2人逃げでケムナ優勝、ロペスが首位に【ジロ・デ・イタリア第4S】

第105回ジロ・デ・イタリアは移動日明けの5月10日、アボラ〜エトナ間の172kmで第4ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのレナード・ケムナ(ドイツ)とトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)が抜け出し、ケムナが初優勝。総合成績ではロペスがマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を逆転して首位になった。

レナード・ケムナがフアン・ロペスを下した ©Massimo Paolone/LaPresse

ケムナはジロ・デ・イタリア初優勝。ツール・ド・フランスでは2020年にステージ優勝している。2022シーズンはブエルタ・ア・アンダルシア、ツアー・オブ・アルプスに続く3勝目。

ロペスはスペイン勢として17人目のマリアローザ着用者となったが、24歳での獲得はこの中では最年少。

2022ジロ・デ・イタリアがイタリアに戻ってきた。第4ステージはシチリア島 ©LaPresse

ロペスがマリアローザを獲得してとてもうれしかった

「大人数の第1集団に加わったので、できるだけここで頑張ろうと思った。ラスト10kmで先行したけれど、向かい風が吹いていたし、まだ急な上り坂ではなかったので自信はなかった。最後の1kmはロペスの後輪についていくことに懸命で、それがうまくいった」とケムナ。

「ロペスがマリアローザを手に入れたことを知ってうれしい表情を見るのは素晴らしかった。お互いに幸せだった。今回のジロ・デ・イタリアでは総合優勝争いに加わることは絶対にないけど、将来はそこで戦うかもしれない」

2022ジロ・デ・イタリア第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

アルベルト・コンタドール以来のマリアローザに興奮

「最後の山岳のことを知らなかったが、監督が無線で指示をしてくれた。最も難しい部分でアタックしろと言われてそのとおりにした。かなりいい走りができていると感じた」とロペス。

「ケムナのことはよく知らなかったが、ボクは自信を持っていた。自分がマリアローザを獲得したことを知るまで数分かかった。アルベルト・コンタドールがマリアローザを着た最後のスペイン人だったとみんながボクに伝えてくれた。この瞬間を楽しもうと思う」

フアン・ロペスとレナード・ケムナがゴールを目指す ©Fabio Ferrari/LaPresse
お互いの健闘を称え合うレナード・ケムナ(左)とフアン・ロペス ©Fabio Ferrari/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリアを制したレナード・ケムナ ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

フアン・ロペスが第4ステージでマリアローザ ©LaPresse

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ティソがジロ、ツール、ブエルタバージョンの腕時計を発売

ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャのオフィシャルタイムキーパーを務めるティソがTサイクリングシリーズを発売した。アンバサダーのプリモシュ・ログリッチがインスピレーションの一部となったスポーツウォッチ。

TISSOTジロ・デ・イタリア

世界のサイクリストをインスパイアするエリートライダーに敬意を表してデザインされた特別なティソが登場した。クラシックな雰囲気とウォッチ全体に散りばめられた自転車パーツとのリンクに惹きつけられる、ロードレースファン必見のアイテム。

「時間がすべて」とログリッチ

ブエルタ・ア・エスパーニャで3度の優勝を果たし、オリンピックチャンピオンでもあるプリモシュ・ログリッチは語っている。「私はレースに全力が出せるように努力をする。そしてレースのすべての瞬間を楽しむために、なにもかもを捧げる」

TISSOTのアンバサダーでもあるログリッチ

偉大なチャンピオン、そして唯一無二のウォッチは、こうした正確さと情熱によって作られる。だからこそ、2020年のツール・ド・フランス総合2位であるログリッチがティソのアンバサダーであり、新しいティソ Tレース サイクリングシリーズのインスピレーションの一部であることは驚くにあたらない。 

