【ブエルタ・ア・エスパーニャ第8S】ログリッチ2勝目…首位に56秒詰め寄る

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月24日、ウベダからカソルラまでの159kmで第8ステージが行われ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が大会2勝目、大会通算14勝目(2022年のチームタイムトライアルを含めると15勝目)を挙げた。

タイム差をつけるためにフィニッシュラインまでペダルを踏み続けたログリッチ ©Unipublic Sprint Cycling Agency

総合成績ではデカトロンAG2Rラモンディアルのベン・オコーナー(オーストラリア)が46秒遅れ。ログリッチはボーナスタイム10秒を含めてその差を4分45秒から3分49秒に縮めた。

この日も快晴のブエルタ・ア・エスパーニャ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
マイヨロホのオコーナーを援護するデカトロン勢 ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
8選手が第1集団を形成 ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
ログリッチが逃げていた選手を逆転。マスが食らいつく ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
マイヨベルデ(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ビスマ・リースアバイク)マイヨルナレス(山岳賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
□マイヨブランコ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

オコーナーはログリッチから46秒遅れた ©Unipublic Sprint Cycling Agency

ログリッチが薄氷の8秒差でクリテリウム・デュ・ドーフィネ2勝目

ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が6月2日から9日までフランスのアルプス地方で開催されたクリテリウム・デュ・ドーフィネで2年ぶり2度目の総合優勝を決めた。

総合優勝のログリッチを中央に、左が2位マッテオ・ヨルゲンソン、右が3位デレク・ジー ©A.S.O. Billy Ceusters

ログリッチは第6ステージでレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を逆転して首位に立ったが、最終日の第8ステージは苦戦。48秒遅れの区間6位でゴールしたが、前日までの貯金のおかげで逃げ切り優勝した。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ最終ステージで8秒差を死守してゴールしたログリッチ 後ろはチッコーネ ©A.S.O. Billy Ceusters

偶数年にクリテリウム・デュ・ドーフィネに参加するログリッチ。2020年は首位にいながら落車でリタイアを余儀なくされた。今大会でも最終日のプラトー・デ・グリエルへの最後の上りで勝利を失いかけたが、マッテオ・ヨルゲンソン(米国、ビスマ・リースバイク)にわずか8秒差で首位を守り、2022年に続く2度目の優勝を果たした。

イネオスグレナディアーズのカストロビエボが銭湯で走る ©A.S.O. Billy Ceusters

ログリッチは最終日、トーヌからのスタートでは楽な位置にいるように見えたが、第二次世界大戦中のフランスレジスタンスの拠点への最後の上りで、イネオスグレナディアーズのカルロス・ロドリゲス(スペイン)の攻撃を受けて失速した。最終ステージはロドリゲスが優勝した。

レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) ©A.S.O. Billy Ceusters

ボーラ・ハンスグローエのリーダーであるログリッチは、パリ〜ニースの勝者ヨルゲンソンを抑えてマイヨジョーヌとポイント賞のマイヨベールを獲得した。デレク・ジー(イスラエル・プレミアテック)はカナダ人として初めて総合3位の表彰台に上がった。イタリアのロレンツォ・フォルトゥナート(アスタナ)が、第76回大会で山岳賞ジャージを獲得した。

クリテリウム・デュ・ドーフィネでマイヨジョーヌを着るログリッチ。先頭はウラソフ ©A.S.O. Billy Ceusters

クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝…ユンボ・ビスマ勢がグランツール全制覇

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは最終日となる2023年9月17日、サルスエラ競馬場〜マドリード間の101.5kmで第21ステージが行われ、ユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が初優勝した。総合2位はヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、3位はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)でユンボ・ビスマが表彰台を独占。

ユンボ・ビスマはグランツール全制覇をモチーフにした特製ジャージを着用した ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

またログリッチは5月のジロ・デ・イタリア、ビンゲゴーは7月のツール・ド・フランス総合優勝者で、ユンボ・ビスマの所属選手がグランツール(三大ステージレース)で全勝。自転車競技史上初の快挙を達成した。

