ニュージーランド・サイクルクラシック第1Sでキナンのカバナ2位

ニュージーランド・サイクルクラシックが1月11日に開幕し、KINAN Racing Teamのライアン・カバナが第1ステージで2位になった。終盤の駆け引きから抜け出し、そのまま逃げ切ったメンバーでのステージ優勝争いだった。

ニュージーランド・サイクルクラシック第1ステージでライアン・カバナ2位 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

チームにとって3年ぶりとなる南半球・ニュージーランドでのシーズンイン。通算3度目の出場となる。大会初日から大雨に見舞われ、レース距離が短縮された。

ニュージーランドでは唯一のUCI(国際自転車競技連合)公認の国際ステージレースで、これまで数々の名選手を輩出した登竜門的な位置づけのレースでもあるこの大会。KINAN Racing Teamは2019年の初出場以来シーズン開幕戦として臨んでいて、2023年は新型コロナ禍を乗り越えての3年ぶりの出場を果たしている。  

今回の舞台となるのは、大会前半が首都ウェリントンから北東へ100kmほど進んだ街・マスタートン。後半に入るとウェリントンへと移って、全5ステージで争われる。  

久々の参戦に大きな歓迎を受けているチームは、過去に出場経験のある山本元喜、トマ・ルバ、新城雄大の既存の主力組に、ライアン、孫崎大樹、ドリュー・モレのニューフェイスが合流。新たなメンバーとの融合も、今季初戦の重要なテーマに。直前まで行われていたオーストラリア選手権で好成績を挙げたドリューとライアンには、開催地のメディアも注目しており、KINANメンバーとして早くも真価を問われる場ともなる。  

ニュージーランド・サイクルクラシックのキナンレーシング ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

そうして迎えた第1ステージは、拠点のマスタートンを出発し北へ針路をとってアルフレッドトンとを往復するルート。アルフレッドトンでは35kmの大周回を2回めぐり、マスタートンへと戻る。  

例年ハイスピードで展開するのが大きな特徴の今大会にあって、この日選手たちを苦しめたのがスタート以降強まる一方の雨。次第に風も強くなっていったことから、レース進行中にアルフレッドトンの周回を1回に短縮。ステージ距離は123kmに変更された。  

プロトンでは悪天候をついてアタックする選手が出るものの、どれも脅威とはならず。KINANメンバーも危険を回避しながら集団内でのポジションを押さえて進行。膠着状態が続いたが、100km地点を過ぎて均衡が破られる。地元ニュージーランド選手の飛び出しをきっかけに、数人の追走グループが形成される。ライアンがこれに乗じ、やがて先頭までブリッジ。先頭が5人でまとまると、集団に対して少しずつリードを広げて優位な状況を作り出した。  

この状況にメイン集団は前を行く選手たちを追い切れず、ライアンたちの逃げ切りは濃厚に。フィニッシュへ向かう最後の1kmは急坂区間。好位置をキープして上ったライアン。最後はジェームス・オラム選手(ボルトンエクイティース・ブラックスポークプロサイクリング)との一騎打ちとなり、先着を許したものの、バッドコンディション下でのレースで2位と上々の走り。後続にタイム差をつけてのフィニッシュで、残りのステージを見据えても好スタートとなった。  

残る5人も終始メイン集団でレースを進め、ステージを完了。翌日へとつなげている。  

大会初日からイレギュラーな格好となったが、第2ステージからは一層激しいレースになることが予想される。次はマスタートンから南下し、マーティンバラを折り返す127.3km。中盤に登坂区間が控えるが、後半は下り基調で、フィニッシュはスプリントが予想されている。

●キナンレーシングのホームページ

ファンアールトがW杯2勝目…ピドコックは世界選手権欠場

ベルギーのワウト・ファンアールト(ユンボ・ビスマ)が、1月8日にベルギーのゾンホーフェンで行われたシクロクロスワールドカップでライバルのマチュー・ファンデルプール(オランダ)に差をつけて優勝。2022-2023シリーズで2勝目。

