岩田康裕マイスターの輪行講座が京都サンエムズで初開催

ワールドサイクルで開催している輪行講座が初の京都で開催されることになり、その募集が始まった。開催日は5月20日。

輪行マイスター岩田康裕の輪行講座は2013年5月に始まり、2023年で10年目。のべ530人以上が直接縦型輪行方法を学んだ。5年前にけんたさんのYoutubeチャンネルに公開した「輪行マイスターに聞く、完璧な輪行のやり方」という動画は、147万回再生を超える超人気ぶり。

10周年を記念して、2023年3月に新築したばかりの京都のサンエムズ新社屋で、輪行講座を開催することになった。場所は、京都駅から徒歩約12分ととても近く、ショールームとして造られたスペースを利用。

大阪での輪行講座との違いは、自転車は参加者の持ち込みとなる。輪行袋などは用意される。3名までの少人数講座で、2時間みっちりかけて、輪行の手順はもちろん、ルールやマナー、歴史などを学ぶ。

期日:5月20日
時間:午前10時~12時、午後1時半~3時半
場所:京都市下京区新町通六条下る艮町874番3 サンエムズ株式会社

午前の部と午後の部、各3名の参加者を募集。参加費用は一人3500円(税込)。

●ワールドサイクルの詳細ページ

ロードバイクより一回り大きいグラベルバイク用大型縦型輪行袋

グラベルバイクってロードバイクと比べてタイヤが太く、ホイールベースが長く、ハンドル幅も広い。大きなバッグや小さなキャリアを取り付けることも多く、従来の縦型輪行袋だとキチキチか、巾着紐がきちんと締まらないことも。

そこで、自転車通販サイトのワールドサイクルがオリジナルブランドのR250の新商品として同社比約130%大きくした、ラージサイズの縦型輪行袋を作った。グラベルバイクはもちろん、フレームサイズが大きなロードバイク、ハンドルを90度以上曲げることのできないバイクにもおすすめ。ハンドルを正面を向けたまま固定しておくためのストラップは付属せず。

自転車にも、同時に他の乗客にも最も配慮した輪行袋といえばこの縦型タイプ。電車の中で最もコンパクトになるからだ。「作業が簡単」というだけなら横型輪行袋のほうだが、車内のことを考えるとやっぱりこの縦型タイプ。

内側には、サドル位置とリアディレイラーの場所を示すイラストがあり、収納方法も明確なのがいい。

ショルダーベルトは40mm幅の極太タイプを採用することで、肩に担いだ時の痛みを軽減する。ワンタッチバックルによって簡単に固定できる。ベルトのように通して固定するタイプのストラップと比べて断然簡単。

フレームに傷をつけないために必ず必要となるディスクローターカバーが2枚、スプロケットカバー、フレームカバーが付属する。ほかのブランドでは別売りになっていることがほとんどなので、使う方のことを考えた仕様なのだ。

わかりやすいイラストのマニュアルが付属。輪行の歴史とマナーについても解説してくれている。本体収納袋の巾着紐は、車内で手すりに固定するのに役立つという点もうれしい。固定しないと振動で倒れてしまうのだ。スプロケットカバーは最大42tまで対応。

ローターカバー2枚とスプロケットカバー

R250 グラベルバイク用 縦型軽量輪行袋 ダミーローター・エンド金具付属
8800円(税込み)

R250 グラベルバイク用 縦型軽量輪行袋
6270円(税込み)

素材:表/リップ撥水加工、裏/PU加工
重量:
約382g(本体・外袋・ストラップ4本・ローターカバー2枚・フレームカバー・スプロケットカバー)
約530g(本体・外袋・ストラップ4本・ローターカバー2枚・フレームカバー・スプロケットカバー・エンド金具・ダミーローター2個)
サイズ:縦/1200mm 横/1000mm 底幅/300mm
収納サイズ:(縦)190mm x (底)80 x 80mm

ディスクブレーキロードの輪行がよくわかる動画公開

インドアバイク&アウトドアインストラクターの平野由香里が、増えつつあるディスクブレーキロードの輪行方法を学ぶ動画がYouTubeで公開された。収録場所は、自転車の洗車とコーティングの専門店『ラバッジョ』。

輪行マイスターと呼ばれる岩田康裕が詳しく解説。ディスクブレーキ輪行の特徴はもちろん、輪行のルールやマナーについても解説している。

●輪行マイスターによるディスクブレーキ輪行講座

従来のリムを挟むキャリパーブレーキのロードバイクでの輪行は、3年前に自転車Youtuberのけんたさんを迎えて撮影した動画がおすすめ。

●輪行マイスターに聞く、完璧な輪行のやり方

空路移動時に後ろ変速機を壊さないためのケースが新登場

飛行機輪行時にリアディレイラーを保護するためのケース「R250 リアディレイラー保護ケース」が発売された。おそらく世界で初。2420円(税込み)。自転車関連商品の通販サイト、ワールドサイクルで販売中。

