ツール・ド・フランスを記念した特別ホイールセット発売

アメアスポーツジャパンのMAVICは、2019年7月に106回大会を迎えるツール・ド・フランスの開幕を記念して、ステージよりインスパイアされたデザインのホイール3モデル、SPECIAL EDITION WHEELSETSを2019年6月4日(火)より発売する。

今回の大会はマイヨ・ジョーヌの誕生100年とツール・ド・フランスで5勝しているエディ・メルクスの初優勝から50年を祝う106回大会となり、2019年7月6日にメルクスの故郷ベルギーの首都ブリュッセルで開幕。大会史上前例のない、標高2000m越えの頂上ゴールが3ステージ含まれた過酷な山岳コース、この3ステージにちなんで、3つのフィールド、3種類のリム高、3つのグラフィック、3つの勝利と“3”にこだわったコレクションになっている。

3つのグラフィックが用意される

COMETE PRO CARBON

コメット。新しいUSTロードチューブレステクノロジーが特徴である最新のエアロホイールシステムにより、抵抗を最小限に抑えることで転がりを速める

◆デザインコンセプト
スプリンターより切望された、第106回ツールドフランスのステージよりインスパイア。ユニークなグラフィックのこのスペシャルエディションは2019ツール・ド・フランスのルートにおける最速ステージを記念。

COSMIC PRO CARBON

コスミック。新しい45mmリム高の形状とチューブレステクノロジーによって、このオールラウンドホイールはどのような地形でもパフォーマンスを促進

◆デザインコンセプト
第106回ツールドフランスのパンチのある起伏の厳しいステージよりインスパイア。ユニークなグラフィックのこのスペシャルエディションは2019ツール・ド・フランスが訪れた場所で最も象徴的な土地を記念。

KSYRIUM PRO CARBON

キシリウム。軽量カーボンホイールで、登りやコーナーを速く駆け抜け、同時にUSTの性能を備える

◆デザインコンセプト
第106回ツールドフランスの神話に出てくるような山岳ステージよりインスパイア。ユニークなグラフィックのこのスペシャルエディションは2019ツール・ド・フランスにおける山岳である山中の道を通るルートを記念。

●マビックの日本語ホームページ

MGCは最後の5km勝負。そこでは誰にも負けない…東京五輪を目指す神野大地

神野大地(セルソース)が、9月15日に開催される2020年東京オリンピック男女マラソン日本代表選手選考レース、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)への思いを語った。

2020東京五輪出場を目指す神野大地

「1億円よりも東京オリンピック出場。MGCで2番以内になるのが目標に。そして本当の勝負は東京オリンピックだと思っています」

MGCは東京五輪マラソン男女3枠のうち2枠を決める一発勝負のレース。2017年夏から約2年をかけて行われたMGCシリーズで、MGC出走権を獲得した男子31選手、女子12選手が出場する。残る代表枠はMGCファイナルチャレンジ派遣設定記録「男子2時間5分49秒」「女子2時間22分22秒」をクリアした最上位が内定となるが、クリアした者がいない場合はMGC2枠に入らなかった3位選手が内定する。

日本中が注目する選考レース。6月3日に都内でその出場選手発表会が行われ、現役選手として唯一、神野が出席した。

青山学院大3年生の箱根駅伝では、往路5区の山登りでこれまでの記録を塗り替えての区間新記録。同大学初の総合優勝の立役者となった。神野にはすぐさま「三代目山の神」のレッテルが貼られ、一躍注目される選手となった。

「山の神と言われるようになり、社会人になってからもマラソンに挑戦しようというときも、それがすごいプレッシャーでした。自分自身の思うような結果が出ない日々でした」(神野)

高橋尚子(左)と野口みずき(右)という五輪金メダリストにはさまれて緊張気味の神野大地

それでもMGCへの切符はなかなか遠かった。2019年3月、日本記録保持者の大迫傑さえ途中リタイアするような冷たい雨のレースとなった東京マラソンで、神野はようやく出場権をゲット。うれしい思いがゴール時の笑顔に現れていましたが、2018年5月にプロランナーとして転向してケニアに行ったりエチオピアに行ったりといろいろな挑戦をしています。

