MTBクロスカントリーの沢田時は6位…アジア大会自転車競技

第18回アジア競技大会は2018年8月21日、自転車競技の最初の種目としてMTBレースが行われ、日本からは沢田時(ブリヂストンサイクリング)が男子クロスカントリーに出場し、6位でゴールした。優勝は中国の馬皓。開催場所はインドネシアのスバン。日本からクロスカントリー女子とダウンヒル競技への選手派遣はなし。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子の沢田時 ©2018 JCF

インドネシアの首都ジャカルタから激しい渋滞を抜け、MTB競技会場近くの宿舎に到着したのは16日深夜。沢田は現地入りして食事が合わずに体調を崩してしまったが、前日の20日には回復して当日を迎えた。コースは1周4.5kmのサーキットを7周する。コースはパイナップルやバナナ、レモン畑の中や、廃墟の中を通るなど普段あまり使われない環境を含むレイアウトの特設コース。ジャンプなどの縦の動きのあるセクションはないが、コースは作り立てで踏み固められていなく、やわらかい砂や竹の橋などがあり、難しくはないが記憶しないとスムーズに走れないレイアウト。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子の沢田時 ©2018 JCF

当初は8周予定だったが、前日深夜に7周回へと変更された。21日13時30分、薄曇りの中、沢田は1列目左側からスタート。スタート後200mでコースが自転車1台分まで狭くなるために、選手全員が飛び出す形でスタートが切られる中、沢田は6番目と少し出遅れた形になったが、次の登りで2番手まであがりレースは始まった。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子 ©2018 JCF

優勝候補のキリル(カザフスタン)が1人で抜け出す形で2周目に入り、6人の2位グループでレースを展開。この6人集団はイラン2選手、中国2選手、韓国、沢田というメンバーで、1位のカザフスタン選手と10〜25秒差でレースは進んだ。3周目の後半、6人の2位集団で中国、イラン、韓国の選手が落車して、2位集団は沢田、イラン、中国の3人に絞られた形に思えた。しかしここから中国2選手が一気にジャンプアップ。また沢田は下りで単独落車してしまい、5周目には1〜2位中国、3位カザフスタン、4位イラン、5〜6位沢田とイランという形に。

アジア競技大会MTBクロスカントリー男子 ©2018 JCF

5周目以降は先頭と2位との差が次第に開き、沢田もイラン選手から遅れて単独6位でファイナルラップへ。最終周もそのまま順位は変えられず6位でレースを終えた。
「今回は大切なレースでコンディションを合わせられず、本人含めチームとしてとても悔しい結果となった。今回の結果を踏まえ日々のトレーニングの励みにしていきたいと思う」と鈴木雷太コーチ。

ゴールした沢田時を迎える鈴木雷太コーチ ©2018 JCF

第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)
開催国/インドネシア
開催期間
8月20日(月)〜21日(火)=MTBクロスカントリー
8月22日(水)〜24日(金)=ロードレース
8月25日(土)=BMXレース
8月27日(月)〜31日(金)=トラックレース

第18回アジア競技大会の公式サイト
第18回アジア競技大会のフェイスブック
第18回アジア競技大会のツイッター
第18回アジア競技大会のハッシュタグ  #AsianGames2018

⚫関連ニュース

中根英登が骨折の新城幸也に代わってアジア競技大会ロード代表に

⚫最新ニュースへ

マルコ・ファヴァロさんが自転車と自動車が共存できる道路づくりをトーク

2018第4回自転車活用研究会の公開セミナーとして、イタリアのマルコ・ファヴァロさんが「日本の道路が本当に狭いのか〜イタリアの道路づくりを見ながら、自転車と自動車の共存を考える」と題したトークセミナーを開催。2018年8月29日(水)にライフクリエーションスペースOVE南青山で行われ、残席は少ないが一般参加できる。

