【ツール・ド・フランス現場雑感】ボルドーなのにビール、レオンなのにパエリア

フィリプセン、最強スプリンター。ステージ3勝目を挙げる

第110回ツール・ド・フランスは7月7日、モンドマルサン〜ボルドー間の170kmで第7ステージが行われ、アルペシン・ドゥクーニンクのヤスパー・フィリプセン(ベルギー)が大集団のゴール勝負を制し、今大会3勝目、通算5勝目を挙げた。総合成績ではユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が首位を守った。

ステージ優勝とマイヨベールのフィリプセン ©A.S.O. Pauline Ballet

カベンディッシュの勝利を願う人も多いが、ボクも負けられない

平坦ステージはスプリンターが優勝するチャンスで、大会最多勝利タイの34勝をマークしているアスタナ・カザクスタンのマーク・カベンディッシュ(英国)の単独最多記録が期待された。

カベンディッシュはステージ2位で大会最多記録34勝の更新はできなかった ©A.S.O. Pauline Ballet

しかし若いフィリプセンにゴール手前で逆転を喫して2位。今季限りでの引退を表明している38歳にとってはあとがない。フィリプセンも「カベンディッシュの勝利を願う人も多いが、ボクも負けられない」と苦肉のコメント。

2023ツール・ド・フランス第7ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
チームメートに渡すボトルを背中に入れる ©A.S.O. Pauline Ballet
チームカーから補給を受けるビンゲゴーとクリストフ・ラポルト ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ニールソン・ポーレス(米国、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ビンゲゴーが第7ステージでもマイヨジョーヌを守った ©A.S.O. Pauline Ballet

ボルドーまで北上するとようやく日の長さを感じる

広大なフランスでは南下するほど日が短くなり、西に行くほど日の出が遅くて、日の入りが遅くなります。2023ツール・ド・フランスの序盤戦はスペインとフランス南西部だったので、朝7時になっても暗いのに違和感がありました。ようやくボルドーまで北上してきて、日が長くなりました。

ボルドーに真夏がやってきた

前日のピレネー2日目はコトレにゴール。プレスセンターはゴールの麓4km地点にあって、最終走者がそこを通過してしばらくして下山のためにクルマを走らせ始めたら、なんとすんなり宿のあるルルドまでほとんど渋滞なく、たどり着くことができました。

プレスセンターに着席する前にボルドーの赤ワインがプレゼントされた

巡礼地として知られるルルドのホテルはたいていフロントに人がいて、どんなに遅くなってもチェックインできますが、余裕で下山でき、そして夕食を一緒にしたいという取材仲間と中心部のベトナム料理屋に行くこともできたんです。

無料で自転車を預けられるコーナーがある

翌日は300kmほど北上して一路ボルドーへ。ボルドーそのものは市街地でも古い平屋や2階建ての民家が軒を連ねているんですが、郊外のシャトーは立派な石造りの門構えと建物。盆栽のように手入れされたブドウの木が丘の上まで広がっています。

ボルドーの伝統的な建造物がプレスセンター。ところが電波の状況が悪く仕事にならず

チョコレート色のガロンヌ川のほとりにあるプレスセンターでの仕事を早めに切り上げて、衛星都市にあるホテルへ。この日は2日に1回のお約束で飲まない日なんですが、ボクの部屋のドアを開けたらムール貝のレオン・ド・ブリュッセルが!

自分の部屋のドアを開けるとムール貝のチェーン店レオンが見えた

こんなチャンスはめったいないと夕食は歩いて2分ほどのレオンに。ボルドーなのにビール。レオンなのにスペインフェアやってるのでパエリア。

ボルドーなのにビール、レオンなのにパエリア

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【ツール・ド・フランス現場雑感】仕方なしの高額ホテルはやっぱり気持ちいい

フィリプセン2連勝…マイヨベールの獲得を宣言

第110回ツール・ド・フランスは7月4日、ダクス〜ノガロ間の182kmで第4ステージが行われ、アルペシン・ドゥクーニンクのヤスパー・フィリプセン(ベルギー)が大集団のゴール勝負を制し、2日連続で優勝。大会通算4勝目。

2023ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

フィリプセンはポイント賞でもトップに立ち、マイヨベールを着用することになった。

総合成績では、UAEエミレーツのアダム・イェーツが初日から4日連続で首位をキープしている。

マイヨジョーヌのアダム・イェーツ ©A.S.O. Charly Lopez

ポイント賞のマイヨベールを最終日まで守りたい(フィリプセン)

この日は同地にあるポール・アルマニャックサーキットがゴール。優勝したフィリプセンは「まるでレーシングドライバーになった気持ちだ」と好調ぶりに気分がいい。「昨日からこのステージは勝利を狙っていた」。