TISSOTジロ・デ・イタリア

世界中のサイクリストをインスパイアするエリートライダー、プロトンのヒーローたちに敬意を表してつくられた新世代のティソ Tレース サイクリングは、ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャの3つのスペシャルエディションで登場。1853年以来、感動の時を刻んできたティソは、この伝説的なレースのすべてにおいてオフィシャルタイムキーパーを務めている。 

TISSOTジロ・デ・イタリア

ティソ Tレースサイクリングの2022年エディションは、スポーツに軸足を置きつつ、以前にも増してクラシックなルックスと自転車を彷彿させるパーツデザインを融合させた。

プッシュボタンはブレーキレバーを、針はスポークをイメージ。レーシングバイクのフレームの軽さを表現したラグ、カセットを連想させるリューズとケースバック、さらにウォッチケースのミドルリングはカーボンで作られている。またラバーブレスレットには、ツールバイクのハンドルグリップをイメージしたパンチングレザーが追加された。 

TISSOTツール・ド・フランス

ケースバックにはレースロゴが刻印され、各大会のカラー(ジロはピンク、ツール・ド・フランスは黄色、ブエルタは赤)が秒針とリューズに施されている。

TISSOTブエルタ・ア・エスパーニャ

ジロ・デ・イタリア 
T135.417.37.051.01
税込価格 ¥69,300(本体価格 ¥63,000)
近日入荷予定

TISSOTジロ・デ・イタリア

ツール・ド・フランス 
T135.417.37.051.00
税込価格 ¥69,300(本体価格 ¥63,000)
7月以降入荷予定

TISSOTツール・ド・フランス

ブエルタ・ア・エスパーニャ 
T135.417.37.051.02
税込価格 ¥69,300(本体価格 ¥63,000)
8月下旬以降入荷予定

TISSOTブエルタ・ア・エスパーニャ

サイクリングに必要な機能を搭載した襟付きシャツ&Tシャツ

パールイズミは2022年春夏新商品として普段着感覚で着こなせるカジュアルなアイテム、「シティライド ステンカラーシャツ」「シティライドT」をサイクルショップやスポーツ用品店などで発売する。

シティライド ステンカラーシャツ
シティライド ステンカラーシャツ

シティライド ステンカラーシャツ

ゆとりのあるフィット感のシティライドフィットで、通勤や通学にも使いやすい襟付きの吸汗速乾シャツ。1バックポケットやさりげないワンポイントの再帰反射など、サイクル仕様のディテールも取り入れた爽やかな色合い。サイズはユニセックス展開なので女性サイクリストも着用できる。

ワンポイントロゴをあしらったシャツカラー
小物の収納に便利な1バックサイドポケット

338-B / シティライド ステンカラーシャツ
【カラー】4. グレー 5. スカイ
【価格】10,780円(税込)
【サイズ】XS, S, M, L, XL(ユニセックス)
【商品特徴】
□ サラリとした肌触りの吸汗速乾素材を採用
□ 1バックサイドポケット

シティライド ステンカラーシャツ(スカイ)

シティライドT

ゆったりとしたシルエットの吸汗速乾Tシャツ。シンプルなデザインの中にもアクセントとなる左胸ファスナー付きポケットや3バックポケット、再帰反射など自転車テイストを盛り込んだ一着。サイズはユニセックス展開なので女性サイクリストもOK。

シティライドT

330-B / シティライドT
【カラー】1. オフホワイト 2. グレー
【価格】6,600円(税込)
【サイズ】S, M, L, XL(ユニセックス)
【商品特徴】
□ 3バックサイドポケット
□ 13cmあきファスナー付き左胸ポケット

シティライドT(オフホワイト)

●パールイズミのホームページ

スカイランニングで再び世界タイトル獲得を目指す…上田瑠偉

脊髄損傷の治療方法発見に取り組む研究の資金助成を目的にしたチャリティランニングイベント、Wings for Life World Runが5月8日に世界各地で同時開催され、東京の神宮外苑ではトレイルランの上田瑠偉が参加。2022シーズンは世界タイトルを狙っていくと意気込みを語った。

