対向車が迷惑なまぶしさを抑え、地面も明るくなるシェード

自転車ヘッドライトが照射する光で、歩行者や対向車ドライバーが「眩しい」と感じる光を遮断し、危険を防止するシェードがワールドサイクルから発売された。シリコンゴムの伸縮性を利用することで、90%以上の自転車ヘッドライトに装着可能とメーカー。2200円。

防眩効果を維持しながら先端が発光する「光る防眩シェード」

夜のサイクリングに欠かせない自転車ヘッドライト。しかし、性能がアップし、光量が大きくなることで、歩行者や対向車ドライバーには「眩しい」ものになる。眩しいライトから歩行者や対向車ドライバーが眼をそむけたり、眼の残像効果で視界が暗くなることは、一瞬だが「危険な瞬間」を生み出す。

自転車ヘッドライト用防眩シェードORCANO(オルカノ)は自転車ヘッドライトが照射する歩行者や対向車ドライバーへの「眩しい光」を遮断し、サイクリストに必要な視界を確保しながら、サイクリストの存在を知らせる機能、ライトの落下防止機能もあわせ持つ。

防眩性能
ORCANO(オルカノ)は前方に滑らかに突き出す形状で自転車ヘッドライトの光をコントロール。歩行者に対する遮光と対向車ドライバーに対する遮光を同時に実現。サイクリストの走行に必要な視界を確保するための中心光と道路への光はそのまま維持。さらに内面の鏡面仕上げによって上方に照射されていた光を自転車下部と周辺に反射させ、周囲に自転車の存在を知らせる。

高い耐衝撃性
シリコンゴムで成型されたORCANO(オルカノ)は柔らかい素材のため、人・車と接触しても衝撃を吸収。

光る防眩シェード
グラファイト・チェレステブルー・ペールピンク・ブルー・グリーン・オレンジ・イエロー・ホワイト。先端部の光はシリコンゴムを透過しているため、柔らかい拡散光となり、眩しさはない。

被せるだけのイージーフィット構造
ほとんどのヘッドライトでORCANO(オルカノ)の装着はライト先端に被せるだけ(メーカー調べ)。シリコンゴムの伸縮によってORCANO(オルカノ)はライトにしっかりと密着し、走行中に脱落することはない。一部のライト(先端からブラケット取付部が近いタイプなど)では、ORCANO(オルカノ)の一部をカットするとフィットする。その場合は付属の装着固定用両面シールで固定。一般的な両面テープではシリコンゴムに接着できない。

ライトの形状は円筒形が一般的だが、断面が楕円形でも角の丸い長方形でも周囲長が92〜126mmであれば装着できる。周囲長111mm以上、断面が角の丸い長方形の場合は時間がかかるかも。取扱説明書に取付手順を記載。

ミラーステッカー付属。オルカノのカラーとライトの光量、取り付け位置によっては、ライダーがまぶしいと感じる場合がある。その場合付属のミラーステッカーを貼ることで、光の透過が抑えられる。スリット入りなので、ライトのON/OFFも容易に判別がつつ。

付属の専用ストラップでライトの落下を防止:ORCANO(オルカノ)には左右に二つのストラップホールがあり、シリコンゴム製の専用ストラップが付属。夜間走行中にヘッドライトがブラケットからはずれて道路や草むらに落下してしまう事故を防止。

徹底した軽量化
無駄をそぎ落としたORCANO(オルカノ)の重量はわずか12g。専用ストラップを含めても16g。極限まで軽量化したロードレーサーでも負担にならない重さ。

素材:シリコンゴム
重量:本体12g・専用ストラップ4g
サイズ:幅36.6mm・奥行き90.2mm・高さ32.8mm
シリコンゴム伸び率:約140%
付属品:専用ストラップ1本、ミラーステッカー、装着固定用両面シール(2cm×2cm)2枚、取扱説明書/ガイドブック
生産国:本体/日本 専用ストラップ/中国

●ワールドサイクルの販売ページ

トレックバイシクル東京池袋東口店が7月22日にオープン

トレック・ジャパンが東京都豊島区南池袋にTREK Bicycle 東京池袋東口店を7月22日にオープンさせた。メーカー直営店として国内では26店舗目、都内では5店舗目となった。

TREK Bicycle 東京池袋東口店

JR池袋駅至近の利便性の高い場所にオープン

キッズバイクからハイエンドロードバイクまで、最新ラインナップ70台以上を常時展示。試乗車も約10台用意される。直営店独自のサービスも多数あって、トレック社製以外のスポーツ自転車のメンテナンスにも対応。

