日本自転車競技連盟が新コミュ配信開始…練習メニューやスキル相談も

日本自転車競技連盟(JCF)が競技登録者の拡大を目的として、上達のヒントや技術的な相談、コミュニティ交流、出場大会への練習メニューなどを配信するコミュニティ、「JCF CYCLING HUB」をスタートさせる。コミュニティサクセスプラットフォーム「コミューン」と、カスタマーサクセスマネジメントツール 「サクセスハブ」を提供するコミューンがサポートする。

潜在層へのアプローチによる普及拡大が課題であり、解決策の一つのツールを模索している中で、適切なツールだと感じました。国内に自転車愛好者は多いものの、ホビー層から競技者登録へのハードルが高く、自転車使用人口に対して競技全体の活性が伴わない現状があります。コミュニティを通して、競技に対する難しいイメージを払しょくし、カジュアルに楽しめるということを訴求していきたいと考えています。

JCF CYCLING HUBは、自転車好きのサイクリングライフをより充実させることを目的とした自転車ファンのためのコミュニティ。コミュニティ名「JCF CYCLING HUB」は、自転車の中心部「HUB(ハブ)」と「スポーク」のように、中心軸と外側の輪を繋ぐコミュニケーションの場の創出を目指していきたいと名付けられている。メンバーのサイクリングライフが円滑に進んでいくように、さらには自転車に関する情報の中心地になれるような場にしていきたいという思いが込められてるという。

知見・ノウハウをシェアし、サイクリングライフをより豊かにする。応援してくれる人とサイクリング文化を発展させていく。サイクリングだけでなくさまざまな交流による新しい楽しみの発見が目的。自転車に関するニュースやイベント情報、上達のヒントや技術的な相談、コミュニティ交流、出場大会への練習メニューなど、さまざまなトピックを配信する。

「JCF登録者の増加」「競技全体の盛り上がり」を目指し、現状の競技層とホビー層が交流を通じて融け合うことで、各競技の魅力やナレッジが蓄積・伝播し、熱量の底上げに繋がり、ひいてはJCF登録競技者の増加、さらには自転車競技者の裾野が広がり、日本の自転車競技がさらに発展していくことが期待されるという。

延期の全日本選手権女子ロードが10月23日開催へ…チームカー随行はなし

第90回全日本自転車競技選手権大会ロードレースのなかで、スポーツ仲裁に持ち込まれた一連の騒動により延期となったエリート女子・U23女子のレースが2022年10月23日に広島県中央森林公園サイクリングロードで開催されることになった。

6月25日に広島県中央森林公園で開催予定だったエリート・U23女子レースの実施は急きょ見送られていた。他のカテゴリーは予定通りに開催された。女子レースにエントリーしていた選手から、チームカー随行の要望が提出され、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)がこの訴えを支持。しかし主催する連盟が、狭くて曲がりくねったコースでのチームカーの随行に伴う危険性を考慮して、実施見送りを決めたからだ。

その延期となったエリート・U23女子レースが、ようやく10月23日に同じコースで開催されることになった。ただし騒動の発端となったチームカーの随行は見送られた。

チームカーは競技に随行できず、主催者が用意する共通機材車による器材サポートを行う。希望する選手は、共通器材車に自らの車輪の搭載を依頼することができるという。また共通器材車にチームスタッフが乗ることはできない。

世界選手権ロードの日本代表に新城幸也、与那嶺恵理ら7選手

自転車ロード世界選手権が2022年9月18日から25日までオーストラリアのオロンゴンで開催され、日本代表として派遣されるメンバーが9月13日に日本自転車競技連盟から発表された。

●日本代表選手
新城幸也(バーレーンビクトリアス)
与那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)
留目夕陽(EFエデュケーションNIPPOデベロップメント)
鎌田晃輝(松山学院高)
藤村一磨((宮崎・都城工高)
垣田真穂(松山学院高)
水谷彩奈(松山学院高)

コーチは浅田顕と柿木孝之。

世界選手権ロードの日程
9月18日 エリート女子個人タイムトライアル、エリート男子個人タイムトライアル
9月19日 U23男子個人タイムトライアル
9月20日 ジュニア女子個人タイムトライアル、ジュニア男子個人タイムトライアル
9月21日 チームタイムトライアル・ミックスドリレー
9月22日 競技なし
9月23日 ジュニア男子ロードレース、U23男子ロードレース
9月24日 ジュニア女子ロードレース、エリート女子ロードレース
9月25日 エリート男子ロードレース

全日本選手権女子ロードが実施できず…スポーツ仲裁で問題浮き彫り

国内自転車選手のチャンピオンを決める全日本選手権は、6月25日に広島県中央森林公園で開催予定だったエリート・U23女子レースの実施を見送った。他のカテゴリーは予定通り。

女子エリートにエントリーしていた選手から、チームカー随行の要望が提出され、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)がこの訴えを支持。しかし主催する連盟が、狭くて曲がりくねったコースでのチームカーの随行に伴う危険性を考慮して、実施見送りを決めた。