R250 リアディレイラー保護ケース

リアディレイラーを取り外して、ケースに収納する。リアエンド金具(別売り)との併用がおすすめ。フレームのディレイラーハンガーごと取り外してもいいが、サイズによってはケースにすべて収まりきらない場合があるという。付属のベルトを併用することで、チェーンが絡みにくくなる。

取り付け方法は簡単

1:後輪を取り外し、付属のベルトでチェーンとアウターギアを固定する。

2:リアエンド金具を取り付ける。油圧ディスクブレーキの場合、パッドスペーサーを取り付ける。

3:アーレンキーでリアディレイラーを取り外す。

4:ケースのベルトがついている方に、リアディレイラーをのせる。

5:ケースのふたをのせ、ベルトのバックル側のマジックテープで仮固定する。

6:その時チェーンがケースの穴から出るようにする。

7:ベルトを利用し、チェーンステーもしくはシートステーにケースを固定する。Di2の場合、リアディレイラーのケーブルを外しておく。ケーブルが過度に曲がらないように注意する。

8:リアディレイラーを取り付ける際は、黄色い丸のところの爪がエンドの爪に当たるように注意して取り付ける。

注意事項
リアディレイラーのサイズによっては、完全に収納できない場合がある。輪行中のリアディレイラーの破損を、完全に防ぐものではない。リアエンド金具との併用をオススメ。

サイズ:W160 x D60 x H100mm
重量:160g

モニターキャンペーンとして、1カ月以内に飛行機輪行をする予定がある人を3名募集。このケースを使用して、自身のSNSやブログで紹介しよう。申し込みはhttps://blog.worldcycle.co.jp/contact/blog/

自転車を宅配してしまう手ぶらサイクリングのススメ

空路を使うような遠隔地でサイクリングするときは自転車を宅配してしまうのがいい。専用箱が市販され、自宅への集荷から宿泊先までの配送、さらに返送までネットで簡単に手配できる。フロアポンプやヘルメットなどの機材も同梱できるので、まさに手ぶらでサイクリング。また、海外遠征時も規定サイズに収まる専用箱を使って受託手荷物として預けるのが賢い。

シクロクロスナショナルチームの海外遠征でも輪行箱は使用されている

ラクチン宅配も重労働輪行もコストはほぼ同じ

宿泊先など自転車を受け取ってくれる場所があるときは送ってしまおう。自転車を入れた輪行袋を担ぐという重労働からまず解放される。四国に空路で渡った四万十川サイクリングのときは、専用の配送システムを使って自転車を宿泊先まで送った。関東と四国の往復料金は1万1000円(税別)だった。

例えばこれを輪行で行くとしたらその価格差はどのくらいかを試算してみた。輪行袋はバスには乗せられないからタクシー利用を余儀なくされる。タクシーは割高だと、国内線の空港まで自分のクルマに自転車を積んで乗りつけてもガソリン代や駐車料がかかる。概算で1万円。初期投資費を除けばコストはそれほど変わらないのだ。

さまざまな種類の輪行箱がラインナップ

国内配送の際に使用する専用箱は3辺合計が規格最大となる240cmのもの。段ボール製造会社のコーワがさまざまなタイプのBTB輪行箱を発売している。一般的な段ボールタイプで3200円(以下価格は税別)。何回も使える樹脂製のものは3万3000円で、どちらもコンパクトに折りたためるのが特徴。

箱には両輪を外して収納する。フレームサイズの大きなものはサドル部を、ライトなどの付属物も外し、緩衝材にくるんで箱の中に入れる。総重量は配送ドライバーが持ち運べる程度の常識の範囲なら可。なにを入れたのかメモを取っておくのが秘けつ。現地で開梱したときに忘れ物があっては困るからだ。

240cmサイズは佐川急便などが取り扱ってくれる。ヤマト運輸は宅急便ではなくヤマト便扱い。合計200cm以下という制限があり、配送時に使う収納パレットが底辺約1m四方なので縦積みになる。ヤマト便用に製造された専用輪行箱(3200円)を駆使し、縦にされてもいいような収納作業が必要。

宿泊施設に送る場合はあらかじめ自転車の受け取りを依頼するなどの連絡をしておくといい。近年はスポーツバイクが高価なことも一般に浸透し、自転車をホテル内に持ち込んで保管できることも多くなった。また「サイクリスト歓迎」を打ち出すホテルも増えつつあるが、周囲の環境に十分配慮することがマナー。

