ファンアールトがアラフィリップ撃破…ミラノ〜サンレモ

第111回ミラノ〜サンレモが8月8日にイタリアで開催され、ユンボ・ビズマのワウト・ファンアールト(ベルギー)がドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)を制して、モニュメントと呼ばれる伝統レースで初優勝した。

ワウト・ファンアールト(右)がジュリアン・アラフィリップを制した ©Gian Mattia D’Alberto – LaPress

「春を告げるレース」として親しまれる大会は新型コロナウイルス感染拡大により延期されていた。距離305kmで争われた戦いはゴール手前にあるポッジオの丘陵で抜け出したアラフィリップをファンアールトが追いかけ、最後のゴールスプリントでバンアールトが勝った。

大集団は2秒遅れでゴールし、サンウェブのマイケル・マシューズ(オーストラリア)が先頭で3位になった。

ベルギー勢の優勝は21回目。1999年のアンドレイ・チミル以来となり、21世紀になって初めて。

いつもの春ではなく8月に開催されたミラノ〜サンレモ ©LaPresse – Fabio Ferrari

「ポッジオの上りで前を追ったときは本当に大変だった。でも後ろからだれもついてきていなかったし、ゴール前の平たん路になる前の下りでアラフィリップに追いつけたのが勝因だったと思う」とファンアールト。

第111回ミラノ〜サンレモ ©LaPresse – Fabio Ferrari
下り坂を飛ばすジュリアン・アラフィリップ ©LaPresse – Fabio Ferrari
ワウト・ファンアールトが逃げるアラフィリップを追う ©LaPresse – Fabio Ferrari
ワウト・ファンアールト(左)とジュリアン・アラフィリップの一騎打ち ©Getty Images/LaPresse

「アラフィリップも限界なんだと信じて最後のスプリントに挑んだ。ボクはベルギー人なのでツール・デ・フランドルやパリ〜ルーベに勝つことが最大の目標だけど、初めてのモニュメント勝利はキャリアの中で忘れられない記憶になる」

優勝のワウト・ファンアールト(右)と2位ジュリアン・アラフィリップ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
距離305kmを走るミラノ〜サンレモ ©LaPresse – Fabio Ferrari

●ミラノ〜サンレモのホームページ

汗だくで出社して嫌われない…自転車通勤役立ちアイテム

国土交通省が「自転車通勤推進企業」を認定するプロジェクトを開始するなど、自転車を通勤に使うことが推奨されている。ただし夏場に汗だくで出社したら間違いなく嫌われる。そこで快適な通勤ライドをサポートしてくれるクールな商品を紹介。パーツやアクセサリーなどを通販するワールドサイクルの岩田康裕さんが選んでくれた。

国土交通省も自転車通勤を全面的に推奨

企業活動における自転車通勤や業務利用を拡大するため、「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトを国土交通省が創設した。自転車通勤を積極的に推進する会社の取り組みを広く発信することが目的のひとつで、「密」にならない通勤手段としても注目されている。

このプロジェクトは自転車通勤を導入する企業・団体を自転車活用推進本部長(国土交通大臣)が認定し、自転車通勤のメリットを多くの人に知ってもらおうという取り組み。ひとつの会社だけでなく、事業所単位でも申請可能だ。内容は、認定要件を満たす企業・団体を「宣言企業」として発表し、その中でも特に優れた企業・団体を「優良企業」として認定する。

当初は5月に初回の「宣言企業」認定を行い、企業名を自転車活用推進官民連携協議会ホームページで紹介する計画だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大により認定時期を延期。今年度末には初回の「優良企業」を認定し、本部長による表彰を行いたいという。宣言企業は随時募集、優良企業は毎年1回認定していく計画のようだ。

ポイントは汗対策とストレスフリーなアイテム

休日サイクリングとは異なり、仕事をしに行くために自転車をこぐのだから、会社到着後に汗だくになったり疲れてしまうのは意味がない。そのため吸汗速乾性のある下着、お尻の痛くならないパッド付きパンツなどが便利。氷を入れて冷やした水を飲むとリフレッシュするので、注意力が散漫にならず安全走行をサポートしてくれる。


バックパックパッド

R250のバックパックパッド。愛用しているリュックに装着すると背中のムレを軽減してくれる。1711円。以下価格はすべて税込み、ワールドサイクルで扱われている通販商品。

