【ツール・ド・フランス現場雑感】暑いフランスの夏、熱いマイヨジョーヌの攻防

2022ツール・ド・フランスは7月19日、カルカッソンヌ〜フォワ間の距離178.5kmで第16ステージが行われ、イスラエル・プレミアテックのユーゴ・ウル(カナダ)が40kmを独走してプロ初優勝。カナダ勢としては1988年のスティーブ・バウアーに続く2人目の勝者となった。

ウルが第16ステージでプロ初勝利 ©A.S.O. Pauline Ballet

天国の弟に捧げるプロ初勝利がなんとツール・ド・フランス

ウルはチームメートのウッズのアシストだったが、最後の峠で20秒抜け出して下り坂で独走。ウッズが追走者の抑え役に転じてウルを助けた。

「ボクはこれまでレースで勝ったことがなかった。10年前に他界した弟の夢だった」とゴールラインでは天に人差し指を突き上げて勝利を報告。

カルカッソンヌの城塞 ©A.S.O. Aurélien Vialatte

首位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)と2分22秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)のタイム差は変わらず。ビンゲゴーがマイヨジョーヌを守った。

ツール・ド・フランス第16ステージで逃げる第1集団 ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのビンゲゴーとポガチャル。ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2022ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

熱波の欧州で総合優勝争いも白熱の競り合いを継続

日の出直後のカルカッソンヌは気温も低く、日課のラン練習も快適にできました。午前中は雲が多く、風もあったので油断していましたが、さすがに熱波到来の欧州。ゴールのフォワはかなり過酷な状況に。しかもボクの座っている一角だけ電源が落ちて、USB給電の卓上扇風機が停止。どこまで厳しいんだ。

フォワのカヌー・スラローム競技場の岸辺でいつものようにビュフェ

こっちの人はどれだけ暑さに強いんでしょう。寒さにも強いし。ボクもたまらずラン用ショーツに。でもさすがに彼らも室内の不快さはたまらなかったようで、屋外の日陰にイスとテーブル、放送中のTVモニターまで持ち出して、そこで原稿を書いていました。

2022ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
渓流沿いでランチ

それでもフォワの渓流沿いのバーベキューのランチは変わっていませんでした。赤ワインとポーク焼きなどを食べながら、川のせせらぎを聞いていると心がとてもしっくりしてきます。

フォワの室内テニスコートがプレスセンターだが、暑い!

ショッピングモールのカフェテリアで経済的にディナーを済ませる

あまりの過酷な環境下でレース途中で退散して、N20高速を北上。いつも宿泊するパミエの町のプルミエクラスがこの日の宿。歩いてすぐのところにショッピングモールがあって、カフェテリアを発見。もう2022ツール・ド・フランスもわずかです。少しの感慨にひたりながら、樽の栓を開けて注いだピッチャーの赤いワインを飲み干すのでした。

この日は気温42度 ©A.S.O. Aurélien Vialatte

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