ツール・ド・ラブニールは日本勢惨敗…小出樹が唯一の完走

全9ステージの激闘を繰り広げるU23版ツール・ド・フランス、ツール・ド・ラブニールが8月13日から22日までフランスで開催され、日本ナショナルチームはレース途中でリタイア選手が続出。小出樹が1時間21分24秒の73位で完走した。総合優勝は双子の兄弟として出場したノルウェーのトビアス・ヨハネッセン。

完走を果たした小出樹を抱きかかえる(左から)山田拓海、川崎三織、留目夕陽、蠣崎優仁、平井光介

日本からはEQADSに所属する留目夕陽蠣崎優仁山田拓海平井光介小出樹川崎三織が日本ナショナルチームとして出場した。

序盤の平たん区間はオランダ勢が上位を独占したが、山岳に突入した第6ステージで、1999年生まれ、双子のアンデルス&トビアス・ヨハネッセン兄弟がワンツーフィニッシュするなど実効支配。最終ステージでUCIワールドチームのイネオス・グレナディアーズに所属するカルロス・ロドリゲス(スペイン)が70kmを逃げ切り優勝。一時は総合成績で逆転したが、最終的にトビアス・ヨハネッセンがわずか7秒の差で総合首位を守った。

U23版ツール・ド・フランスに6選手からなる日本チーム出場

●EQADSのホームページ

2020東京パラを陰で支えるトライアスロンメカニック

障害者トライアスロン(パラトライアスロン)は2016年のリオパラ五輪から正式競技となった3種目混合レースで、通常のトライアスロンと同様に水泳、自転車、ランを連続して行う。自転車パートはロードバイクだけでなく、2人乗りバイクやハンドサイクルを使用する選手もいる。東京パラ五輪の同競技で日本代表選手を陰で支えるのが、パラトライアスロンチームのメカニックを務める塩野谷聡さんだ。

破損時に選手が交換するためのスペア車輪を準備する=本人提供

パラトライアスロンチームの底上げには専属メカニックが必要

東京都小金井市にある自転車ショップ、アセントサイクルを経営する塩野谷さんがパラトライアスロン競技と出会ったのは、リオパラ五輪の1年前だ。

ツール・ド・フランスを見たのがきっかけで自転車に目覚め、高校では自転車競技部に所属。このとき顧問だった先生の紹介で、パラトライアスロンが正式種目になるリオパラ五輪の開催1年前にメカニックになった。

最初の遠征はリオ大会のテストイベント。塩野谷さんにとっては十数年ぶりのメカニック業務だった。当初は選手への顔つなぎや、大会の現場を知るためが主な目的だと聞かされていたが、現場は想像以上にハードだった。

パラ五輪の実績がなかったスポーツだけに、選手を含めてすべての関係者がそのやり方を模索中。輸送中に変速機をつけるフレームの一部が欠損するなどのトラブルにも直面。選手も遠征慣れしていなく、その当時は国を代表する競技者としてまだの意識も低かった。「組織をきちんと作りたい」というパラトライアスロン組織が求めたのがチームとしての態勢づくり。そのためには指導者とともにメカニックは不可欠だった。

2021年4月、廿日市のアジアトライアスロンパラ選手権を走る谷真海 ©Satoshi TAKASAKI/JTU

障害を持つ選手が自転車パートを戦う際は、義肢装具士が手がける装備品を自転車に取り付けて障害をカバーする。こういった装具の部分と障害を補う付属パーツは塩野谷聡さんの担当外。選手それぞれがなじみのショップで競技に必要なパーツ類などのセッティングは済ませてくるので、それをメンテナンスするのが主な任務となる。ロードバイク、2人乗り、ハンドサイクルなどを、選手が試走したあとに洗車から整備、注油までを行い、「こうしてほしい」という要望に応える。

合宿直前にはメンテナンスをするとともに、輸送のための梱包してほしいというオーダーもある。

「倉庫の鍵を預かってピックアップして、きちんとメンテナンスしてから、倉庫に戻す。コロナ禍では選手とできるだけ接触しないことが求められているので」

ナショナルチームでは洗車と整備を担当=本人提供

パラトライアスロンのクラスは、ハンドサイクルを使用するシッティング、義肢でペダルを漕ぐスタンディング、視覚障害のある選手がハンドル操作を担うガイドと2人乗りバイクに乗るブラインドなどに区分される。選手はクラスや場面に応じて、ハンドラーと呼ばれる支援者の支援を受けながら、水泳のスタートからランニングのゴールまでの所要時間を争う。ロードバイクの改造や義手、義足の着用が許可されるが、その改造は安全が保たれ、推進力を助長しない範囲で認められる。

