ロレックスからスピンアウトしたチューダーがジロ・デ・イタリア公式時計に

スイスの時計メーカー、チューダーが2023年からジロ・デ・イタリアとその姉妹レースのオフィシャルタイムキーパーとなった。2月16日にイタリアのミラノで発表され、UAEツアー(2月20〜26日)から活動を開始する。

2022ジロ・デ・イタリアの個人タイムトライアル ©Marco Alpozzi/LaPresse

チューダーはスイスのファビアン・カンチェラーラが指揮するUCIプロチーム、チューダーサイクリングのスポンサーとしても知られる。その指導哲学はスイスらしさを取り入れた人間中心のアプローチで、スイスの企業や組織と提携してチームを強化していく。次世代のチャンピオンを生み出すために開発チームを立ち上げている。

時計メーカーとしてのチューダーは、1930年代にロレックスの創始者ハンス・ウィルスドルフが立ち上げたディフュージョンブランド(廉価ブランド)。80年以上にわたるチューダーの技術と哲学が込められているダイバーズウォッチが人気。

●チューダーのホームページ

石橋アタック、山本と小石がUCIポイント獲得…ツアー・オブ・オマーン

中東を舞台とした5日間のステージレース、ツアー・オブ・オマーンは最終日となる2月15日に第5ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの山本大喜が6分07秒遅れの総合32位、小石祐馬が。7分57秒遅れの総合38位でフィニッシュした。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ。山脈の麓をスタートし、標高500m前後をアップダウンを繰り返す152.5km。ゴールまでの5.7kmは10%超えのクライムが続くレイアウト。JCL TEAM UKYOは第4ステージを終えてトップから2分4秒遅れの総合29位に山本。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

最終日となるこの日、最後の山での走りが総合成績に大きな影響を与えることもあり、終盤 に至るまでの山本のポジションを守ることを最優先に考えた作戦でスタートに並んだ。

レースはスタートして間もなく、石橋学を含めた7名のエスケープが形成された。一気に2分のタイムギャップが開く。これはこのグループに総合を脅かす順位の選手がいないこと、コース後半に2度のスプリント賞が設置されていることもあり、僅差で総合優勝を争うリーダーチームとしては逃げを前半に容認して後半勝負に持ち込みたい思惑によるものだ。

石橋学がツアー・オブ・オマーン第5ステージでアタック ©A.S.O. Pauline Ballet

こうして3分以上の差がつかないように続いたコントロールは終盤まで続くことになる。石橋を送り込んでいるJCL TEAM UKYOはこれで有利な状況となる。プロトン内で終盤に備え、補給やいいポジションをキープして山本をフォローした。

残り20km、エスケープグループは人数を減らし5名となるが、石橋も粘る。いよいよレースは終盤、コースは山岳へと進路を変え、6kmで600m登るヒルクライムに入った。麓で1分を切っていた差は途端に縮み、レースは振出しに戻った。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージでリーダージャージを着るマッテオ・ヨルゲンソン ©A.S.O. Thomas Maheux

そして、総合上位のエース級の選手たちがレースの最前線に現れる。一気に14名に絞られたグループからも、さらに4名がスパートしたことで崩壊。ハイペースの厳しい登りにバラバラになり、各々の力が登りのポジションとなる。山本、小石も30位~40位のポジションで必死にペダルを踏み続ける。

そして、勝負は総合トップのモビスターのマッテオ・ヨルゲンソンと総合3位のマウリ・ファンセベナント(スーダル・クイックステップ)の一騎打ちに。10%強の登坂を駆け抜けトップでゴールに現れたのはファンセベナント。ゴールのボーナスタイムであわや逆転という展開だったが、ヨルゲンソンがゼロ秒差で後ろに付き切り、1秒差という僅差で総合リーダーの座を守った。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

第3ステージ同様、続々とゴールに辿り着いた選手たちがバタバタと倒れていくなかに小石が現れた。順位はトップから3分43秒差の37位、そして山本もゴール、苦しみに空を仰ぎ力を出しつくした様子だった。

しばらくしてアシストを終えたメンバーたちに続き、この日130km以上逃げ続けた石橋もゴール。UCI 2-PROクラスのステージレースで全員完走を果たした。小石の好走の結果、総合40位以内に加算されるUCIポイントを2名が獲得し、JCL TEAM UKYOの今回の一つの目標を達成する結果となった。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