トレックFX 2

サイクリストはもちろん、初めてのスポーツ自転車を探している人まで、要望に合わせて自転車を通じた幅広いライフスタイルをメーカー直営店として自信をもって提案していきたいという。

トレック・Madone SLR9 eTap
■店舗情報
TREK Bicycle 東京池袋東口店
オープン日:7月22日(金)
住所:〒171-0022 東京都豊島区南池袋1-21-10 藤久ビル東1号館1階
電話:03-6914-2156
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日
Webサイト:https://www.trekstore.jp/shop/tokyoikebukuro
Instagram:https://www.instagram.com/trekbicycle_tokyoikebukuro/
Facebook:https://www.facebook.com/trekbicycletokyoikebukuro

ビンゲゴーが総合優勝…開幕地となったデンマーク勢は26年ぶり

ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(25)が第109回ツール・ド・フランスで初の総合優勝を達成した。大会は史上初めて北欧のデンマークで開幕し、7月1日から24日まで行われた。同国選手として1996年のビャルネ・リース以来の2人目の勝者となった。

ユンボ・ビスマは最終ステージで、リタイアしたチームメート3選手のナンバーカードを掲げて圧巻の優勝を報告 ©A.S.O. Pauline Ballet

チームメートのワウト・ファンアールト(ベルギー)が連日にわたって積極的な走りを見せ、ビンゲゴーの勝利に貢献するとともに、区間3勝、ポイント賞、総合敢闘賞を集中にした。した。3連覇を狙ったUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は総合2位。

デンマークの3日間は大盛りあがり ©A.S.O. Pauline Ballet

3連覇を狙ったポガチャルから離れず、タイムトライアルで突き放す

2021年にポガチャルに続いて総合2位となったビンゲゴー。第11ステージで首位に立つと、最終日前日の個人タイムトライアルで総合優勝を確実にした。その日の勝利者会見で「昨年からツール・ド・フランスに勝てると信じていた」と明かす。

初日はランパールトが優勝。たった1日だがマイヨジョーヌを着用した ©A.S.O. Pauline Ballet

一見か弱く見える選手だ。母国である開幕地で大声援を送られて思わず目頭が熱くなるほどの素朴な性格。ポガチャルのように若い頃から注目されることはなく、魚河岸でアルバイトをしながら練習し、プロになった努力家だ。しかしマイヨジョーヌを着用し続けていくうちに王者の風格が感じられるようになり、記者会見も堂々としたところを見せた。

マイヨジョーヌのファンアールトがまさかのアタック ©A.S.O. Pauline Ballet

2年前、チームは最終日前日にどん底に叩き込まれた。マイヨジョーヌを守ってきたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が個人タイムトライアルでポガチャルにまさかの逆転負けを喫したのだ。

「そんなことの再来は望んでいなかったから、いい走りができて首位を守ることができてようやく安堵した」と今回のビンゲゴー。

大会中盤はタデイ・ポガチャルが実力を見せつけて首位に。第7ステージのスタート地点 ©A.S.O. Charly Lopez

3連覇を狙ったポガチャルから、アルプスでマイヨジョーヌを奪うと、その後は息を呑むような戦いを展開する。どちらも守りに入らず、毎日全力でライバルを引き離しにかかった。攻撃の手を緩めないポガチャルに、ビンゲゴーは食らいつき、そして最終日前日の個人タイムトライアルで突き放した。

「お世話になったチームとデンマークにいい報告ができる。デンマークでの報道をまだ知らないけど、みんな興奮していることは推測できる」

2022ツール・ド・フランス第11ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte

変幻自在の動きを見せたファンアールトが敢闘賞

ビンゲゴーの初優勝に大きく貢献したのがベルギーのワウト・ファンアールトだ。ステージ3勝と、スプリント王の称号であるポイント賞を獲得。序盤の4日間はマイヨジョーヌを着用したが、「チームエースはビンゲゴー」と割り切り、集団から遅れた同選手を引き上げたりした。

ファンアールトが先頭に立ってマイヨジョーヌのビンゲゴーを牽引 ©A.S.O. Pauline Ballet

最終日前日はそんなファンアールトにとっても感慨深い結果になった。2年前にログリッチが逆転負けしたときのチームメートだったからだ。自身がトップタイムで優勝するとともに、ビンゲゴーがマイヨジョーヌを死守してゴールすると感極まって頬に涙が伝わった。