スプリント王の称号であるポイント賞の緑ジャージ、マイヨベールも獲得し、「今大会はこのジャージを最後まで守り抜くのが最大の目標になる」と語った。

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)アダム・イェーツ(英国、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ニールソン・ポーレス(米国、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2023ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

リゾートホテルを利用する協賛会社グループはいいなあ

大会3日目の午後にようやくフランス入りしたツール・ド・フランス。その日は黎明期からの伝統地であるバイヨンヌがゴール。レースが終わったあとは、一般客がなだれ込んだチームバス駐車場所の道路を慎重に運転しながら脱出。この日の宿は大西洋に近いリゾート地ということもあり、リゾートっぽい湖畔に面した三つ星のホテル過ごすことになりました。

朝食は1日の活力。フランスはやっぱりバターがおいしい

すでにコフィディス社の一行が到着していて、そのうちに赤いオフィシャルカーの隊列も到着。首脳陣も泊まるような、このあたりでは立派なホテルのようでした。

ツール・ド・フランス取材の場合、ホテルに到着したらシャワーを浴びて、レストランに繰り出して、疲れて寝ちゃうという生活なので、ホテルの施設を利用するヒマもありません。ベッドがあればいいじゃんと考えていた時代もあって、高いお金を払ってまでいいホテルを確保する必要がどれだけあるのか。この日のホテルもスパがありましたが、まったく興味がなく、そして水着を持ってきていません。

2023ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

周辺に安価なホテルが確保できないときは、高くてもアクセスのいいホテルのほうが疲れないし、やっぱり設備がいいと気持ちいいですよね。近年は計画的にいいホテルを予約してストレスを解消するようにしています。

アンドレ・ダリガード(右)とベルナール・テブネ

ホテルは湖畔に面してテラスのソファ席などがあり、コフィディス社チームがピアノを引いたり、ビールを飲んだりしてくつろいでいました。彼らはスタート地点のビラージュで関係会社やその町の偉い人をアテンドするために帯同しているグループ。安ホテルを転々としている広告キャラバン隊とは異なり、優雅な23日間を送っています。

ダックスのビラージュは闘牛場の横だ

ホテルには2つのレストランが併設されていましたが、部屋で軽く飲食して、すぐに休息。翌朝6時には起きて湖畔をランニング。欧州入りしてちょっと身体に脂肪がついたような気がしますが、ランは快調です。シャワーを浴びてからしっかりと朝食。料金は2400円もしますが、朝こそいっぱい食べないと。

スペインのサンフィルミン祭りの日にスペイン選手やチームが着用する赤いバンダナ

そしてゴールのノガロへ。闘牛場の横にビラージュがあり、町の人たちがおそろいの赤いバンダナを首に巻いて歓迎してくれました。

アルマニャック地方のフロックドガスコーニュは食前酒。そしてガチョウのパテ

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フィリプセンがティレーノ~アドリアティコ第3ステージで初優勝

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月8日、フォッローニカ〜フォリーニョ間の216kmで第3ステージが行われ、アルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がゴール勝負を制して優勝した。

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージでフィリプセン(左)が優勝。右端で両手を挙げるのはチームメートのマチュー・ファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

前日もゴール勝負で、フィリプセンはスーダル・クイックステップのファビオ・ヤコブセン(オランダ)に僅差で敗れた。同大会では初優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合成績では初日に首位に立ったイネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がその座を守った。

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

明日はマチューの出番だ。彼のために最善を尽くす

「マチュー・ファンデルプールに、最終コーナーでできる限りハードに行くように言った。彼は信じられないほどの仕事をした。これは私が今まで経験した中で最も最高で最も難しいリードだった。私はただフィニッシュラインに集中した」と、チームメートのリードアウトをたたえたフィリプセン。

「私はチームを誇りに思う。今年の初勝利だが、私は週末のベルギーで、マチューはストラーデビアンケでと、シーズンの開幕がかなり遅いことはわかっていた。でもプレッシャーはなかった。勝つチャンスがあまりなかったのは、これからのクラシックシーズンに向けてできるだけフレッシュさを保とうとしていたからだ。明日はマチューの舞台だ。私は彼を助けるために最善を尽くすが、丘を登る最後の200mで彼と一緒にいるとは約束できない」

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
フィリプセンがティレーノ~アドリアティコ第3ステージを制し、ポイント賞でも1位に ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
フィリッポ・ガンナが総合1位をキープ。ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©LaPresse