上田瑠偉が神宮外苑で激走 ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

ケガで苦しんだから、走れる喜びを多くの人に感じてほしい

上田は起伏の激しい山間部をランニングするトレイルランの第一人者。長野県の名門・佐久長聖高で走っていたオンロードラン出身選手でもあり、2021年は新潟県の南魚沼市で開催されたWings for Life World Runのアプリ大会に初参加している。

「南魚沼大会は夜間のランニングとなりましたが、想像以上に多くの人が集まって、この大会やチャリティイベントとしての関心の高さを推測することができた」という。

高校時代は、度重なる怪我で走れないときのほうが多かった上田。「だからこそ走れるようになったときの喜びや生きてる実感というのを強く感じました。Wings for Life World Runは脊髄損傷の走れない人が走れるようになるかもしれない、そんな素敵な夢を実現させ得る世界的イベント。 ボクが感じた走れる喜びを脊髄損傷の方にも感じてほしい」と、2022年もアプリランに出場。

今回は新国立競技場に隣接する明治神宮外苑で、都心部のジョギング愛好家が夜間でも走っているコース。「昨年はヘッドランプをつけたけど、今回は都心部の明るさがあるので不要。アイウエアは調光レンズを選択して、透明のサングラスを投入した」とナイトランに備え、一般参加者とともにアプリを起動させてそれぞれの記録に挑んだ。

トレイルランの上田瑠偉

9月9日、イタリアでスカイランニング世界選手権開催

2019年にスカイランナーワールドシリーズでアジア勢として初の年間王者。世界タイトルを獲得した。コロナ禍で海外遠征がままならなくなった2020年は、全国の都道府県を訪れ、上田が全国に記録を残すプロジェクト、「Japan F.K.T. Journey」を企画。各都道府県を巡ることで、より身近に、いつでも世界レベルの上田に挑戦できる機会を作った。

2021年になると次第に海外に行けるようになり、2022年はさらに自由に遠征できる環境が整いつつある。

「その中で5月末にスペインであるスカイランニング大会、セガママラソンでタイトルを取ることが目標。また9月9日にイタリアでスカイランニング世界選手権もあるので、そこでまた世界一を取れるように頑張りたい。

トレイルランの上田瑠偉、スノーボードの鬼塚雅、フィギュアスケートの紀平梨花

スカイランニングがオリンピックの正式種目に採用される可能性はある。国際競技団体が2024年のパリ五輪の競技入りを目指して精力的に活動している。

トレイルランは五輪種目ではないが、2024年のパリ大会はレイルランが盛んなフランスで開催され、よく遠征に行く国として見守っている。トレイルランは2028年五輪での正式種目採用に向けた活動もあり、「もしオリンピック種目になったときのため、そのときタイトルが取れるように日々トレーニングを続けていく」と将来を見据える。

紀平梨花…ケガでさらに強くなったなと言ってもらえるようなシーズンにしたい

紀平梨花 ©Suguru Saito / Red Bull Content Pool

カベンディッシュ通算16勝目【ジロ・デ・イタリア第3S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月8日、ハンガリーのカポシュバール〜バラトンフュレド間の201kmで第3ステージが行われ、マーク・カベンディッシュ(英国、クイックステップ・アルファビニル)がゴール勝負を制して優勝。首位のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)はその座を守った。

2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©LaPresse

9年ぶりの出場でグランツール通算53勝、歴代3位

9年ぶりにジロ・デ・イタリアに出場したカベンディッシュ。大会通算16勝目であると同時に、グランツールでは通算53勝目。これはエディ・メルクスの65勝、マリオ・チポッリーニの57勝に続く歴代3位の記録となる。

ジロ・デ・イタリアでカベンディッシュが初勝利してから、13年と360日という歳月が流れた。ジーノ・バルタリの持つ15年と9日には及ばないが、これは1935年から1950年と第二次世界大戦をはさんでのものだ。