「最終的にギリギリではありましたけれど、2019年3月の東京マラソンでMGC出場権を獲得できたことは素直にほっとしました。レースに出るたびに山の神というプレッシャーがあって、それでもなんとか結果を出してきた。そういう力は他の選手に負けていないと思っている」

35km地点で10番手であっても、ボクはそこから逆転できる

MGC記者発表に登壇した野口みずきさん、神野大地、瀬古利彦プロジェクトリーダー、高橋尚子さん

MGCのコースは明治神宮外苑いちょう並木~四ツ谷~飯田橋~神田~日本橋~浅草雷門~銀座~芝公園~日本橋~二重橋前~神保町~飯田橋~四ツ谷~明治神宮外苑いちょう並木。

「2週間前にコース試走に行ったんですけれど、最後の5kmの上りが厳しいことを実感。短いけれど壁のような激坂があって、ゴールの新宮外苑までも上りが続きます。35km地点で10番手であっても、ボクはそこで逆転できると思います」

2004アテネ五輪女子マラソン金メダルの野口みずきもエールを送る。
「私自身も後半の坂に備えて、3カ月前からはしっかり勝負できる脚を作るように練習しました。3カ月前に目標・目的をしっかりと考えることが重要だと思います」と野口は秘策を伝授する。

2018年は同世代とも言える大迫傑や設楽悠太が日本記録を更新。それを評価しながらも、MGCでは両選手をマークしすぎないように心がけたいという。

「MGCに出場する選手は全員がライバルだと思っています。もちろん大迫さんや設楽さんはすごく成果を上げている。3年前の丸亀のハーフマラソンではボクが1番、大迫さんが2番、設楽さんが3番でした! そういうレースもあったんです。だからそんなに雲の上の存在というわけではないです。

大迫や設楽に勝っている日本選手はあんまりいないと、 日本陸上競技連盟強化委員会の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーも神野の走力を評価している。

日本陸上競技連盟強化委員会の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー

「大迫さんに日本人で先着をしている選手はここ数年であまりないと思います」(神野)

五輪代表最終枠を争うファイナルチャレンジのタイムが予想してたよりも厳しいものとなったことで、今回のMGCでは3番以内でも東京オリンピックに行けると神野はそれを脳裏に入れている。
「いずれにしろMGCは最後の5km勝負。自分自身しっかり結果を出したい。 2020五輪が東京に決まってから、そしてMGC開催が決まってから自分は明確な目標を掲げて継続して努力を続けてきています。いまさら新しくやるものはなく、日々の継続こそが大事だと信じています」

五輪マラソン代表選考のMGCは男子がTBS、女子がNHKで同時生中継

2020東京五輪の男女マラソン日本代表を選考するマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)は男子がTBS、女子がNHKで二局同時生中継をする。大会は9月15日の開催で、8時50分に男子が、9時10分に女子がスタートする。

MGC記者発表に登壇した野口みずきさん、神野大地、瀬古利彦プロジェクトリーダー、高橋尚子さん

史上初の二局体制による前代未聞のマラソン中継。男子マラソンを中継するTBSはMGCスペシャルキャスターとして、2000年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子を起用。女子マラソンを中継するNHKはMGC解説として、2004年アテネ五輪金メダリストの野口みずきを抜てきした。

レースにはMGC出場権を獲得した男子31選手、女子12選手が出場する。

「これまでのマラソンの選考の常識を覆すMGCの導入は、公平に透明に選考を行うため」と、6月3日に都内で開催されたMGC出場選手発表会見で日本陸上競技連盟の尾縣貢専務理事。

日本陸上競技連盟の尾縣貢専務理事
東京のマラソンコース攻略をトークする。左から瀬古利彦プロジェクトリーダー、高橋尚子さん、神野大地、野口みずきさん

「レース展開は読めません。いろんなタイプの選手がいるので」と、日本陸上競技連盟強化委員会の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー。
「MGCは一瞬たりとも目が離せませんよ。だから生中継は2つ見たいよなあ(笑)」