マルコ・ファヴァロさん

「日本の道路は交通量が多く、狭い。ドライバーも安全距離を保たず自転車の前に割り込む。日本人はマナーがいいと聞きますが、ドライバーは逆? このような声をヴィンテージサイクリングイベント、エロイカ・ジャパンに参加するために、来日する多くのサイクリストから耳にします。私もそう思います」とファヴァロさん。

大都会の道路だけでなく、郊外に延びてゆく国道級の道路も幅が狭く、自動車はすれすれの距離で通り去っていく。
「イタリアと日本は似ているところが多いが、なぜ日本のほうが狭く感じるのでしょう。両国は敗戦から立ち上がり、驚くべき高度成長を遂げ、クルマを中心に国づくりが行われました。しかし、1980年代に入るとイタリアが経済の一つの柱である自動車産業に背を向けるように、街づくりをはじめ、道路づくりの方針の大転換を行い、自転車・自動車の分離、安全を考慮した道路づくりが始まりました」

最新のデータを見ながら、イタリアが進めようとしている自動車と自転車の共存を考える。

■講師:マルコ・ファヴァロ(Marco Favaro)さん
49歳、イタリア生まれ。東京都在住のスポーツジャーナリスト、テレビ解説。名古屋大学教育学部卒。イタリア外務省のサポートのもと、イタリア語やイタリア文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会東京支部や一国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや欧州プロチームの通訳も行う。日本国内でサイクリングイベントを企画

日本の道路が本当に狭いのか〜イタリアの道路づくりを見ながら、自転車と自動車の共存を考える
■2018年8月29日(水)18:30ー20:30
■ライフクリエーションスペースOVE南青山/東京都港区南青山3-4-8 KDXレジデンス南青山1F。地下鉄「外苑前」駅1a出口から、青山通りを渋谷方面へ。南青山三丁目交差点を左折し、直進。最初の信号のある交差点を右へ(角のSKI SHOP JIROが目印)。坂の途中、青山迎賓館の向かい。約600m・徒歩約8分
■自転車活用研究会会員500円(非会員1000円)
閉会後の懇親会:参加費1000円
参加申し込みは自転車活用研究会

⚫関連ニュース

ツール・ド・フランストークショーが8月31日に南青山「OVE」で開催へ

⚫最新ニュースへ

AG2Rのブエルタ・ア・エスパーニャ布陣はバルデを起用せずガロパンら

フランスのAG2Rラモンディアルが8月21日にブエルタ・ア・エスパーニャに出場する8選手を発表。トニー・ガロパン(フランス)が加わり、グランツール22回目の出場となるウベール・デュポン(フランス)が中心となる。

ブエルタ・ア・エスパーニャに出場するAG2Rの8選手

2014年にツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着用したこともあるガロパンは当初ブエルタ・ア・エスパーニャを走る予定はなかったが、7月のツール・ド・フランスで思うような走りができず、予定を修正してメンバーに加わった。

38歳のデュポンはキャリア晩年にあって、このブエルタ・ア・エスパーニャにラストチャンスをかける。ジロ・デ・イタリア出場11回、ツール・ド・フランス5回の出場経験があり、今回のブエルタ・ア・エスパーニャは6回目。総合成績のトップ20に7回も食い込んだ実績があるが、今回は難易度の高いステージでアタックを決め、ステージ制覇とともにこれまで以上の総合成績を修めたいと意気込む。

エースのロマン・バルデ(フランス)は8月23日から26日まで行われるドイツランドツアーに出場。その後はイタリアで3レースをこなし、9月30日にオーストリアで開催される世界選手権にフランス代表として臨む。

⚫関連ニュース

ツール・ド・フランスはスポーツであり冒険…表彰台を目指すバルデ

⚫最新ニュースへ

レッドブル・エアレース第5戦がロシアのカザンで8月25・26日に開催

究極の三次元モータースポーツRed Bull Air Race World Championship(レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ)2018年シーズンの第5戦が8月25・26日にロシアのカザンで開催される。第4戦のブダペストではチェコのマーティン・ションカが優勝。総合成績ではオーストラリアのマット・ホールが首位。室屋義秀(ファルケン)は5位と苦戦している。