また36歳と11カ月17日という年齢での勝利は、2011年に37歳で勝ったアレッサンドロ・ペタッキに次ぐもの。

ハンガリー最終日となる第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

強力アシストがいるから言い訳はできない

「この感覚はジロ・デ・イタリアで初勝利したときと同じだ。このレースが大好きで、この成績に満足している。ジロ・デ・イタリアは今でもボクにとってかけがえのないものだ」とカベンディッシュ。

「間違いなく、ボクのチームは自分に自信を与えてくれている。最高のアシスト陣を持っているから、言い訳はできない。マチュー・ファンデルプールが行くのを感じたので、早めに行かなくてはならなくて、とても長いスプリントだった」

「ハンガリーでのジロ・デ・イタリアは素晴らしかった。群衆は驚異的だった。ボクは自転車に乗っている多くの人々、多くの自転車ルートを見ることができた。人々はグランデパルテンツァ(開幕地)を愛していた。ボクにとってここにいることは特権だったし、ここで優勝できたことは特別な意味がある」

カベンディッシュを先頭にゴールラインを目指す ©Marco Alpozzi/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)リック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)
□マリアビアンカ(新人賞) マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

第3ステージでもマリアローザを守ったファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

第2ステージにもどる≪≪   ≫≫第4ステージにすすむ

福田穣が追いつかれるまで逃げ続けるランで世界1位に

脊髄損傷の治療方法発見に取り組む研究の資金助成を目的に、世界のトップアスリートを含む参加者が同時スタートで走るWings for Life World Runで、日本の福田穣(31歳、福岡県出身、プロランナー)が64.4km走り、男性部門の世界1位になった。

福田穣がWings for Life World Runで男子優勝 ©Bambi Kawakubo Mami for Wings for Life World Run

地球上で最後まで逃げ続けたランナー

何万人のランナーが世界各地で一斉にスタートする。スタートから30分後にキャッチャーカーと呼ばれる追跡車がスタートから走り出し、参加者たちを追いかける。キャッチャーカーは最初ゆっくりと走り、時間を追うごとに徐々にスピードを上げていく。キャッチャーカーに追い抜かれた時点でその参加者はレースが終了となり、世界で最後に追い抜かれた参加者に世界チャンピオンの称号が与えられる。

新型コロナウイルス感染により、「フラッグシップ・ラン」と呼ばれる、前述したリアルなラン大会は日本では3年連続で開催されなかったが、アプリを使って所定のコース、または自分の好きな場所で走る「アプリラン」は実施された。

2022年のイベントは165カ国で192の異なる国籍の人々、合計16万1892人が参加。日本では東京の神宮外苑で179人、他のアプリラン・イベント参加者と通常のアプリラン参加者合わせて日本全体では2060人が走った。

福田はWings for Life World Run App Run Eventマリンメッセ福岡に参加した。国士舘大時代に箱根駅伝に出場。八千代工業、西鉄の実業団選手として走り、プロ転向。現在は世界最強のマラソン軍団『NN Running Team』に日本人初の選手として所属。パリ五輪を目指し進化を続ける。

日本人女子は過去に2人が世界チャンピオンに

2015、2016年と2年連続で女子の部は日本人が世界チャンピオンに輝いている。2015年:渡邊裕子さん56.33 km、2016年:吉田香織さん65.71 km。2022年大会での女性部門の1位は米国のニーナ・ザリーナさんで、記録は56km。

紀平梨花…ケガでさらに強くなったなと言ってもらえるようなシーズンにしたい

トレイルランの上田瑠偉、フィギュアスケートの紀平梨花、スノーボードの鬼塚雅が神宮外苑のランに参加

スカイランニングで再び世界タイトル獲得を目指す…上田瑠偉

上田瑠偉が神宮外苑で激走 ©Jason Halayko for Wings for Life World Run