全5ステージ 830kmのレースは1秒差で総合優勝が決まる熾烈な戦いとなった。サウジツアー、ツアー・オブ・オマーンを経験し確実に成長を遂げた選手たち。これから本格化するレースシーズンに大きな刺激を与えてくれた中東遠征となった。

ジェオフリー・ブシャール。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

「1戦1戦チームらしくなってきました。今日もみんなが守ってくれて、 最後もいい位置で山に入れました。日に日によくなる自分のコンディションに大きな期待を賭けて挑みましたが少し順位を落としてしまいました。小石が近くにいてくれたのは心強かったです。この力を次の レースにぶつけていきたいです」(山本)

小石祐馬。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©JCL TEAM UKYO

「サウジツアーの不調から徐々に調子も上げてこれました。この経験を来年のこのレースに向けてまた準備し、いい結果を目指していきたいです」(小石)

山本大喜。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©JCL TEAM UKYO

「石橋の逃げはチームに有利な状況を作ってくれました。僕らコン チネンタルチームの戦い方をしっかりと大会に表現できたと思います。 厳しいレースの中で小石と山本がUCIポイントを獲得したことは大きな価値があると思っています」(清水裕輔監督)

ツアー・オブ・オマーンを戦ったJCL TEAM UKYO ©JCL TEAM UKYO

サイクルベースあさひ多治見店…修理・点検などの各種サービスも

快適な自転車ライフを提供するあさひが2023年2月16日、岐阜県多治見市に「サイクルベースあさひ多治見店」をオープンさせた。

サイクルベースあさひ多治見店サイクルベースあさひ多治見店

多治見店ではシティサイクルをはじめ、幼児・子供用、電動アシスト自転車など幅広い自転車を取り扱い、買い物に「わくわく」「安心」「便利」を届ける。修理・点検などの各種サービスを提供する。

店舗は、適切な新型コロナウイルス感染症対策を行いながら、地域の人の快適な自転車ライフを支えいきたいという。

多治見店のオープンを記念して2月16日(木)から3月21日(火/祝)までの期間、電動アシスト自転車やスポーツサイクルなどがお得に購入できるオープニングセールを開催。セールは、サイクルベースあさひ公式アプリに登録した人を対象とする。

サイクルベースあさひ多治見店
住所:〒507-0053 岐阜県多治見市若松町1-22-1
営業:11時~20時(土日祝/10時~20時)
※2月21日から5月20日の期間の営業時間は平日も10時~20時
定休日:年末年始、棚卸日(2月と8月に、各1日)
※2023年2月20日(月)は棚卸のため定休日
TEL:0572-28-1120
駐車場:あり
アクセス:
電車:JR中央本線、太多線「多治見」駅から徒歩約15分
車:国道248号線(志野もみじ街道)沿い「音羽町」交差点から北へ約200m
●サイクルベースあさひ多治見店のホームページ

山本大喜が総合29位に浮上…ツアー・オブ・オマーン第4ステージ

中東を舞台とした5日間のステージレース、ツアー・オブ・オマーンは2月14日に第4ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの山本大喜が1分29秒遅れの36位でゴール。総合成績で34位から29位に浮上した。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ、スタート地点は首都マスカットから120km離れた標高 500mの街。この日はレース最長の205kmのステージ、70kmを過ぎた地点からマスカットに向けて下り基調になるレイアウトだ。しかし、ラスト15kmからは海から再びそびえ立つ山中に入っていく上、終盤に山岳賞やスプリント賞が集中しているため長距離で体力を奪われた終盤にハードな展開が待ち受けた。

山本大喜。ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©JCL TEAM UKYO

そしてこの日はスプリント賞やゴール勝負で得られるボーナスタイムでも総合順位の逆転が可能な接戦により、レース展開がワールドツアーチームの出方で大きく変わってしまうことが懸念された。JCL TEAM UKYOは石橋学を先手に攻撃に出ることで展開を落ち着かせ、終盤の展開に山本と小石祐馬を温存する作戦でスタートに並んだ。

清水裕輔監督がツアー・オブ・オマーン第4ステージのスタート前に指示を伝える ©JCL TEAM UKYO

午前10時15分、レースはスタートから動き出した。これまでと違うのは、プロトンを飛び出していく選手が総合上位圏外のワールドツアーチームのメンバーであるということ。この展開によりチェックするプロトンのスピードは高速化、最初の2時間を47km近いアベレージで進行していく。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