「チームから総合優勝者が出ることは特別なことだ。ビンゲゴーは強くもあるが、人間としても素晴らしい。そんな彼をチーム全員が栄冠に導いたのだから、本当にうれしい」

マイヨジョーヌを獲得してからビンゲゴーはポガチャルを徹底マークした ©A.S.O. Pauline Ballet

コロナ禍での3年目のツール・ド・フランス

2002年は大会が2カ月遅れの秋に延期され、スタートとゴールに観客を入れない運営で開催。2021年は感染状況も落ち着いたことからいつもの夏開催へ。そして2022年はフランスに第7波が到来。4度の総合優勝を誇るクリストファー・フルームなど複数の選手が大会中に罹患しリタイアした。主催者は大会中盤から選手への接触を禁止。チームバスが駐車するエリアに立ち入るスタッフにマスク着用を義務づけた。

2022年のツール・ド・フランスは初日以外は快晴で、おりからの熱波もあって暑かった ©A.S.O. Pauline Ballet

感染者は多いもののフランスではコロナ以前の生活が戻った。海外からの観光客数は激減しているが、2024年のパリ五輪に向けて観光大国としての復権に努める。

ファンフルーテンが第1回ツール・ド・フランスファムで初代女王に


モビスターのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)が7月24日から7月30日まで開催された8日間の女子ステージレース、第1回ツール・ド・フランスファムで総合優勝した。2020東京五輪で金・銀メダルを獲得した39歳は、山岳が舞台となる最後の2ステージで連勝。最終日前日に獲得したマイヨジョーヌを最後まで守った。

第1回ツール・ド・フランスファムの総合優勝はファンフルーテン ©A.S.O. Thomas Maheux

ツール・ド・フランスファムはツール・ド・フランスの女子部門として33年ぶりに開催されたステージレース。今回は男子とは別日程、独自コースで開催され、女子選手の華やかさと近年レベルアップを続ける力強い走りで盛り上がりを見せた。

マイヨジョーヌのファンフルーテン、山岳賞のデミ・ボレリングらが集団をリード ©A.S.O. Thomas Maheux

「最終日のゴール、ラ。シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユで黄色のジャージを着ることは、大会前に偵察を行ったときから私が望んでいたこと。私が考えることができた最高のもの結果になった」とファンフルーテン。

最終ステージはKMゼロ前のニュートラル区間で1回、さらに途中で2回メカトラで自転車を交換したファンフルーテン ©A.S.O. Thomas Maheux

「すべての観客が応援してくれた。大会2日目と3日目に体調を崩した後、このジャージを着てここにいるなんて信じられないほど大変だった」

モビスターのアネミエク・ファンフルーテン ©A.S.O. Fabien Boukla

スプリントのある平坦ステージを含めバランスが取れた大会だったと評価した。大会中盤には起伏があるコースが控え、最後の2日間は山岳が舞台。通常の他のステージレースよりもはるかに困難だったという。

ツール・ド・フランスファム ©A.S.O. Fabien Boukla
最後の激坂、ラ・シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユを上るファンフルーテン ©A.S.O. Fabien Boukla
独走するファンフルーテンを追うカタリナ・ニーウィアドナら ©A.S.O. Fabien Boukla

「ツール・ド・フランスというものを感じた。第1回大会として最適な方法だったと思う。今後数年間はこの興奮が継続していくはず」(ファンフルーテン)

マイヨジョーヌのファンフルーテン ©A.S.O. Fabien Boukla
総合優勝のファンフルーテンを中央に、左が2位デミ・ボレリング、右が3位カタリナ・ニーウィアドナ ©A.S.O. Thomas Maheux

ファンフルーテンがツール・ド・フランスファムで逆転王手

女子版ツール・ド・フランスの第1回ツール・ド・フランスファムは7月30日に第7ステージが行われ、モビスターのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)が後続選手に3分26秒差をつけて独走。1分28秒遅れの総合8位から一気に首位に出て、マイヨジョーヌを獲得。

第7ステージでモビスターのアネミエク・ファンフルーテンがマイヨジョーヌを獲得 ©A.S.O. Thomas Maheux

全8ステージで開催される大会は7月31日が最終日。ファンフルーテンが得意とする山岳ステージが残されていて、初優勝に王手をかけた。

キャニオン・スラムのニーウィアドナ、FDJスエズのルドビクが上りを攻める ©A.S.O. Thomas Maheux

ファンフルーテンは2020東京五輪で個人タイムトライアルの金メダリスト。個人ロードではスタート直後から逃げていた選手の存在を把握できず、2位集団の先頭でゴールした際に金メダルを確信してガッツポーズ。結果は銀メダルだった。

