新城幸也のチームエース、ランダが骨折リタイア…ジロ・デ・イタリア第5S

第104回ジロ・デ・イタリアは5月12日、モデナ〜カットーリカ間の177kmで第5ステージが行われ、ロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)がゴール勝負でケベカアソスのジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)を制して優勝した。2年ぶり4勝目。

チーム賞1位で登壇した新城幸也(右端)らバーレーンビクトリアスだが、ミケル・ランダの負傷リタイアに笑顔なし ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

前日に首位に立ったイスラエルスタートアップネーションのアレッサンドロ・デマルキ(イタリア)がその座を守った。22秒遅れの総合2位、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(米国、UAEエミレーツ)は残り4km地点で発生した落車に巻き込まれて遅れ、総合成績を大きく落した。

カレブ・ユアン(右)がジャコモ・ニッツォーロ(左)を制して優勝 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

新城幸也が所属するバーレーンビクトリアスでも、総合成績の上位がねらえる好位置につけたミケル・ランダ(スペイン)が落車骨折でリタイア。エース寄り添ってしばらく待機した新城は制限時間内ながら区間177位でゴールした。

2021ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2021ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2021ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエルスタートアップネーション)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ケベカアソス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジョセフロイド・ドンブロウスキー(米国、UAEエミレーツ)
□マリアビアンカ(新人賞) アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)

山岳ジャージを着るジョセフロイド・ドンブロウスキーも落車で傷つく ©Marco Alpozzi/LaPresse

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ドンブロウスキーV、デマルキ首位…ジロ・デ・イタリア第4S

第104回ジロ・デ・イタリアは5月11日、ピアチェンツァ〜セストラ間の187kmで第4ステージが行われ、UAEエミレーツのジョセフロイド・ドンブロウスキー(米国)が独走で初優勝。13秒遅れの区間2位に入ったイスラエルスタートアップネーションのアレッサンドロ・デマルキ(イタリア)が首位に立った。

ジョセフロイド・ドンブロウスキーがジロ・デ・イタリア第4ステージ優勝 ©LaPresse

「とてもハードなステージだった。逃げ切れるとは思っていなかったが、先頭集団のボクたちがメイン集団に6、7分差をつけていることを聞いて、自分自身を信じることにした。最後の坂でアタックをして、優勝をものにできた」とドンブロウスキー。

2021ジロ・デ・イタリア第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「だれにも言っていなかったけど、2日前からマリアローザを取ることを考えていた。今日はいい判断ができた。ラッキーが手助けしてくれたかも知れない。マリアローザは子どものころからの夢だった。とりわけイタリア人にとってはね」と、34歳にして初めてマリアローザを獲得したデマルキ。

ミケル・ランダがエガン・ベルナルやジュリオ・チッコーネの様子をうかがう ©Fabio Ferrari/LaPresse

大会最初の山岳ステージは総合優勝を争うエース選手の動きも積極的だった。イネオス・グレナディアスのエガン・ベルナル(コロンビア)、アスタナ・プレミアテックのアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)、バーレーンビクトリアスのミケル・ランダ(スペイン)、EFエデュケーションNIPPOのヒュー・カーシー(英国)が抜け出し、ドゥークニンク・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)、DSMのロマン・バルデ(フランス)、バイクエクスチェンジのサイモン・イェーツ(英国)、イスラエルスタートアップネーションのダニエル・マーティン(アイルランド)に11秒差をつけた。

トレック・セガフレードのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア)は34秒遅れ。2020年に活躍したDSMのジェイ・ヒンドレー(オーストラリア)とドゥークニンク・クイックステップのホアン・アルメイダ(ポルトガル)は4分以上遅れた。

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエルスタートアップネーション)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジョセフロイド・ドンブロウスキー(米国、UAEエミレーツ)
□マリアビアンカ(新人賞) アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)

アレッサンドロ・デマルキがマリアローザ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

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ファンデルホールン逃げ切り…ジロ・デ・イタリア第3S

第104回ジロ・デ・イタリアは5月10日、ビエッラ〜カナーレ間の190kmで第3ステージが行われ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオのタコ・ファンデルホールン(オランダ)が優勝した。

タコ・ファンデルホールンが単独でゴールを目指す ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合成績では初日に首位に立ったイネオス・グレナディアスのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がその座を守り、マリアローザを堅持した。

2021ジロ・デ・イタリア第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ファンデルホールンは8人の第1集団としてレースを先行し、ただ一人ゴールまで逃げ切った。ジロ・デ・イタリア初勝利。オランダ勢はこれで通算29勝目で、コロンビアと並んだ。

「集団が4秒差まで詰めていたなんて知らなかった。最後の100mで勝利を味わうことに集中していたからだと思う」とファンデルホールン。

「この勝利は移籍したチームにとって大きなものだと思う。ユンボ・ビスマ時代の過去2年間はワウト・ファンアールトやディラン・フルーネウェーヘンのためにアシストに徹していた。こうしてチームが自由に走れるチャンスを与えてくれ、それに応えることができた」