見送られたカテゴリーの代替レースは今後検討されるが、現時点では見通しは立っていないという。

■中止に至った経緯
2021年8月17日 コースインスペクション
10月 2021年度大会開催
2022年1月25日 2022年度大会 JCFカレンダーへの大会日程掲載
4月22日 申込資格獲得大会・資格基準の掲出
5月13日 大会開催日の告知、大会ルールの告知、エントリー受付開始
5月16日 大会要項掲出訂正のお知らせ、各種申請フォームの掲載
6月3日 大会要項更新、当該特別規則の告知ならびにエントリーリストの掲出予定について告知
6月6日 大会要項更新ならびにエントリーリストの掲出
6月8日 大会ルールの再告知および補足説明の告知
6月10日 大会ルールの再告知
6月10日 A選手のJSAAへの緊急仲裁申し立て
6月18日 JSAAによる仲裁判断
6月19日 JCF常務理事会にて特別規則変更の決定および個人ロードレース WE+WU23 実施見送りの決定

●日本自転車競技連盟の詳細ページ

楽天Kドリームス…連盟と楽天がトラックの国際登録チーム結成

楽天の子会社でインターネット勝者投票券(車券)購入サイト「Kドリームス」を運営するケイドリームスと、日本自転車競技連盟が2024パリ五輪を目指す次世代の選手たちの育成を目的として、トラック競技のチーム楽天Kドリームス(TEAM RAKUTEN K DREAMS)を設立した。

楽天Kドリームスは、国際自転車競技連合(UCI)が認めるトラック競技の国際大会への出場権を持つ、UCI登録トラック競技チーム。所属選手は2024パリ五輪出場を目指す自転車トラック競技ナショナル強化指定Aチーム、Bチームで活躍する選手。今回選ばれたのは、山崎賢人、松井宏佑、梅川風子、鈴木奈央、古山稀絵、佐藤水菜、吉川美穂、内野艶和の8選手。

ケイドリームスと日本自転車競技連盟は、2021年1月より4年間にわたってトラック競技の強化事業支援に取り組むことに合意。今回のチーム設立はその取り組みの一環。両者は、楽天Kドリームスの海外遠征の支援を行い、国際大会への若手選手の参加機会を増やすことで、実戦 を通した選手たちの育成を促し、ナショナルチームの世界選手権やオリンピック競技大会出場枠の獲得を目指す。

また、チームの公式SNSやウェブサイトを立ち上げ、所属選手の個性や出場する大会の様子などを発信することで、自転車競技や選手の既存ファンに加えて、新たなファンの獲得を図る。

両者は、今後もさまざまな取り組みを通じて自転車業界の活性化を図るとともに、自転車競技の魅力を広げ、利用者とファンの拡大および収益向上を目指していくという。

スピードスケートから競輪に転向した梅川風子
アフロなので見つけやすい山崎賢人
チーム唯一の競輪選手じゃない選手、古山稀絵
意外とお茶目なお寺生まれの松井宏佑
競輪選手養成所をトップ成績で卒業した吉川美穂
ガールズグランプリ2019・2020出場の実力者、佐藤水菜
ガールズケイリンと中⾧距離の二足のわらじ、鈴木奈央
チーム最年少、ジュニア世界チャンピオンの内野艶和

UCIトラックチームとは:世界選手権と大陸選手権、オリンピック競技大会以外のUCIが認め る国際大会に出場することが可能。国際大会では、各国のナショナルチームとして出場できる選手数には限りがあるが、UCIトラックチームがあることにより別枠を設けることができ、その国の出場枠が増える形になる。同チームを持つことの目的はさまざまだが、主な理由は「選手がUCIから付与されるUCI ポイントを多く得ることができる」、「若手に経験を積ませることができる」などトラック競技強化につなげる狙いがある。

●楽天Kドリームスのホームページ

全日本選手権ロードは中止。2020年レースは再延期もせず

自転車ロード競技の日本チャンピオンを決める全日本選手権が新型コロナウイルス禍により2020年は中止となった。2020年大会は当初、6月末に開催される計画だったが、感染拡大により延期。8月20日から広島県で開催を予定していたが、日本自転車競技連盟は6月22日にこれを中止とし、再延期はしないことを決定した。

全日本選手権が中止になったのは、1998年に第1回大会が開催されてから初めて。その前身となる全日本アマチュア自転車競技選手権を含めると、プロとアマチュアの団体の分裂期となった1955年に大会が非開催となったとき以来、65年ぶりのこととなる。

中止となったのは第89回全日本自転車競技選手権大会ロードレース、第24回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会、2020日本パラサイクリング選手権ロード大会。

各国のナショナルチャンピオンを決定する選手権は毎年、ツール・ド・フランス開催1週間前に行われ、近年は日本も主要国と日程を合わせて開催してきた。ツール・ド・フランスが8月29日開幕に延期されたことで、ナショナル選手権も多くの国がその1週間前にスライドしたが、新型コロナウイルス感染症はいまだに根絶には至らず、感染防止に向けた活動が引き続き必要となっているため、日本自転車競技連盟が中止を決めた。

「スポーツの持つさまざまな意義がありますが、その中でも健康増進、感動を与える、QOLの向上、競技力向上、地域交流といった点に対して、現在の環境下では、大会に参加する選手や指導者、観客、そして大会役員をふくめた関係者全員の健康リスクを最小限に抑えて、大会を開催することは難しいという結論に至りました」と日本自転車競技連盟。

「大会に向けてトレーニングしてきた選手・指導者、観戦を楽しみにしていたファンの皆様、開催に向けてご尽力いただいた地元関係者の方々には無念のことと思いますが、なにとぞ理解くださるようにお願いいたします。連盟では1日も早い収束を願い、2021年の開催に向けて準備に取りかかります」

●日本自転車競技連盟のホームページ