ツール・ド・フランスさいたま優勝のフィリプセンが将来を語った

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが11月6日、さいたま新都心駅周辺で開催され、7月のツール・ド・フランスで最終日のパリ・シャンゼリゼを含むステージ2勝を挙げたベルギーのスプリンター、ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が初優勝した。大会は3年ぶりの開催となり、日本の熱心なファンが沿道を埋め尽くした。

マイヨジョーヌを着るビンゲゴーがアタックするとフィリプセンとトーマスが追従。3人の闘いとなった ©Yuzuru SUNADA

若手スプリンターのフィリプセンがオールラウンダーを制して優勝

世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスで活躍した52選手が距離59.5kmのサーキットレースに挑んだ。最後はトップスターばかり3選手によるスプリント勝負になった。2022年のツール・ド・フランス総合優勝者ヨナス・ビンゲゴー(ユンボ・ビスマ)、2018総合優勝のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)、そしてフィリプセンだった。

「シャンゼリゼとは異なるコースだったけど、スプリントには自信があるのでそれを生かすことができてよかった」と他の2選手を制したフィリプセン。

2022ツール・ド・フランスさいたまは快晴に恵まれてスタート ©Yuzuru SUNADA

レースは終盤に2013ツール・ド・フランス総合優勝のビンチェンツォ・ニバリ(アスタナカザクスタン)、元世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)がアタック。今シーズンを最後に引退する2選手は沿道のファンから大声援を受けながら激走。残り7kmで後続集団に追いつかれると、さり気なく握手をかわしてお互いの健闘をたたえた。

フィリプセンは今回のレースで、ツール・ド・フランス最多のステージ通算34勝を挙げているマーク・カベンディッシュ(クイックステップ・アルファビニル)と、前大会となる2019年のさいたま優勝者新城幸也(バーレーン・ビクトリアス)の3人でクリテリウムレジェンズという特別編成チームの一員としてとして参加した。

新城は「チームの結束力を高めるためにみんなで日本観光した」という。フィリプセンは初来日だったが交通系アプリのPASMOを駆使し、中野ブロードウェイや渋谷のスクランブル交差点を訪ね、寿司屋の大トロに舌鼓をうった。

フィリプセンがトーマスを制して初優勝した ©Yuzuru SUNADA

「日本は親切な人が多く、とても楽しかった。さまざまなことがベルギーとは異なって興味深かった。お互いをリスペクトする気持ちがある日本人のメンタリティはいいなと思った。国籍を変えたいくらいだよ」

今回の来日は区間2勝のいわばごほうびだ。
「世界のトップクラスに位置するクールな選手たちと戦うことができて貴重な経験ができた。いいシーズンだったと思うけど、ボクはもっと成長していきたい。最終的なゴールはツール・ド・フランスで勝つこと」とフィリプセンは記者会見で語った。

3年ぶり8回目となった大会には、待ちに待った自転車ロードレース好きが続々と集まった。併催イベントのフェスティバルやフランスの食文化が楽しめるグルメ会場では行列ができるほどの盛況ぶり。沿道も大勢のファンで埋まった。

マーク・カベンディッシュ(英国、クイックステップ・アルファビニル)も童心に ©Yuzuru SUNADA

ビンゲゴーがツール・ド・フランス連覇への意気込みを語る

ツール・ド・フランス総合優勝のビンゲゴーは王者の称号である黄色いリーダージャージ、マイヨジョーヌを着用して参戦した。

日本の食を体験するアレハンドロ・バルベルデ、ビンチェンツォ・ニバリ、大会アンバサダーのマルセル・キッテル ©Yuzuru SUNADA

「フィリプセンには10回勝負をして10回負けてしまう」とゴール後に語ったが、アルプスやピレネーを越える23日間のレースではビンゲゴーに分がある。2023年のツール・ド・フランスのコースも発表され、「いろいろな要素が盛りだくさんにあり、上りの厳しさも今年以上だ。いい準備をして来年7月に臨みたい」とはやくも連覇に意気込む。

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

フィリプセンがシャンゼリゼに続いて優勝…ツール・ド・フランスさいたま

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが11月6日、さいたま新都心駅周辺で開催され、7月のツール・ド・フランスで最終日のパリ・シャンゼリゼを含むステージ2勝を挙げたベルギーのスプリンター、ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が初優勝した。

2022ツール・ド・フランスさいたまは快晴に恵まれてスタート ©Yuzuru SUNADA
フィリプセンがトーマスを制して初優勝した ©Yuzuru SUNADA
マイヨジョーヌを着るビンゲゴーがアタックするとフィリプセンとトーマスが追従。3人の闘いとなった ©Yuzuru SUNADA
日本の食を体験するアレハンドロ・バルベルデ、ビンチェンツォ・ニバリ、大会アンバサダーのマルセル・キッテル ©Yuzuru SUNADA
マーク・カベンディッシュ(英国、クイックステップ・アルファビニル)も童心に ©Yuzuru SUNADA

