全日本選手権ロードに向けて順調な調整…キナンサイクリングがタイトル獲得に挑む

2018年ロードレースの日本チャンピオンを決める全日本選手権自転車競技大会ロードレースが6月22日に開幕。島根県益田市を舞台に全7カテゴリーで王座を競う。キナンサイクリングからは2カテゴリーに計7選手が出場。レース本番に向けて準備を着々と進めている。選手・スタッフは大会開幕前日の21日に開催地入り。到着後すぐにコース試走を兼ねたトレーニングを実施。各選手がコースの雰囲気や体調の確認に時間を費やした。続く22日も一部選手がレースコースで最終調整。

益田市の全日本選手権ロードコースでトレーニングするキナンチーム ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

コースは1周14.2kmのサーキット。北東に針路をとる前半が長い上り、折り返して南西へと戻る後半は下り基調。選手の多くがポイントに掲げる周回前半の登坂は、最大勾配8%。それを経ての下りでもテクニカルな区間があり、最初から最後まで気の抜けないレースとなることは間違いない。

キナンは23日からの競技参戦。23日正午にスタートを切る男子アンダー23に塚本一樹と山本大喜が出場。前週の個人タイムトライアルを快勝した山本大にとっては、日本タイトル2冠をかけてスタートラインにつく。また、2018年2月のアジア選手権でもこの種目を制していて、アジア・日本通じて今シーズン3つ目のビッグタイトルを目指す。レース距離は11周回・156km。

大会最終日の24日午前9時からは男子エリートが15周回・213kmで行われ、山本元喜、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の5人が出走。レース全体での獲得標高が約4000mにのぼり、タフな戦いが予想される中でいかにチーム力を発揮できるかが勝敗のカギを握る。

チームにとってはシーズン最大目標として挑んだ5月のツアー・オブ・ジャパン、6月のツール・ド・熊野に続く大きなイベントととして重要視するこの大会。2018年の日本一、そして日の丸があしらわれる日本チャンピオンジャージの獲得にかけて、レースに挑む。

全日本選手権自転車競技大会ロードレース
●6月23日 12:00スタート 男子アンダー23 156km(14.2km×11周回)
302 山本大喜
306 塚本一樹

●6月24日 9:00スタート 男子エリート 213km(14.2km×15周回)
39 中島康晴
41 山本元喜
42 雨乞竜己
43 中西健児
44 新城雄大
※選手名の前の番号はレース時のナンバーカード

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全日本選手権エリート女子ロードで与那嶺恵理が3連覇…U23は中井彩子

第87回全日本自転車競技選手権大会ロードレースが6月22日に島根県益田市で開幕し、女子エリートで与那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)が3連覇を達成。女子U23は中井彩子(鹿屋体育大)が優勝した。

全日本選手権エリート女子ロードを制した与那嶺恵理 © 2018 JCF

14.2kmのコースを9周する128kmで行われた女子エリート。4周目に与那嶺がアタックすると金子広美(イナーメ信濃山形)と牧瀬翼(マースランドステル)の3人が先行。萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)らの集団は2分以上後方となり、勝負は先行する3人に絞られた。残り3周の上りで牧瀬が遅れ、その後に金子も遅れ、与那嶺が独走で残り2周へ。最終的には2位以下に3分の差をつけてフィニッシュし、女子エリート3連覇を達成した。

全日本選手権エリート女子ロード優勝の与那嶺恵理(中央)。左は2位金子広美、右は3位牧瀬翼 © 2018 JCF

中井彩子が全日本選手権U23女子ロードで優勝 © 2018 JCF

7周99kmで行われた女子U23。序盤から梶原悠未(筑波大)と池上あかり(福岡県自転車競技連盟)の2人が逃げ、後続に2分の差をつける。5周目に下山美寿々(早稲田大)、菅原朱音(八戸大)、中井が追走して追いつき、池上が遅れて新たに4人の先頭集団が形成された。最終周回の上りで下山がアタックを繰り返すと菅原が遅れて3人に。その後も下山と中井がアタックするが決定的な動きにはならず、最後のスプリント勝負へ。残り300mから抜け出した中井が先頭でフィニッシュし、女子U23優勝を決めた。
全日本選手権U23女子ロード優勝の中井彩子(中央)。左が2位下山美寿々、右が3位梶原悠未 © 2018 JCF