2021ジロ・デ・イタリア第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
ビンチェンツォ・アルバネーゼが山岳賞首位を守った ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ビンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)
□マリアビアンカ(新人賞) フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)

第3ステージでマリアローザを守ったガンナ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

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メルリールがウェイランツに捧げるジロ・デ・イタリア初V

第104回ジロ・デ・イタリアは5月9日、ストゥピニージ〜ノバーラ間の179kmで第2ステージが行われ、アルペシン・フェニックスのティム・メルリール(ベルギー)がゴールスプリント勝負を制し、グランツール初出場にして初優勝を飾った。

2011年大会で事故死したベルギーの故ウェイランツのイニシャルWを掲げてゴールしたメリエール ©Massimo Paolone/LaPresse

前日に首位に立ったフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)は大集団の中でゴール。中間スプリントポイントではボーナスタイム3秒を獲得し、マリアローザを守っただけでなく、2位エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ビスマ)とのタイム差を10秒から13秒に広げた。

2021ジロ・デ・イタリア第2ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2021ジロ・デ・イタリア第2ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
第2ステージは少人数のゴール勝負に ©Massimo Paolone/LaPresse
ステージ優勝のメリエール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ビンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)
□マリアビアンカ(新人賞) フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)

マリアローザを守ったガンナ ©Massimo Paolone/LaPresse

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ガンナがジロ・デ・イタリア初日を制して首位に

第104回ジロ・デ・イタリアが5月8日に開幕し、初日の第1ステージとして行われた個人タイムトライアルで、この種目の世界チャンピオンであるイネオス・グレナディアスのフィリッポ・ガンナ(イタリア)が最速タイムで優勝。個人総合成績で首位に立った。

ピナレロのスペシャルバイクを駆るフィリッポ・ガンナ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ガンナが初日の個人タイムトライアルで優勝し、個人総合1位となったのは2年連続。平均時速は58.748km。

第2ステージからはエースのベルナルのアシスト役へ

「常に勝者であり続けることは簡単じゃない。ツール・ド・ロマンディの直前にジムトレーニングやトラックでの走り込みをしなかったら個人タイムトライアルで勝てたかもしれないけど、東京五輪の個人タイムトライアルで金メダルを狙うなど、大きな目標を持つ60〜70日間の日程で常に勝つことは不可能だ」とガンナ。

「今年のマリアローザは去年よりピンキーに見える。この勝利は手に入れたかったし、総合優勝という最大のターゲットに挑むチームキャプテンのために、このあとの20ステージでボクの士気を高めてくれるはずだ」

ガンナが同じイタリアのエドアルド・アッフィニを10秒上回るタイムで優勝 ©Marco Alpozzi/LaPresse
タイムトライアルの世界チャンピオン、ガンナが実力を見せつけた ©Marco Alpozzi/LaPresse

有力選手では、ドゥークニンク・クイックステップのホアン・アルメイダ(ポルトガル)が17秒遅れの4位。バイクエクスチェンジのサイモン・イェーツ(英国)が38秒遅れ。ガンナのチームメートで総合優勝をねらうエガン・ベルナル(コロンビア)が39秒遅れ。トレック・セガフレードのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア)が41秒遅れ。

日本から唯一出場しているバーレーンビクトリアスの新城幸也は52秒遅れの97位。

2021ジロ・デ・イタリア第1ステージの個人タイムトライアルを制したガンナ ©Massimo Paolone/LaPresse
マリアローザを着用するガンナ ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)
マリアアッズーラ(山岳賞)第1ステージは設定なし
□マリアビアンカ(新人賞) フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)

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EFのジロ・デ・イタリア特別ジャージは5月下旬発売

EFエデュケーションNIPPOが5月8日に開幕する第104回ジロ・デ・イタリアに特別ジャージで出場する。リーダージャージであるピンク色のマリアローザとの重複を避けるためで、この大会限定。ユーフォリアコレクションと呼ばれるジャージは5月下旬からラファCCで販売予定。

1909年にジロ・デ・イタリアを初開催したイタリアのスポーツ新聞ラ・ガゼッタデッロスポルトの紙色に合わせて作られたピンク色のマリアローザは、ツール・ド・フランスのマイヨジョーヌとともにサイクリング界を代表する栄光のジャージだ。当然、そんな象徴的なリーダージャージとの色の衝突は出場チームとして避けるべき。シーズン中はピンク色のジャージで走るEFエデュケーションNIPPOも、5月のイタリアにおいては禁忌な存在であるピンクを返上した。

日本も含む15カ国からトップライダーを集めた国際的チーム。ラファのデザイナーはそこからヒントを得て、世界中の国旗に使われている色を集めてみたところ、ピンクはどこの国でも使われていなかったという。ジロ・デ・イタリアの聖色であるピンクを使わずグローバルなデザインが完成した。

3週間にわたって、チームの出場8選手は特別なユーフォリアコレクションを身にまとう。生まれも育ちも異なり、さまざまなバックグラウンドをもちながら共通の目標に向かって突き進む人々を祝福する、まばゆい配色のデザインの活躍に期待。

●ラファのホームページ