マドリードの最終ステージでグローブスが今大会3勝目 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

最終ステージの勝者はカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)で、今大会3勝目、大会通算4勝目。ポイント賞を獲得した。

左からポイント賞のグローブス、新人賞のアユソ、総合優勝のクス、山岳賞のエベネプール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

山岳賞はレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)。新人賞はフアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)。チーム賞はユンボ・ビスマ。

アシスト役だったクスが歴史に名を刻む総合優勝を手に入れた ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

たくさんの思い出と楽しい時間を過ごした(クス)

「今日はレース全体の中で最も苦しんだステージだったと思う。アングリルで苦しんだときよりも苦しんだ。だから今は終わってよかったと思っている。選手たちがアタックの準備をしているのを見たとき、速いステージになるだろうと感じていた」とクス。

チャンピオンバイクはサーベロ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「ブエルタ・ア・エスパーニャで勝ったからといって、ボクは何も変わらないと思っていた。ボクはこれからもボクだとね。でも全然違っていた。この勝利は人生を変えるようなものだ。たくさんの楽しい思い出とともにこの経験を振り返ると思う。まだ感情に沈み込んでいるので、かなり時間がかかると思う。

セップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

さあ、盛大なお祝いだよ。家族、友人がここにいる。本当に素晴らしく特別なことになる。チームメートやスタッフと一緒に、ここまでの3週間の物語を語れることがうれしい。たくさんの思い出と楽しい時間を過ごしたからね」

マドリードの表彰台に登場したエベネプール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
総合トップスリー、左から2位ビンゲゴー、1位クス、3位ログリッチのシャンパンファイト ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
チーム優勝も手中にしたユンボ・ビスマはチームスタッフも登壇して歓喜 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ツール・ド・フランスのビンゲゴー、ブエルタ・ア・エスパーニャのクス、ジロ・デ・イタリアのログリッチ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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ログリッチV、ビンゲゴーがクスに8秒差に迫る【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月13日、リバデセジャ〜アングリル峠間の124.5kmで第17ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)がワンツーフィニッシュ。ログリッチは今大会2勝目、大会通算12勝目。

アングリルを制したログリッチ、同タイムでフィニッシュしたビンゲゴー ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

チームメートで総合1位のセップ・クス(米国)は19秒遅れの区間3位でゴール。首位を守ったクスと総合2位ビンゲゴーとの差はそれぞれが獲得したボーナスタイムを加味して29秒から8秒になった。

29歳の誕生日をスタート前に祝福されるクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

複雑だけどクスには勝利を信じて戦えと伝えた(ログリッチ)

「年を重ねると少しずつよくなっているといつも感じている。前回の2020年はこのアングリルでマイヨロホを失ったけど、それよりもずっといい結果だった」とログリッチ。

ビンゲゴーやログリッチがメイン集団の前方でチャンスを狙う ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「あまり戦術的ではなかった。最後の登りではバーレーンビクトリアスのペースに任せた。彼らは十分に速く進んでいた。ペースが少し落ちたと感じた瞬間にアタックした。私が行ったポイントは、とてもきつくて、とても急なところだった。それから頂上までは自分のペースで走った」

「セップ・クスとは話した。複雑な気分なのはわかっているが、これほど急な登りでは誰もができるだけ早く登って苦しみを終わりにしたい。私は彼にこう言った。戦い続け、勝利を信じ続けよう。君ならできるよ」。

2つの峠でトップ通過し山岳ポイントを獲得したエベネプールが後方から追ってきた有力選手らを確認 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ゴールしたときはジャージをなくしたのかと思った(クス)

「ゴールしたときはジャージをなくしたのかと思った。でも上りで全力を尽くしたので、悲しくはなかった。ジャージがまだあると聞いたときは少し驚いた」とクス。

「今日は奇妙な気分だったけど、悪い意味ではない、2人の強力なチームメイトがいて、その友人たちとまた1日を過ごすことができた。アングリルで要したのと同じくらいいい時間を過ごせたと思う」