ファンアールトが1月8日にベルギーのゾンホーフェンで行われたシクロクロスワールドカップで優勝した ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

砂区間でファンデルプールを突き放す

ゾンホーフェンの砂区間はワールドカップシリーズで最もテクニカルなコースの1つと言われるが、ファンアールトはほぼ完璧な走りを見せつけ、レース序盤から先行すると、後ろを確認することはほとんどなかった。

ライバルであるファンデルプールは、先行したファンアールトを早めにキャッチし、中盤戦でプレッシャーをかけようとした。しかし、ファンデルプールは深い砂のセクションでコースアウトするなどで、すぐにファンアールトに30秒以上遅れを取る。

ファンアールトは最後まで気を抜かず、2位ファンデルプールを80秒引き離して、地元のファンに手を振ってゴールした。ベルギーのローレンス・スウィークが3位。

ファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

28歳のファンアールトは、「ファンデルプールは突然ボクの前で転倒し、そのアクシデントで大きなギャップを作ることができた」。

「明日はチームキャンプに出発する。走りに磨きをさらにかけるためには、太陽の下で何マイルも走る必要がある」

ファンアールトがワールドカップで優勝 ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

ピドコックがシクロクロス世界連覇に固執せずロード練習に集中

英国のディフェンディングワールドチャンピオン、トム・ピドコックは今回のワールドカップレースに出場しなかった。シクロクロス世界選手権は2月5日にオランダのホーヘルハイデで開催されるが、ピドコックが欠場することが確認された。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャの全日程はスペインがベースに

2023ブエルタ・ア・エスパーニャのコースが発表された。8月26日にスペインのバルセロナで開幕し、9月17日に首都マドリードにゴールする。大会序盤にピレネー山中のアンドラやフランスのツールマレー峠を訪問するが、全21ステージはほぼスペインをベースとして行われる。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャは8月26日から9月17日まで

総距離は3158.3km。

  • 4=平坦ステージ
  • 2=平坦ステージで最後が頂上ゴール
  • 6=起伏がちなステージ
  • 7=山岳ステージ
  • 1=チームタイムトライアル、1=個人タイムトライアル
  • 2=休息日

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ日程

8月26日(土) 第1ステージ バルセロナ=チームタイムトライアル 14.6m
8月27日(日) 第2ステージ マタロ〜バルセロナ 181.3km★★
8月28日(月) 第3ステージ スリア〜アリンサル(アンドラ) 158.5km★★★
8月29日(火) 第4ステージ アンドララベリャ(アンドラ)〜タラゴナ 183.4km★★
8月30日(水) 第5ステージ モレリャ〜ブリアナ 185.7km★★
8月31日(木) 第6ステージ ラバイドゥイショー〜ハバランブレ天文台 181.3km★★★
9月1日(金) 第7ステージ ウティエル〜オリバ 188.8km
9月2日(土) 第8ステージ デニア〜ショレトデカティ 164.8km★★★
9月3日(日) 第9ステージ カルタゲナ〜カラバカデラクルズ 180.9km★
9月4日(月) 休養日
9月5日(火) 第10ステージ バリャドリード=個人タイムトライアル 25km
9月6日(水) 第11ステージ レルマ〜ララグナネグラ・ビヌエサ 163.2km★★
9月7日(木) 第12ステージ オルベガ〜サラゴサ 165.4km
9月8日(金) 第13ステージ フォルミガル・ウエスカラマジア〜ツールマレー峠(フランス) 134.7km★★★
9月9日(土) 第14ステージ ソブテールドベアルン(フランス)〜ララベアグア 161.7km★★★
9月10日(日) 第15ステージ パンプローナ〜レクンベリ 156.5km★★
9月11日(月) 休養日
9月12日(火) 第16ステージ リエンクエスプラジャ〜ベヘス 119.7km★
9月13日(水) 第17ステージ リバデセジャ〜アングリル峠 122.6km★★★
9月14日(木) 第18ステージ ポラデアランデ〜ラクルズデリナレス 178.9km★★★
9月15日(金) 第19ステージ バニェザ〜イスカル 177.4km
9月16日(土) 第20ステージ マンザナレスエルレアル〜グアダラマ 208.4km★★
9月17日(日) 第21ステージ サルスエラ競馬場〜マドリード 101km
★は難易度

