レッドブル・エアレースワールドチャンピオンシップが2018年の開幕戦をUAEのアブダビで迎え、2月3日の決勝で2017年の総合優勝者である日本の室屋義秀(Team FALKEN)が2位になった。室屋は前日の予選で3位と好位置につけていた。優勝は予選2位だった米国のマイケル・グリアン。2009年のブダペスト大会以来となる通算2勝目。3位はチェコのマルティン・ソンカ。
レース後の会見で室屋は、「実は自身初の2位です。自分のトロフィーコレクションに新しく加えることができてうれしい」と、新シーズンをいい形でスタートした喜びをコメントした。
新シーズンの開幕をアブダビの地で迎えるのは今回で11回目だが、室屋はこれまでアブダビで表彰台に立ったことがなく、逆に不調に終わることが多い会場だった。2009年にレッドブル・エアレース初参戦した際の最初の公式戦がアブダビ大会で、大会後に「最初はおっかなびっくりだったが、最後はコースが見えるようになった」コメントした通り、まずはレースに慣れることが先決と15人中、13位で終了。ちなみにそのときの14位はマイケル・グリアンだった。
続く2010年はフライト直前に風が吹く方向が変わり、接触が想定されると注意したものの操縦が甘くなり、エアゲートに接触。タイムを失って10位に。3年間の中断を経て再開した2014年大会では、パイロンヒット、オーバーGなどのペナルティはなかったが、その年から導入された1対1の対戦方式により Top12(現在のラウンドオブ14)で、2008年のワールドチャンピオンで、中断前の2009年、2010年にポール・ボノムと総合優勝争いを繰り広げたハンネス・アルヒに敗れて9位に終わった。
2015年ごろになると、新型機のEdge 540 V3が次々と投入される中、スピードで劣るV2でありながら、風を読む力や繊細な操縦テクニックでコンディションが荒れたレースで上位に食い込むようになった。またレースアナリストのベンジャミン・フリーラブもチームに加わり、風が変わりやすい開幕戦を当時の室屋にとって好成績の6位でゴール。年々アブダビ大会での順位を上げた。
新型機のV3も投入したことでさらに上の順位が期待された2016年のアブダビ大会では、V3でスピードを得たことが裏目に出てしまい、この年はオーバーGで失格となり8位に沈んでいた。
いよいよ開幕した2018シーズン。総合成績ではグリアンが15点を獲得して、初めての首位に。2年連続の総合優勝を目指す室屋は12点で、パイロット14人のうち2位につけた。次戦は4月21〜22日にフランスのカンヌで開催される。シリーズは全8戦で、第5戦と第8戦がアジアで開催されることが予定されているが、日本の千葉大会が継続開催されるかは未定。
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