塩野谷さんは本業である自転車ショップの売り上げが好調で、多忙な日々が続く。店舗を開ける午前中に選手の自転車をピックアップして、閉店後に作業。夜のうちか翌朝に届けるという強行スケジュールだ。

「疲労はスゴくあります。でも、こういうのって手を挙げてもやらせてもらえないことなので」

2021年5月に横浜で行われたワールドトライアスロンパラシリーズでバイクパートをスタートする秦由加子 ©Satoshi TAKASAKI/JTU

メカの出番がないことを。選手が無事にゴールしてくれれば

今回の東京パラ五輪では、選手との接触を減らすために選手村には入らず、機材などを調整するハイパフォーマンスセンターに作業スペースを設けて、そこで従事する計画だ。選手と直接話しはせず、オンラインなどでやりとりする。

さらにレース当日。会場入りできるのはコーチだけ。レース中は観戦自粛もあって、おそらく沿道にも立たない。

「ナショナルチームであっても自宅観戦を指示されています。それでもなにかあったときのために必要な機材を持って近くにはいるつもりです」と決意を口にする。

「コロナで延期にならなければ出場できた選手もいたはずです。だれが悪いというものではなく、まさかの事態となってしまいましたね。現状はとても厳しいですが、選手のことを考えると開催してくれることへの感謝しかありません。大会がなくなったら選手たちは報われなくなる」

塩野谷さん。小金井市のアセントサイクルで

できれば多くの人たちに実際のレースを見にいってほしかったというが、「テレビでもいいので、まずはこのスポーツや選手のことを知ってほしいです。東京でパラ五輪が開催されるという一時のブームでもいいけど、まずはパラスポーツを認知してもらうことが大切です」

小金井で生まれ育った塩野谷さんは、地元開催される国際イベントに関われたことにうれしさを感じる。この仕事をしているからなおさら名誉なことで、大会の開催をだれよりも楽しみにしている。

「自分の仕事がなにもなくてもいいんです。選手にアクシデントがなければ」

ここを直したからこういう結果になったんだ、なんてメカニックの仕事自慢をアピールする場ではなく、競技者をしっかりとサポートするのが使命だとその表情から確かな意志を感じた。

2020東京パラリンピックのトライアスロン競技に日本勢は7選手

2021年8月24日から9月5日まで開催される東京パラ五輪。トライアスロン競技は8月28日と29日、お台場海浜公園とその周辺で行われる。水泳750m、自転車20km、ラン5kmで争われ、男女別・クラス別に表彰される。

日本代表は土田和歌子(八千代工業)、秦由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン)、谷真海(サントリー)、木村潤平(社会福祉法人ひまわり福祉会)、宇田秀生(NTT東日本・NTT西日本)、米岡聡(三井住友海上火災保険)、円尾敦子(日本オラクル・グンゼスポーツ)の7選手。

義肢装具士…2020東京パラを支える職人たちがいた

●アセントサイクルのホームページ
●2020東京パラリンピックの公式サイト

カルーゾが難関山岳で独走勝利…ブエルタ・ア・エスパーニャ9S

第76回ブエルタ・ア・エスパーニャは2021年8月22日、プエルトルンブレラス〜アルト・デ・ベレフィケ間の188kmで第9ステージが行われ、バーレーンビクトリアスのダミアノ・カルーゾ(イタリア)が独走でステージ優勝。

カルーゾが2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2021

総合成績では第6ステージで首位に返り咲いたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)がその座を守った。

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2021
マイヨロホを着るログリッチを援護するユンボ・ビスマ勢。2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2021
ログリッチがマスを抑えてステージ2位でゴール ©PHOTOGOMEZSPORT2021
エガン・ベルナルは第9ステージで苦戦 ©PHOTOGOMEZSPORT2021