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

【ツール・ド・フランス現場雑感】蝉しぐれのオクシタニー地方は猛暑

ツール・ド・フランス第15ステージは7月17日、猛暑となったロデズ〜カルカッソンヌ間の距離202.5kmを走り、アルペシン・ドゥクーニンクのヤスパー・フィリプセン(ベルギー)がゴールスプリント勝負を制して初優勝した。

猛暑をしのぐために頭から水をかぶるマイヨジョーヌのビンゲゴー ©A.S.O. Charly Lopez

首位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)と2分22秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)のタイム差は変わらず。ビンゲゴーがマイヨジョーヌを守った。

スタート地点のロデズ ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのビンゲゴーを援護するユンボ・ビスマ勢 ©A.S.O. Charly Lopez
ヤスパー・フィリプセンが初優勝 ©A.S.O. Charly Lopez

南西フランスのオクシタニー地方も熱波が近づいてくる

この日もラン練習をしてからシャワーを浴びて朝食へ。ゆでたまごは電熱線の強さがまちまちなので、たいてい1回目は失敗します。学習機能が働く2回目はうまくいきますね。写真はきれいなところだけをお見せしていますが、実際の現場は過酷なんです。フルーツポンチにミツバチが群がってるとか…。

折りからの猛暑に加えてツール・ド・フランスを熱く歓迎するカルカッソンヌ

中央山塊のシャトーホテルを出発して、岩山と草原で構成されたうねりのある地域をクルマでひた走ります。道幅は1.5台分くらいで、中央に白い点が分離帯として描かれていますが、相互通行ですれ違えるとは思えません。たまにブラインドコーナーから対向車が突っ込んできて、威勢よくブレーキをかけて衝突を避けるほど。

フランスの人って、対向車が来るって視認するまでスピードを緩めないんです。

オクシタニー地方の名物はなんといってもひまわり畑 ©A.S.O. Pauline Ballet

恐ろしい山道も南下するに従って次第に広い道路になり、有料区分の高速道路へ。ちょうどバカンスシーズンが始まった日曜日とあって、ところどころに渋滞が発生する中をカルカッソンヌまで。

写真はきれいなところだけを見せているが、実際の現場は過酷。フルーツポンチにミツバチが群がってるとか…

クルマの外気温は38度ほどになりました。到着したカルカッソンヌは乾いた暑さが充満し、外にいるカメラマンはかわいそうなほどです。ほどなく原稿が修了してから、今度はこちらのほうに修羅場がやってきました。

城塞都市カルカッソンヌで迷路から抜け出せない!

7月下旬のカルカッソンヌの暑さは想定済みだったので、ホテルは滞在型のアパートを2連泊で借りていて、プレスセンターからGPSで3kmほどの表示が確認できました。楽勝ですね。ところがカルカッソンヌの旧市街の脇にゴールしたものだから、ホテルまでダイレクトに向かえません。

フランスではキャスターバッグは使い物にならないかも

こういったときはいったん郊外の環状線に出て、半円を描くように反対方向からアプローチするんですが、どこも警察がブロックしていて、まったくホテルにたどり着けず。

滞在型アパートは8時になると管理人が帰ってしまうので、かなり焦ってしまい、まずはクルマを旧市街のできるだけ近いところに放置して1.9kmを歩いて向かいました。

もうクタクタで到着。ニヒルな殺し屋のようなお兄さんが、「漫画好きだから日本に行くのが夢なんだ」なんて会話しながら、なんとかチェックイン。エアコンの効いた部屋でミネラルウォーターを飲みながらすこし休んで、それから1.9kmを戻ってクルマをピックアップしました。

カルカッソンヌの運河。じつは橋がほとんどなく、ホテル行きを阻まれた条件の1つ

フランスを含む欧州はこの夏記録的な熱波に見舞われています。ただし乾いた風があるので、熊谷や伊勢崎と比べたらまだしのぎやすいです。日も落ちると気温も低下し、翌日朝のラン練習はタイツを履こうかなと思ったくらいで、暑くなる前にカルカッソンヌの城砦まで行ってきました。

でも水を携行していかなかったので、太陽光が強くなった復路はかなり発汗。ホテルまでたどり着けるかなと不安になりましたが、なんとか生還。この日も暑くなりそうです。

2022年のプレスセンターを示す看板は黄色っぽく、もう少しいつもの緑にしてほしかった

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