石橋、武山晃輔、岡篤志もアタックにチャレンジするが、ワールドツアーチームの追撃に飲み込まれてしまう。しかし状況が一転。最初のスプリントポイントを前に強烈なスピードでウノXのフレドリックが飛び出した。敢闘賞の総合成績で2位につけているフレドリックはプロトンの追撃を凌駕し走り続けた。

この展開に3名が加わると、100km地点を過ぎてようやく3分差のエスケープグループを構成。すでに下り基調となったコースにコフィディスやモビスターの牽引するプロトンは、エスケープグループと距離を読みながら終盤の戦いに備えた。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©JCL TEAM UKYO

JCL TEAM UKYOは補給をこまめに取り、山本と小石の風よけとなりながら終盤に備えた。スタートして4時間弱、先行との差は1分半。ゴールまで15kmの地点からの登り で一気にペースが上がった。ここで山本と小石、ベンジャミ・プラデスはメンバーのアシストを受けて前方で登りに入る。一気に絞られていくプロトン、逃げていた選手をキャッ チすると展開は激化。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

この展開に食らいつく山本も少し離れては下りで追いつくなどピークの状態だったが、なんとか耐え抜いてゴールスプリント目前にトップグループの中に入り込む。そして、一気に横に広がったスプリント合戦を制したのはUAEエミレーツのディエゴ・ウリッシ、本命の実力を見事に発揮した。

山本は36位でゴール。53秒遅れて小石、プラデスと続き、JCL TEAM UKYOはこのロングステージを全員が走り切った。第4ステージを終えて山本は総合成績を34位から29位にアップ、ターゲット通りの走りができた。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージのJCL TEAM UKYO ©JCL TEAM UKYO

翌日は最終ステージで、さらに激しい総合争いにどこまで順位を上げていけるかが大きな目標 となる。

「今日は前半から作戦通りメンバーが攻撃をかけましたが、展開が厳しく作戦通りにはいきませんでした」と山本。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©JCL TEAM UKYO

「しかし終盤の展開に向けてみんなが風よけになってくれたり、ボトルを運んでくれたり、前方へエスコートしてくれたりと僕らを優位に運んでくれました。登りではトップについていくのがギリギリの状態でしたが、下りでバイクが伸びてくれて最後はメイングループでゴールできました。体調もいいので明日も全力で頑張ります」

ディエゴ・ウリッシがツアー・オブ・オマーン第4ステージで優勝 ©A.S.O. Thomas Maheux

「今日もみんなよくやってくれました。前半100kmが全くスピードが緩まないという展開でしたが、レース中にコミュニケーションをとれた連携で山本の総合順位を上げることにも貢献しました。レースだからこそチームが成長できる、どんどんいい状態になっています。明日も頑 張ります」と清水裕輔監督。

モビスターのマッテオ・ヨルゲンソンが首位を死守 ©A.S.O. Thomas Maheux

ネコ好き注目の神保町書店がにゃんこ堂サイクルジャージを作ってしまう

神保町交差点にある町の小さな本屋、姉川書店「猫本専門 神保町にゃんこ堂」とワールドサイクルがコラボレーション。にゃんこ堂サイクルジャージの予約受け付けが始まった。

©神保町にゃんこ堂

神保町にゃんこ堂へようこそ

神保町交差点にある町の小さな本屋、姉川書店「猫本専門 神保町にゃんこ堂」では、常時600種類/2000冊以上の猫本を並べている。ほぼ、全ての表紙が見えるようディスプレイしていて、店内の猫本は全て立ち読み可能。

じっくり、まったり、猫本を読み比べて、とっておきの一冊を探してみたい。

猫本専門の神保町にゃんこ堂

神保町にゃんこ堂 サイクルジャージ NYANDERFUL

サイズ:XXS~4XL ユニセックス
1万3200円 (税込)
予約は2023年3月6日まで。4月下旬頃届け予定。

にゃんこ堂サイクルジャージ ©神保町にゃんこ堂

基本のベーシックモデル。吸汗速乾性、伸縮性に優れた高機能素材を採用。内部の汗を素早く吸水し蒸れを防ぐので、いつでもサラッとした着心地を実感できる。裾滑り止めシリコンゴム標準装備。豊富なサイズ展開で男女問わず着用できる。