「ただ言えるのは誰が勝つかわからないということ。東京オリンピックで勝つために新設されたのがMGCなんだから、大会当日はだから暑くなってほしい。予想される暑さの東京五輪で勝てなければなりませんからね」

MGC記者発表に登壇した野口みずきさん、神野大地、瀬古利彦プロジェクトリーダー、高橋尚子さん

「私は東京で開催された選考レースを落ちた身ではありますが、臨場感あふれる解説をしたいです。男子と女子がほぼ同時進行で行われるので、この1日がマラソンデーになるように盛り上げていきたい」と高橋。

「選手も緊張しているけど、私もドキドキワクワクです。安定した走りの松田瑞生選手やベテランの福士加代子選手に注目」と野口。

島田遼と早川優衣がJBMXF大東建託シリーズ第2戦で優勝

早川優衣が女子チャンピオンシップを制した

2019JBMXF大東建託シリーズ第2戦が6月1日と2日、埼玉県秩父市の秩父滝沢サイクルパークで開催された。2009年に開場した秩父滝沢サイクルパークは、2019年秋の着工で国際規格の8mスタートヒル増設が予定されているなど、日本国内でも屈指のハイレベルなスキルが求められるトラックだ。 

男子は島田遼、女子は早川優衣が優勝 

男子チャンピオンシップは島田遼が優勝

開幕戦の覇者、池上泰地が前日の練習で転倒し、欠場となる波乱のなかで行われた男子チャンピオンシップ。初戦のモトから準決勝、決勝まですべてトップでゴールした島田遼が今季初優勝を挙げた。2位には秩父をホームコースとするベテランの高山一成、3位には開幕戦でも2位に入賞した深川匠が入った。 

島田遼のコメント
「転倒せず、コーナーのインだけを押さえることだけを考えて走った。練習と比べるとパフォーマンスは出ていないが、優勝という結果を出せて素直にうれしい」 

島田遼

女子チャンピオンシップは、開幕戦をUCI BMXスーパークロス・ワールドカップ出場のため欠場していた早川優衣が出場。開幕戦を制した酒井亜樹とのジュニア同士の戦いは、3ヒートの合計で争われ、すべて早川が1着でゴールし優勝した。 

早川優衣のコメント
「内容的には不本意な部分もあったが、優勝できてうれしい。次戦の全日本選手権も頑張りたい」 

早川優衣

次世代ライダーが集まるレースは坂と西村が優勝 

2020年で17歳、つまりジュニアの年齢を迎える選手たちのカテゴリーは、次世代のトップライダーが集まっているといっても過言ではなく、注目のレースだ。男子15-16歳は、坂望加(ばん もか)。女子15歳オーバーでは、西村寧々花がそれぞれ優勝した。 

坂望加が男子15-16で優勝
西村寧々花が女子オーバー15で優勝
入賞者には特製の楯が、優勝者には大東建託の公式キャラクター「だいとくん」のぬいぐるみが贈られた
坂望加が男子15-16で優勝

男子15-16結果
優勝 坂 望加(愛知県/中部BMX協会、表彰中央) 
2位 中林 凌大(埼玉県/秩父BMX協会、表彰左) 
3位 早川 敦哉(岡山県/岡山県BMX協会、表彰右) 

西村寧々花が女子オーバー15で優勝

女子15オーバー結果
優勝 西村 寧々花(大阪府/関西BMX競技連盟、表彰中央) 
2位 野村 凪沙(大阪府/関西BMX競技連盟、表彰左) 
3位 岡本 彩桜(茨城県/茨城県BMX協会、表彰右) 

男子チャンピオンシップ優勝の島田遼

男子チャンピオンシップ結果
優勝 島田 遼(広島県/広島県BMX協会/GAN TRIGGER AIC OSHU、表彰中央) 
2位 高山 一成(埼玉県 / 秩父BMX協会/モトクロスインターナショナル、表彰左) 
3位 深川 匠(埼玉県/秩父BMX協会、表彰右) 

