相模湾に面した湘南海岸のうち、鎌倉から逗子や葉山にかけてエメラルドグリーン色の海が広がっていて、地元では話題になっている。新型コロナウイルス感染拡大により観光地の店舗が営業を取りやめていて、人通りが少なくなったのが原因か?
神奈川県鎌倉市の海では2017年5月にもニュースで報じられるほど、海の色が変わって話題になったことがある。
鎌倉市の海岸で2017年5月上旬、水温上昇でプランクトンが異常増殖して海面の色が変わる、赤潮とみられる現象が確認されていた。さらに夜光虫が波の刺激で発光し、青白い光が波間にゆらめく幻想的な光景が一面に広がった。夜光虫はプランクトンの一種だという。
このときはかなり衝撃的な赤い海だったが、今回は南国を思わせるようなエメラルドグリーン色だ。ただし遠目に見れば南国パラダイスのようだが、海面に接近してみると透明度に乏しく、抹茶ラテを大量に流し込んだかのように濁っている。
実は今回も植物プランクトンの大増殖によって、白潮という現象が起きたのではないかと、横浜国立大学臨海海洋センターがfacebookに書き込んでいる。
「これは赤潮ならぬ白潮と呼ばれる現象です。白潮も植物プランクトンの大増殖の結果であり、円石藻という藻類が原因です」(横浜国立大学臨海海洋センターのfacebookより)
「南国の海のようですが、透明度はどの測点でも4mほどしか無く、どちらかというと抹茶ミルクでしょうか」
新型コロナウイルス感染拡大により、経済活動が停止し、化石燃料を使った交通手段や工場などの稼動がストップしている。こころなしかこれまでより青空が広がったような気もするが、湘南海岸の海は自然の浄化によってもたらされたとは言えないようだ。
5月14日には緊急事態宣言が一部で解除された。神奈川県は依然として宣言が継続しているが、5月17日の日曜日には湘南海岸で渋滞が発生。観光地として多くの飲食店が軒を連ねる鎌倉の小町通りも営業再開する店舗が増え、人通りが増えてきた印象がある。
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見た目は美しいが、湘南海岸では極めて珍しい白潮現象は海産物にも打撃を与えることになり、地元の漁業関係者は警戒心を強めているという。
同センターでは採集した試料を使って、さまざまな解析をしていく予定だという。
●横浜国立大学臨海海洋センターのfacebook
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