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全日本選手権ロードにキナン勢はエリート5選手、U23に2選手が参戦

2018年のロードレース日本チャンピオンを決める全日本選手権ロードレースが島根県益田市で6月22日から24日までの日程で開催され、キナンサイクリングは7選手が参戦する。

全日本選手権ロードに出場するキナンチームのメンバー

23日に行われる男子アンダー23には、前週のタイムトライアルを制した山本元喜が塚本一樹とともに出場。ロードレースではアジアチャンピオンの山本大だが、さらなるタイトル獲得を目指し、タイムトライアルに続く2枚目の日本チャンピオンジャージ獲得をねらう。

大会最終種目として行われる24日の男子エリートには山本元喜、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の5選手が出走。前週にタイムトライアルを走った山本元以外の4人は、6月16日にKINAN AACA CUPを走り、それぞれに順調な調整ぶりをアピール。しっかりとコンディションを整え、サバイバル必至のレースへと挑む。

大会は1周14.2kmのサーキットコースを舞台とし、カテゴリーごとに周回数・距離を変動させ、それぞれで日本の頂点をかけて競う。サーキットコースは前半を北東へ、後半を南西へと行き来し、周回前半には長い上りが登場。最大で6%近い勾配が選手たちの脚を試す。さらに周回の中間地点を目前に、「牛の壁」と呼ばれる勾配3.1%の登坂区間が待ち受ける。距離は500mと短いものの、レース本番ではポイントとなることが考えられる。周回後半は下りからの平坦基調。フィニッシュが設けられるコントロールライン手前は緩やかに上っているものの、難易度はそれほど高くないものと見られる。

レース距離は男子エリートが15周回・213.0km、男子アンダー23が11周回・156.0kmに設定されている。

全日本選手権自転車競技大会ロードレース
6月23日 12:00~ 男子アンダー23 14.2km×11周回 156.0km
6月24日 9:00~ 男子エリート 14.2km×15周回 213.0km

大会情報(日本自転車競技連盟公式ウェブサイト内)

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山本大喜がU23タイムトライアル制覇…チーム発足4年目で初の日本チャンピオン

2018年の個人タイムトライアル日本チャンピオンを決める全日本選手権自転車競技ロードタイムトライアルが6月17日、石川県志賀町で行われた。2選手が出場したキナンサイクリングは、男子アンダー23に出場した山本大喜がトップタイムをマークして優勝。チームに初めての日本チャンピオンジャージをもたらした。

山本大喜が全日本選手権個人タイムトライアルU23制覇 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

数分おきに選手が個別に出走し、フィニッシュタイムを競う個人タイムトライアル。各々の走力がダイレクトに反映され、それぞれの持つパワー、そしてペース配分が勝敗を分ける種目である。2018年は能登半島のほぼ中央部に位置する志賀町に設けられた1周13.1kmのサーキットコースが舞台となった。

そのコースは、おおよそ南北を往復するルート設計。周回中盤に連続するアップダウンが待ち受け、部分的に急勾配となる区間も存在する。またテクニカルな下りもあり、コース取りやバイクコントロールの技術も必要となる。この日の天候は晴れで、コースコンディションは上々。ひと踏ん張りが必要となる復路で向かい風が吹く。そんな中で行われた、ナショナルチャンピオンを決める年1回の大一番、男女計7カテゴリーで争われ、それぞれの勝者には日の丸があしらわれたナショナルチャンピオンジャージを1年間着用する権利が与えられる。

この大会にはキナンから男子エリートに山本元喜、男子アンダー23に山本大喜が出場。ともにシーズン当初から目標に設定していて、チャンピオンジャージ獲得に向けて準備を進めてきた。男子エリートは3周回・39.3km、男子アンダー23は2周回・26.2kmで争われた。