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨルナレス(山岳賞)ダミアノ・カルーゾ(イタリア、バーレーンビクトリアス)
□マイヨブランコ(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

第8ステージにもどる≪≪   ≫≫第10ステージにすすむ

ダミアノ・カルーゾ。2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2021

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

ヤコブセン2勝目、ログリッチ首位堅持…ブエルタ・ア・エスパーニャ8S

第76回ブエルタ・ア・エスパーニャは2021年8月21日、サンタポラ〜ラマンガ・メノル湖間の173.7kmで第8ステージが行われ、ドゥクーニンク・クイックステップのファビオ・ヤコブセン(オランダ)がゴール勝負を制して優勝。第4ステージに続く今大会2勝目で、大会通算では4勝目。

ステージ2勝目のヤコブセン ©PHOTOGOMEZSPORT2021

総合成績では第6ステージで首位に返り咲いたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)がその座を守った。

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2021
2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2021
ヤコブセンが2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージで優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2021
ログリッチが第8ステージも首位を守った ©PHOTOGOMEZSPORT2021

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨルナレス(山岳賞)パベル・シバコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)
□マイヨブランコ(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

第7ステージにもどる≪≪   ≫≫第9ステージにすすむ

表彰式で振りまいたシャンパーニュのボトルはビンの回収ボックスへ ©PHOTOGOMEZSPORT2021

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

ストーラーが大会最初の難関で優勝…ブエルタ・ア・エスパーニャ7S

第76回ブエルタ・ア・エスパーニャは2021年8月20日、ガンディア〜バルコン・デ・アリカンテ間の152kmで第7ステージが行われ、DSMのマイケル・ストーラー(オーストラリア)が優勝。

マイケル・ストーラーが第7ステージを制す ©PHOTOGOMEZSPORT2021

総合成績では前日に首位に返り咲いたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)がその座を守った。

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2021
マイヨロホのログリッチをマークするベルナルら主要選手 ©PHOTOGOMEZSPORT2021
アダム・イェーツ、プリモシュ・ログリッチらがゴールを目指す ©PHOTOGOMEZSPORT2021
マイケル・ストーラー ©PHOTOGOMEZSPORT2021

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
マイヨルナレス(山岳賞)パベル・シバコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)
□マイヨブランコ(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

第6ステージにもどる≪≪   ≫≫第8ステージにすすむ

パベル・シバコフが山岳賞でトップに ©PHOTOGOMEZSPORT2021

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

大容量で使い勝手がいいロングツールケースに新色カモフラ

R250の人気商品「ツールケース」に新色として、長さ260mmのスーパーロングサイズの「カモフラブラック」が追加された。スポーツサイクル用ボトルケージ(直径74mm用)に装着して持ち運ぶことができる。重量145g。2530円。

フレームの空きスペースを有効活用する

R250 ツールケース スリムスーパーロングタイプ モノトーンカモフラ/ブラックファスナー

同社比+30mm、ビットリア比ではプラス80mm(約1.5倍)の大容量。ボトルケージに取り付けたツールケースとフレームの隙間があるなら、もっと大きなツールケースが取り付け可能だというアイデアだ。

R250 ツールケース スリムスーパーロングタイプ モノトーンカモフラ/ブラックファスナー

これまでにない外寸260mmのロングサイズなので、従来モデルでは入らなかった長さ250mmまでの携帯ポンプが収納可能。仕切り板を3個標準装備。中でぐちゃぐちゃにならず、整理整頓。予備チューブ・携帯工具・炭酸ボンベ・携帯ポンプ・ワイヤー錠などをごちゃごちゃにならずに収納できる、メッシュポケットとジッパー付きメッシュカバー付き。

取り出したい工具などが奥にあっても、ツールカンのように全ての物を取り出す必要がなく、必要な物だけをサッと取り出せる。サングラス、補給食、輪行袋などの小物の収納にも便利だ。

これまでにない外寸260mmのロングサイズ(左)

ジッパーホルダーを装備しているので、走行中に取っ手部分がバタバタ暴れて、小さなイライラが蓄積されることもない。サイズは高さ260mm x 75~70mmで、上端が少し細くなっている。このちょっとの違いが、すごく効果がある。

●ワールドサイクルの詳細ページ
●R250ツールケースの他のカラー・サイズ