19秒遅れの3位クス、4位はミケル・ランダ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

「でもクレイジーな日だ。上りの途中で、ビンゲゴーが私に言った。キミは勝つつもりだ。ボクも同じだ。だったら行こう! プリモシュは上りでとても調子がよくて、素晴らしい走りををしていた。できるだけ長く彼についていって、遅れをを最小限に抑えようとした。

チームは1-2-3。ランダはおそらくボクよりも表彰台の座に値するだろうが、マイヨロホ争いで3着のボーナスタイムを狙う必要があった。一番楽しいことをして過ごしたので、とても幸せな誕生日だった」

クスはミケル・ランダ(左)とともに19秒遅れでゴール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
ログリッチがテレマーク姿勢を決めた ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ジョエル・ニコラウがアングリル峠でファンサービス ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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ビンゲゴー、クス、ログリッチが上位独占【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月8日、スペインのフォルミガル・ウエスカラマジアからフランスのツールマレー峠までの135kmで第13ステージが行われ、ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が独走勝利。

ビンゲゴーがツールマレー峠で独走勝利 ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

ユンボ・ビスマ勢は首位のセップ・クス(米国)が30秒遅れの区間2位、総合4位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が33秒遅れの区間3位と独占。3連覇を狙ったスーダル・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)は27分05秒も遅れ、総合優勝争いから陥落した。

ダミアノ・カルーゾのペースに食らいつくクス(左) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

最難関のこの日のステージを終えて、首位はチームのアシスト役だったクス、1分37秒遅れの総合2位にログリッチ、同44秒遅れの3位にビンゲゴー。

ツール・ド・フランス2勝のビンゲゴーがアタック ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

娘の誕生日に勝つことができてとてもうれしい(ビンゲゴー)

「この日じゃなければダメだったので、本当にうれしい。今日は娘フリーダの誕生日で、彼女のために勝ちたかった」とビンゲゴー。

「チームの計画は、総合優勝を争うライバルからタイムを奪えるかどうかを確認することだった。それが実現できたので誇りに思う。ステージと総合成績で1-2-3は思ってた以上の結果となった」

ブエルタ・ア・エスパーニャ3勝のログリッチがマイヨロホを着るクスをアシストする ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

チームの3人とも、お互いのために走っている(クス)

「ヨナスが勝利のボトルをプレゼントしてくれるのはとてもうれしいことだけど、正直に言うと、ヨナスもプリモシュも、レースを通して多くのアドバイスと自信を与えてくれた。彼らもボクを信じてくれているのがうれしい」とクス。

「時々だけど、ボクたちはみな、お互いのためにそこにいる。それが最も重要だと思う。ログリッチがやったように、秒数を稼ぐために努力するのは決して悪いことではない。いいポジションにいれば、それを狙うのは簡単だ。明日はさらに差が大きくなるはずだけど、それもいいことだよ。明日は守備か攻撃か、今言うのは難しい。まだチームには3人が上位にいる。自分の気持ちを見極める必要がある」

ツールマレー峠。アシスト役のロベルト・ヘーシンクがフィニッシュ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ツールマレー峠を上るヒュー・カーシー ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
セップ・クスがスパート。エンリク・マスが追走 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ツールマレー峠で区間2位に入ったセップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
エイネルアウグスト・ルビオ ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ツールマレー峠 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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ログリッチ区間V、首位はアシスト役のクスに【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月2日、デニア〜ショレトデカティ間の165kmで第8ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチがスーダル・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)ら精鋭を抑えて優勝。大会通算11勝目を飾った。

精鋭たちのゴール勝負を制したログリッチ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合成績では、8秒遅れの2位につけていたセップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)が首位に。グルパマFDJのレニー・マルティネス(フランス)からマイヨロホを奪った。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
マイヨロホのマルティネス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
エベネプール、ログリッチ、ビンゲゴー ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ログリッチ、エベネプールに続いて3位に入ったフアン・アユソ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
これまでアシストを務めてきたセップ・クスが初めてのマイヨロホ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ロット・デスティニー)
□マイヨブランコ(新人賞)レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)

スペインチャンピオンのオイエル・ラスカノ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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