午前9時40分に競技が開始となった男子アンダー23。2周回・26.2kmに18人が出走した。そのうち山本大は14番目でレーススタート。有力選手がひしめく第2ウェーブに振り分けられ、各選手が2分おきでコースへと繰り出した。落ち着いた入りとなった序盤。1周目の中間計測こそ3番手のタイムだったが、そこからペースに乗せていき、繰り返し訪れるアップダウンも難なくクリア。1周目を終えた時点では、トップと約5秒差の2番手につける。

真価を発揮したのは最終の2周目だった。ライバルが軒並みペースの維持に苦しむ中、山本大はさらに攻めの姿勢を見せる。1周目同様にアップダウンを危なげなく抜けると、フィニッシュへ向けてラストスパート。記録は34分14秒23。1周目のラップタイム17分9秒に対し、2周目は17分4秒と、このカテゴリーの出場選手では唯一ラップタイムを上げてみせた。

この結果、2位に13秒差をつけての優勝。男子アンダー23カテゴリーの頂点に立った。そしてキナンにとっても悲願だった日本チャンピオンジャージの獲得。将来を嘱望される大学生との勝負となった山本大だったが、プロ選手としての責任をしっかりと果たす快勝となった。

●男子エリートの山本元喜は11位

大会の最終種目、男子エリートには山本元喜が出場。3周回・39.3kmで争われた日本頂上決戦に挑んだ。競技は午後0時40分に第1走者がスタート。出走29人中22番目、第2ウェーブの最後に登場した山本元は、前走者から1分後にスタート。中間計測では、通過時点で5番手前後のタイムで走行。2周回目はペースを落ち着かせて、終盤勝負に備える。

そして上位進出をかけた最終の3周目。順位のジャンプアップを目指した山本元だったが、暫定5位でのフィニッシュ。タイムは53分10秒63。スピードの落ち込みをとどめ、ほぼイーブンペースで走り切った。その後に出走した第3ウェーブの選手たちが次々と山本元のタイムを上回ったこともあり、最終順位は11位。優勝をねらって準備を進めてきたが、悔しい結果となった。

順位だけ見れば明暗分かれる格好となった両選手だが、それぞれに可能性と課題を認識するレースでもあった。次戦となる、翌週の同大会ロードレースに向けて調整と修正を図っていくこととなる。山本大にとってはロードタイムトライアルの2冠、山本元にとってはタイムトライアルの雪辱を期してロードに挑む。全日本選手権自転車競技大会ロードレースは22日から24日までの日程で、島根県益田市で開催される。キナンのロースター(出場選手)については近日中に発表を予定している。

全日本選手権自転車競技大会ロードタイムトライアル結果
●男子アンダー23(26.2km)
1 山本大喜(KINAN Cycling Team) 34分14秒23
2 石原悠希(順天堂大学) +13秒12
3 中川拳(早稲田大学) +39秒09
4 松田祥位(EQADS) +52秒14
5 大町健斗(Team Eurasia – IRC TIRE) +55秒50
6 小山貴大(シマノレーシング) +1分20秒03

●男子エリート(39.3km)
1 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 50分23秒92
2 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +1分2秒68
3 小石祐馬(チームUKYO) +1分30秒09
4 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1分36秒43
5 渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム) +1分39秒11
6 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) +1分42秒81
11 山本元喜(KINAN Cycling Team) +2分46秒71

山本大喜

山本大喜のコメント
今回は自分との戦いだと思い、一定ペースで走ることを心掛けた。レーススケジュールの関係もあり、タイムトライアルに特化したトレーニングは少なめだったが、その中でもできる限りの準備をして本番を迎えられた。調整もうまくいったので、レースではペース配分に注意して、実力を発揮できれば勝てると自信をもって走った。タイムトライアルで勝つことができたが、それ以上に重要視しているのがロード。次のターゲットはアンダー23カテゴリーでのロード日本チャンピオン。しっかりと集中して臨みたい。

山本元喜

山本元喜のコメント
パワーを見ながら走ってはいたものの、中盤から後半にかけて失速してしまったことと、イメージしていた出力に達していなかったことが敗因。思っていたレースとはいかなかった。コースに対応することはできていたと思うが、なによりパワーが足りていなかった。ペース配分も含めて、走り方を見直さないといけない。翌週のロードに向けては、コースを念入りにチェックしながらコンディションと集中力を高めていくことになる。調子は悪くないので、あとはいかに本番にピークを持っていけるかにかかっている。