日本ナショナルチーム常連の唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)も輪行箱派

地方開催のサイクリング大会などでは宅配便会社と提携した自転車配送サービスが設定されることもある。コーワでも佐渡・北海道・しまなみ・沖縄などの大きなイベントに協賛し、箱+輸送パックセットを用意しているという。

飛行機に預けるのも箱型がイチバン

空港に自転車を運び込み、機内に手荷物として預ける移動スタイルもある。自転車はその大きさから「機内持ち込み」はできないので、「手荷物」として預ける。自分の手から離れるので、電車に持ち込むときに使用する薄手の輪行袋ではなく衝撃を和らげることができるパッド入りバッグ推奨。輪行箱の場合は3辺合計203cm以下のものを利用すると国際線では無償になることが多い。ただし両輪だけでなくハンドル、サドル、ペダル、後ろ変速機を外す必要がある。

松山市内のホテルに配送。あらかじめホテルに受け取っておいてもらえるように連絡しておいた。サイクルツーリズムが浸透する愛媛県のホテルだけに部屋に自転車を持ち込めるなどありがたい対応をしてくれた

預けられるサイズや無料の条件、超過料金に関しては航空会社、路線、飛行機の大きさ、座席クラスにより異なるので航空券を手配する際に確認する必要がある。格安航空は超過料金が高め。エールフランスなど大手キャリアの場合は欧州路線で片道1万円ほど払えば自転車を預けられる。

●BTB輪行箱のホームページ

スポーツバイクを保管してくれる宿泊施設も多くなってうれしい

JAL専用飛行機輪行箱…課題山積で現行ルール改正が必要

日本航空などが6月22日に発表した自転車輸送用の受託手荷物専用ボックス(SBCON=エスビーコン)。高価なロードバイクが傷つくことなく空路で移動できると全国サイクリストの期待が高まったが、8月に初開催されたモニターツアーはさまざまな規制に阻まれ、開発陣が思い描いたようなシナリオにならなかった。魔法のアイテムのようで現実には多くの難題がある。

発表時から十数回の改良が加えられたという最新タイプのSBCON

SBCONを実質的に開発したのはIoTシステム開発会社として実績を持つ「Sワークス」。スペシャライズド社の持つブランドネームと同じだが、関連性はないものの「良好な関係」だという。6月の発表時からさまざまな課題をクリアするためにすでに十数回は改良型を制作しているという。

これまで飛行機に自転車を預けるケースでは、積載時の扱いによる破損が少なからず問題となっていた。チェックイン時に「破損時の免責書類」に署名しないと預けられないので、自分の手から離れるのさえ不安だった。それを解決したのが今回のSBCONだ。航空機下部の荷室にピッタリとフィットする独特の外観。重厚な樹脂製段ボールでできているので、収納したロードバイクが壊れることはまずない。

利用者は空港まで自転車で走っていくか、クルマで運搬するなどで空港チェックインカウンターに持ち込む。専用設計されたボックスは前輪を外すだけで、ものの数分で収容できるという。これなら不慣れな輪行をすることもないし、愛車がキズつく恐れもほとんどない。大手メディアや自転車専門誌などがそれを報じ、全国サイクリストの反響は大きかった。

2018年6月に発表された初期型のSBCON

8月に「しまなみ海道モニターツアー」を3日間の日程で開催したが、ここで思わぬ壁に直面する。空港ビルに自転車をそのままの状態で持ち込むことができないことが判明した。そのためツアー利用者はいったん輪行袋に収納してカウンターまで担いでいくことになった。

「サイクルステーションを備えているような地方空港ならそのまま自転車でアクセスできることもありますが、羽田や関西空港、セントレアなどの基幹空港は自転車によるアプローチが確立されていない。さらに現状では自転車を押して空港施設内を歩くことができないんです」とJAL担当者。

専用ボックスで行くツアーながら輪行袋がおまけでつくという、苦肉の策

SBCONは一般ユーザー向けのサービスに先がけて、ツアーなどに組み込むBtoB戦略を展開する。つまりパッケージツアーにSBCONが導入されるというかたちになる。そればらばツアー会社が空港施設の外で自走サイクリストを迎え、SBCONに収納してしまえばいいのではと期待したものの、荷物チェックを受ける際に箱から出して安全を確認しないといけないというのが現行ルールだという。またツアー催行にひと手間が加わるということで、参加費用がアップされることも予測できる。

SBCONを取り巻く課題はそれ以外にも多い。カートのように自転車を転がしてカウンターに歩いていけるようなルール改正も模索しながら、サイクリストが安全に空路で旅していけるようなシステム作りをこれからも検証していきたいという。

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