パッド付きインナーパンツ

カペルミュールのメッシュインナーパンツ・レギュラーパッド付き。通勤ズボンやスカートの中に着用。吸汗速乾のメッシュ素材を採用し、ムレを軽減。写真の女性用は6270円、男性用は5280円。

保冷ボトル

サーモスの真空断熱ケータイマグ(保冷・保温=3762円)と真空断熱ストローボトル(保冷のみ=2772円)。氷を入れた冷たい水を途中で飲むと気分が落ち着く。

フルフィンガーグローブ

レリックのアルカイド・フルフィンガーグローブ。指先だけが日焼けするのを防ぐUVカット素材。タッチパネル対応。5390円。

室内スタンド

ミノウラのウッドスタンド。車輪差し込みタイプのオシャレなスタンド。オフィスに自転車を持ち込んでも迷惑をかけない配慮として。5643円。

冷感インナー

フリーズテック。生地裏の特殊な冷感プリントが汗を吸収すると、その吸熱特性により繊維の温度が下がり涼しさを感じることができる。写真の長袖シャツ(8580円)のほか半袖(5720円)やアームカバー(4180円)も。

ペダル兼用ロック

エクスペドのペダル。ペダル自体がカギとなっているため、カギを忘れても安心。8228円。

マスク代わりのネックゲイター

阪神タイガースのネックゲイター(2530円)。コンビニに立ち寄るときはマスク代わりになる。人気キャラ「柴田さん」柄も同価格。

●ワールドサイクルのホームページ

方向と距離を示すだけのコンパス型ナビゲーターBeeline Velo

専用アプリに接続・設定すれば目的地までの方向と距離を示すというミニマルデザインの電子コンパス、BeeLine Velo(ビーラインヴェロ )。自転車のハンドル部分に取りつければ、いちいち停車してスマートフォンで方向を確認する手間が省ける。目的地を未設定の場合には、速度と水平度を計測することができる。

非常にコンパクトなデザインで取り付け・持ち運びの際も邪魔にならず、 またマイクロUSBで充電が可。防水仕様で夜間用のバックライトも搭載しています。

商品の特徴

  • 専用アプリに接続で目的地までの距離と方向をお知らせ
  • どんな自転車にもフィット
  • 防水仕様&夜間用バックライトを搭載

走りながら「道を評価する」ロードレーティング機能が新たに追加となった。サイクリング中、走行している道を楽しめている際や似たような道を走りたいと思った時には、本体右側をプッシュするとプラス評価をすることができる。逆にそうでない場合には左側をプッシュすることでマイナス評価となる。

走行区間の直前や直後でもレーティングはきちんと反映されるため、交通量が多い道路など危険と思われる場所では停車せず、安全な場所で操作を行える。ロードレーティング機能により集められた情報は、今後のさらなる新サービスの提供に向け使用されるという。

現在、 BeeLine Veloをクラウドファンディングサービス「Kibidango」のHP内ショッピングページで販売中。価格は2万350円(税・送料込み)。

●商品の詳細ホームページ

フィットネスバイクもいよいよバーチャルライドアプリ対応

さまざまなバーチャルトレーニングアプリに対応した多機能センサー内蔵の次世代フィットネスバイク『HITFIT Bike(ヒットフィットバイク)』がクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でプロジェクト公開され、わずか1時間で目標金額を達成した。取り扱いは、最新テクノロジーをスタイリッシュで高品質なプロダクトとして企画・販売するエッジニティ。

新型コロナウイルスの影響もあり、運動不足な現代人の悩みの解決策として、昨今「おうちトレーニング」に注目が集まっている。季節や天候に左右されずいつでも気軽に取り組めるなどのメリットが多数ある一方で、なかなか続けられないという声をよく聞く。

エッジニティでは、有名バーチャルサイクリングアプリに完全対応した多機能センサー内蔵のバーチャルライド用・次世代フィットネスマシン「HITFIT Bike」を開発。家に居ながら、坂の勾配や空気抵抗など細かい環境が負荷に反映されたリアルな走行と、現実にも存在するリアルなバーチャル映像などにより、まるで海外のコースを走行しているような体験が簡単に実現する。