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全日本選手権個人タイムトライアルで窪木一茂、与那嶺恵理が日本チャンピオンに

第22回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレースが6月18日に石川県・羽咋郡志賀町で開催され、年代別・性別のカテゴリーで日本のチャンピオンが決まった。男子エリートは窪木一茂(ブリヂストンサイクリング)、女子エリートは与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)が優勝した。

全日本選手権タイムトライアル・女子U23優勝の梶原悠未 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子U23優勝の梶原悠未(中央)。左は2位下山美寿々、右は3位田上萌々⼦ © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子エリート優勝の窪木一茂 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子エリート優勝の窪木一茂(中央)。左は2位近谷涼、右は3位小石祐馬 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子エリート優勝の与那嶺恵理 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子エリート優勝の与那嶺恵理(中央)。左は2位唐⾒実世⼦、右は3位伊藤杏菜 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子U23優勝の山本大喜 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子U23優勝の山本大喜(中央)。左は2位石原悠希、右は3位中川拳 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子ジュニア優勝の山本哲央 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子ジュニア優勝の山本哲央(中央)。左は2位⾹山⾶龍、右は3位福田圭晃 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子ジュニア優勝の石上夢乃 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子ジュニア優勝の石上夢乃(中央)。左は2位増田たま、右は女子U17優勝(ジュニア混走で3位)の渡部春雅 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子U17優勝の渡部春雅 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・女子U17優勝の渡部春雅 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子U17優勝の津田悠義 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子U17優勝の津田悠義(中央)。左は2位寺田吉騎、右は3位中村誠 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子U15優勝の犬伏輝斗 © 2018 JCF

全日本選手権タイムトライアル・男子U15優勝の犬伏輝斗(中央)。右は3位寺島京那 © 2018 JCF

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全日本選手権個人タイムトライアルへ向け準備万端…タイトル獲得に山本兄弟が挑戦

2018年の個人タイムトライアル日本チャンピオンを決める、全日本選手権自転車競技大会ロード・タイムトライアルが6月17日、石川県志賀町にて開催される。キナンサイクリングからは山本元喜と大喜の兄弟が参戦。エリートとアンダー23とカテゴリーを分けての出走となるが、それぞれこの種目の日本チャンピオンジャージ獲得を目指して走る。

選手・スタッフは大会2日前の15日に開催地入り。到着早々に選手2人は試走を兼ねたトレーニングへと出発し、コースの雰囲気を確かめた。そのなかで選手たちが念入りにチェックを繰り返したのが「周回中盤のアップダウン区間」。あらかじめ発表されていた高低図だけでは実感できない急坂やテクニカルな下りがあり、2人はともにアップダウンで攻められるよう、いかにレース全体でペースを配分できるかをポイントに掲げる。

そのコースは1周13.1km。おおよそ南北に往復するルートで、レース当日の天候や風向きも結果に反映される可能性が高い。いずれにしても、各選手の走力やテクニックがモノをいうコースといえそうだ。

そして、レース前日の16日もコースに出ての最終調整。各選手ともに約1時間、無理のないペースで走り、バイク上でのポジションの確認や脚の調子を確かめている。

今回は3周回・39.3kmで争われる男子エリートに元喜が、2周回・26.2kmの男子アンダー23に大喜が出場。当日は男子アンダー23が先に行われ、大喜が第2ウェーブからの出走。午前10時31分、最後から5人目としてスタートする。男子エリートの元喜は、第2ウェーブの最終走者として午後1時49分にスタート。カテゴリー全体では最後から9人目での出発となる。

出場両選手とも、シーズン当初から目標にすえてきた今大会。高いモチベーションでレース当日を迎える。そしてキナンとしても2015年のチーム発足以来初となる日本チャンピオンの輩出に向けて、選手・スタッフ総力を挙げて戦う。

全日本選手権自転車競技大会ロード・タイムトライアル
キナンサイクリング所属選手の出走時刻

●男子アンダー23(26.2km、9:40競技開始)
10:31:00 山本大喜

●男子エリート(39.3km、12:40競技開始)
13:49:00 山本元喜

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