材質 : ポリエステル100%
仕様 : 3分割バックポケット付き ユニセックスモデル
製造 : サンボルト S-RIDE

神保町にゃんこ堂

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山本大喜がワールドツアーの上り勝負に食らいつく…ツアー・オブ・オマーン3S

ツール・ド・フランスを主催するASOが運営する中東のステージレース、ツアー・オブ・オマーンは2月13日に過酷な山岳がラストに待ち構える第3ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの山本大喜が1分29秒遅れの34位になった。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

灼熱の暑さと最後に待ち構えるヒルクライム

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ。コースはマスカット郊外の山脈の裾野をなぞっていく レイアウト。スタートから45kmが緩やかな登り。その後下り基調を経て、93km地点のスプリントポイントを通過すると緩やかな上りとなるが、146km付近からはじまるラスト5kmは、ゴールに向けて一気に15%近くまで登り勾配が跳ねあがるプロファイル。

ファクターバイクをJCL TEAM UKYOは駆使する ©JCL TEAM UKYO

終盤の高いクライム能力が問われるコースで、総合上位が絞られる展開が予想された。この日は総合25位までの選手が総合トップの選手から15秒の僅差にいることもあり、総合リーダーを抱えるコフィディ スが終盤の登りまでコントロールすることが予想された。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

JCL TEAM UKYOは総合成績に望みのある小石祐馬と山本を最終展開で前方へリードすることに徹するため、逃げをうたないで勝負を待つ戦略を選びスタートラインに並んだ。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

この日スタートしてすぐに飛び出したのは5名の選手。この中で前日までの総合成績が最も高い選手はBINGOAL WBのジョアン・ミーンの1分24秒遅れ。そして、情報を得たリーダーチームのコフィディスは逃げを容認。ボーナスタイムのかかったスプリントポイントも93km地点と遠いことから、先行と3分のタイムギャップを保ちながらレースは淡々と進行していった。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

そして、この日選手を苦しめたのは30度を越える気温。JCL TEAM UKYOも他チーム同様、補給所や車での給水とは別に先回りして選手に水分補給のフォローに向かうなど忙しくなる。レースも100kmを超えるとエスケープグループから2名がドロップし、3名でラスト6kmのスプリントポイントを通過。追走するプロトンは射程圏内に彼らを捉え、いよいよ最後の登りでの勝負が近づいてきた。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージは過酷なルートをたどった ©A.S.O. Thomas Maheux

この動きに対応するため、JCL TEAM UKYOはレイモン・クレダーと武山晃輔が総合成績に可能性がある山本や小石、クライミングに優れたベンジャミ・プラデスをフォローし、集団前方のポジションをキープ。

ツアー・オブ・オマーンに参戦するJCL TEAM UKYO ©JCL TEAM UKYO

登りに入ると一気にグループは絞られ40名ほどのトップグループとなる。ラスト2kmになると更に勾配はきつくなったが、ここで上位20名のポジションに山本が残る健闘をみせる。

マッテオ・ヨルゲンソン(米国)が上りのゴールで抜け出した ©A.S.O. Pauline Ballet

山本の奮闘はラスト1kmまで続いたが、モビスターのマッテオ・ヨルゲンソンの強烈なアタックにトップグループは崩壊。彼はその勢いを崩さないままトップでゴールした総合リーダーであったヘースス・エラダがゴールで倒れこむほどの激闘で、多くの選手が苦悶の表情でレースを終えると、間もなく山本が現れた。

マッテオ・ヨルゲンソンがツアー・オブ・オマーン第3ステージ優勝 ©A.S.O. Thomas Maheux

その差はトップから1分29秒差の34位。力を尽くした山本は、手ごたえを感じたこの戦いに表情は明るいものだった。さらにプラデスと小石が大きく遅れずにフィニッシュしたことでチームの総合成績は18チーム中11位とアップし、実りのあるステージとなった。

山本はツアー・オブ・オマーン第3ステージで1分29秒遅れの34位 ©JCL TEAM UKYO

「自分の全ての力を出した結果なので納得しています。今の自分の力、そして未来の成長へ向き合える手ごたえを得ました。これからどんどん先にいきます」と山本。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©JCL TEAM UKYO
モビスターのマッテオ・ヨルゲンソンが首位に ©A.S.O. Pauline Ballet
ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©JCL TEAM UKYO