ハンドルとサドルの高さ、前後のポジションは調節可能

さらに、世界中の参加者との競争や仲間と切磋琢磨することで、飽きることなくゲーム感覚で運動を楽しむことを可能にした。 

坂道など勾配をリアルに再現する自動負荷機能搭載

■主な特長
・さまざまなバーチャルトレーニングアプリに対応した多機能センサー内蔵
・坂道など勾配をリアルに再現する自動負荷機能搭載
・電磁負荷方式採用により30dB以下の非常に優れた静音性
・ハンドルの高さとサドルの高さおよび前後のポジション調節可能
・ラクラク移動のキャスター付き

ラクラク移動のキャスター付き

●商品の詳細ホームページ

全周囲360°&リアカメラドライブレコーダー marumie Q-30R

全周囲360°&リアカメラドライブレコーダー、marumie(マルミエ)Q-30Rがユピテルから2020年8月に新発売された。360度と後方を記録する安心感あふれるカメラをお手頃価格でリリースしたことが特徴。あおり運転、強引な割り込み、車上荒らし、当て逃げ対策に。

marumie Q-30Rフロントの液晶モニター

従来品では死角になる両サイドや車内など全周囲の状況をとらえる。さらに、リアカメラで後方の状況もしっかり記録する。

パソコン専用ビューアソフトで映像・情報を確認することも簡単。パソコン用のビューアソフト(無料)で、映像表示の切り替えや動かすことができる。また、位置情報や走行軌跡も確認できる。

SDカード フォーマット不要というのもうれしい。従来は上書き(記録・削除)の繰り返しで断片化が 起き、書き込みエラーが発生。そのため定期的なフォーマットが必要だった。marumie Q-30Rは独自のファイルシステムを採用。断片化が起きないので面倒なフォーマットは不要だという。

marumie Q-30Rのフロント機材
marumie Q-30Rフロント側の取り付け

オプションで駐車監視機能も

当て逃げや車上荒らしなど駐車中のトラブルも記録。シチュエーションによって録画方式をタイムラプスか動体検知モードを選べる。車内も記録できるので、駐車中のセキュリティ強化になる。

■「交通事故時ドライブレコーダー買替補償金制度」対象製品
■タイムズクラブロードサービス「カーレスキュー」1年間無料
■角度調整の自由度が高いのであらゆる車両に適応。

marumie Q-30Rリアカメラ
marumie Q-30Rリア側の取り付け

●ユピテルのホームページ
●問い合わせ先=お客様ご相談センター0120-998-036

ユピテル marumie Q-30R JAN 4968543713244

価格:48,400円
(2020/9/22 15:55時点)
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バンムーフ…いま最も注目されているスマートバイクの実力

オランダのアムステルダムにある新進気鋭のバイクブランド、バンムーフ。シンプルでエコな都心部移動用自転車なのだが、世界初の盗難ガードシステムを採用し、アプリ施錠の自転車を盗まれたら同社のバイクハンターが2週間以内に見つけてくれる。できなかったら新品提供という絶対的自信。いま最も注目されているバイクブランドだ。

オフィスを兼ねたアムステルダムのショールーム

スマートでも無骨…オランダ本社でバンムーフを試乗

自転車王国であるオランダは、同時に「ダッチデザイン」と呼ばれる斬新な工業デザインで注目される。だから庶民の足である通勤用自転車もシンプルな外観の中に求められる機能を詰め込んだスタイルが流行している。アムステルダム中心地に近い一角にショールームを持つバンムーフは、なかでも実用性とデザインを融合させたものづくりで人気急上昇だ。

オランダではいくつかのモデルが発売されている

一見するとシンプルなデザイン性のみにこだわった通勤用バイクのようだが、都市生活の中で自転車に求められる機能が凝縮されている。独特の表面処理をしたアルミ合金フレームは風雨にさらされがちなオランダの気候を考慮。さびにくく摩耗しにくい設計が随所に採用される。サドルも防水素材だ。

毎日乗る自転車だけに整備をそれほど必要としない機構もここでは重要だ。チェーン、ブレーキケーブルなどは内蔵され、壊れにくい構造の内装変速機が採用されている。太くて重いチェーン錠はフレーム内部に収納できる仕組みだ。

オランダのアムステルダムにあるショールーム

最大の特徴は前後ライト。フレームの上部に位置するトップチューブには前後にLEDライトが搭載され、車輪の回転によって発電するハブダイナモから供給された電力で半永久的に夜道を照らす。残業したら暗くなるのはあたりまえで、夜間の被視認性を高めて安全走行をサポートする。