●ブエルタ・ア・エスパーニャのホームページ

DSMがスコットと契約延長…グループメーカーのシンクロスも

ワールドツアーチームのDSMは、スコットとのパートナーシップをさらに2年間更新した。スコットは、プレミアムバイクと高性能ヘルメットの公式サプライヤーとしてを引き続きサポートしていく。スコットスポーツグループの一員であるシンクロスは、自転車コンポーネントのスポンサーとしてのパートナーシップを拡大し、チームDSMの公式サドルサプライヤーになった。

DSMが2023シーズンに投入するスコット

ツール・ド・フランス女子で最初のマイヨジョーヌ獲得も

DSMは2021年にスコットと契約。チームDSMは、2022年は最新型のフォイルRCの開発に共同参画した。チームはグランツールのステージで優勝し、2022ツール・ド・フランスファムの第1ステージで優勝し、最初のマイヨジョーヌを着用するなど活躍した。

スコットスポーツのパスカル・デュクロ副社長は「チームDSMはワールドツアーチームとして大きな成功を収め続けており、スコットにとって素晴らしいパートナーだ」と評価する。

「キープチャレンジの哲学を持つチームは、イノベーション、テクノロジー、デザインに対する私たちの情熱とシームレスに調和している。チームはスコットと同じハイパフォーマンスの目標によって推進されている」とデュクロ副社長。

DSMのスコットバイク

DSMのCEOであるイワン・スピークブリンクは、「私たちはプロのロードサイクリングに変化をもたらすという情熱を共有している」という。

「スコットは、高性能レーシングバイクの開発において卓越した実績を持っている。まったく新しいフォイルRCの最近の導入により、スコットは再びこの評判に応えた。今後数年間、スコットとその業界をリードするエンジニアリングチームと協力し続けることができることに興奮している」

【フランスのおすすめホテル】プールサイドの部屋はプライベートデッキとネコも

南西フランスのカルカッソンヌは「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」と言われる中世から栄える都。このカルカッソンヌの郊外にあるペノーティエ(Pennautier)という小さな町がある。インターネット予約サイトでここにラ・ベイティナ(La Beytina)という宿を見つけて予約していた。

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【フランスのおすすめホテル】プールサイドの部屋はプライベートデッキとネコも

●eSIM、トリファのホームページ

ダカールラリー爆走中…TOYOTA GAZOO Racingが首位堅持

2022年12月31日から2023年1月15日までサウジアラビアの砂漠地帯で行われている第45回ダカールラリー2023。1月7日の第6ステージを終えて四輪クラスでナッサー・アルアティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)が首位を堅持している。

1月7日の第6ステージを走るナッサー・アルアティヤ(TOYOTA GAZOO Racing) ©DPPI / Red Bull Content Pool

同大会は自動車・二輪・バギーカーなどが砂漠や山岳地帯を走り、どれだけ短い時間でゴールできたかを競う。

1月7日の第6ステージを走るナッサー・アルアティヤ(TOYOTA GAZOO Racing) ©Marcelo Maragni / Red Bull Content Pool

大会主催者は自転車レースのツール・ド・フランスと同じA.S.O.(アモリースポルトオルガニザシオン)。かつてはフランスの首都パリを出発し、アフリカ大陸の西端にあるセネガルのダカールを目指したことから「パリダカ」と呼ばれていた。2020年から現在の中東サウジアラビアで開催されるようになった。

ダカールラリーの二輪クラス ©DPPI / Red Bull Content Pool
ダカールラリー ©Marcelo Maragni / Red Bull Content Pool