早川優衣が女子チャンピオンシップを制した

女子チャンピオンシップ結果
優勝 早川 優衣(岡山県/岡山県BMX協会、表彰中央) 
2位 酒井 亜樹(大阪府/関西BMX競技連盟/DEUX ROUES ELITE TEAM、表彰左) 
3位 瀬古 遥加(三重県/中部BMX協会/IRC TIRE、表彰右) 

開会式に登壇し選手にエールを送る大東建託の鈴木康仁氏

モビスターのカラパスがエクアドル勢としてジロ・デ・イタリア初優勝

第102回ジロ・デ・イタリアは6月2日に23日間の日程を終え、ベローナの古代円形劇場にゴール。モビスターのリカルド・カラパスがエクアドル勢として初めての総合優勝を遂げた。南米出身選手の優勝は2014年のナイロ・キンタナ(コロンビア)に続く2度目。どちらもモビスターに所属。

ベローナのアレーナでトロフィーを掲げるカラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse

近年のジロ・デ・イタリアでは2012年のカナダ(ライダー・ヘシェダール)、2014年のコロンビア(キンタナ)、2017年のオランダ(トム・デュムラン)、2018年の英国(クリストファー・フルーム)とこれまで総合優勝していなかった国が栄冠を手中にしている。

総合2位は1分05秒遅れで、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。グランツールでのポディウム(総合成績でのトップ3)は11回目の登壇となり、フルームに並んだ。歴代最多はジャック・アンクティル(フランス)の13。それに続くのがフェリーチェ・ジモンディ(イタリア)、エディ・メルクス(ベルギー)、ベルナール・イノー(フランス)の12。

総合3位は2分30秒遅れで、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)。スロベニア選手としてグランツールで初めてポディウムに登壇した。ログリッチェのこれまでの最高位は2018ツール・ド・フランスの総合4位。

第21ステージの個人タイムトライアルを制したチャド・ハガ(サンウェブ) ©Fabio Ferrari / LaPresse

第21ステージは17kmの個人タイムトライアルで、サンウェブのチャド・ハガ(米国)がトップタイムをマーク。ハガはグランツールで初のステージ優勝で、2013年以来のプロ2勝目。

2019ジロ・デ・イタリア総合優勝のカラパスを中央に左が2位ニーバリ、右が3位ログリッチェ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ジロ・デ・イタリア総合優勝のリカルド・カラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse
エクアドル国旗がベローナのローマ遺跡でうち振られる ©Massimo Paolone / LaPresse

カラパスは第4ステージで2年連続の区間勝利を挙げると、第14ステージで独走勝利して一躍首位に。モビスターチームは当初ミケル・ランダ(スペイン)がエースだったが、第9ステージの個人タイムトライアルの成績がよくなく、カラパスとのツートップ態勢に変更した。

カラパスは山岳ステージでもモビスターチームのアシスト陣に援護されてマリアローザを死守。最終ステージの個人タイムトライアルで総合2位ニーバリに1分54秒差から同05秒差まで詰め寄られたが、山岳ステージで稼いだ貯金を利して逃げ切った。大会前半は絶好調だったログリッチェが後半に胃痛から調子を落としたこともあり、まさかの伏兵が逃げ切った。

「この勝利はここに来ている妻と2人の子どもたちと喜びたい。両親には電話をするよ。こんな栄冠を手中にできてとても誇り高い。グランツールで総合優勝するのが夢だったからね。子どものころに抱いた夢は絶対に忘れちゃいけないんだ。それは決意を込めて努力すれば現実になる」とカラパス。

「すでに4年間、欧州ロードレースに身を投じているが、夢をつかみにいかなければダメだと気づいた。第15ステージで30秒のタイムを稼いだことがすべて。ニーバリとログリッチェがけん制し合っていた隙だった。今年のジロ・デ・イタリアはそこで決まったと思う。ボクにとってこれはスタートだ。ボクたちチームはさらにその上の目標に挑んでいきたい」

2019ジロ・デ・イタリア ©LaPresse
最終日の個人タイムトライアルを走るカラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse

NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの初山翔は6時間05分56秒遅れ、最下位の142位ながら、2区間でアタックを決めるなど果敢な走りを見せ、日本勢として6人目の完走を果たした。

ガッツポーズでカラパスがゴール ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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トマ・ルバが熊野ステージ優勝…総合はアウラールが維持

