと雨乞竜己はメイン集団内でレースを展開。前日はグルぺットで上りを越えた雨乞も、この日はメイン集団内の前方をキープし上りをこなしていった。

順調に逃げ続けた中西らの集団は、残り37km地点から始まるこのステージ唯一のカテゴリー山岳に、約3分半のリードをもって突入。上りに入ると同時に遅れる選手もいたが、中西は登坂力を活かし先頭集団内で頂上を目指した。先頭をキープしたい中西だったが、KOMを前に引き離され4位で頂上を通過。下りで前後の選手と合流し、追走を試みた。単独先頭に立ったのはジョセフ・コッパー(ニュージーランド、ベネロング スイスウェルネス サイクリングチーム)。4人で追走する中西らを寄せ付けず、メイン集団との差を3分以上キープしながら独走を続けた。

コッパーは追走集団もメイン集団も寄せ付けず、逃げ切りをほぼ確定的に。逆に追走にはメイン集団が迫っていた。表彰台をねらっていた中西だったが、残り約1.5kmで集団に吸収され逃げ切りならず。コッパーは独走勝利、メイン集団は2位争いとなった。

クロフォードはトップから2分30秒差、2位争いのメイン集団内でフィニッシュ。総合順位を順位を1つ上げて20位とした。中西は集団に捕まってからはゆっくりとフィニッシュ地点に戻り、4分38秒遅れの82位に。沿道の観客にボトルをプレゼントするファンサービスで歓声を浴びながら、逃げ切り目前に迫った価値あるレースを終えた。雨乞は残り15kmほどの最後の上りで遅れてしまったが、8分55秒遅れの83位でフィニッシュ。上りに耐え、スプリンター向けの最終ステージへ駒を進めた。

翌日はオリンピックパークをスタート・フィニッシュ地点にソウル市内を駆ける最終ステージ。ほぼ平坦のレイアウトで、最後はオリンピックパーク外周約5kmの周回コースを4周してフィニッシュする。キナンはUCIポイント圏内のジャイの総合成績、スプリンターの雨乞の上位進出を目指してコリアでの最終日に挑む。(Text:平澤尚威)

ツール・ド・コリア第4ステージ結果(137.0km)
1 ジョセフ・クーパー(ニュージーランド、ベネロング スイスウェルネス サイクリングチーム) 3時間12分36秒
2 ルカ・パチオーニ(イタリア、ウィリエール トリエスティーナ・セッレイタリア) +2分30秒
3 パク・ソンベク(韓国、KSPO ビアンキ アジアプロサイクリング) +2分30秒
4 ルーカス・セバスティアン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム) +2分30秒
5 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +2分30秒
6 キム・ジョソク(韓国、ガーピョン サイクリングチーム) +2分30秒
31 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +2分30秒
82 中西健児(KINAN Cycling Team) +4分38秒
83 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +8分55秒

個人総合時間
1 セルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム) 17時間38分32秒
2 ステパン・アスタフィエフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナ モータース) +28秒
3 マッテオ・ブザート(イタリア、ウィリエール トリエスティーナ・セッレイタリア) +37秒
4 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌ サイクリングチーム) +43秒
5 ベン・ペリー(カナダ、イスラエル サイクリングアカデミー) +1分42秒
6 ミヒケル・レイム(エストニア、イスラエル サイクリングアカデミー) +1分50秒
20 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +2分0秒
47 中西健児(KINAN Cycling Team) +19分54秒
88 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +1時間2分52秒

ポイント賞
1 ルーカス・セバスティアン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム) 46pts
28 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 3pts

山岳賞
1 クォン・スンヨン(韓国、KSPO ビアンキ アジアプロサイクリング) 20pts
20 中西健児(KINAN Cycling Team) 1pts

チーム総合
1 ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルサイクリングチーム 52時間59分50秒
14 KINAN Cycling Team +1時間20分32秒

中西健児

中西健児のコメント
逃げが決まった時は、スプリントポイントを越えたあたりでペースが緩んで、何人か逃げているのが見えたのでブリッジをかけた。タイム差が開いてからは、終盤に勝負がかかるところで遅れないように脚を貯めることを考えていた。終盤、勝った選手とは1分差開いたけれど、4人でゴールまで行って上位3人に入れればと粘りながら走っていた。ラスト1.5kmくらいで集団につかまってしまった。UCI1クラスで逃げに入れたことはこれまでなかったので、それはよかったのかなと思う。けっこう大きなチャンスだったと思うが、どうやったら逃げられるかが今日わかったので、次のチャンスを掴めるようにやっていきたい。

雨乞竜己

雨乞竜己のコメント
最終ステージに3人残ったし狙うしかない。また中西選手の逃げが見られると思います(笑)。昨年の最終ステージを走った印象は“クレイジー”。みんなが狙っていると思うが、去年走った経験やそこからの1年で培ったものをぶつけたい。

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