そしてeバイクというカテゴリーとなる電動モデルに関しては、フレームにスッキリと内蔵されたバッテリーからLEDライトの電力が供給されるので、シンプルかつ脚に余計な負担をかけない設計だ。

電動モデルのElectrified Sはオランダ人のように長身の人が乗るのに適している
アプリをインストールしたスマホで施錠・解錠をする

盗難されたらバイクハンター出動。衛星補足で探し出す

通勤用自転車につきものの盗難対策も講じられている。内蔵キーレスロック機構を採用し、施錠と解錠はスマホのアプリで指令する。それでもだれかが持ち去ってしまったら、24時間対応のコールセンターに連絡すればいい。フレームに埋め込まれたSIMカードからの発信を衛星で補足。ある程度の位置を特定し、現場に近づいたらBluetoothで細かく探索する。

無骨なチェーンもフレーム内蔵。これは旧モデルで現行車はスマホロックになった

こうして同社のバイクハンターが2週間以内に取り戻してくれるという。見つからなかった場合は新車が提供されるのだという。保障は2年で、追加料金を払えば継続保障も可能。アムステルダム市内で盗難バイクを取り戻せるのは10〜15%だが、同社では60%の確率で取り戻せるという。

欧州モデルはスマホのアプリをかざして施錠・解錠したが、ニューモデルは手のひらをかざすだけでそれができるという。

完璧なシティバイクを作るというビジョンを掲げたカーリエ兄弟の兄タコさん

「せっかく自転車を購入するならいいものを。とても大事なものが盗まれてしまったのなら私たちの会社がバックアップします」とティーズさん。

「おかげでバンムーフの自転車は手を出すなと、オランダの自転車泥棒の間では常識になっている」と自信満々。

カーリエ兄弟の弟ティーズさん

東京人のためにチューンされたモデルもリリース

実際に最新モデルに乗ってみた。耐久性を確保するために頑強な構造で、しかも重量としてはデメリットのある内装変速機、極太のワイヤ錠などを搭載するため日本のママチャリよりもかなり重い。しかし平たん路ばかりのオランダではこれで十分であり、メンテナンスフリーのほうが喜ばれるのだ。タイヤは太めだが、石畳の多い市街地ではこちらのほうが快適に思える。多段変速や電動アシスト自転車もあり、用途に応じて選択できるのも魅力。

バンムーフは2009年、オランダのアムステルダムに設立された。創設者のカーリエ兄弟が自転車に得意とするIT技術を導入し、都市型モデルを作り上げた。スマートバイクとはそんな最新技術を取り入れた自転車の総称だ。

電動モデルのElectrified X

日本に直営店も進出し、輸入せずとも購入できるようになったのもうれしい。東京仕様にチューンされたモデルもリリースされた。

「東京はテクノロジーの大都会。ボクたちの自転車も技術を売りにしているから、東京の自転車ライフに革命をもたらせたいという意気込みがある」と弟のティーズさん。

「満員電車を使わずに、道路の渋滞も気にせず、通勤するのが楽しくなるような設計」を心がけた。小柄な日本人だからと各部をただコンパクトにしただけではないという。

Electrified Xはフロントキャリアなどのアクセサリーもオプションで装備できる

デザインの美しさは妥協したくない(カーリエ兄弟)

バンムーフのeバイク最大の特徴はパワーブーストと呼ばれる電動アシスト方式だ。これは日本で販売されている他社モデルとはちょっと違う。

ハンドル部分にあるブーストボタンを押すと、ターボチャージャーのように加速するのだ。そのうえで日本の道路交通法をクリアするために改良されていた。ペダルをこがないとモーターが駆動しないし、最高時速を24kmに制限している。そういった基準を逸脱してしまうと電動自転車となり、運転免許証やヘルメット着用などの制限が生じてくるのだ。バッテリーは1充電で最大120kmの距離を走れる。

前後ライトは内蔵されたバッテリーを電源として照射される

ハンドル幅や前後輪の間隔もコンパクト化され、取り回しがいいので路地や混雑もこなせそうだ。さらにキーレスロック、盗難防止機能などすべてフレーム内にスッキリ完全収納した。

「アムステルダムでは市民の63%が自転車に乗るから、インフラも整備されている。東京も今後は同じ道を進むはず」とオランダ大使館も分析し、自国のスマートバイクを全面的に支援する。

バンムーフ製のレインポンチョがかわいい

●バンムーフの日本語ホームページ