第21回ツール・ド・熊野は6月1日、三重県熊野市の山岳コース109.3kmで第2ステージが開催され、キナンサイクリングチームのトマ・ルバ(フランス)がステージ優勝。総合成績ではオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)が首位を守った。

キナンのトマ・ルバが第21回ツール・ド・熊野第2ステージで優勝 ©︎Tour de Kumano 2019

ツール・ド・熊野3日目の第2ステージは、三重県熊野市で109.3kmのロードレース。「熊野山岳コース」と名付けられている通り、厳しい登りが連続する。日本最大級の棚田である「丸山千枚田」の中を縫うように登る2級山岳、曲がりくねった細い山道が続く1級山岳の札立峠、さらに丸山千枚田をもう1回登り、計3回の山越えをする。ツール・ド・熊野の最難関ステージにして、大会を象徴するステージでもある。

天候は晴れ。レースの進行と共に日差しが強くなったが、木立の中の札立峠は薄暗い道が続く。

リアルスタートが切られるとアタックが繰り返されるが、なかなか逃げが容認されない時間が続く。10名ほどの集団が先行する場面もあったが、差が30秒以上開く前にメイン集団が吸収していく。約30kmを走って1回目の丸山千枚田の登りに入ると、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が中腹から単独で先行し、山岳賞ポイントを先頭通過する。この登りでバラバラになった集団は、丸山千枚田からの下りとその後の平地区間でまとまり、40人前後の集団となる。

抜け出す動きが無いまま1級山岳に指定される札立峠の登りへ入ると、リーダージャージのアウラール擁するマトリックスパワータグと、キナンサイクリングチーム、チーム右京の攻防が始まる。

登り口からベンジャミ・プラデス(チーム右京)と山本大喜(キナンサイクリングチーム)の2人が先行。それをフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)を先頭に集団が追走し、ほどなく吸収する。その後マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)とサム・クローム(チーム右京)の2人が新たに先行。さらにクロームと入れ替わってプラデスとアウラールがガルシアと合流し、3人の先頭集団で登っていく。  

丸山千枚田を行く第21回ツール・ド・熊野第2ステージ ©︎Tour de Kumano 2019

山岳賞の頂上まで数km残したところでガルシアが加速。そのまま単独で登り続け、頂上を先頭通過する。これでガルシアは2級山岳と1級山岳を先頭通過し、山岳賞争いトップに立つ。

札立峠からの下りに入り、先行していたガルシア、プラデス、アウラールらを集団が吸収。そこからトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)がアタックして単独先行。ドリュー・モレ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム)も飛び出し、ルバを追う。

20人ほどまで絞られた集団は再びマトリックスパワータグがコントロール。先行するルバとの差が2分まで開いたところで2回目の丸山千枚田への登りに入る。頂上の山岳賞はルバが先頭通過、40秒ほど遅れてモレの順に通過して下りへ。残り10km付近、モレがルバに追いつき、先頭は2人となる。後方集団との差は1分30秒。勝負はルバとモレの2人に絞られた。

フィニッシュまで残り200mの登り、先頭で姿を現したのはルバ。追いすがるモレを確認することなく勝利を確信し、ガッツポーズを何度も繰り返した。

個人総合順位争いの後方集団は、アウラールを先頭にフィニッシュ。4秒のボーナスタイムを自ら勝ち取り、2位岡篤志(宇都宮ブリッツェン)との差をわずかに広げた。

オールイス・アウラールを擁するマトリックスパワータグがペースメーク ©︎Tour de Kumano 2019
第2ステージ優勝:トマ・ルバ コメント
札立峠の登りでチームメイトの山本大喜が遅れたので、彼を待って集団に復帰させた。その後集団内のチームメイトの力を温存させるためにアタックした。1人が追走してきたので力を使いすぎないようにセーブして最後の勝負に備えた。勝てて本当に嬉しい。チームとして個人総合優勝を狙うのはとても難しくなったけれど、トップ10ないし表彰台を確保出来れば最高だと思う。明日も今日のようにステージ優勝を狙っていきたい。