39歳というベテランながら上りでは他の女子選手の追随を許さぬほどの実力があり、2022年の女子版ジロ・デ・イタリアでも総合優勝している。

ツール・ド・フランスファムはレースも熱いが、気候も暑い。スタート前に冷却ベストを着用する  ©A.S.O. Fabien Boukla

「平坦なオランダの出身であることを考えると、これは私のキャリアの中で最大の勝利の1つ」とマイヨジョーヌを獲得したファンフルーテン。

じつは開幕直後に病気となり、大会2日目にはリタイアを考えたという。

「自宅に帰る荷造りをしているとき、スーツケースの中にマイヨジョーヌが入っていないことに気づいた。その黄色いジャージを獲得できるなんて奇跡に近かった」

キャニオン・スラムのエース、カタリナ・ニーウィアドナ(ポーランド) ©A.S.O. Thomas Maheux

39歳のファンフルーテンだが、毎年フィットネスレベルを向上させてきた。この日は実力者のデミ・ボレリングと2人で集団を抜け出したが、途中で単独に。

「彼女が先頭交代をしてこなかったし、最後の登りの前に25kmの谷があったのでそこで勝負しようとも思った。でも優勝はソロでゴールに飛び込むほうがいい」とアタック。そのまま逃げ切った。

「この大会は私の期待を超えている。すべての村で歓迎され、大会が生き生きとしているのを感じることができている」

世界チャンピオンのエリーザ・バルサモらが出走サインステージから出撃 ©A.S.O. Fabien Boukla 

ツール・ド・フランスファム…男子とは全く異なる魅力的で熱き戦い

女子版ツール・ド・フランスの第1回ツール・ド・フランスファムが2022年7月24日にフランスの首都パリで開幕。首位選手にマイヨジョーヌが与えられるステージレースとしてはじつに33年ぶりの開催。31日まで全8ステージで争われる。

FDJスエズ・フチュロスコープのセシリーウトラップ・ルドビクが第3ステージで初優勝 ©A.S.O. Fabien Boukla 

大会名のFemmesは「女性」という意味のフランス語。1984年から1989年まで女子部門として「ツール・ド・フランスフェミナン」が男子集団に先行して走っていた時代がある。男子よりも短い日程、短い距離ながら同じコースを使って3時間ほど前を走った。

女子レースは男子のツール・ド・フランス最終日、7月24日に同じパリで開幕 ©A.S.O. Fabien Boukla
ウルスカ・ジガートのボーイフレンド、男子のトップ選手タデイ・ポガチャルが応援にやってきた ©A.S.O. Fabien Boukla 

ツール・ド・フランスファムは、開幕日こそ男子レースの最終日としてゴールするパリだが、全8ステージのレースコースは独自のものだ。

第2ステージで優勝し総合成績でマイヨジョーヌを獲得したマリアンヌ・フォス(ユンボ・ビスマ) ©A.S.O. Fabien Boukla 
世界チャンピオンのエリーザ・バルサモらが出走サインステージから出撃 ©A.S.O. Fabien Boukla 

パリのエッフェル塔前をスタートし、シャンゼリゼの周回コースで行われた第1ステージでは、スプリンターのロレーナ・ウィーブス(オランダ、DSM)が優勝。続く第2ステージでは平坦区間に強いユンボ・ビスマのマリアンヌ・フォス(オランダ)がゴール勝負を制してマイヨジョーヌを奪取。

ツール・ド・フランスファムはレースも熱いが、気候も暑い。スタート前に冷却ベストを着用する  ©A.S.O. Fabien Boukla

大ベテランのフォスは第6ステージまで首位をキープしているが、最後の2ステージはドイツ国境にも近いボージュ山脈へ。山岳スペシャリストの出番となり、総合成績は大きく変わるはずだ。 最終日は逆転優勝の可能性があるラ・シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユにゴールする。近年の大会でも総合優勝に大きく関わってきたラ・プランシュデベルフィーユが「スーパー=シュペール」の形容詞をつけた新コースで登場する。

キャニオン・スラムのエース、カタリナ・ニーウィアドナ(ポーランド) ©A.S.O. Thomas Maheux