2017年のカザン大会 © Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

カザンはロシア・タタールスタン共和国の首都で、人口は100万人を超える。ボルガ川とカザンカ川の合流地点に位置するこの都市を見守るように建っているのが、世界遺産に登録されているカザンクレムリン。カザンはロシアのスポーツの中心地としても有名で、フェンシング世界選手権や世界水泳選手権をホストした経験を持つほか、2018年ロシアワールドカップの会場にも選ばれた。

レッドブル・エアレースの開催は2シーズン連続。

チェコのマーティン・ションカ © Armin Walcher / Red Bull Content Pool
2017年のカザンをフライトする室屋義秀 © Den April/Red Bull Content Pool

⚫関連ニュース

室屋義秀は予選3位。緒戦で今季総合2位の強豪と対決…レッドブル・エアレース千葉

⚫最新ニュースへ

ルイガノの2019年モデル試乗会が9月15日に夢の島マリーナで開催

あさひ2019年モデル新製品展示発表会が販売店や専門媒体向けに開催されるが、東京会場の最終日となる9月15日には、初の試みとして一般ユーザーが参加できる試乗会を開催することになった。入場無料。

自転車販売チェーン店のあさひが取り扱うLOUIS GARNEAU(ルイガノ)、GARNEAU(ガノー)、3Tの試乗車はもとより、最新パーツの展示も実施する。

⚫関連ニュース

スゴイのサイクルアパレルがキャノンデール親会社からルイガノ社に移行

⚫最新ニュースへ

雨乞竜己がシマノ鈴鹿ロードレースクラシックで5位

国内のモータースポーツの聖地である鈴鹿サーキットが舞台となるシマノ鈴鹿ロードレースクラシックは8月19日にレースが行われ、8選手が出場したキナンサイクリングは雨乞竜己が5位に入賞。トマ・ルバ、中島康晴とともにレース中盤に形成された先頭グループに入り、優勝争いを展開。最終局面を前にライバルの先行を許す結果となったものの、入賞圏内でレースを終えている。

シマノ鈴鹿ロードで雨乞竜己が5位 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

例年8月半ばに行われるロードバイクの祭典シマノ鈴鹿ロード。2日間のイベント会期においてバラエティに富んだ約70種目のレースが行われた。その最後を飾るのがシマノ鈴鹿ロードレースクラシック。2018年から翌年に開催される全日本自転車競技選手権大会ロードレースの申込資格獲得大会として位置付けられ、国内UCIコンチネンタルチームのほかエリートアマチュアライダーなども参戦。いつもは強い日差しと、気温をはるかに超える路面温度がレースをより厳しくさせるが、2018年は気温が下がり、秋の装いを感じさせる中でのスタートとなった。

キナンは9勝を挙げたシーズン前半戦を終え、おおよそ1カ月間レース活動を休止。選手たちは休養やシーズン後半戦に向けた体調の立て直しに時間を費やした。この日は実質シーズン第2ピリオドの幕開け。トレーニングの成果や体調の確認をする機会として鈴鹿へと乗り込んだ。メンバーは雨乞、ルバ、中島のほか、今回が日本チャンピオン仕様のバイクがお披露目となった山本元喜、さらには椿大志、塚本一樹、中西健児、新城雄大をそろった。

58kmで争われるレースは、距離が短いこともあってスタート直後から激しいアタックの応酬。キナン勢もライバルチームの動きを見ながら対応し、3周目には中西が5人による逃げグループに加わり、一時は約10秒のリードを得る。しかし、これは次の周回には集団へと引き戻されてしまう。テクニカルなコーナーとアップダウンの繰り返しによって、集団の前方は出入りが続いたまま、中盤戦へと移っていく

消耗戦の様相を呈するかと見られたところ、5周目にレースは大きな局面を迎える。数人が先行を試みると、力のある選手たちが次々に反応。キナン勢も雨乞、ルバ、中島と続くと、他チームもエースクラスが合流。14人の先頭グループはそのままレースを決めても不思議ではないメンバーで構成された。

6周目にはメイン集団に対し30秒差とした先頭グループ。キナン勢3人も先頭交代のローテーションに参加し、ペースコントロールに努める。メイン集団では残る5人が待機し、次なる展開へと備えるべく好ポジションを確保。その差に変化は起きないまま、終盤へと突入した。

一時はメイン集団が20秒差にまで迫ったが、実力者をそろえた先頭グループは動じない。最終周回の鐘を聞くころには再び30秒差とし、逃げ切りは濃厚な情勢に。やがて優勝争いを意識した走りへと移っていった先頭グループでは、上りを利用してルバがアタック。しかし、頂上までの距離が短かったこともあり、他選手のチェックを許してしまう。その後も細かなペースの上げ下げが起こり、コーナーをクリアするたびに14人が中切れと合流を繰り返す。

キナン勢としてはエーススプリンターの雨乞で勝負をかけるべく、ルバと中島が引き上げ役を担ったが、残り2kmで宇都宮ブリッツェンの岡篤志のアタックを許すこととなり、最後まで追い上げは届かず。フィニッシュ前400mの直線は独走態勢を維持した岡に対し、後続は2位争いのスプリント。ここに雨乞が加わり、入賞圏内となる5位でフィニッシュラインを通過した。

雨乞のフィニッシュ後、ルバ、中島と続き、メイン集団に待機した選手たちもトラブルなくレースを完了。結果的に雨乞の5位が最上位で、チームとしてタイトル獲得には至らなかったものの、まずは無難に第2ピリオドのスタートを切った格好に。選手それぞれに状態のよさやレーススピードでの走りの感覚を取り戻すなど、収穫を得た様子。また、連携面でもレース後に選手間で意見を交換し、動きの確認を行った。今回得た収穫と課題を把握し、ビッグレースが控えるこの先へとつなげていく。

この日はレース以外にも、午前と午後にはウィーラースクール(自転車交通安全教室)の講師を選手たちが務めたほか、バイクサプライヤーのYONEXブースでのサイン会を行うなど、イベント参加者との交流を楽しんだ。キナンのサプライヤー企業はYONEXのほか、Champion System Japan、カワシマサイクルサプライ(fi’zi:k、FULCRUM)、カンパニョーロジャパン、ウィンクレル(NORTHWAVE)がブース出展。選手・スタッフが訪問し、日ごろの感謝を伝えるとともに、今後の活躍を誓った。

シマノ鈴鹿ロードレースクラシック(58.07km)結果
1 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 1時間14分26秒
2 岡本隼(愛三工業レーシングチーム) +2秒
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4 畑中勇介(チームUKYO)
5 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)
6 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
11 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +13秒
19 中島康晴(KINAN Cycling Team) +30秒
31 塚本一樹(KINAN Cycling Team)
60 中西健児(KINAN Cycling Team) +38秒
61 新城雄大(KINAN Cycling Team)
71 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1分2秒
91 椿大志(KINAN Cycling Team) +3分57秒

雨乞竜己のコメント

雨乞竜己

自分が狙うべきレースだと思っていたし、実際にそのつもりで走っていた。去年は逃げを行かせてしまって失敗していたので、今年は集団前方に位置して走ることを心がけていた。先頭グループにはよいタイミングで入ることができたと思う。6月のレース(JBCF 西日本ロードクラシック広島大会)で落車して以降、状態を立て直すことができずにきてしまったが、今回は想定以上に走ることができた。とはいえ、今回はきっちりチームで連携して勝たなくてはいけなかった。展開的にはよかったが、正直なところ走りに余裕がなかった点が敗因。順位としては最低限のものとなったが、レース内容は悪くなかったし、トレーニングを積んで調子をさらに上げていきたい。

⚫関連ニュース

雨乞竜己が区間5位と手応えつかむ好スプリント…ツール・ド・コリア最終ステージ

⚫最新ニュースへ